激闘編 [F川~中標津~T川]【かっち著】
出会
6時前に目的地F川に到着。
ここは昔に初めて釣り旅行に来たポイント。あの時はウェーダーも無く、寒さをしのぐ装備も無い状態だった。隊長を除いて、あるものは寒さで車に逃げ込み、あるものは立ちションをし、あるものは端の欄干によじ登ってピースをしているという散々な状態だった。
※注:上記行為は全て同一人物が行っております。
この日も寒さは厳しく、風も強く、小雨もパラつく状態だった。以前と違うのは情熱と根性と眠さと装備だ。が、何を思ったのかウェーダーなしで突撃。あとからやってきた釣り人はクマ鈴付の完全武装。ひとまず釣りたくて仕方なかったので勢いに任せて突っ込んだ形になった。
強風と馴染まないフロロラインに苦しみ、かっちはあまり釣りにならない。たけしは黙々とキャスティングを続ける。なれないロッドなので始めは苦労していたが、次第に要領をつかんできていた。ポイント移動で対岸に渡り、普通の靴で進入できる限界まで進んだ。
笹のような草が川岸から水中まで生えていて、岸寄りを深く探るとすぐに根がかる状態。川も流れがそこそこ速く、濁っていた。そして突然その時は訪れた。
ググッと根がかったような感触があって、ロッドを立てるとブルブル暴れだした。
キタ──────(;゚∀゚)──────!!
流心より手前でかかったので水面まではすんなり上がった。グルングルン暴れていたが、ロッドに伝わる衝撃はそれほどでもなかった。
「たけし! フィッシューッ!」
何の魚か分からないが、とりあえず引き寄せる。タモはしっかり持ってる。幸運にも草が水際まであるので引き上げるのは草に乗せてしまえば楽勝だ。
「何がつれたー?」
うれしくてよくわからない。とりあえずヤマメじゃない。サクラでもない。もちろんUGでもない。
「おまえ、これイトウ。」
いきなり本命きたぁぁぁぁっ!
針をすぐにはずして、タモに入れたまま水につける。ゴマシオだ。手足は震えるわ、ビチビチ暴れてうまくつかめないわで、ひとまず計測。48センチ。そして携帯で写真、デジカメでツーショット、
と最初は元気に逃げようとしていたが次第にグッタリ。これは不味いと水につけるとググイと草を掻き分けて川底の方に泳いでいった。
落ち着きを取り戻してから再戦。隊長は雑魚隊員にゴマシオを釣られたのが癪に触ったのか必死に投げ続ける。チョット離れて投げていたら・・・。
またキタ──────(*゚∀゚)=3──────!!
今度も流心手前のやや水面よりでヒット。感触はプルッ、プルプルッって感じでさっきより弱い。水面に出てきたのは青っぽいアメマス。
隊長更にご機嫌悪化。
休憩
ひとまず車に戻って一服していると、地元年配のフル装備熟練釣り人といったようなスタイルの人がちょうど戻ってきたところだった。話を聞いてみると、つい最近4/13に70クラスのイトウを上げたらしい。使用しているのはスプーンメインで、いると思ったら「Rapara CDJ-11」ブルーのジョイント型シンキングミノーを使うそうだ。後に、釣具屋を色々見てみたが、全く同じものは見つからなかった。生産数も極端に少ないらしく、イトウ狙いの人には有名なもので、まさにおじいちゃんの最終兵器なのだろう。
そして、4/13にイトウを上げた・・・って、さっきも聞いたよ! おじいちゃんしっかり!
F川じいちゃん、略してF爺と運命的な出会いと貴重な情報を得て再びウェーダーを装備して釣りに向かった。隊長はやる気満々でさっさと準備して行ってしまい、置いてけぼりを食らった。
F爺に教わったポイントへ移動して投げ続けていると直ぐに、たけしの前で水面がバチャバチャいってる。これはフィッシュだ!
自分の竿を置いてダッシュ。見事かなりのサイズのアメマスをゲット。隊長超ご機嫌。
でも、目的のイトウ目指してまだまだ張り切る二人。だが、その後は日も昇ってしまい、おなかもすいたので12時頃にはF川を後にして中標津へ移動した。
放浪
宿に着くと、おばあちゃんが出てくるが、よくわからないとのことで撃退される。超眠い。
仕方ないので、ご飯に出かける。ここまできて「さん○ちラーメン」を食べるわけにはいかないと、グルグル町を回ってよさ気なラーメン屋に入る。そこそこうまい。
腹が満ちたら当然眠くなるが、今度はおばあちゃんに聞いた釣具屋にいって見る。ちかくの佐々木さんなんて言うから、こじんまりしたちょっとしたお店かと思っていたら、釣り新聞に情報提供しているほどの有名店らしい。そこで情報を聞いてみたがイマイチ。
とりあえずT川を目標にして移動開始。牧草地なのか苗床の植わっていない畑なのか視界が広すぎる。平坦な緑や茶色の地面が広がっていて遠くに防風林か山があるだけ。たまにいる地上にいる生き物は牛・馬がメイン。そして道路真ん中に鎮座するハスキー。君の縄張りかもしれないが、道の真ん中は危ないんじゃないだろうか。近づくと吼える吠える。
さっさとやり過ごして目的地へ。
周囲はうっそうとした森状態。
川幅はそんなに広くない。渓流釣りスタイルで出撃。
ジュォワァァァ~~~~ッ!
なんだ、この音は? 非常に近いところで大音量。遠くの町からのサイレンとかじゃない。きょろきょろ見回すが、笹薮の中に大きな生き物の気配はない。空も小鳥が…
じょわぁぁっ! しゅこぉぉぅっ! しゅぼっ!
おまえか。そんなに大きくも無い鳥が飛んでいる方向から聞こえる。随分不気味な鳴き方をするなと思いながら続行。
暗くなってきた頃、戻ってくるルアーの後ろに魚影が! だが、くるりと身を返して逃げていく。何度か同じことをされてたまにアタリがあるが全然食わない。見切られているらしい。結局ジェット小鳥に翻弄され、魚には遊ばれて終了。これ以上暗くなると、自分たちより上位の食物連鎖に位置するヤツが登場してしまうので撤収。
こそこそ宿に戻る。風呂は水だった。