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Last-modified: 2009-03-23 (月) 02:10:09

現在の七夕

 

時は七夕の前日の晩に遡る
ロイ「そういえば明日は七夕だね。兄さん準備は大丈夫?」
アイク「!しまった。すっかり忘れていた。毎年俺が修行を兼ねて山から笹を取ってきて

    いたんだったな。」
ミカヤ「やだ、どうするのよ。今年はミルラちゃんたちもうちに来て書くって言ってたわよ。」
アイク「・・・今からでも遅くわない。取りに・・・」
シグルド「駄目だ、いくらお前でも今から笹地に言っても間に合わない。去年だって3日はかかっただろ。
     それに何よりも危ない」
ミカヤ「明日お店でちっちゃいのを買ってくるから。あの子達ならそれできっと満足よ」
アイク「・・・すまない。」
エリウッド「でもそれだったら竜王家に伝えたほうがいいな。楽しみにしてるだろうし」#br

 

一方竜王家

 

ニニアン「はぁ、最近めっきりエリウッド様に会えていない。でも外に出るのは億劫・・・ああ、
     どうすれば・・・」
トゥルルルルル
ニニアン「(ガチャ)はい・・・竜王家です・・・」
エリウッド「ニニアンかい?」
ニニアン「エリウッド様!!どうされたのですか?こんな時間に・・・」
エリウッド「明日の七夕にミルラちゃんたちが来ることになっているだろう。でも、あいにくの
      笹が調達できなくて、普通の小さいものになりそうなんで・・・」
ニニアン「(これはまさかチャンスでは!)ならばぜひ我が家にいらっしゃってください!
     実はうちの庭の一角に笹竹が生い茂っておりまして・・・」
エリウッド「そっ、そうだったのかい?でも悪いんじゃ・・・」
ニニアン「滅相もないです。常日頃から妹たちがお世話になっているのですから、
     明日くらい是非遊びに来てください!」
エリウッド「そうか、じゃあすまないが明日はよろしく頼むよ」
ニニアン「いえいえ、それではお休みなさいませ。(ガチャンッ)ふぅ、これで明日は
     エリウッド様がいらっしゃて下さる・・・でも実際笹竹なんてないしどうしま・・・」
ドライ「さて、今日の仕事はこれで終わりだな。」
ニニアン「あらちょうどいい所に、ちょっといいですか・・・?」
ドライ「はい?」

 

~七夕当日~
竜王家で名園とも言える笹竹を目の当たりにする主人公一家
エリウッド「すごいな・・・」
マルス「しかし気づかなかったな・・・こんなのあったけ?」
ニルス(姉さん、このあたりには何もなかった気がするけど。)
ニニアン(・・・ドライが一晩でやってくれました。日々の重労働の後でこの仕事を頼むのは流石に
     ひどすぎたでしょう。しかし彼は『間に合う』と即答してくれました。笹の調達から
     植林まで、周りの土の様子から苔や枯れ葉などの位置まで、完璧に真似しそっくりに)
ニルス(何に?)

 

ユリア「(窓からその様子を眺めつつ)姉様・・・まあセリス様もいらっしゃている事ですし、参りましょう」
ミルラ「はい・・・(お願い事・・・どんな事に・・・わくわく)」
その時使用人たちの部屋から・・・
ゼクス「また無茶なこと頼まれたものね。」
ドライ「仕事とあればいかなる事でもやるのがわれわれでしょーが。でも何時からあんなふうに風習が
    かわったのだだろう?」
ミルラ「??」
アハト「確かにな。本来何かを吊るすということはそれを先祖達に捧げるということ。『この短冊にどうぞご先祖様の願いを
    託してください』という意味だったのに、今では『願いをかなえてください』にすり替わってしまっている」
アインス「全く他力本願になったものよ。まあ、何事も自分の都合のいいように変えるのが人の・・・」
ミルラ「!!」

 

つナーガ   チュドドドドーン!

 

ユリア「・・・別にこんなこと気にする必要はないわ」
ミルラ「・・・・・・・・」

 

そして・・・

 

セリス「ユリウスはどんな願い事書いた?(ひょい)」
ユリウス「こっ、コラ、返せ!!」
セリス「なになに・・・『セリスの奴がもっとしっかりしてくれますように』ユリウス・・・こんなに僕のことを・・・」
ミカヤ「セリスも隅に置けないわねえ」
ユリウス「コラーっ、勘違いするなー!!」

 

ミルラ「・・・・・」
エフラム「どうしたミルラ?さっきから止まっているぞ・・・」
ミルラ「さっき短冊の意味を聞いてしまって・・・私が願い事を書いたら・・・ご先祖様に悪いです。」
エフラム「?」
リン「確かにはじめはそんな話だったらしいわね。でも今は違うのよ?」
ミルラ「でも・・・」
リン「わかった。じゃあ「~になりますように』じゃなくて『な~になります』って書きなさい。」
ミルラ「えっ・・・?」
リン「願い事を短冊に書くきっかけになったのはそれよ。ご先祖様だったらもちろん私たちの
   幸せを願っているでしょう。だから短冊にあらかじめその決意を表明してご先祖様を安心させよう
   としたのが始まりなの。だから心配しなくていいわ。」
ミルラ「・・・!わかりました。書きます!!」
エフラム「そうだ、よくわからんがそれでよい・・・って・・・」
ミルラ『エフラムおにいちゃんのお嫁さんになります!!』
エフラム「みっ、ミルラ、流石にその決意を今表明するのは早すぎる・・・というかまずい!!」
リン「あらあら、焼けるわねえ・・・って、リーフ、何で鼻血たらしてるの?」
シグルド「ははっ、子供というのは可愛いのだな。」
エフラム「かっ、からかわないでくれ!!」
シグルド「いやまったく・・・どこかで兄妹同士でいちゃついてる不純な奴らとは大違いだな。こらーっ!!」
セリカ「ちっ、こんなところでよく暴れられるわね。ライナロック!!」
ロイ「あっ・・・笹竹に火がついた。」
ゴオオオオオオ
ミルラ「ああ・・・・」
リン「・・・心配しないで。もともと願いをつけた笹は燃やすものなのよ。天まで持っていくために」
ミルラ「じゃあ、叶うでしょうか・・・」
リン「叶うじゃなくて、叶えるでしょ。(と言ったらまずいかしら・・・?)」
ミルラ「・・・はい!!」