69-369

Last-modified: 2018-07-04 (水) 23:10:00

今更感が大きいのですが、久しぶりに投稿させて頂きます
今回は流血表現・胸糞展開がありますですのでご了承ください

 

・作中現実のものと違うところがありますがフィクションとして見てください
・キャラの口調と性格が異なる(改変もしくは崩壊)してるところも
・またオリキャラが登場しますが注意をお願いします
・一部物理無視の描写が有るため此方も注意を
・作中の時期は夏です(重要?)
・今回はオリキャラが主役の内容です
・流血表現・胸糞展開があります
以上の内容が苦手の方はスルーをお願いします

 

一同が静まり返る中、デニムは愕然とする
確かにぶつかった確証はある、そこに証拠となるものもあるはずだ
そう思ったのも審査員の一言でそれがかき消されてしまった
「・・・そんな、・・・そんな事ってあるのですか!?
 俺は確かにぶつけられた感触はあったのですよ、あのマシンがその証拠の一つのはず
 それにコーナーの一つ一つにカメラも設けられてたら、それも・・・
 確かに後方からの間隔は10秒以上離れているのですが・・・
 そうだ、オフィシャルは。あのところにオフィシャルはいる筈では・・・!」
「・・・・・・それなんだが・・・、オフィシャルはいなかった」
デニムは必死に証拠はあるはずと高らかにさけぶものの、返ってくる答えは無いと言う
デニムの衝突されたというコーナーには、オフィシャルが立つ監視台がなく、ゆえにオフィシャルが置かれてなかった
その上で証拠のビデオを見せられる、そこにはデニムが接触されたという決定的な証拠の映像が映って無かった
また今レースはデニムの転倒という扱いでの結果と扱われた
「・・・こんなことって」
最悪な答えそして無様な結果に、デニムはただただ愕然とひざが崩れ落ち
握りこぶしが開かれ、力が入れない感触を味わっていく

 

試験が終わり落ちたデニムは、一人部屋で過ごし、虚ろに空を眺めていた
折角の機会が台無しに終わり、理解しようにも納得がいかずため息の一つや二つ出していく
不思議と怒りや悲しみが沸かず、虚無感が彼の心に突き刺さっていった
試験が終わった外はとても静かになり、甲高いエキゾーストは奏で終わった
しかし学校の食堂はドンチャン騒ぎが聞こえてくる
オズを始めオズ派の面々が貸切にしており祝賀兼卒業パーティーを開いているのだ
勝利の美酒を味わう彼らの、楽しく浮かれる騒動はデニムには劈(つんざ)くものであった
(人が一人で過ごしているのに・・・うるさいなホント!)
いつもは、彼らのドンチャン騒ぎを流していたが、
そんな浮かれる声の届く彼らが、苛立ちに加え煩わしいと思いデニムは部屋をあとにして
食堂へと向かっていく
これを見た青年デニムは、このあと起こることが耐えがたく、許しがたいのを再び見るのかと奥歯をかみ締めつつあとを追っていく

 

廊下越しにも届く雑音
騒々しいにもほどがある彼らに一喝しようと、ドアの前で一旦深呼吸する
「いい加減にしろお前ら、いつまで騒いでんだよ!もう時間も時間だろうが!」
勢い強くドアを開け一同を注意しようと大声で入っていくデニム、オズ派の面々は面食らうも、
宴の最中を邪魔されたことで、邪険な目でデニムを見る
デニムはお構いなしに入り、周りを見ると、食堂は出前で注文された食事やジャンクフード
並びに飲み物などが散乱しており、貸切してる自分たちは何様のつもりかと、デニムは苛立ちを沸かせていく
デニムは厨房の中へ入り物音を大きく立て物色していく、怒りが湧き上がっていくのが自分でもわかるくらいに立てていく
物色を済ませると、手に握っているのはゴミ袋だ
宴会をしてるのをよそに、デニムは苛立ちを清掃に転換してごみ拾いを始めだした
転がってる缶や、空になった食べ物の袋や箱を分けて入れる
他人がお構いなしにするのは、はた迷惑なやつと茶々を入れるも
そんな茶々をもわき目を振らず少しずつ片付けていくデニム
その姿を目の当たりにする一人の生徒が、ひそひそと話し合うと空き缶を拾い出した
そして
「おいデニム!」
大声で呼ばれたデニムは声の方向へ顔を向けた、思わず振り返ってみるが
目に見えたのは剛速球で迫ってきた空き缶がデニムの顔へ迫ってきた

