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Last-modified: 2023-03-27 (月) 00:00:46

 久しぶりだがベレス先生は猫が大好きだ、これまで様々な猫スポットを巡ってきた先生、今回は新たな猫スポットが発見され、いてもたってもいられず色々用意をしたあとソティスを連れ立ってやって来た。

 

 やってきたのはエレオス区リトス、最近目覚めた兄姉が過ごしたと言う地だ、まずは兄姉がお世話になった区長にして地区の主であるルミエルに挨拶、行商人から買っておいたフォドラのお土産を渡すととても喜んで貰えた。
 ついでに自宅にいる兄姉の様子をしきりに聞かれた、二人が大好きなのは確からしい、ソティスとも面識はあったようで色々話していたが、ふとソティスが『やはり色々な意味で圧巻の二人じゃな』と呟いていた、何が?
 そしてメインの猫との触れ合いだがそこに行く前にルミエルの好意で屋敷の中庭に案内して貰った、春の麗らかな日の差す暖かな庭園に様々な猫が集まり遊んだり日向ぼっこをしている。
 先生は目を輝かせ猫達と触れ合っていく、普段はルミエルもこの子達と遊んでいたらしく一緒に撫でたりもふもふを堪能したりした。
 また、彼女も結構猫好きらしく話があったので割と楽しい時間を過ごす、猫達もルミエルと雰囲気は違うが優しい雰囲気の人間に安心し、楽しそうに集まっていた。

 

 その後屋敷を出てその前の平原に、ここにもたくさんの島猫が見られていた、一緒に出てきていたルミエルとともに彼らも関わっていく、平原に吹く爽やかな風と猫達のもふもふは非常に心地のいい時間であった。

 

 そろそろお暇しようかと思ったところ彼女から提案があった、先生と特別に模擬戦をしたいとの事、なぜかと言うと兄姉の家族である自身の力を試したいとの事だった。
 先生自身戦いは嫌いでは無いし神竜の力が気になっていたのは事実、故に受けることにした、今回は軽い模擬戦故に武器は使わずお互い格闘戦とした。

 

 軽い模擬戦、あっさり言ったが傍から見れば凄まじいものだった、ボクシングをベースとした先生の鋭い拳の格闘術、対してルミエルはカンフーの様に全身をしなやかに使い、手足や投げも含め対応していく、だがお互い判断が早く中々決定打にならない。
 だが時間にして30分も打ち合った頃、お互いに手をおろし構えを解く、その二人の顔には笑みが浮かんでいた、互いに力を認め、讃え合う笑みが。ソティスは近くに集まる猫達とともに楽しんで見ていた。

 

 何方とも無く握手をした後今度こそお暇となる、お互いまた会いに来ることを約束して、またこのリトスに限らずエレオスの各地区にはそれぞれの猫が住んでいることも聞き、今後は長期で休めたときはエレオス一帯の旅行にしたいなと考える。
 そんな楽しい期待と思い出を胸に、二人で帰路についたのだった。