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Last-modified: 2013-11-06 (水) 21:46:13

207 :幼女の旗の下に:2010/11/08(月) 15:10:13 ID:3R21O+OY

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4 ロプト教の結婚式か…      ど…どんなだろう? エフラムを通してサラに頼めばやってくれそうな気はするが…

シグルド 「うーむちょっと興味あるな…ろ…ロプト式…」
ディアドラ「し…シグルド様?」
シグルド 「よしロプト式に…」
ディアドラ「ちょ…ちょっと待ってください!?なにもあんなうさんくさいところにお願いしなくても…」
クルト  「そうだぞ。大事な式をそのような怪しげな教団に…」
シグルド 「う…それはそうですが…」

たちまちステレオで反対されるとさすがにシグルドも不安になった。
だが一度気になりだすとどうにも気になる。
シグルドも簡単には自案を引っ込めない。何故ロプトにこだわってしまったのかは自分でもよくわからないが。
頑ななシグルドにクルトもディアドラも困り果てた。

クルト  「生涯に一度の事なのだからよく考えたまえまったく…呪われでもしたらどうするんだ。父上からも何か言ってやってください」
アズムール「ほっほっそなたらのよきにはからえ。ワシにお迎えが来る前に式を挙げてくれるならワシャ口出しせんよ」
クルト  「父上?…まったくもう…シグルド君、とにかくここで性急に決めてしまう事もあるまい。
      両家の親族会議で決めるべきだろうしその時までによく考えなおしたまえ」
シグルド 「は…はぁ…そんなにダメですかねロプト式?」
ディアドラ「だって…怪しいですし邪教ですし…記憶とか弄られそうな気もしますし…」
シグルド 「むむ……」

ここまで反対されるとシグルドも折れる気持ちになってきた。
諦めて他の教団を考えようとした瞬間…なんだかどうしてもロプト式で式を挙げたくなってきた。
シグルドはこの場はとりあえず置いといて親族会議の席で改めてロプト式を提案する事にした。
209 :幼女の旗の下に:2010/11/08(月) 15:10:56 ID:3R21O+OY

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ほどなくしてバーハラ家の一室に両家の家族を集めて親族会議が開かれた…
ここでも開口一番シグルドはロプト式を提案してみんなに反対されまくった。
ミカヤ  「ねーシグルド…悪い事言わないから考えなおしたら?
      お姉ちゃんシグルドとディアドラさんの二人がよいならいいと思うけど…ディアドラさんも嫌みたいだし」
エリンシア「そうですわ…大事な事なのですから…」
シグルド 「うう…っそれはそうなんだけど…」
セリカ  「そーよそーよよりにもよってあんな腐れ邪教で式を挙げようなんて…兄さんは邪教徒になってしまったの?」
アイク  「いかんのか?俺はやりたい形でやればいいと思うぞ?」
セリカ  「ロプトの結婚式の料理なんてどうせ怪しいトカゲとかイモリとかよ!!!
      アイク兄さんはそれでもいいのっ!?」
アイク  「どっちも食った事がある。なかなかイケるぞ」
リーフ  「僕も僕も」
セリカ  「……」

その時エフラムの膝に座って会議の行く末を見つめていたサラが口を開いた。
どちらの家族でもないが何故かこの場についてきていたのだ。
サラ   「…いいんじゃない?ロプトで…」
セリカ  「あんたは黙ってなさい邪教徒!」
クルト  「いいかね。これは大事なことなのだ。子供が口を差し挟む事ではないよ」
サラ   「……一番大事なのは当人同士の選択でしょ?」
そう言うとサラはシグルドとディアドラに視線を向けた。
サラ   「ね? お二人はどう? ロプトがいいって…思ったんだよね?」

シグルド 「あ…ああ」
ディアドラ「いえ、私は反対なんですけど」
サラの視線を受けるとロプト式を諦めかけた時に感じた気持ち…
どうしてもロプトで式を挙げたいという気持ちが何故だか強くなった。
シグルド 「やはりロプト式にしよう!いいじゃないか。一生に一度の事なんだから特別な事にしたい。
      人と違う形をとって参列者みんなも忘れられないような素晴らしい式にしようじゃないか。
      ディアドラ…わがままを言ってすまないがどうか私の気持ちを汲んでくれ」
ディアドラ「し…シグルド様がそこまで言われるのでしたら…」

…こうして結婚式はロプト式に決まった。
クルトは苦虫を噛み潰したような表情をしているし、ミカヤもエリンシアもなんでそこまで…と疑問を浮かべている。
エフラム 「サラ…お前なにかしたのか?」
サラ   「あら?別に私はなにもしてないよ。ただシグルドさんの選択を後押ししてあげただけ」
     (二人の後押しも私の恋の薬だったものね…せっかくロプトで式を挙げる気になったんだもん。
      最後まで面倒見てあげる…ふふ)

