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Last-modified: 2023-02-26 (日) 23:49:04

????「ごめんください」
ミカヤ「はーい、どちら様……って、貴方方は」
????「ご無沙汰しております」
????「お久しぶりです、ミカヤさん」
ニュクス「誰か来たの……って、リトス家のルミエルにグラドロン家のヴェイルじゃない」
ルミエル「ニュクスさんも居られたんですね、お久しぶりです」
ヴェイル「こんにちは」
ニュクス「ええ、何の用で……って目的はあの子達よね」
ミカヤ「そうね、ニュクスはエリンシアに言って、お茶入れて貰える? 私も二人を案内して二人を呼んでくるわ」
ニュクス「解ったわ」

 

エリンシア「どうぞ、粗茶ですが、そちらのお嬢さんにはジュースをお持ちしましたわ」
ルミエル「いえ、お気遣いなく」
ヴェイル「ありがとうございます」
ルミエル「ああ、それとこれ、お土産です、離宮のソラネルで取れた果物の盛り合わせですが」つ籠いっぱいのオレンジ、桃、ぶどう、ベリー、幻の果物
エリンシア「まぁ、ありがとうございます、こんなに沢山……離宮?」
ユンヌ「ルミエルはリトス地区長並びにエレオス区長、そして守護神的位置にいるからね、かなりの富豪なのよ」
ルミエル「あら、ユンヌ、あなたもいたんですね」
ユンヌ「いつもミカヤと一緒にいるんだから当たり前でしょ、それからせっかく解放されたんだから今度神の会合、来なさいよ、通知行ってると思うけど」
ヴェイル「そういえばパパにもそのお知らせが来てたような」
エリンシア「パパ?」
ユンヌ「この子の父親でグラドロン地区長、邪竜のソンブルの事よ、ルミエル同様邪竜信仰受けてるから神の位置にあるの」
エリンシア「そうだったんですね」

 

ミカヤ「ごめんなさい、少し待たせたわね、丁度二人共お昼寝してたから、起こすのに手間取ったわ」
アリヤ「その、ごめんなさい……」
リュール「お手数おかけしました……」
ルミエル「アリヤ、リュール!!」
ヴェイル「お兄ちゃん、お姉ちゃん!!」
アリヤ「母さん!!」
リュール「ヴェイル!!」
ルミエル「話に聞いてたけど、本当に目が覚めてたのね、アリヤ」
ヴェイル「お姉ちゃん、良かった、良かったよぉ……」
エリンシア「(小声)あの、お兄様達、お知合いなのですか、あのお二人と」
ミカヤ「(小声)あら知らなかったかしら? あの子達が眠る少し前まで、ルミエルさんに預けていたのよ」
エリンシア「そうなのですか?」
ミカヤ「彼女も子供がいなかったから、とても可愛がって貰ったらしいわ」
エリンシア「ではあの子は?」
ミカヤ「一緒に育った幼馴染らしいわ、あの子の父が仕事人間ならぬ仕事龍で、構われずに寂しい思いしてたのを、あの子達と仲良くしてたんだって」
エリンシア「そうだったんですね」
ミカヤ「最も、グラドロン地区は気候が悪く貧しい地区だったのを良くしようとしていたらしいけどね」

 

ルミエル「目覚めてからどうかしら、ご飯は食べてる? 体の具合は悪くない?」
アリヤ「だ、大丈夫です……ご心配お掛けしました、ただ流石に苦しいのでもう少し緩めてもらえると……」
ヴェイル「お姉ちゃん、ずっとずっと、会いたかったよ」
リュール「心配かけてごめんなさいヴェイル」
エリンシア「本当に慕われていたんですね、お兄様もお姉様もあんなに抱きつかれて」
ルミエル「……ごめんなさいね、あの子達の顔を見たら感極まっちゃって」
ミカヤ「流石に仕方ないわ、それで用件はこの子達の顔を見ることだったの?」
ルミエル「いいえ、本題は別よ……ねぇ、アリヤ、リュール……目覚めたなら、またエレオスに来ない?」
アリヤ「エレオスに?」
ルミエル「あなた達と暮らしていた間、私にとってはとても輝いた時間だったわ、そして眠りについたと知った間は、まるで穴が空いたような感覚だったの」
リュール「………」
ルミエル「またあなた達と過ごしたい、一緒に話して、お散歩をして、ご飯を食べて…、そんなありきたりだけど、かけがいのない時間を過ごしたいの」
ヴェイル「私もだよ、パパが忙しくて一人ぼっちだと思ってた私にお兄ちゃん達は光をくれたの」
リュール「ヴェイル……」
ヴェイル「これから、私も一緒にいたい、また隣で歩みたいと思ったの」
アリヤ「………」

 

