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Last-modified: 2009-12-12 (土) 14:30:01

~また竜王家で~

 

ユリウス「はぁ・・・」
フィーア(いかにも『かまってください』と訴えてるようなため息・・・)
ツヴェルフ(ここは気づかない振りをして・・・)
ユリウス「(横目でにらみながら)はあああああぁぁぁぁ・・・」
フィーア「・・・どうかしましたか?ユリウス様。」
ユリウス「ああ、お前等いたのか。」
ツヴェルフ「(しらじらしい・・・素直に言えばいいのに)それでどうされたのですか?」
ユリウス「・・・最近ユリアが元気ないように見えないか?」
フィーア「(やっぱりそのことか)ええ、確かに。我々も調べてみたのですが、どうやらセリス君のことで落ち込んでいるようです。」
ユリウス「なに!あいつ何をしでかしたんだ。」
ツヴェルフ「いえ、こっそりユリア様の日記を拝借したのですが、どうにも彼は最近女性、特にユリア様に対して
      ずいぶん態度がよそよそしいようで、誰か恋人ができたのではないのかと困惑していらっしゃるようです。」
ユリウス「なんだって!、それはいいことじゃないか・・・って、おい、ツヴェルフ。」
ツヴェルフ「何か?」
ユリウス「おまえ、ユリアの日記を覗いておいて何が『何か?』だ、ふざけるな!!」
       ちゅどーん!!
ユリウス「これを機にセリスを諦めさせる事も・・・しかしそうしたらさすがに傷つくか・・・」
フィーア「(まったく、ユリア様には甘いのだから)ならばセリス君と仲良くなるべきでは?」
ユリウス「何言ってるんだ、あんな奴と仲良くできるか!!」
フィーア「セリス君はユリウス様に友情を感じております。純粋で大抵の事は都合よく解釈してしまう彼ですが、ユリウス様が
     正直に彼に話せば、間違いなく彼はユリア様から手を引くでしょう。」
ユリウス「・・・フィーア?」
フィーア「失恋は確かに傷つくことです。しかしユリア様を本当に思うのであるならば・・・」
ユリウス「・・・つまらない話をした。(くるり)」
ツヴェルフ「ゴホッ、どうしたフィーア、お前まで・・・」
フィーア「(リカバーをかけつつ)ユリア様については同意見だ。あんな純粋すぎる少年にはユリア様を
     任せられない」
ツヴェルフ「・・・確かに、な」

 

 件のさくらんぼ事件のことを彼らは露知らず。

 

翌日学校にて

 

ユリウス「(遠目にセリスを見つつ)確か今日は罵射気裏通多亞の集会でラナオウは出現しないはず、奴と
     話すには今日あたりがうってつけ・・・」
セリス「どうかした?ユリウス?」
ユリウス「!!ああ、お前放課後はどんな予定だ?」
セリス「(にこにこ)うん、今日は服を買いに行くつもりだよ。お小遣いがやっとたまったんだ。」
ユリウス「(チャンス!)じゃあ、つきあってやるよ」
セリス「ええっ!本当に?」
ユリウス「・・・ああ。正直お前女物の服とか平気で買いそうだしな、僕がどんなのが似合うか
     探してやるよ。それにマギ・ヴァルとかお前一人で言ったことないだろ?」
セリス「うん!!ありがとう、ユリウス!」
ユリウス「だけど、お前の兄弟とかほかの友人には黙っとけよ。じゃあまたな」

 

そして待ち合わせ場所、待ち合わせ時間にて

 

