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Last-modified: 2017-09-27 (水) 01:38:45

・作中現実のものと違うところがありますがフィクションとして見てください
・キャラの口調と性格が異なる(改変もしくは崩壊)してるところも
・またオリキャラが登場しますが注意をお願いします
・一部物理無視の描写が有るため此方も注意を
・作中の時期は夏です(重要?)
以上の内容が苦手の方はスルーをお願いします

 
 

3日目の夜、彼らは大急ぎでサーキットを後にした後近くのホテルで休みを取り始めた
3日間行われたサーキットでの合宿、メンバーは監督の部屋に集まり
4日目以降でのスケジュールの確認・大会への作戦を行う
フリー走行に予選のタイムアタック、土曜日に行われる250クラスの決勝、日曜日に行われるメインの600・1000クラスの決勝
それぞれのライダーは走りやペース配分を確認し、スタッフはマシンのパーツの担当並びにピット時の立ち位置を確認する
メンバーがいろいろと意見を出し合いながらロイもまた彼らの作戦へのディベートを交わしてゆく
1時間のチームのミーティングは終了し、メンバーはばらばらに就寝まで過ごそうとする
翌日までに英気を養おうとするのもいれば、明日に向けての準備も行おうとしてるのもいる
そんな中ロイは一人だけホテルを出て夜の街を歩いてゆく
街へ来て家族や兄姉の嫁婿たちのお土産を買いに行くのを忘れなかった
事前に監督達に報告をしていき、遅くならないようにと忠告を受けてゆく
外へ出ればロイは我が目を見張っていく
紋章町以上否大なりの街の明かりが目に焼きついていく
移動中や任天都の遠征でもその輝きが凄まじく感じが間近で見る機会がなかった
あらためてイルミネーションの眩き光に目を細めも見とれながら歩いてゆく
今の期間、
(間近で見ると凄いよ、中央区以上明かりの強さだ
オフィス街のグランベル区でもこれ以上に無い明るさだよ)
休日レースなどで都から町へ帰るときロイはグランベルや中央区を通るが
目じゃないくらいの明かりに歓心を示していく

 

ホテル近くのデパート、お土産屋に入り注文の品や予算が書かれたメモに目を通しながら
一品一品選りすぐり睨めっこしてゆく
(えぇとミカヤ姉さんが梅干で、シグルド兄さんがマイ箸、アイク兄さんがお肉に・・・
 それからっと、全く紋章町でも買える物品ばっかりじゃない。わざわざ都で買いに
 行かなくていいものばかりを・・・、ってそうか特産品か。
 通販で発注してもいいのにわざわざ僕を使わずとも・・・)
文句を述べながらロイはそれでも彼らの注文を受けて買いに行こうとしてゆく
あらかた買い終えレジに行こうとすると、カウンターにさまざまな色が施された
ペンダントが置いてあった、よく見るとかつて親しかった彼女達の色によく似たものだ
(ペンダントか・・・どうしようか、買っていこうかな?
 でももうみんな僕のことに関心なんて無いだろうな・・・)
彼女達へのプレゼントを買おうとするが、自分からのを受け取らないだろうと
かつて自分が仕出かした行為を自嘲しながらも買うか否かと悩んでゆく
(・・・よし、やっぱり買おう。
 せめてものプレゼントを彼女達にあげよう)
そう思いロイは8個のペンダントを購入する
リリーナにはラピスラズリ、シャニーにはアクアマリン、スーにはジェダイト
ララムにはアンバー、セシリアにはエメラルド、ソフィーヤにはアメジスト
キャスにはサンストーン、ギネヴィアにはシトリンと
彼女の髪もしくは服に合わせて選んでゆく
会計を済ませるロイは後悔をしていた
購入した品を送るための送料が馬鹿にならなかった、あまりの出来事にロイは自費を余儀なくされた
(最悪だよ、思いっきり予算オーバーだよ、どうして送料も貰わなかったのだろう
 もうこうなったらふんだくろうかな。兄さん姉さん達に)
会計を済ませたロイは輸送と領収書を店員にお願いする、無論速達プラス消費税込みだ
そして後に気づいたのだ着払いにしとけばよかったと

 

