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Last-modified: 2007-07-23 (月) 00:11:00

みんなでキャンプへGOGOGO!

 

リン   「ただいまー……? なんか、ずいぶん家が静かね……
      リーフー? ロイー? ヘクトルー? ……誰もいないのかしら……?」
エイリーク「ああ、リンディス、お帰りなさい」
セリカ  「大変よ、リン姉さん」
リン   「どうしたの? 男どもが誰もいないみたいだけど」
ミカヤ  「そうなのよ。こんな時間になっても誰も帰ってこなくって」
リン   「みんな? アルムも?」
セリカ  「うん。わたしにも何も言伝がなくて……」
エリンシア「心配ですわね」
リン   「……怪しいわね」
ミカヤ  「え、何が?」
リン   「……エリンシア姉さん。なんか、兄弟皆がいなくなったにしては随分落ち着いてるわね……?」
エリンシア「う……そ、そうかしら……?」
リン   「……なんか、隠してるでしょ?」
ミカヤ  「……そうなの、エリンシア……?」
セリカ  「……まさか、姉さんがアルムを……」
エイリーク「……姉上、そんな風に目をそらされては、私としても疑わずにはいられなくなるのですが……?」
エリンシア「ま、待って、皆! 誤解なのよ!」
ミカヤ  「誤解……?」
エリンシア「ええそうですわお姉さま。私、確かに我が家の男性陣がどこにいるのかは知っていますけど」
リン   「じゃ、やっぱりエリンシア姉さんが何かしたのね?」
エリンシア「そんな、人聞きの悪い……わたしはただ、皆をここに送っただけなのよ?」

 

 と、一枚のチラシを出してみせるエリンシア。

 

リン   「……『バアトルズ・ブートキャンプ これであなたもガチムチに』……」
エリンシア「うふふ……これで我が家は毎日筋肉祭り……ハァハァ……」
セリカ  「イヤァァァァァァァァッ! ガチムチのアルムなんてイヤァァァァァァァァァッ!」
エリンシア「あらあら、そんな風に騒ぐものではなくてよセリカちゃん。筋肉はとてもいいものなのです」
ミカヤ  「……筋肉のこととなると見境がなくなるわねエリンシア……」
リン   「……まあ、リーフやセリスにとってはいい経験になるかもしれないわね。
      ひょっとしたらマルスの腐った根性も叩き直してもらえるかもしれないし……」
エイリーク「そうですね。何にしても危険はないようですし、皆さんが帰ってくるのを静かに待ちましょう」
セリカ  「うう……アルム、無事でいてね……」
リン   「よしよし、大丈夫よーセリカ……さ、とりあえずご飯にしましょ」

 

~で、約一週間後~

 

ロイ   「……ただいま……」
リン   「あ、皆帰ってきたみたいよ」
エイリーク「? なんだか、先程のロイの声、ずいぶんと元気がありませんでしたね?」
リン   「厳しい訓練で疲れてるんじゃないの? さ、我が家の男性陣を暖かく迎えてあげましょう」
エリンシア「ハァハァ……今日から我が家は筋肉祭り……!」
ミカヤ  「自重しなさい、エリンシア」
セリカ  「ああ、アルム……! 無事なの……!?」

 

リン   「……で、玄関先に来てみれば……」
エイリーク「……どうして皆さん気だるげに倒れているのでしょう……?」
ロイ   「うー……だるー……」
セリス  「あー、何もかもが面倒くさい……」
リーフ  「日光って体に毒だよねー」
マルス  「全くだ……これからはずっと部屋に引きこもっていよう……」
セリカ  「ど、どうしちゃったの皆!? あ、アルム……!?」
アルム  「やあセリカ……僕もう畑とか止めるから。君一人で働いて僕を養ってくれない?」
セリカ  「な、何言ってるの!? ダメよ、そんなの大地母神ミラがお許しにならないわ!」
アルム  「いいじゃないかー。僕を愛してるんだろー?」
セリカ  「そ、それはそうだけど……!」
ミカヤ  「た、頼れる兄弟は、皆目が死んでる!?」
ヘクトル 「だりーよ、ったくよー……」
エフラム 「修行とかメドイ」
アイク  「全くだ……毎日肉食って寝るのが一番幸せな人生だな。前に進まなくても生きてはいける」
シグルド 「サラリーマンとか正直やってられんな。上司はむかつくし部下は無能だし家族には粗大ゴミ扱いだし」
エリウッド「ゴホゴホ……僕病人だから寝るよ。皆で世話してね」
エリンシア「が、ガチムチどころか皆が人間のクズに……!?」
ミカヤ  「何がどうなってるの……!?」
リン   「……! まさか……! エリンシア姉さん、さっきのチラシ、貸して!」

 

 エリンシアからチラシを奪い取り、よく調べてみるリン。

 

リン   「……やっぱり! この『バアトルズ・ブートキャンプ これであなたもガチムチに』のところ、
      ぺらっと剥がれるようになってるわ!」
ミカヤ  「……じゃあ、元は全然違うことが書いてあるの……?」
リン   「そうみたい……なになに」

 

 ぺらっと剥がしてみると、下から出てきたのは
 『マカロフズ・ニートキャンプ これであなたもダメ人間』の文字。

 

エリンシア「騙されたーっ!」
エイリーク「こ、これは……なんて酷い……!」
セリカ  「じゃあ、皆たった一週間でダメ人間にされてしまったのね……!」
リン   「恐るべし、マカロフズ・ニートキャンプ……!」
ミカヤ  (……って言うか、誰が何のためにやってるのかしら、これ……?)
ヘクトル 「姉貴ー、腹減ったー、飯くれよー」
リーフ  「そうだー、飯よこせー」
マルス  「女は女の仕事をしてくださいよー」
アイク  「肉くれ肉ー」
女性陣  (うぜぇ……!)

 

 ちなみにレストの杖で直ったそうです。