川霧立ち込める渓流へ【かっち著】
第一部 T川
昨日に引き続き、とりあえずT川へ。いつもと違うポイントに来ると釣り人の多いこと。
サミングの練習をしながら対岸ホームランをしていると、たけしから電話。
「なにやってんのよ」
「つり」
「どこよ」
「YH橋のそば」
「いくわ」
で、合流して数投して、飯食うかということで移動開始。
「どこで食う?」
「YG? ラーメン?」
「ん~」
今日はどうもテンションが低い。昨日から疲れが全然取れていない感じだ。これは休養することも考えなくてはなぁと逡巡していると、
「M川までいくか」
「ん~」
「ん~~」
「ん~、なら飯はコンビにだな。」
きがつくとそこは・・・
第二部 M川
渓流までの道のりを進んでいました。
今日の目標は「平常心」
疲れ気味のときは特に注意だ。前のSRでの大スランプのような真似はしたくない。
入渓ポイントにつくと、メガネが曇っているのかと思うような薄霧が立ち込めていた。
早速投げてみる。水は冷たく、川の流れる音しかしない。正午をとっくに回った8月なのにひんやりしているくらいの気温が加わって、テンションは最高潮に高まる。
でも落ち着いていこう。
しばらく反応がないままカーブのポイントまで移動してきた。
ダウンキャストでカーブ手前の倒木の底を丁寧に探る。
実はこの川には何度も来ているが、ここのメイン、オショロコマを釣ったことがない。というより生まれてこのかたオショロコマを釣り上げた経験のないオショロ童貞なのだ。
今日は釣れるはず、と期待しながらの数投目・・・
弱いあたり! フッキングはした!
慎重に引き上げると、綺麗なオレンジのおなかをした
オショロコマをゲット!!
これはキレイだ! 小さいけど立派なオショロコマ!
隊長も喜んでくれているようだ。幸先がいいのでしばらく粘る。
隊長は次のところに移動しようとしていたのか、茂みに上がっていた時、同じく倒木の下でものすごいアタリが!!
ガッツン ・・・ ドドド!
ものすごい暴れている。しかも久々の重量級だ! なかなかリールを巻いて寄せられない。
グイッと頭をこっちに向かせるとバチャバチャ跳ねる。
「でかい!」
「ををっ! ニジマスか!?」
それくらい大暴れ。でも、フッキングがしっかりしていることがわかったので、チョッと泳がせて向こうの消耗を待ってからじっくり引き上げる。
でかい。 思わず隊長はメジャーで測り始める。
「25センチ! 大物だ」
大物認定されて、久しぶりのファイトの後は手が震えていた。イトウ以来のフルフル状態でお魚さんとの記念撮影。
ここで隊長の闘争心に火がついた。
そそくさと次に移動してキャストしている。
オイラは残って、まだいないか探り続けた。
隊長は落ち込みの下、オイラは上。つまりは挟み撃ちの形だな。
と、一人ジョジョっぽいことを考えて落ち込みにキャストしていると、コソコソッとでてきてパクッとフィッシュ。
ヤマメだ。それにしてもキレイなパーマーク。まじまじと眺めていると、別れの挨拶をするまもなく、自らフックをはずして行ってしまった。
隊長はまだゲットできていないようだ。合流してみると、ものすごいイライラしている。
今日は隊長がスランプか!
言い出しづらかったけど、ヤマメゲットを報告。
隊長の怒りゲージが5増えた。
しばらく移動しながらもくもくとポイントを攻める。
浅くて流れの強いところが多くて、ポイントらしいところは狭く、キャストもシビアだ。
ちょっとした緩やかで魚が居つきそうなところがあったので投げてみると・・・
キタ━━(゚∀゚)━━ヨ
でも、隊長の目が少し怖い。 怒りゲージ振り切ったッぽい。
で、隊長も同じところにキャスト。
隊長の怒りのミノーイングが魚に襲い掛かる!
魚は思わず食いついた!
隊長はすかさず魚を釣り上げた!
隊長の怒りゲージが歓喜ゲージに変わった!!
こうなると止まらない。隊長連続ヒット(;`ー´)o/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ >°))))彡
さらにオイラもドサクサ紛れにフィッシュ。
その後はいい気分のまま、折り返しポイントの堰堤まですすんだ。
相変わらず、川には霧がかかっていて視界はよくないがマイナスイオンがいっぱいで、神々しい雰囲気の中で釣り進んだ。
折り返しのところもポイントなので、ここでも釣っておきたいなと思った瞬間。
オショロコマが遊んでくれました!
隊長もしっかりとイワナをゲット!
ノリノリで折り返して帰路につくが、そこでとんでもない事態が!
ザブザブ
「そろそろいい時間だね」
ザブザブ
「今日はいっぱい釣れたなー」
ザブザブ
「最後にオショロコマ釣りたいよ、今日はまだ釣ってないし・・・」
ザブザブ
「そだね、最後のポイントがあるさ・・・」
グキッ
足が滑って岩に挟まって、ヒールロック状態で前のめりに!!
「ぬおおぉぉ・・・痛い・・・」
痛すぎて動けない。しかもプルプルして踏ん張りが利かなくて足が抜けない。
「折れたんでない?」
いや、隊長、あっさりすごいこと言うけど、折れてたら最後のヤブ漕ぎ出来ませんぜ。
とりあえず、力は入らないけどプラプラしてないし大丈夫。
帰ってから見てみると、ありえない色になってたけど、今はチャンと歩けます。
意外と頑丈なんですね、人間は。
で、フルフルしながら隊長の後ろをついていく。
最初のカーブ倒木ポイントに戻った。
ここらで最後の一匹が欲しいと二人ともがんばる。
やっぱり頑張れば魚はわかってくれる。ホントこの川の魚は話がわかるヤツラだ。
隊長にオショロコマ
オイラはヤマメ
ついでにボサ下からモウ一匹ヤマメゲット。
チョッとシャイなヤツでカメラを向けるとプイッと・・・
で、川から上がると、足がジワジワ痛んできたけど泣き言も言わずに撤収。
アーンド祝勝会。
マスまみれ。
ホント大満足で終わった良い釣りでした。