買い物を済ませレジを後にすると、目の前に客がいることに気づかずぶつかった
「痛っ・・・すいません大丈夫です・・・か・・・」
ぶつかったことを謝罪するロイは顔を上げると、そこには会いたくなかった人と出会ってしまった
「おっとわりぃわり・・・ぃ、ってこれはこれはよく見ると
 負け犬デニムの腰巾着一号さんじゃありませんか」
「・・・オズ・・・」
デニムの仇敵の存在でありロイの会いたくない相手、オズであった
しかも開幕一声にデニムを負け犬呼ばわりしていた
ロイは聞こえないように小声で彼を呼び捨てし顔を見ると周りには彼の取り巻きかつ、デニムの元スクールメイトも一緒であった
合宿時に挑発した連中がデニムの元スクールメイトであったことは本人から伺った
そんな彼らを見るとニヤケ面がをしてるのがはっきりと写った
どうやら自分を含めデニムを中心にチームをあざ笑ってることを理解してゆく
「一ヶ月泣き付かれるたのかと思ってたけど違ったみたいだな
 まぁデニムやイーライたちのメンバーはすっごくベソ掻いてたみたい聞いてるが
 たかが予選で泣くか普通」
ロイは彼らの挑発には気にも留めないがデニムをはじめチームのことに対してとなると
話が違ってくる
彼らの言葉はデニムらの侮辱そのものであった
ロイは彼らに対し怒りを示すが、ここで堪忍袋を切らしてはチームに悪影響を及ぼしかねないため表に出さないよう堪えていく
「必死ですよ今大会の決勝出るためにも、チーム一丸となって行くにもね
 それから明日早くなりそうですのでこの辺で」
挑発をスルーするように話しこの場を後にしようとする、しかし彼らはそれを畳み掛けるように更なる挑発をぶちまけた
「あ、そうそうデニムにあったら言ってくれ『負け犬はリタイアに甘んじてろ』ってな」
あまりにも惨い挑発にロイは奥歯をかみ締めながらホテルへ帰ってゆく
最悪だ、ロイはデニムへの挑発がとても許しがたいものだ
最早彼らの挑発はロイに義憤を覚えさせていき、彼らの挑発はレースで必ず見返してやるとロイは、心に誓った

 

4日目の早朝
決勝本選ではないにもかかわらず早朝から観客がギャラリースポットへ、チームのトレーラー等が
今大会のステージに集い行く
家族連れをはじめモータースポーツファン並びに別の世界で戦っていくアスリート達ならびに有名人が観客として所狭しとギャラリーに埋め尽くされてる
またチームのピットエリアにも数多のスタッフやオフィシャルが、ライダーがレースに向けての準備をしている
4日目は午前にフリー走行、午後に250ccの予選が始まる
ロイは午前のフリー走行を一番手で走ると立候補し、準備体操を終えマシンにまたがってゆく
合宿と一緒に走ってきたロイとデニムのマシンだ
(またよろしく頼むよ相棒)
マシンを優しくなでピットレーン出口に向かう、出口には順番待ちのライダーたちが数多ロイは5分後のスタートに入りコースへ駆け抜けていった
市街地コースを始めて走る、むしろ本物のプロフェッショナルの相手するのは今大会が始めてであるロイはまずは80%でコースを3週してゆく
コースは四車線のところもあれば二、三車線のところもあるまたセーフティゾーンが0に近く、
コントロールミスやオーバースピードになれば壁に激突することは間違いなしだ
ロイは誤って激突しかつマシンを台無しにしないように恐怖を感じながらもスピードを出してゆく
(市街地コースはスリルは今までにないものだがそれ故にリスクも大きい
 安全地帯がない以上慎重に走っていこう)

 

「ロイ・・・初めての市街地コースだから合宿のときより抑え目に走っているな」
「そんなものだろ、あいつにとってこの大会はいわば門入り
 ほんとの勝負の入り口にいるところさ」
ピットエリアにデニムとイーライはロイの走りを観察していく
ほかのチームよりコンマ数秒遅れているが、好調にタイムを出してゆく
それでもロイの走りにはまだスキがあるためイーライが指示を出し走りを的確にさせてゆく
35分程走りつづけピットに戻るロイはマシンを降りデニムと交代してゆく
ロイは自分の走りを確認するためにスタッフから走行ラインやセクタータイムのデータ
自分のと現在速いライダーのデータを出すようお願いした
もらったデータを確認すると自分のと現在速い尚且つそのセクションごとに速いところを見ると
幾分か自分の遅さが目立っているのがわかった
だがロイの目に落胆はない、むしろより速く走るためにライバルチームの走りを脳内でイメージし自分の走りとどこが違うか照らし合わせてゆく
(まだ他のチームとのタイムに差があるな、フリーとはいえもしこれが決勝だったら差がつけられてるは明らかだ
 その走りもコピーできないが、とにかく今は自分の走りを見直そう)
「ロイ君、デニムがアタックを始めるよ見てきたらどう?」
「・・・あ、はいわかりました。」
スタッフがデニムのアタックを知らせるとロイはモニタに目を移しデニムの走りを見てゆく
その走りにロイは自分との違いを確認してゆく
パートナーでありライバルでもある彼の存在を

 