 
 

甲高い音が食堂に響き渡る、鋭くも鈍い衝撃の音だ
デニムは空き缶の投擲を正面から受け、足元がふらついた
手に持っていたゴミ袋が放され、拾い上げたごみが再び散らかる
当たった額に手を当ててみると赤い水の跡が手の平で広がり、投げられた缶を見ると中に入ってたのが散乱されていた
「何しやがる!?」
思わぬことと行動に、血が湧き上がっていくデニムは怒鳴っていく
しかし回りはそれを面白がるように嗤(わら)い出していく
「あぁ?反応が鈍く受け取らなかったてめえが悪いだろうが
 それに何出しゃばって掃除してるわけ?ばっかじゃねぇ~の?
 てめえはホント、目障りなんだよ!」
挑発を繰り出しもう一缶、デニムのほうへピッチャーのような投擲を繰り出した
二度目はそれが読めたせいか、頭だけを傾けて回避を成功していく
だが、それだけには終わらず横や後ろからも空き缶が投げられ、当たる音が響いていく
それに調子付いたオズ派の面々は、立ち上がり空き缶をデニムへ雪合戦のように強く投げていく
二つ、三つ、四つと徐々に当たる回数が多くなり蜂の巣の状態になっていく
しかも中に飲みかけも入っているのも多々ある
「やめろ!テメエらそんなことして面白いのか!?俺をサンドバックにすんじゃねぇ!」
「てめえはサンドバックなんだよ!」
防御しながらデニムが静止を声掛けるも、回りはそれを畳み掛けるように次々と投げていく
しまいには食べかけのピザもデニムの顔に当たり、泥を踏む音が渡っていった
周りは歓喜の声やハイタッチの音をあげ、デニムが苦痛で悶絶する様子を楽しんでゆく
これに耐えかねたデニムはやってられるかと、顔を真っ赤にし食堂を後にしようとする

 

「どけ、手前らと遊び相手になってられるか!」
「まぁまぁそう言うなって」「せっかくだから飲んでけよ」
出口を二人が、両手を広げてへらへらと下衆じみた笑みを浮かべつつ塞いでいき、デニムに苛立ちが蓄積されてゆく
自分達がしでかしたことに何の反省の色もないことも、歯がゆいものだと奥歯をかみ締めていく
「そうだよデニム、独りで飲み明かすのは寂しいものさ」
後ろから態と友好的な口調でデニムを呼び止めようとオズは声を掛けた
そのわざとらしさにデニムは目を鋭くさせていく
「そんな怖い顔をするなよ、せっかく俺たちがお前にいっぱい付き合ってもらいたいとおねがいしてるだけさ。
 ・・・ただし、飲むのは泥味だがな。」
「・・・・・・は?」

 

その言葉を理解できずデニムはいぶかしげていく、しかしその答えはすぐに訪れた
先程通せんぼしたした二人がデニムの肩をつかみ、鎌で切るように二人がけで足を払いゆく
デニムは一瞬何が起こったかわからなく、気づけば目の前には床が見えてきた
地面とデニムから部屋に鈍く響く音が走りだし、野次馬たちは嘲る歓声をあげ、デニムを見世物を見る様な目をじだした
「イヤッハァー!ナイス足払い」
「ザマァだなデニム!」
顔面に激痛が走る、痛みをこらえ食いしばり顔を上げるデニム。打ち所が悪く口と鼻から紅い液が流れ出し、顔がさらに赤くなっていく
「何の真似だオマエラ・・・、人をおちょくる上にこんなことまで・・・!」
「言っただろせっかく付き合おうぜと、それにお前のものも用意したのによ」
「お断りだ、誰がお前の誘いなんぞに・・・」
「そうつれない事いうなよ、せっかくの学生生活の最後ひと時を一緒に楽しもうよ
 じゃ・・・一杯飲もうかぁっ!」
「・・・!!」

 