ユリウス「・・・遅いな、何やってるんだ?もしや何かに巻き込まれたんじゃ・・・(ドキドキ)
     ってこれじゃまるでデートの待ち合わせじゃないか!!」
バズバ「うおー、いてててて、」
ボン「たいへんだ、兄貴の腕が折れちまった、てめえ、どこ見て歩いてんだコラ!」
セリス「ごごご、ごめんなさい!ちょっと急いでて・・・」
ユリウス(セリス!!)
バズバ「アー、こりゃ病院に行かなきゃなあ、治療費出しな、このがきっ!!」
セリス「ううっ、わかりました、はい・・・」
ボン「なんだぁ、これぽっちしかもってねえのかよ、しみったれてやが」
フェンリルでボンが吹っ飛ぶ。
ユリウス「(空中に待った財布を取りつつ)下衆が僕の連れに何をしている」
セリス「・・・!」
バズバ「こいつはやべえ!逃げるぞ、」
ボン「待ってくれ、あにきぃ~」
セリス「ユリウス・・・ありg」
パァニ
セリス「(頬を押さえつつ)ユ、ユリウス?」
ユリウス「なにやってんだ、その金はお前のなけなしの金だろ!」
セリス「でっ、でもぼくは・・・」
ユリウス「どう見てもあんな奴ら当たり屋だろうが!!今日という今日は言わせてもらうが、
     お前は無思慮すぎる!!」
セリス「!!」
ユリウス「その純真さこそお前の気質かもしれんが、明らかにそれは弱さだ!!少しは人を
     疑うことを知れ!!そんなざまじゃ、一人では生きて・・・」
セリス「・・・うっ、うっ、」
ユリウス(言い過ぎたか?)
セリス「・・・ごめん、ユリウス・・・そうだよね、僕は兄さん達みたいにたくましくないから・・・こんな」
ユリウス「だっ、だからってそうすぐ謝るな。」
セリス「前にもマルス兄さんに同じことを言われたよ。もう少しこすっからしくなれって。でも僕は結局また・・・」
    ゴシゴシゴシッ!!
セリス「うわああ、なにを」
ユリウス「涙をふき取ってやってるんだよ、あまりに情けない面だからな。いつもみたいに
     持ち前のプラス思考でヘラヘラしてろ。」
セリス「でもっ、僕は・・・」
ユリウス「フン!人間がそう簡単に変われるか!だが、将来そんなんで困るのはおまえ自身だ。それがいやなら今は
     くよくよしてないで少しは深く考えられるような人になるよう努力をしろ!!」
セリス「・・・うん!ありがとうユリウス!!(ギュッ)」
ユリウス「こら、抱きつくな!!服を買いに行くんだろ。とっととついて来い!!」
セリス「うん!!(ガシッ)」
ユリウス「(カアアアァ)だーかーら腕を組むな!もうちょっと離れて歩け!!」
セリス「ユリウス顔赤いよ?大丈夫?」
ユリウス「うるさいっ、黙ってついて来い!!」

 

その日の晩
フィーア「それで結局彼に振り回され続けたってわけですか」
ユリウス「・・・まあな(本当に、あいつはあのままずーっと誰かに愛され続けて生きていくかもな。)」
エルフ「(・・・このままでは本当にセリス×ユリウス?)ぶつぶつ・・・」
ドライ「あのー、ユリウス様。お客様とユリア様が・・・」
ユリウス「何?・・・ってラナオウとイシュタル!!なんのようだ!!」
ユリア「・・・今日は私を差し置いてずいぶんセリス様と仲良く過ごしたそうですね。お兄様」
イシュタル「何でも公衆の面前で涙を拭いて差し上げたり抱き合ったり腕を組んで歩いたりしたとか・・・」
ラナオウ「(ブチブチ)そしてこの私の目の届かないうちに1年に1度有るか無いかのセリス様の
     衣服購入イベントを・・・」
ユリウス「ちょ、ちょっとまて!!今日に限っては何もおかしいことをしてないぞ!!大体ユリアだって
     いつもセリスと仲良くしろっていってただろ!!」
ユリア「時と場合によりますわ、では覚悟を・・・」
フィーア「しかしユリア様・・・」
ユリア「みんな仲良く消し炭になる?」
フィーア「そういえば夕食の支度が(スタスタ)」エルフ「メディウス様の湯浴みの時間(トテテ)」
ドライ「屋敷の修理の準備をしてきます(トトト)」
ユリウス「この薄情者共ー!!」
チュドドドドーン

 

一方主人公家
セリス「ただいまー!!」
リン「お帰りなさい。あら、その服すごく似合ってるじゃない。」
セリス「うん、ユリウスが選んでくれたんだー♪」
エリウッド「でもそんな高そうな服、予算は足りたのかい?」
セリス「うん、ユリウスが『ちょうどだな。僕も欲しいのあるから一緒に会計してきてやる』って言って。」
リーフ(差額分出してやったんだな。でもあいつそんなにいい奴だったっけ?僕もたかってみようか)

 

そしてその夜、セリスはベランダに出て、
セリス「あっ、流れ星、ふふっ、また一緒に行けるといいな・・・」
同時刻、ユリウス、瓦礫の下で流れ星をにらみながら
ユリウス「もう2度とあいつと付き合ってやるもんか・・・」