湖と沼の区別の仕方
以前たけしと釣り旅行をしているとき、地図上で不思議な違いを発見した。車で移動中にナビを見ながら釣り場を探していると「シラルトロ沼」というものを発見した。<地図>
そして、その付近に辿り着いたとき青看板には「シラルトロ湖」と表示があった。上記のリンク・Googleマップでも「湖」になっている。
どっちが正しいのかハッキリせんかぁっ!
そこで湖と沼との熱く激しい戦いが始まった。
仮説バトル
仮説「大きさじゃないの? 沼は小さいべ。」
仮説「水の透明度は? 湖の方が綺麗そう。」
その時は結論が出なかったが、調べてみるとこれではなさそうというデータが出てきた。
- 反論 青森県の「赤沼」は日本第3位の透明度
「湖」が日本には2個しかないとは聞いたことがないのでこれはありえない。
ちなみに日本国内湖沼透明度の順位は、以下のようになっているようです。- 1.摩周湖 (北海道)
- 2.倶多楽湖 (北海道)
- 3.赤沼 (青森県)
- 4.支笏湖 (北海道)
- 5.パンケ湖 (北海道)
- 6.大沼池 (長野県)
- 7.菅沼 (群馬県)
- 8.宇曽利山湖(青森県)
- 9.ペンケ湖 (北海道)
- 10.本栖湖 (山梨県)
以下30位までの資料はこちら。
仮説「鱒がすんでいるかどうかでいいだろ。」
そんな主観的な分け方があるか? と思ったが、シラルトロの例を見ると、昔はすんでいたがいなくなったことで湖から沼になった、あるいはその逆もありうるかもと思って調べてみることにした。
- 反論 「ならやま沼」でニジマスが釣れるらしい。
と思ったら、Googleで調べてもらえば分かりますが、これは管理釣り場でした・・・。
現在確証に至る情報なしです。
結論
調べていくうちに結論が分かりました。ズバリ決めては水深です。
「湖」と「沼」は、どちらも海と直接につながっていないことになっていて、「湖」は中央部にクロモやフサモなどの沈水植物が侵入できないくらい深いものをいいます。「沼」は「湖」よりも浅く、中でも中央部まで底に沈水植物が生えているものを「沼沢(しょうたく)」といいます。
この様な説明があり、およそ水深5メートルから10メートルで沈水植物はいなくなるようです。「大沼」は最大水深12.2メートルで、「湖」になれそうですが、深いのはごく一部。平均水深は4.7メートルしかないので「沼」となるようです。
それじゃあ、最初に出てきた「シラルトロ」はどっちなのでしょうか。
調べてみると、最大深度2.3メートル。どう考えても「沼」です。本当に有難うございました。ナビが正しかった。地元の看板は見栄でも張っていたんでしょうか?
先ほどの透明度ランクに最大水深と平均水深を加えて、北海道の我々のなじみのある湖も加えたものを最後に載せておきます。鱒がいるかで分かれる説の証明は後日気が向いたら行うことにしますね。
1 | 摩周湖 | 北海道 | 最大211.5m | 平均137.5m | 透明度水深28.0m |
2 | 倶多楽湖 | 北海道 | 最大148.0m | 平均105.1m | 透明度水深22.0m |
3 | 赤沼 | 青森県 | 最大18.2m | 平均--m | 透明度水深18.2m |
4 | 支笏湖 | 北海道 | 最大363.0m | 平均265.4m | 透明度水深17.5m |
5 | パンケ湖 | 北海道 | 最大54.0m | 平均23.9m | 透明度水深14.0m |
6 | 大沼池 | 長野県 | 最大26.2m | 平均13.0m | 透明度水深13.5m |
7 | 菅沼 | 群馬県 | 最大75.0m | 平均38.1m | 透明度水深13.2m |
8 | 宇曽利山湖 | 青森県 | 最大23.5m | 平均--m | 透明度水深13.0m |
9 | ペンケ湖 | 北海道 | 最大39.4m | 平均14.0m | 透明度水深11.3m |
10 | 本栖湖 | 山梨県 | 最大121.6m | 平均67.9m | 透明度水深11.2m |
13 | 洞爺湖 | 北海道 | 最大180.0m | 平均117.0m | 透明度水深10.0m |
14 | 然別湖 | 北海道 | 最大--m | 平均57.1m | 透明度水深9.8m |
17 | サロマ湖 | 北海道 | 最大20.0m | 平均8.7m | 透明度水深9.4m |
衝撃の事実
皆様はお気づきになられたでしょうか!?
7位の菅沼をご覧ください。平均水深38.1メートル。
こいつは「沼」じゃねぇ、とんでもねぇ猫かぶりだぜぇっ!
さらに17位のサロマ湖をご覧ください。平均水深8.7メートル。
貴様「湖」では無いなッ! しかも海と直結してるじゃねぇかっ! 「沼」ですらないぞッ!
本当の結論
「湖」と呼び続ければ、水溜りも湖になる。以上。