デニムの怒りを楽しむオズは、さらにそれを楽しむかのように狂喜の声を上げる
中身が茶色の瓶状の飲み物を取り出し、デニムに無理やりねじ込むように、口に押し流していく
流れてくるものを止めようと舌を出し息継ぎしようとするも、体を抑えられさらに閉ざせまいと飲み物をさらに押し込んでいく
一秒一秒が長く感じる、押し流される飲み物は正真正銘『泥味』である泥水だ
不純物がデニムを襲い、さらには濁流が喉をそして胃に走り出していく
「いいぞオズもっと押し込んでやれ!」
「そーれイッキイッキ!」
周りも止める気配もなく、この現場をせせら笑うかのように煽っていく
押されこまれた泥水は、空になると乱暴に抜かれていく、
この状況を抜け出そうとまた床を汚さないためにジタバタするも、押さえつける二人が拘束具となってるため抜け出せないでいた
「デニム、美味しいか?俺たちが作った飲み物は」
あからさまな挑発に答えは否と言いたくなるも、いまだに残る飲み物を出さぬよう首振りで答えていく
オズに目を合わせる、目の前に映るのは自分が王であるかの様な嘲笑に、デニムは目を細めていく
「まずいのだって、それはちょっと無礼じゃないか・・・なっ!」
デニムの反抗が気に障るオズは、頬めがけて手を一振り上げていく
部屋中に伝わる音がそれを物語っていた
頬に伝わる広く強い衝撃が、たまっていたものが水風船を爆ぜさせる勢いで噴出されていった
「うわっ!ばっちぃぜ」「汚いなぁお前!」
外野が無様なデニムを笑い煽っていく、デニムは飲み物を吐き出したあとにむせ返ってきた
「げ・・・げほっ・・・はっっ・・・、テメェ・・・」
「ダメじゃないかデニム、飲み物は吐いてはいけないって親から教わらなかった?
 あ。そっか、お前に親はいなかったのだっけ。可哀想にな」
「言っちゃならないのを平気で言いやがってぇッ。
 そもそも一体何のつもり何だよお前は、お前がそこまでやる理由に俺が何をしたんだよ!
 答えろ!」
琴線を触れられ怒りをあらわにする、またなぜ自分に対する仕打ちに最早私刑に近い行動をとるのか問いただすデニム
「それはな、お前が気に食わないからなのさ」
「・・・は!?」

 

返ってきたのはあまりにもシンプルな回答、それにはデニムも面食らった
「お前自身が気に食わなかったのさ、お前のその姿に、その存在に俺いや俺たちは気に食わなかったんだよ。
 生真面目に取り組んで、優等生の様な真似をして、それで且つトップを目指そうと努力するお前がな」
「・・・なんだよそれ!?たった・・・たったそれだけの理由が、お前らオズ派がリンチをする理由なのか!?」
「その通り・・・っさ!」
デニムが驚きの色を隠せず声を荒げ行き、その後に続く形でオズの取り巻きの一人が脚に力を籠めて答えて来た
横腹に伝わった重い痛みは、デニムの腹の底から空気を吐き出させていく
「ぐほぁっ!!」
痛みをこらえきれず目に力を入れるデニム、対する一人も睨みを利かせていく
「・・・何すんだよお前たちも!?」
「大体デニムは俺達エンジニア科の授業に勝手に入り、エンジニアの連中の成績を上回る成績とりやがって
 そのせいで、俺たちは赤っ恥を喰らったんだよ。テメェはムカついて邪魔だったんだよ!」
デニムのスクールにはレーサー科とエンジニア科と二種類のコースがあった

 

デニムは将来レーサーになろうとしたために、マシンの性能をも知ろうとエンジニア科の授業にも参加していた
それが本来在籍するエンジニア科のオズ派の一部は、自分よりも上を修めたデニムが目の上のたんこぶであった
「何言ってんだ!俺はレーサーとして知りたいことを学ぶために、走り方の他にマシンのことも学ぼうとエンジニア科の授業も受けてただけだ!
 それを目ざわりという一言で片付けるお前たちは、何をしたるんだよ!俺よりもいい成績とれれば
何の問題もないはずだ!」
「黙ってな負け犬!!」
デニムが反論を声高に上げようとするも、上から押さえつけられた二人が頭を地面に再び叩きつけてきた
再び部屋中にわたる鈍い音がデニムを封じるにはうってつけだ
「卒業試験で負けたくせに何をほざいている?んなものはてめえには何一つないんだよ!」
二人は頭を抑えながらデニムの言葉を真っ向から全否定してきた
それを同調する外野からも、そうだそうだと、嗤いながらはしたないブーイングが突き刺していく
数の暴力に加え馬鹿をのたまう連中に、握りこぶしを作り、奥歯をかみ締めるデニム
クソっ
そして嗤いつつもデニムに止めを刺すような言葉が降り注いでいく
それは自分の過去を観覧中の青年デニムには忘れもしないものであった

