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Last-modified: 2018-02-15 (木) 12:30:35

注意書き
・作中現実のものと違うところがありますがフィクションとして見てください
・キャラの口調と性格が異なる(改変もしくは崩壊)してるところも
・またオリキャラが登場しますが注意をお願いします
・一部物理無視の描写が有るため此方も注意を
・作中の時期は夏です(重要?)
以上の内容が苦手の方はスルーをお願いします

 

会場のホームストレートに響き渡るエキゾースト、1000クラスのライダーが続々と
オープニングラップを終えていく
そして最終コーナーから駆け上がる600クラスのライダーがホームストレートへ向かおうとしてた
赤いライダースーツを身にまとい、戦闘機にまたがりながら駆け上がっていく
ロイがオープニングラップでトップを制した、そして背後のライダーは4秒遅れで
ラップをクリアしていく

 

スタート直後、合図と同時にスタートダッシュを仕掛ける
持前の体力がその足を強くしてくれたか、他のライダーはワンテンポ遅れてのダッシュに入ったため
600のライダーたちはタイミングが合ってたのに目を見張る、これにはチームたちも同じ反応を示した
また乗車時には走り高跳びの要領で左足に踏み込みを入れた後、跨るのではなく飛び越えていくように右足を上げ
ステップに体重を掛ける、その反動を受けつつも右に倒れないようリッドは頭を下げ踏ん張りマシンを支えた
事前にロイはリッドにジャンプで行くことを告げたため、リッドもそれを了承して賭けに乗ろうと決めた
その結果、賭けは勝った
エンジンの始動にロスはなく、好調かつ出遅れた1000クラスのライダーの先を行くことが出来
600クラスとの差をあけることが出来た
これを見た観客やチームは驚きの声を上げていった、600クラスのトップが鮮やかなスタートを切り
一気に差を広げたのを見せ付ける
また1000クラスと600クラスのスタート位置は合間20mとなっており、事故を起こさないように間隔をあけつつ
ロイは彼らの通るラインを想定し観客席側のほうへマシンを向け、ホールショットを手に入れる観客は大いに沸きあがっていく
(嘘だろ!600のマシンが外から1000の中に入ってきた)
(あいつ予選でPPをとったチームのライダーじゃねぇのか)
(一体何処にこんな選手が居たんだよ!?)
『これは何と言うことだ!いきなり600のポールポジションをとったロイ選手が鮮やかにホールショットを手に入れた!
 そして1000クラスのライダー達の邪魔にならないよう走っているぞ
 新入りチームの中に飛んだジャイアントキルが存在した!もしかすれば優勝候補のチームに勝つかもしれない勢い!』
「うそぉ!ロイがもう2位と差を開かせたの!?」
「おまけに1000クラスの輪の中に入っちゃったよ」
「がんばれロイ・・・」
「いっけーロイくーんっ!」
アナウンスも興奮気味でホールショットを駆け抜けたロイを贔屓するかの様な発言だ
あまりの状況に他のチームや遅れて登場した1000クラスのライダーも目を見張る
無論これを見た彼女達はロイを応援していく
しかしロイはそんな事はお構いましに次のコーナーへ掛けていく

 

『おい!派手にやってくれやがって、無茶するのはわかってたがやりすぎだぞ!』
「すいません、やりすぎました」
スタート直後の様子を見たイーライは、彼のスタートダッシュに思わず大声で釘を刺していく
ロイも苦笑いになりながら頭を下げていった
『・・・まぁいい、オフィシャルからフライングや忠告がなきゃ問題ないと思うぞ
 とにかく今は行って来いロイ!』
「了解!」
通信を終えた後、ロイはコースに集中しギアを下げて90°を抜けた後再びスロットを回していく
またオフィシャルたちは
オフィシャルはスタート直後の選手たちがフライングや違反がないか確認している、特に先ほどのパフォーマンスとも呼べるロイの行動に
異を唱えるチームが抗議に出ることもあり、それによって左右されることもありえる
しかし違反や妨害をフライングしてることもなければ、ペナルティを課すこともない
オフィシャルもロイの行動はペナルティに値することがないため特段となくそのまま進行する
彼をオズはギラつかせるような眼差しを、デニムは無事に戻ってくるようただ祈っていた
そんな中今大会に特別に招待されたとあるチームが、彼のスタートダッシュをほめていた
「やるじゃないロイ君」
「さすが紋章町代表の大乱闘の出場者だね」
「まぁ俺達もその一人だけどな、そうだろーー」
『あぁ、全くだ』
オープニングラップを通過するとイーライから通信が入る
『ロイ後方のタイムとの差は4秒だ、その調子で行け!』
「わかりました!今のペースを続けます」
(今のペースを続けるのはだいぶ差が開いてからだ、だから少しだけ我慢してくれ!)
現ペースを維持し続けるのは楽だが、後のことを考えるとマシンに不調をきたさない為にも
ロイはわずかながらスロットを落とし、後は自分の技術で行こうとしていく
後方に2位のライダーもそれに追いつこうと必死にスロットを回していく
だがストレートで近づいても、コーナーワークでは出口で離されていってしまう
(嘘だろ、同じ600のマシンなのになんであそこまで離されるんだ!?
 いくらストレート近づいてもコーナーワークで負けている、追いつけないのかよ!)
『どうした、トップとの差が徐々に開いていくぞ!?』
「コーナーで離されて、同じスピードで回せきれなきゃ世話がないさ!」
オズのチームのライダーと監督はこの状況に焦燥感に駆られていく状況だ
わずかデビューして半年も満たない新米レーサーしかも草レース出身のやつに遅れをとることは
彼らにとっては屈辱のきわみに過ぎない
プロで優勝候補のチームが負けるのは、恥としか言いようがない
それでも喰い付こうと必死に追いかけようとする
だが
(うわっ!)
アクセルを開けるタイミングを間違えたか、マシンがふらついてしまいバランスを崩しそうになる
この間にも第1セクションで5秒の差が広げられていく
そしてロイはあり地獄の曲がり角の300m前まで来た
ロイの前を走るのは1000クラスのマシンばかりだ、後ろとの差に多少の余裕はあるものの
少しでも前に進みたいと願うばかりに、ロイはチームに有利に働くようにスロットルを回していく
また1000クラスの合間を縫う走りを続けていく
(少しでも前に、少しでも前に・・・!
 持ちこたえてくれレウス、みんなのためにも)