エリンシア「い、いきなり来てそんな勝手な!!」
ミカヤ「エリンシア」
エリンシア「お姉様!」
ミカヤ「あなたの気持ちも解るわ、でもね、この決定権はアリヤ達にあるわ、私達が口出し出来る問題じゃないの」
エリンシア「はい……」
アリヤ「エレオスでの暮らしは、私達にとってもとても素晴らしい日々でした」
リュール「母さんと過ごし、ヴェイルと遊んだあの日々は、今も、宝物です」
ルミエル「じゃあ……」
アリヤ「でも、ごめんなさい、今の私達は、戻るわけにはいきません」
リュール「母さんも大切な家族だと思ってます、でも今まで過ごせなかった、実の家族たちと、今後時間を作っていきたいんです」
ヴェイル「お兄ちゃん、お姉ちゃん……」
ルミエル「それが、あなた達の決めたことなのね」
アリヤ「はい」
ルミエル「………」
リュール「………」
ルミエル「解ったわ、ごめんなさい、色々勝手なことを言ってたわね」
アリヤ「母さん……」
ルミエル「でも、あなた達はは私にとって大切な家族、そう思うことはいいかしら?」
リュール「それは勿論です、私達にとっては母さんは大切な母さんですし、ヴェイルも大切な妹ですから」
ヴェイル「お姉ちゃん……」
アリヤ「それに……エレオスはこれからは何度も通いますから」
ルミエル「え?」
リュール「私達、ようやく目覚めましたし、体を慣らしたら、働こうと思うんです」
アリヤ「家の家族、姉さん達は勿論一番下のロイまで仕事を持ってるんですよ」
ルミエル「そ、そうなの……」
リュール「それで働くにしても、家の家計を支えるのは勿論、私達が過ごした大切な町であるエレオスの為に働きたいと思っているんです」
アリヤ「流石に何をするかは検討中ですけどね」
ヴェイル「お兄ちゃん……」
アリヤ「だから仕事が決まれば頻繁にエレオスに行くと思います」
リュール「勿論、時間の出来たときにはリトスにも顔をだします、あそこも私達が過ごした、もう一つの実家ですから」
ルミエル「アリヤ、リュール……ありがとう、その時は、精一杯おもてなしするわ。
     仕事を探すときも、必要なら相談してね、母さん、何でも協力するわ」
アリヤ「ありがとうございます、母さん」

 

ミカヤ「ふふ、良かったわね」
エリンシア「はい、一時はどうなるかと思いましたが」
ミカヤ「例え血の繋がりがなくても、離れていても、想い合う家族って、素敵よね」
エリンシア「本当に、そうですね」
ミカヤ「あの二人がこれからどうするのかわからないけど、家族として、少し楽しみね」

 

おまけ

 

ソンブル「……今日はリトスが随分静かではないか?」
セピア「はい、何でも、ルミエルとヴェイル様揃って、目覚めたという御子様に会いに、兄弟家に向かったそうですわ」
ソンブル「そうか、いつもこうだといいのだがな、全く、子供の世話くらいで毎度大騒ぎしおって」
セピア「仕方ありませんわ、ルミエルは仕事にかまけて独り身だったところをようやくできた家族故に御子様達を溺愛していましたし。
    ヴェイル様も誰にも構われずいたところ、幼馴染の御子様達に懐いておりましたもの」
ソンブル「仕方がないのだ、グラドロンは貧しい、海に囲まれ火山と雪山しかないこの地形では漁業しか産業が無いのだ。
    ようやく異形兵による警備兵派遣が軌道に乗り、安定したのは最近なのだからな」
セピア「ですが、寂しい思いをさせたのは確かですわね」
ソンブル「あやつの母は穏やかで優しい女だったが、体が弱かった、それ故お前を始め、四狗を編成し、遊び相手になればとは思ったのだがな」
セピア「あいにく、マロンを除けばみなはるかに大人ですから、ヴェイル様も話しにくかったと思いますわ。
    そして、暫くして私を後妻にお迎えになったのは母をお作りになるためですか?」
ソンブル「意地が悪いな、その理由は全く無いとは言えぬ、だがあれの亡き後ひたすらに我を支えたお前に惹かれていた、それは迎えるときにも話したはずだがな」
セピア「ええ、わかっておりますとも、ちょっとした嫉妬で意地悪してしまいましたわ
    それと神の集会と竜王家への召喚状が来てたそうですが」
ソンブル「来てはいた、が期間もなく準備が整ってとの話だ、慌てることもあるまい」
セピア「そうですか……ソンブル様……その……」
ソンブル「……良かろう、以前よりお前も子を欲していたな、あやつに弟妹ができるのも、良かろうな」
セピア「……はい///」

 

ロイ「リュール姉さんとアリヤ兄さんが体を慣らすか…エーディン先生たちや僕の所(多芸多才)と共同でリハビリ計画してみようかな」