 

「しかしあのときのデニムの転倒したの姿、ホント無様だったよな。まぁ俺らのおかげで、オズは万々歳になれたからな」
「そうそう、あとオズのサイドプレスも最高に決まってたからね。吹っ飛んだデニムはまさに間抜けだったもんな。アハハ!」
デニムは彼らの言葉を聞き逃さなかった
今のなんて言ったのか、まさか本当にオズがしかけたのか
そう思いおそるおそる彼らの言葉を聞いていく
「おい待てよ・・・、それってどういうことだ・・・?!押したってお前、見てたのか!?一体何をしたんだ!?答えろ!」
「あ?お前気づいてなかったのかって、そういやあの時前が塞がっていたもんな。かわいそうになぁ。
 ま、負け犬であるお前には何もわかって無くて傑作なものだしな」
「何ぃ!?」
「教えてあげるよ、負け犬デニムくん」
嘲り笑いの挑発に乗るデニムは顔をゆがみゆき、それを楽しみ勝利の美酒によってるのか、オズは挑発じみてる調子付いた口調にて答えを告げていく
「あれはね・・・、俺が仕掛けたのさ」
「何・・・だと・・・!?」
デニムの目は見開き顔を更にこわばらせてた
やっぱりか、やっぱりお前が
半分嘘だろと思うのと同時に予感が当たっていた

 

「はてなを浮かばせてるって顔をしてるねぇ。それもそのはず、君はぶつけられたとき顔に太陽光が当たってた、いや当てたのだからね。
 あのとき合図を出してきたので俺は好機だから仕掛けたのさ、お前を落とすために。
 あと、ぶつかった証拠が出ないようにカメラも少しいじくったのさ、その場面を写さないようにな。
 それにここは学園内にサーキットだから外部からの犯行だと思われてるから、俺達だというのは無いというのを信じてたのさ
 まっ、ホントにばれるかどうかひやひやしてたが結果はうまくいったから問題ないな」
レーシングスクールは敷地内にサーキットが敷かれており、オズたちは事前にカメラの位置やコースの死角を全員で把握し計画を仕掛けてた
勝利の美酒が回り続けているのかオズは自分たちの犯行をすべて語っていく
目の前にいる負け犬に更なる追い討ちを掛けるために
そして外野は無様に這いつくばっているデニムが鞭打たれているのをさらに大きく嗤っていく
オズは自分がこの計画を企てたのをあからさまに話していく
その理由は全てはオズ一派がプロに上がれるために、そしてデニムへ屈辱を味合わせるためにそのためだけであった
その結果、オズは掴み取りデニムは地べたを這いつくばる形になった

 

「・・・ふざけんなよ・・・」
「あん?」
デニムの声は震えていた
その声を聞いたオズや野次馬どもは一斉に見下げてみる
握りこぶしが、体が震え、そして浮かべるデニムの顔は般若となり、目を見開き彼らに目を合わせていく
「ふざけんなよてめぇら!たったそれだけの、それだけの理由でまかり通ろうとしてたのか!?
 てめぇら真剣に挑んでいく俺達レーサーを何だと思ってんだ!」
デニムが完全にブチ切れた
怒れる咆哮はオズをたじろがせていき、野次馬達も般若の姿にしり込みしていく
「・・・ハッ!負け犬風情が、俺達に何をほざきやがる。勝負ってのはな勝ちゃ問題ないんだよ!
 てめえの様なやつがレーサーが云々と語る何ざ1000年早いんだよ!」
デニムの吠える様に対抗するか、取り巻きの一人が威勢よくデニムの顔をめがけて蹴り上げようとした
だがその感触に手ごたえはなく、むしろつま先が犬から噛まれる痛みが伝わった
「うがあぁっ!」
デニムの思わぬ反抗に足を下げていく、見れば歯型がくっきりと写りこんだ
デニムは目の前に迫った、動きを塞がらせてる状態で噛み付いて迎え撃ったのだ
反撃する様を見たせいか取り押さえつけた二人の力が弱まり、拘束が解かれていく
「こ・・・こいつぅ!」
「許さない・・・お前達を許してなるか!特に貴様・・・貴様だけはぁ!」
力強く這い上がり、獲物を狙う目をオズに向けられた
あまりにもの恐怖を感じたオズは、立ちすくみデニムを停めろと号令をかます
取り巻きが一斉に止めようとデニムに波が襲い掛かる、だがデニムは波を撥ね退けようと一人ひとり
抑えられては投げ、跳ね除け、さらには避けていって強行突破しようとした
そして眼前にオズはいた
こいつだけは、こいつだけは殴らないと
そんな怒りと衝動がデニムの手に握りこぶしが風圧を纏い振りかぶる、鬼気迫るデニムに立ちすくむオズ
「ォオオオオズウウゥゥゥ!!」
「ひいぃぃぃぃっ!!」
部屋に衝撃音が響き渡った