(ロイのやつ、慣れてないとはいえ速いタイムを出しているな
 だけどな・・・俺も意地って言うものがあるのさ、今見せてやるぜ)
交代後デニムはロイの走りをモニタ越しで見たせいもあってか
最初の5周は70%で駆け抜けてゆきその後、全開より95%のペースで走っていく
コースのラインを把握するのに5周費やしたがその分ロイの描いたラインをよりうまい走りで
より速いタイムを出してゆく
さまざまなレースで走り慣れてるためものもあってかものの数分で2.5秒縮めてゆく
ロイは全開の80%でのタイムであるが仮に100%で走っていればデニムとの僅差になってるのかもしれない
そう思うとデニムはますますロイのセンスに笑うしかなかった
自分より強いやつが現れかつ背中を預けれる存在がいたことが徐々に彼は心を開いていき
彼を信頼してゆくようになる
デニムが安堵しているのもつかの間
周回を重ねてゆくうちに背後よりスピードを上げてこちらに来るのを確認する
(・・・後方より速いマシン、1000クラスの・・・オズのチームのか!)
デニムにとっては最悪の展開が待ち構えていた、これからというときにオズのチームのカラーリングが見えたのだ
もしかして何かをしでかすのではないかとデニムは後方のマシンに注視をしてゆく
スタッフやロイは彼がもしや挑発に乗ってゆくのではないかと固唾を呑み行く
後方のマシンがデニムを追い抜きそのまま走り去るかと思いきや、
マシンはデニムの前にスリップストリームにつかせる形で走り始めた
(オズの1000のライダーが俺の前を!?
 これは監督の指示かそれともあいつの・・・、おちつけデニム、あれは挑発のようなものだ
 あれに乗っかったらいけない・・・乗ったらやつらの思う壺だ)
この行為にデニムは苛立ちを示すが、心を落ち着かせようと彼らの行動に乗りながらも
自分のペースを崩さず走ってゆく
ストレートで抜こうとするとエンドで被せるように
途中ブラインドの役割を果たしてるマシンに怒りを示したものの
それでも熱くならずに走りぬいていく

 

午前のフリー走行が終了し、午後の250ccクラスの予選が始まる
ロイとデニムは昼食へ近くの食堂にとり始めてゆく
「ところでロイ、予選だがお前一番手に行く?それとも俺が一番手に走ろうか?」
「そうですね予選のタイムアタックは少ししかない上にノックアウト形式ですから
 ううん、僕が一番手走りますよ。もし結果が振るわなかったら・・・」
「そのときはお前決勝一番手な」
「あははははは・・・努力します」
二人は食事をとりながらコースの攻略並びに予選・決勝を走る作戦を立ててゆく
終わった後は監督達に報告し、いろいろと議論を交わそうとする予定だ
二人の立てた作戦でもし失敗したらその責任を取れといわれたロイは苦笑し
そうならないように答えた上でその時のことも頭に入れて考えていた
「さてソロソロ戻るか・・・予選も始まるころだし」
「じゃお会計僕が済ませておきますので、お先どうぞ」
食事を済ませたデニムは先に戻ろうとしロイは後から戻ろうとする
会場に着き急ぎチームのところへ戻ろうとする
しかしデニムはまたしても最悪な事態に出くわしたのだ
「よう負け犬君」
「・・・デニム」
仇敵であるオズとその取り巻きだ
相も変わらずデニムに挑発をこめた笑みが目に映っており不快にさせてゆく
その取り巻きもニヤケ面でおりデニムに不快感を与えてゆく
「決勝・・・『楽しみにしてるぜ』」
彼を煽りながら言う言葉にデニムは挑発に乗ると考えたオズ
しかし
「あぁ・・・『楽しみにしてるよ』、オズ」
デニムから返された言葉は予想を裏切り皮肉をこめた返答が来た
オズは目を見開いてゆくのがわかった、その様子にデニムは心でオズたちをざまあみろとつぶやいた
その場を後にするデニム、一方のオズはゆがんだ顔で彼をにらみつけていく
「面白くねぇ・・・!!」
オズは予定調和に行かなかったことに立腹してはいてゆく
すると携帯を取り出し誰かに電話してゆく
電話の主と会話を終えてデニムのほうに再びにらんでゆく
「・・・デニム俺を怒らせたことを後悔させてやる」
その言葉にはオズを徹底的にどん底へ落とさせる怒りが含まれていた

 

「デニムさん・・・さっき」
「あぁ見てたのか、少し大丈夫さ」
彼らの挑発を見たロイはデニムを心配するが、デニムのピンとする姿に少し安堵する
しかしロイは彼らがまた何かすることを警戒してゆく
デニムの手を見ると握りこぶしが見える、どうやら結構堪えたようだ
(何も起こらなければいいのだが・・・)

 
 

若獅子の激走 続