 

レース開始して1時間
序盤で大いに差を広げたロイは2位と2周半ものインターバルを作り上げることに成功した
あれから半周のスペースが開いたときにペースを落としたものの持ち前のコーナーワークにて
その技で制した
本番までの間ロイは走ってはレポートに書いて、それを復習していった事が功を称した
余裕が出来たところでロイはピットに入りデニムと交代する、またタイヤ交換や給油も行われた
無論他のチームも同じく交代や給油、交換も始めてきた
「デニムさん、交代です」
「あぁ、行ってくる」
「・・・無茶しないでください」
「わかってる、それからすまねぇロイ。俺のために稼いでくれて」
「皆さんやデニムさんのために出来るだけのことはやりました。
 デニムさん、行ってらっしゃい」
給油、タイヤ交換が終わりデニムはマシンにまたがり、ギアを一速に回し、アクセルを回していく
高鳴るエキゾーストが己を鼓舞させていくも未だに残る痛みが彼に重圧を掛けていく
1時間痣を冷やしたものの痛みは完全に治まらずである
それでもこのチャンスを逃したくない、その思いが己が心に鞭を打たせていく
ピットレーンを通過した後ロイはピットウォールスタンド(ピットウォールに設置されてるチームの指令基地)駆け寄った
「おうお疲れロイ、2周半も稼げるとはな見上げた根性だ」
「いえ出来る限りのことはしました」
イーライはロイをほめると、笑みをこぼしたロイはモニターに目をやりデニムの走りの様子を見た
「しかし、問題はここからですよ。
 デニムさん苦しい状況ですよ、アクシデントがなければいいのですが」
「あぁ今のあいつには負担はとてつもなく大きい
 序盤にお前を多く走らせようと決めようとしたがな、あいつ意地張るところもあるからな
 『頼む俺も走らせてくれ!』って強く嘆願してきたさ。このままをキープできればいいが」
「気持ちはわからなくもないですよ、僕も予選で意地張ってましたから・・・
 でも今のデニムさん降りたときに見たのですが、表情・・・強張ってましたよ」
デニムの今の状況を心配する二人、デニムは痛みと格闘しながらペースをキープしていく

 

デニムが走って40分経つが未だに表情は硬く、痛みと格闘している
序盤で稼いだロイの差は少しずつ縮まっていき、その差は1周半に埋まっていった
走るのと同時にデニムはロイのことを考えると同じく、この一ヶ月間のことを思い出しながら走っていった
(あいつはチームをはじめ、自分そして俺のためにに走ってる
 そして着実に結果を残すように、あいつは強くなろうと努力している
 たった1ヶ月されど1ヶ月あいつは成長していった・・・
 なのに・・・なのに俺は・・・この一ヶ月の間何をしてたんだ!?
 オズたちに負けてから、ロイにそしてチームに奴当たって、殴り合って
 俺は何の努力もしてなかった・・・!逆にあいつが敗北をバネに努力を培ってきた
 情けないぐらい恥ずかしすぎる・・・!)
デニムは己に後悔した、自分が何もしてなかったことに
デニムは己に猛省した、自分が足を引っ張っていることに
そして近くにいたが離れて行きつつあるロイの背が、チームの輪が彼の中で印象に残っていく
彼の呻吟や痛みが、自分の中に渦を巻きながら、濁りつつ混ざっていく己が心が
心を炎で焦がされていく、心が歯を食いしばっていく
最早周りが見えない状況に陥りそうなった
『デニムどうした!?応答しろデニム!?デニムっ!?』
「!!」
イーライからの通信が入り我に返ると目の前にコーナーが迫ってきた
全身でブレーキを掛けギアを落としていく、マシンが迫る、己が迫る、コーナーに迫る
そしてタックインを架け曲げさせようとする、壁に迫る、壁に吸い込まれていく
激突は避けられないのかと思い目を瞑る

