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Last-modified: 2023-01-06 (金) 23:36:35

アイク「さて…これで今年の仕事も終わりか…」
シグルド「ん?アイクか、帰りに会うのは珍しいな」
アイク「そうだな、そっちも仕事納めか?」
シグルド「ああ…やっぱり仕事納めとなると忙しかっただろう?」
アイク「いや、他の皆も頑張ってくれたからな。そっちは忙しかったんじゃないか?」
シグルド「…そこまでではないかな」
アイク「そうなのか?」
シグルド「ああ、アルヴィスが社の改革を進めて結構経つが…色々堅苦しくなった代わりに業務の効率化推進、早出残業休出の削減、休日増加や有休消化奨励で楽になったよ」
アイク「そうか、いいことじゃないか」
シグルド「その分変化も多かったな…こう、年の瀬になると昔から変わったこととかを思い出すのさ」
アイク「………」
シグルド「例えば、私が子供の頃はスマホみたいな便利なものはなかったし、働き始めたころと比べても仕事の内容が…」
アイク「………」
シグルド「そういえば民間の会社勤めをしている男はお前と私だけだな、まさか弟とサラリーマンとしての話をすることになるとは昔は全く思わなかった…」
アイク「なあ、もしかして何か悩んでるんじゃないか?思い出に浸って何かを考えないようにしてるんじゃ…」
シグルド「う…分かってしまうか…流石だな。そうなんだよ、通常の仕事ではないんだが…忘年会の幹事をやらされてな」
アイク「…それが問題なのか?何か芸をやらさせるとかか?」
シグルド「いや、無理に芸をさせたり命令を伴うゲームをするのはハラスメントになるから禁止されている」
アイク「じゃあ何が駄目なんだ?」
シグルド「…だからこそ、芸などに頼らずに場を盛り上げなければならないんだ。そういうことが私にできるかどうか…」
アイク「…場にいる皆に常に気を配り、気を回したり会話が途切れないよう盛り上げるしかないんじゃないか?」
シグルド「そうは言うがな…私にそういうことができるかな…今から忘年会なんだが、何かいい案はないか?」
アイク「…実は、俺も忘年会の幹事を任されてるんだ。俺もこれから忘年会で…」
シグルド「そ、そうなのか…」
アイク「今から人をまとめることに慣れろとか言われてな…別にやりたいわけではなかったんだが…俺もいい考えがあるなら聞きたいくらいだ」
シグルド「…いっそ仕事が忙しければ、それを理由に断れたんだが…仕事が楽になると、仕事が忙しくなって欲しい悩みが出るとは…人間とはわがままなものだな…」
アイク「まあ…覚悟を決めるしかないな」
シグルド「いっそ神頼みでも…家族にも女神の嫁が何人もいるじゃないか。アイクにもいるだろう?」
アイク「…俺はユンヌに相談したら自分に任せろと言われたが、何をしでかすか分からないから丁重に断った」
シグルド「…やはり人の問題は人の手で解決すべきなのか…」

 

ミカヤ「忘年会かあ…私もそういう派手な集まりのことはちょっと…」
ニュクス「私達なら占いを披露すれば宴会を盛り上げるくらいはできるんだろうけど、ちょっとした占いでもアイクに教えてあげればよかったかしら」
ミカヤ「そうね、ちょっとしたやつなら…」
ニュクス「丁寧に手取り足取りじっくり教えて上げるのに…ふふ」
ミカヤ「…あなた、お姉さんぶりたいだけでしょ」