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Last-modified: 2023-04-09 (日) 22:34:48

サラ「祝! 第! さん! じゅっ! 回!
   サランンー! レイ! ディ! オォーッ!」
ンン「久しぶりに、テンション高い始まりなのです」
サラ「まぁ、これ以降は特に記念回要素とか準備してないんだけどね」
ンン「台無しなのです」
サラ「そんなことより! 1通目! ラジオネーム『名誉会長』さんからのお便りー!」

 
 

『朝……傍らで眠るお相手の寝顔を見た時の満たされた気持ちを語ってください。
 こちらは何万回でも語り尽くせます』

 
 

サラ「是非とも語りたいところだけど、私が起きる時間帯って、既に訓練に出ちゃっているのよね」
ンン「エフラムさん含めて、私たち訓練組が起きる時は、アクアお姉さん以外はまだ寝ているのです」
サラ「そのアクア姉様も、寝癖を直した頃には訓練が始まっているらしいから、じっくり兄様の寝顔を眺める余裕はなさそうね」
ンン「よっぽど寝癖を見られたくないのですね……」
サラ「と、言うわけで! 訓練ガチ勢として、兄様より先に起きて寝顔を見る機会もあるだろうンンに、語ってもらいましょうか!」
ンン「嫌に決まっているのです!」
サラ「どうせそう言うだろうと思って、あらかじめアメリアとカザハナにインタビューしておいたわ」
ンン「なんですかその無駄な用意の良さは!?」
サラ「30回記念の特別企画ってことで」
ンン「ついさっき記念回要素はないって言ったですよ!?」

 
 

アメリア「みなさんこんにちは! 覇王1番弟子! アメリアです!」
カザハナ「何その名乗り? えーっと、白暗夜家臣、カザハナです。よろしく」
アメリア「本当は、ネフェニーさんやミルラも一緒に、って話だったんだけど」
カザハナ「あのネフェニーさんが、この紋章町だけじゃなく、異界にまで放送しているラジオに出るのは……」
アメリア「『ごめん……! ムリ……です……!』って、言ってたもんねぇ」
カザハナ「私たち家族相手にも方言が出なくなる辺り、本気で無理そうね。
     ミルラも同じ理由?」
アメリア「うーんと……師匠の寝顔を見た感想、がお題、なんだけど……」
カザハナ「……あー、そう言えば……」
アメリア「ミルラが起きる前に、いつも師匠が先に起きちゃうから……」
カザハナ「毎朝、そろそろ先越され属性なくしたいです、って落ち込んでいるものね……」
アメリア「訓練組とアクアさん以外はまだ寝てるから、目覚ましかけるわけにもいかないし……。
     ミルラを起こそうとしたら、何故か師匠も起きちゃうし……。
     と、ともかく! 師匠の寝顔について話そうか!」
カザハナ「…………言わないとダメなの?」
アメリア「……恥ずかしくない範囲にしとく?」
カザハナ「何を話しても恥ずかしい気がするんだけど?」
アメリア「それはそうだけど……せっかく頼まれたから、何か答えないと……」

 

カザハナ「……よし! いっそ先に話した方が気楽そうだし、私から行く!」
アメリア「えっ!? ええと……どうぞ!」
カザハナ「うん……! じゃあ、まずは印象からね!
     なんとなくだけど、そう言えば私と3才しか違わないんだなぁ、って思うことが多い気がするわ」
アメリア「確かに、起きてる時は、覇王! って感じだよね」
カザハナ「学校でも覇王扱いらしいわね。
     槍を構えている時は、更に覇気が増している気がするし」
アメリア「カザハナが訓練後に欲しがりになっちゃうのって、師匠の覇気にあてられて……」
カザハナ「やめい! それを言うなら! アメリアだってそうでしょ!?」
アメリア「あ、あたしはちゃんと! 時間がない日とかは我慢してるもん!」
カザハナ「私が自制心ないみたいに言うんじゃないわよ!?」
アメリア「待って! 話が脱線してる!」
カザハナ「脱線させたのは自分でしょうが…………良いわ、話を戻しましょう。
     アメリアは、先に起きた時に見てるとことかあるの?」
アメリア「こっそり腕枕してもらったりとか、起こさずにどこまで密着できるかとか……」
カザハナ「思ったより積極的だったわ」
アメリア「至近距離で横顔を見る機会って、普段はあんまりないから、ドキドキするよね」
カザハナ「……分からなくもないわ」
アメリア「1人1個ずつ話したし! あたしたちの出番はここまでにしよっか!」
カザハナ「そうね。思ったより長引いたし、終わりにしましょう」
アメリア「それでは! 引き続き、サランン・レイディオをお楽しみください!」
カザハナ「サラもンンも、頑張ってね」

 
 

サラ「アメリアもカザハナも、インタビューに答えてくれてありがとね。私たちも頑張るわ」
ンン「サラは今以上に頑張らなくて良いのです。勢い落とすのです」
サラ「そんなこと言って、本当に大人しくなったら心配するくせに」
ンン「心配の前に、何を企んでいるのかって不安が来るですよ」
サラ「不安の後には心配もあるってことね」
ンン「どこまでポジティブなんです!?」
サラ「話は変わるけど、神竜な義姉様義兄様と言えば、我が家の名家資産家組は例外なくフィレネの50000Gコース即決したわ」
ンン「言っとくですが、私は自分用が欲しかったからですからね」
サラ「『どうせみんなエフラムさんにプレゼントしたがるでしょうけど、もしも私のが先に届いたら、ちょっと貸してあげるくらいなら良いのですよ』」
ンン「声真似やめろです!!」
サラ「『しばらくやってなかったせいで、少し下手になってるですね……練習しておくのです』」
ンン「そんな努力いらないですよ!」