 

音はバイクのエンジン音だけがなり目を開ける
目の前に写っていったのはホームストレートへ綴るのぼりのストレートだ、間一髪で壁との衝突を免れた
危うく壁に衝突するところを逃れることが出来思わず息がこぼれていく
しかし呼吸は荒く、たえだえのような息継ぎであった
『大丈夫かデニム、こちら側で見たがお前の走りが崩れてきてるぞ
 いったんピットに戻るか?』
「いや大丈夫だ、残り20分走れるさ」
『・・・わかった無茶すんなよ』
(無茶スンナというのはわかるが・・・今は無茶するしかないのさ)
そんなイーライの心配をよそにデニムは再びアクセルを回し上っていく今の遅れをただただ取り戻そうとするばかりである
しかし彼の中に焦りが募り行くのをとある人物は見逃さなかった

 

デニムの1回目の走行が50分経つ、ペースは比較的安定してるものの如何せんタイムは伸び悩む一方だ
現在2位のタイムはわずかながら向こうのほうに分が上がっおり、このまま走れば追いつかれることもありえる
痛みで全開の走りが出来ないこともあり、無理を言うことも監督は出来ないのだ
また彼は頑固な面もあるため、無茶するなといっても言うことは聞かないだろう
ただデニムが次の交代まで現在のランクをキープできればそれでよいと祈るばかりである
62周目に入り第1セクションを抜けるブレーキの効きやタイヤのグリップを確かめながらアクセルを回す
アリ地獄の曲がり角が待ち受ける、ストレートを5速全開で駆け上がる
前方を確認する、視界には1000クラスのゼッケンが映る2台と600クラスのマシンが1台いた
目の前に見える3台をうまくかわすことが出来れば、次の交代までは大丈夫だと思考する
しかし、彼は腕の痛みもあって少しおぼろげの視界で確認していたためかチームなどはわからなかった
また呼吸も先ほど以上に整っておらずむしろ荒々しく深呼吸すれど、痛みもあり落ち着くころもままならない状態だ
残り10分我慢すれば、また休めれると思い前を見ていくと、視界が鮮明にはっきりと
また前を走るチームもやっとの思いで見ることが出来た
そこに映ったのはオズのチームが二台と特別ゲストのチームのマシンが映った

 

(あれは、オズたちの・・・!)
デニムに思考の稲妻が走ってきた、この先に待ち構えてるのはあり地獄の曲がり角
目の前にいるのは仇敵のチームが二台、距離にして1000は10m、600は23m
彼らは何か仕掛けてくると思うそう考えたデニムは思考をめぐらせる
(今あいつらの前に出たら、何か仕掛けてくる
 ここはスペースを空けつつコーナーをクリアしていくしかない!
 やつらはブロックやサイドアタックを仕掛けてくるにはず)
アクセルを少し落としスペースを空けていくデニム、己に無理をしないよう信号を送る
曲がり角が迫る、クリアして一定のペースを保てばとブレーキを掛ける
4速、3速、2速と徐々にスピードを落としていく
だがデニムはワンテンポ遅れて気づいた、オーバースピードであったことに
そして1000のマシンの隣に差し迫ることに
オズのチームの1000クラスへデニムが差し迫る、体を倒しライダーはレバーを握り、ペダルに足を掛ける
ペダルは握っていたが、ペダルのほうを踏み抜くように足で穿つ
二台が同じタイミングで曲がる、しかし1000クラスのマシンの後方がふらついた
ふらつき隣のデニムのマシン、そして

 

1000クラスのライダーの足が、デニムの右腕に当たっていった

 

デニムの体が青ざめた、右手が衝撃でスロットルを全開にさせタイヤが音を上げて回る
後ろがすべり行くのがわかった、ブレーキが間に合わない
体が倒れていく、滑っていく、右腕を下にしながらも
そしてマシンはあり地獄に食われるように壁へ吸い込まれていった

 

チームが 止まった

 

『デニムゥー!』
ロイを含め全員が彼のクラッシュをみた、これを見たマーシャルもイエローフラッグを上げていく
『あぁーっと!トップを走っていたデニム選手が1000クラスのマシンと接触!!
 これは大変なことになった、果たしてデニム選手は無事なのか?
 1000クラスのライダーは何事もなくすごしていきましたが』
「うそ!ロイのチームのライダーが!」
「どうしようどうしよう、このままじゃロイ君が負けちゃうよ」
「でもまだ勝負は決まってませんよ、このまま立ち上がればいいのですが・・・」
アナウンサーをはじめ彼女達はデニムの安否を気遣っていく
デニムが再びコースへ復帰できるかどうかわからないがスタッフは次の準備をしていた
マシンチェックやタイヤ交換、給油をすべくそれぞれの配置についた
(くそっ、やっぱり当たってた!
 デニムさんの怪我を彼らは『判っていたんだ』!)
ロイは次の準備をしてるスタッフの傍らに昨夜のことを思い出した
それは二人にとって最悪のものであった