210 :幼女の旗の下に:2010/11/08(月) 15:11:38 ID:3R21O+OY

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その後は具体的な段取りや日程を定めて…招待状の作成に入った。
両家の親族やシグルドやディアドラの友人、会社の同僚、
学生時代に親しくした人や恩師、クルトの取引先や貴族などさまざまな人々をリストアップしていく。

マルス  「さすがに名門バーハラともなると各界の要人の名前も多いねぇ」
     (この機会にコネクションを作れるかな? フフフ)
リン   「またなんかいらんこと考えてる顔ね…シメといたほうがいいかしら?」
エリウッド「よそ様のお宅で喧嘩するのはやめてくれ…それにこれから親戚になるんだから…」
リン   「わ…わかってるわよ」
セリス  「嬉しいなぁこうやってシグルド兄さんの結婚のお手伝いができるなんて」
エイリーク「ふふ、本当ですね」

字のきれいなセリスとエイリークが招待状の宛名書きをしている。
その向こうでは憮然としたセリカをアルムが宥めている。

ヘクトル 「しっかしよーロプト式ってどんな式になるんだ?
      マジでトカゲやイモリが出るのか?」
リン   「あんたね…開口一番食い物の話しか出ない訳?
      だからピザるのよ」
ロイ   「ブーブー今夜はトンカツかな」
ヘクトル 「ち…ちがわい!ピザちゃうわい!ちょっと気になっただけじゃねえか!!!」

エリウッド「さ…騒がしくしてしまってすみません…」
アズムール「なぁに構わんよ。元気がよくて結構な事じゃ。若い者はそうでなくてはのう」

シグルド 「この人とこの人にも招待状を出して…ああ、ディアドラ君の方はどうだい?」
ディアドラ「お友達のエスリン様を招待しますわ」
シグルド 「そうだな。私もエルトシャンやキュアンや…」

その言葉を耳に留めたリーフがそっとエフラムに促した。
リーフ  「兄さん…」
エフラム 「ああ…」

二人はトイレに行くと言って部屋を離れた…

211 :幼女の旗の下に:2010/11/08(月) 15:13:41 ID:3R21O+OY

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廊下で二人になる…
周囲に人気は無い。

リーフ  「キュアンさんの救出計画…予定繰り上げないとね」
エフラム 「そうだな…」

シグルドの友人キュアンがレイドリックに捕らわれている事は以前ジャファルの調査で判明している。
ベルン署にタレこむ事も考えたが物的証拠が無い以上捜査令状が降りないだろう。
そう考えて内偵を進めていたのだが…

エフラム 「悠長に事を構えていては結婚式に間に合わないな…」
リーフ  「シグルド兄さんとキュアンさんは大親友だもんね…式に出られなくなったら二人ともがっかりするよ…」
エフラム 「だからこそ早急に助けてやらんとな…」
リーフ  「合法な方法を取っていては間に合わないんじゃない?」
エフラム 「俺たちは無法者ではない。政治家だ。色々と気を使う部分も多いのだ…まぁカナスの受け売りだが」
リーフ  「兄さん達はね?でも僕らは違うよ。アウトローだもの」
エフラム 「確かにな、そちらの流儀でいくならウチからもジャファルに協力させよう」
リーフ  「何パターンか方法はあるね」
エフラム 「一つはこれまでどおり証拠集めをしてベルン署に要請する。…が、これは時間がかかりすぎる」
リーフ  「もう一つは僕ら緑葉が侵入して身柄を奪回する…時間もかからないし成功すればレイドリックを罪に問えるけど失敗したらただの不法侵入。
      まぁ僕らは元々日の下を歩く集団じゃないから逮捕されてもそんなに困らないけど」
エフラム 「ううむまだるっこしいな…正面から殴りこみたくなるな」
リーフ  「ベルン署に関連するかもしれないけどもう一つあるよ。フィンがバイロン大統領に協力を依頼して調査してもらってるって。
      確かキュアンさんの義父になるそうだね。ベルン署のラインはそちらと絡めて協力してもいいかも」
エフラム 「なるほどな…手っ取り早くレスキューは使えないか?」
リーフ  「ジャファルさんの調査図面を見たけどね。ありゃ無理だよ。
      牢に結界が張られてる。六箇所の魔方陣を同時に踏まないと解除できないよ。
      殴りこみ案か潜入奪回案の場合は6人以上でいく必要があるね。まぁ人数は問題無いけど」
エフラム 「そうだな…あまり時間もない事だし方針はここで決めよう」

本来なら仲間ともっと相談したいところだがあまり時間も無い。
それぞれの組織の党首と首領の意思ということでここで決断を下す事とした。

続く

1 地道に調査内偵する  法にそってベルン署に協力、摘発しよう。大統領サイドの調査とも並行、協力して進めたいところだ。
2 殴りこむ       細かい事は後で考える。これが一番手っ取り早いだろう。
3 緑葉を主力に潜入する 極秘裏に身柄を取り戻すのだ!ジャファルと緑葉の力に期待するぞ!

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