 

サラ「2通目は、ラジオネーム『叡智の茨』さんから」

 
 

『相談させて貰えるかしら? 私が心に想っている相手が、私の住む区の信仰対象なのだけど、相手も他に想っていそうな相手もいるし、どう踏み出せばいいのかしら?
 それから宣伝だけど、私達が経営している焼肉屋もよろしくね』

 
 

サラ「Eドリンク! ロプト製酒! 人払いも引き受けます! ロプト教団!」
ンン「もはや何の集まりか分からない集団になっているのです!」
サラ「後はそうね……ぶっちゃけて良い?」
ンン「あー、はいはい、メタなのですね」
サラ「待っているだけで動かないと、状況を動かすネタが出ない」
ンン「ぶっちゃけすぎなのですよ!?」
サラ「デートに誘うだけでもネタになる、他に想っていそうな相手と本音で話し合うのもネタになる。
   だけど、何もしなければ、何も変わらないわ」
ンン「メタまみれのくせに、結論は良い台詞みたいなのです」
サラ「あと、起承転結の起になるネタは便乗しやすい」
ンン「またメタに戻ったのです」
サラ「信仰対象云々は、姉妹義姉にガチ神がいる私たちじゃ、感覚がズレすぎて参考にならないわね」
ンン「それはまあ……確かにですね」
サラ「自分の地区の信仰対象と結ばれている人ってことで、教師義兄様に相談してみる?」
ンン「一応、神将なお義兄さんもですが……」
サラ「あっちは参考にならないでしょ。長女義姉様に憑依できて、人型になれる鳥って認識よ」
ンン「…………否定できないのです」
サラ「逆に考えると、神将義兄様は極端だけど、神だなんだって意識しすぎないことも大切なのかしらね」
ンン「あくまでも一個人として見る、ってことです?」
サラ「そうそう。うちとかもう、竜王家出身者すらナーガ姉様のこと世話の焼ける姉か母としか見てないし」
ンン「私は何も言わないですからね」
サラ「ノーコメントを表明している時点で、語るに落ちているわね」
ンン「はい! 信仰対象についてはここまでなのです! 焼肉屋さんの宣伝もしているですよ!」
サラ「あらあら、夕飯だけじゃ足りなかったのかしら? 良く食べる娘だわ」
ンン「ほっとけです!」
サラ「2人きりの焼肉デートは難易度高いから、今度みんなで行きましょうか」
ンン「……そうですね」
サラ「デートコース候補に1回入れてすぐに外したのがバレたかと思いつつ、下手に突っ込むと藪蛇になりそうで耐えるンンかわいい」
ンン「ぶっ飛ばして差し上げるのです!」

 

サラ「それじゃ、3通……目……は……」
ンン「急に黙ってどうしたのです?
   ……あー、なるほどです」
サラ「…………ちょっと進行よろしく」
ンン「はいはい。3通目のお便りは、ラジオネーム『覇王』さんからなのです」

 
 

『もう30回か、ここまでよく頑張ったな、サラ、ンン、家に帰ってきたら、みんなでお祝いをするから楽しみに、していてくれ。俺も、出来るだけ二人の願いを聞こう』

 
 

ンン「……まったく、不特定多数が聞いている番組で、良くもまあ、こんな恥ずかしい台詞が吐けるですね」
サラ「とか言いつつ、ンンもニヤニヤしちゃっている件」
ンン「さっきまでマイクに音が入らないようにクッションで声を殺しながら転がり回っていた人が何か言っているのです」
サラ「かつてないくらい早口ね」
ンン「こんなに真っ赤になっているサラは、久しぶりに見るですよ」
サラ「しょうがないでしょ! 嬉しかったんだから!」
ンン「やっと素直になったのです」
サラ「どうせ、今は素直じゃないンンも、兄様と向かい合えば……」
ンン「言わせないですよ」
サラ「それじゃあ、素直になった時のンンの可愛さは、我が家の秘密ってことで」
ンン「これはこれで恥ずかしいのです!」
サラ「ワガママねぇ」
ンン「特に話すことないなら、さっさと終わりの挨拶するですよ!」
サラ「あらあら、焦っちゃって。そんなに早く兄様にお願いがしたいのかしら」
ンン「そうやって私をからかうってことは、サラはお願いしなくて良いのですね」
サラ「するに決まっているでしょ。何を言っているの」
ンン「どっちがワガママですか!!」
サラ「ンンはワガママ。だけど私は、それ以上にワガママよ」
ンン「自覚しているのが、たち悪いのです」

サラ「てことで! 私たち急用ができたから、今日の放送はここまで!」
ンン「これまで30回もお付き合いくださり、ありがとうなのです」
サラ「何か最終回っぽい雰囲気出しているけど、お便りが来る限りは続けて行くわ」
ンン「……どさくさで終わらせるのは失敗ですか」
サラ「私から逃げられると思わないことね。
   それじゃ、またのお便り待ってるわ! ばいばーい!」
ンン「ばいばいなのです」