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Last-modified: 2008-03-31 (月) 22:34:44

498 名前: バカ兄貴の心配性 [sage] 投稿日: 2008/03/29(土) 20:36:51 ID:LNsP+q7L
セリス  「エリンシア姉さん、エリンシア姉さん」
エリンシア「なあに、セリスちゃん」
セリス  「今度、生徒会のみんなで二泊三日の旅行に行くことになったんだけど」
エリンシア「あら素敵。どこに行くのかしら?」
セリス  「トラキア山脈だって。クルト先生がお金を出してくれるから、参加費はいらないって」
ロイ   「生徒会全員分の費用を? 太っ腹だなあ」
セリス  「才知溢れる人だからね。それで、行ってもいいかな?」
エリンシア「ええもちろん」
エフラム 「ダメだ!」
ロイ   「……」
エリンシア「……」
セリス  「……エフラム兄さん?」
エフラム 「その旅行に参加することは許可できない!」
セリス  「どうしてさ!?」
エフラム 「開放感溢れる自然豊かなトラキア山脈……思春期真っ盛りの中学男子がたくさん……
      そんな中にセリスを行かせるわけにはいかん! 間違いが起きたら困る!」
セリス  「間違いってなにさ!?」
エフラム 「その話はお前にはまだ早い!」
セリス  「わけ分かんないよ!」
エフラム 「いいから納得しろ! 全く、学校側も学校側だ、ただでさえベルクローゼンの活動が活発化している昨今、
      山賊も多く潜伏しているという噂のトラキア山脈に旅行とは……配慮が足りなさすぎる! 今から抗議の電話をかけてやるぞ」
セリス  「やめてよ恥ずかしい!」
エフラム 「弟を心配する兄の気持ちの何が恥ずかしいというんだ」
ロイ   「いや、明らかに今の兄さんは相当恥ずかしいよ?」
セリス  「とにかく、エフラム兄さんがなんと言おうと僕は行くからね! エリンシア姉さんの許可は取れたんだし」
エフラム 「いや、まだだ! ミカヤ姉さんたちだって反対するに決まって」
ミカヤ・シグルド・アイク「ただいまー」
セリス  「あ、お帰り姉さんたち! あのね、実はかくかくしかじか。で、行ってもいいかな?」
エフラム 「ダメに決まって」
ミカヤ  「あら、いいじゃないの。費用もあっち持ちなら言うことなしね」
シグルド 「うん、お前ぐらいの年頃には、友達とたくさん遊んでたくさん思い出を作っておくことが大事だからね。楽しんできなさい」
アイク  「トラキア山脈か……あそこはいいところだ。山賊が出没するから、合法的に百人斬りが出来る」
エフラム 「クッ……! 何故だ、みんなはセリスが心配じゃないのか!?」
ミカヤ  「……どちらかと言うとあなたの方が心配だわ」
シグルド 「問題ないだろう。引率者のクルト先生は才知溢れるお方だからな」
アイク  「セリスもこれでいてなかなかいい腕だ。山賊如きに遅れは取らんだろう」
エフラム 「いや、俺が言っているのは中学男子の溢れ出るリビドーのことで」
セリス  「もういいよそういうのは! まったくもう、どうしてエフラム兄さんは僕にばっかりこうも口うるさいんだろう……」
エフラム 「セリス、俺はただお前のことが心配で」
セリス  「僕は心配いらないったら! もう寝るよ、明日も生徒会の仕事で早く行かなくちゃならないし」
エフラム 「なに、朝、人気のない生徒会室に!? まさか男と二人っきりとかそういう状況じゃないだろうな」
セリス  「ユリウスやレスターも来るって言ってたけど」
エフラム 「ダメだ、許可でき」
セリス  「おやすみ!」
エフラム 「……クッ。どうして聞き入れてくれないんだ。あいつは無自覚すぎるぞ……!」
ロイ   「エフラム兄さんは自分自身の問題についてもっと自覚するべきだと思う」
エフラム 「こうなったら、旅行当日こっそりついていって、二十四時間休みなく徹底的な監視を……」
ミカヤ  「自重しなさい……」