3渓流強行突破 【かっち著】
第一章 SR上流から更に上
SR上流は、秋になっても裏切らない大切な川です。いつものポイントより上流部が良く釣れると話に聞いて、今日は上流へと砂利道林道を1キロほど進んでから入渓しました。
フィッシュ!
「はえーよ。」
相変わらず隊長はスタートが早い。
「水中動画撮らんの?」
「・・・自分の釣った魚でやる。」
チョットひねくれてみた。のちのちこのことで隊長から仕返しを受けるのだが。
周りはこんな渓相。周囲は緑豊かすぎてどこに何が潜んでいるか全くわからない。
しばらく進むがなかなか釣れない。少しずつラインとの格闘が始まってイライラが始まりそうになるが必至にこらえる。
しかし、釣れるときは釣れるのです。
念願のニジマスをゲットしたぞ!
と、泡ブクブクの流れ込みでフィッシュ。フックが上あごと目の近くに刺さりそうになっていて、危ないので記念撮影もソコソコにフックをはずしてリリース。
次で水中撮影だ! と思っていると、またまたフィッシュ!
しかし、石の裏の反転流でフィッシュしたため、なかなかテンションを保ったまま寄せられない。
=下流=
川川川川川 ●隊長
川川川☆川 ☆フィッシュ地点
●川川川川 ■岩
川川■■■ ○自分
川川川川川
川川川川川
川川川川川
川川川○川
こんな位置関係で、ラインは岩の脇を通っている。
何とか隊長の位置まで移動してから魚を寄せようとしていたが、岩陰の流れはゆるくて、魚はあっちこっち走るし飛ぶしでラインスラッグを巻いて耐えていたが、ペチッと岩に当たって外れてしまう。
残念。次に期待。
もくもくと進んでいると、突然
「かっち、こっちこい」
「?」
「根がかった。まだ投げてないから、ここ投げて良いぞ」
そのまま場荒らしするのももったいないとの判断か。良くあることだし何気なく投げると・・・
フィッシュ!
ジャンプ!!
バレた。
一瞬凍りついたが、隊長は軽やかに場荒らしししルアーを回収しましたとさ。
で、それから隊長はイライラモードに突入して少し離れて釣っていた。
フィッシュ!
今度こそ寄せてきた!
でも、イライラしている隊長に魚見せたら更にイライラするだろうなぁと、コソコソとボサに隠れるが・・・
「おまえ、なにしてんのよ」
「あー、うん。フィッシュ。」
「あぁ? なに釣ってんのよ」
「んー、魚」
と、のしかかられてとりあえず釣れたポイントを教えて撮影に専念。
冷たい水中で何とかいい写真をゲット。
隊長はしばらくご機嫌斜め。
折り返して入渓ポイントに戻る途中。
隊長、ようやく2匹目! っていうか、釣れてるのに不機嫌とは・・・。
しかも、水中撮影に移行する前にフックが外れて魚は逃走。
とりあえずご飯のために戻ろうと先を急ぐことに。
その時
隊長の足がぴたりと止まった。
「かっち! あれなによ!」
隊長のいうあれの方を見てみると・・・
背筋がゾワァァッとした。
「マジか…なによあれ」
とりあえず鈴を鳴らしまくる。
隊長があれから目を離さずに後ずさりする。
川からそう遠くは無いところで林道が走っているのは知っている。
そこに工事車両がたまに通るのも知っている。
そっちに逃げれば・・・。
あれは、どうみてもこっちをにらんで微動だにしない。
走って逃げたらダメだと本能がシャウトしている。
「とりあえず、デジカメの望遠で正体を確かめよう」
と、レンズを向けるが、手が震えて全然ピントが合わない。
「たけし、肩かしてくれ」
肩にひじを置いて固定しようと思ったが、本当に( ( ( (;゚Д゚) ) )ガクガクガクブルブルブル状態で全くうまく撮れない。
「ダメだ、よく撮れない」
「まず、藪のほうにいくべ」
後ずさり開始。
あれはまだこっちを見ている。
藪に近づくが、全然隊長は登れない。
「あせるな、まずナイフで藪切れ、その間様子見てるから」
と、あれの様子を見に行く。近づいてきていたら多分失神しかねないが、相手を確認しなければならない。鈴を鳴らしまくってみてみるが、まださっきの位置から動いていないようだ。
「ダメだ、この先やばい。」
川に沿って逃げると、どう考えても移動速度でかなう相手ではなさそうなのでジッと向こうが去るのを待つか、藪から林道、そして車に逃げるのが生きる道だと。それ以外考える余裕は全く無かった。
「あれ、いくらなんでもうごかなすぎじゃない?」
と、疑問を持ち始めるとあれの向こうから、チリン。
「!」
チリーン
鈴だ。人が居る。
あれの方向に寄ってみると、長い餌釣りロッドが見えた。
見間違いか! そのときドッと安心と疲労がやってきた。
近くまで行くと単なる倒れた気の根っこ。たまたま周りの草でこっちをにらむ熊の形に見えただけだった。
あー、よかった。ホント正面突破することになるかと考えていただけにマジ安心。超安心。
第二章 大滝村 渓流庵
前回と同じところでご主人に頼んでニジマス定食を作ってもらう。メニューは前回しいたけとジンギスカンがあったので、今回はジンギスカンにしようと思っていたのだが、なぜか消されていた。
で、チョット融通利かせてもらってニジマス定食を作ってもらった。
その後、雨脚が強くなってきたけど裏に流れるOSRに行ってみる。
が、ほとんどチャラ瀬。たまに深い場所がピンポイントであるくらい。
で、早々に撤収して次へ進む。
最終章 ゴメンナサイ BFに行きました。
最後のポイントは、紆余曲折の後、BFに決まりました。
ホントゴメンナサイ。今度いってみます。せっかく教えてもらったのに・・・。
天気はどんどん悪くなるが、山から湯気が出るように雲が立ち上っている。
「たけし、写真とってよ」
「無理。カメラ後ろ」
「しゃーない、自分で撮るか」
と運転しながら撮影しまくる。
あぶない? 危なくないよ?
オイラは運転席で手にはデジカメ、足はアクセルとブレーキペダル。隊長はハンドルを持って加速減速の指示。でも、これが結構怖い。内臓がキューっとなって本能的に危険信号を発している。
隊長は楽しげだったが、こっちの肝がつぶれそうだったので通常運転に戻る。
で、到着。
全然魚影が無くて雨は降り続いてブルーな気分になっていた時。
「あー! おわった。」
隊長のルアーは高い枝に掛かっていた。
ブツッ。
ラインブレイク。
あきらめたかと思ったその時!
&flash(http://www.youtube.com/v/pmkE4kK5H9Q,320x240);
使用道具
その辺の枝。(長さ2メーターくらい)
終わったあと、なぜか外で思う存分遊んだような充実感を得てしまって。ズカズカ撤収。
こんなものも見たけどズカズカ撤収。
ルームミラーにこんなものが写り込んだけどズカズカ撤収。