秘境のくれた試練

Last-modified: 2008-04-07 (月) 20:56:38

受難1:「浸水」

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必ずや魚とのツーショットを撮ると意気込んで挑んだ秘境。
 我々は数々の苦難に見舞われ、そして、散った。
 
 その苦難の旅は、最初の入渓時点で始まった…。
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 「冷たい」
 「水が冷たいから、そう感じるだけだよ」
 「明らかに冷たいよ」
 「そうか?」
 「中でジャブジャブいってる」
 
 ウェーダー破損による浸水。
 くまが即死した。
 

受難2:「遭難」

 そして藪を掻き分け、目的の場所まで歩き始めるが…
 
 「迷った、電話する」
 「あー、鉄塔の2番目? 左に行けばいい?」
 
 どう考えても、鉄塔はいくつかあって何番目など意味のない数え方だし、左って向いてる方角でいくらでも変わると思うのだが。
 
 「戻るべ」
 
 遭難した。
 

受難3:「散財」

 川幅はわずか3メートルほど。両脇は藪。ミスキャストは死につながる危険な場所である上に、水中には枯れた藪だけではなく、倒木・枝・根が張り巡らされている。
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 次々と散っていくルアーたち。
 
 Bおじさんとアキラ君の助力もあり、目的の地までたどり着いたは良いが、そこから更に厳しい試練が待って居ようとは。
 今まであった魚影もなく、テンションは地を這う勢いから地中深くにもぐりこんでいった。
 

受難4:「No Fish」

 それでも崖を降り、沼地を渡り、じっと魚を待ち、苦行とも思える釣りを繰り返す。
 キャストはままならず、散っていくルアーたちを回収するルアーリターンまでも致命傷を負う。
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 「退却」
 
 隊長の決断で撤収を開始した。
 そこで、最後の試練が…。
 

受難5:「遭遇」

 ジープが来た。止まった。
 語り始める見知らぬオジサン。
 
 下に堰堤があると数回繰り返し、ルアーでアメマスが釣れる(ここ秘境ではない場所)と数回繰り返し、手作りの錆付いたスプーンを見せ、堰堤があると繰り返し、毎日釣りに行くといいながら週3回は釣りに行くといい、40センチのアメマスといいながら両手を広げ、打ちひしがれる我々に致命傷を負わせた。
 
 隊長はいつの間にか浸水し、片足が濡れていたが、くまがウェーダーを脱いでダバダバしたたる水を見て絶句した。
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 フィニティは秘境に散った・・・。