 

天井が見えた、いつも見慣れてる学園の天井だ
頭を起こす、体を起こす、来るのは痛み並びに汚物をかぶさるような感触だ
体が動かない
ーデニムは食堂の中で一人倒れていた
(そっか俺は・・・)
思い返していくデニム、同時に前がゆがんでいく

 

デニムが振りかぶった拳、其の手はオズの顔面に差し迫った
高鳴る肉がぶつかる音が鳴り響く
オズは閉じていた目を見開くと目と鼻の先に止まるデニムの手が見えた
見上げた
そこは左頬が誰かの拳で打たれ歪み、口の隙間から軽く赤いものを流し、同じく右目がその一撃で目を閉じているデニムの姿だ
止めに入ったというより、カウンターをお見舞いさせた
その肌は焼けており、空き缶と同じくらいの鍛えられた手や腕の太さが刺さる痛みはデニムの顔を見れば一目瞭然だ
「テメェェェ・・・!!」
「ヘッ、バァーカ。俺らを舐めてた罰だよ
 テメェがオズに喧嘩売る真似というよりもよ、テメェがこの学校に来たことが間違えだったのさ!」
「テェッメエエェェェェ!」
打たれる痛みを我慢しながらも、デニムは再び仕掛けようと左に力をこめて振りかぶっていく
しかし、それすらもさせようとしなかった
絡まれたときに押えつけられた二人から、二度も両肩をつかまれ地面にたたみつけられる、
受身を取れる余裕すらもなく、背中に車と衝突するほどの衝撃がデニムの悲鳴を出していく
顔を起こし睨みつけ起き上がるも、野次馬がデニムに乗りかかっていく
馬乗りに加え、両腕、両足に体や足が乗っていく
無論、身動きもとれず、もがこうとするも押さえつけられており、反撃も許されなかった
「くそっ、離せ!離しやがれ!」
「誰が離すかよ、せっかくてめえをこの手で私刑することが出来るんだ
 ありがたく、味わいやがれ」
宣告が出され、空から石礫の拳がふりかかる。再び赤いものが口から流れ出た
野次馬達も後に続き、蹴られ、踏まれ、殴られ、嗤われていく
口から、鼻からも出され、目もにじみはじめ、デニムは最早サンドバックと化した
オズが見えるも意識もおぼつかない状態だ、そして彼の手がデニムの顔に飛んできた
デニムの意識は途切れた

 

自分の無様な姿に、悔しさや怒り、悲しさが思い出されていく
もっと自分に力があれば、誰にも負けない力があれば
そしてあの時、自分が前に出なかったら結果は変わっていただろうかと思っていった
だが、時は戻らない
もう自分は堕ちてしまった負け犬となった
「親父・・・お袋・・・、先生・・・皆・・・、俺・・・ダメだったよ
 俺は自分の夢を、叶えられなかった。期待にこたえられなかった。
 ああっ・・・あああっ・・・あああああぁぁぁぁぁ・・・」
デニムは此処にはいない亡き両親、無理を頼んでくれた施設の先生に謝罪していく
最早今の自分は泣くことしかできなかった
再び甦った悪夢を見た青年デニムもただ目頭を押さえていた
(もしこのときに戻れたら・・・、戻れないとしても、出来るのなら・・・)
戻れないとわかっていても、過去に戻れたらやり直したいと、後悔が自分を泣かせていった

 

若獅子の激走 続