ルアーセレクト

Last-modified: 2008-03-26 (水) 10:47:25

ルアーフィッシングの醍醐味

 ルアーの計上や材質、重さや長さ、厚みに加え色や飾りといったルアーを構成する要素は様々で、それを状況と対象に応じて選択し、魚をかける。実際は魚は色が区別できないんじゃないかとか、濁っていればどんな精巧なルアーも意味がないじゃないかとか、魚のそばを通せば色形なんかあんまり関係ないとか、ネガティブに考えてしまえば面白みも半減するが、このルアーだから来たんだよ!と思えるようにしっかり考えてルアーセレクトすると、一層面白みが増してくるのではないでしょうか。
 かなり懐疑的な書き方をしていますが、自分は実際のところ、ルアーで魚を釣るときに重要なポイントは次のような順位だと考えています。
 
 1.ポイント選び(季節・場所・時間)
 2.ポジショニング(釣り人の立ち位置)
 3.トレースルートとタナとり
 4.アクション(ルアーそのもののアクションとロッド・リーリングアクション)
 5.ルアーサイズ(長さだけではなく、厚さ・太さのボリュームを含む)
 6.キャスティング
 7.あわせ
 8.ルアーカラー
 9.その他の要素
 
 ルアーセレクト以前の問題として、1番、2番があって、どんなにすごい爆釣ルアーを使っても、道路の水溜りでは魚がいないし、ポイントど真ん中にドボンと浸かっていては逃げてしまって釣れるわけがない。
 この基本中の基本である2点を除けば、実は全部ルアーセレクトに大きく左右される要素ばかりだと考えています。

トレースルートとタナとり

 3番のトレースルートは、ロッド捌きにウェイトがあるとは思うが、急流で大きく平たいスプーンを使えばはじかれてしまって思ったようにコース取りができない。タナとりはルアーセレクトに大きなウェイトがあって、川底3メートルの岩陰に潜む魚を狙おうとしても、リップの小さいフローティングミノーではきっと見向きもされない。
 思い通りのコースでルアーを流して戻すには、状況に合わせた選択が必要だ。
 どういったコースを辿るのが良いかについては、流れを読むの項目で詳しく書こうと思う。ここでは流れに合わせたタナとりについて少し触れてみようと思う。
 タナとは、魚を狙う深さ。タナとりはその深さまで到達させて維持すること。これはルアーセレクト次第で大きく左右される部分です。
 

  • 表層を狙う場合のルアーセレクト
     表層を狙うには、一番簡単なのは浮かぶルアーを使うこと。
     ミノーでいえばフローティングタイプを使用します。このタイプはリーリングを止めると水面に浮かび、リーリングを開始するとリップに抵抗を受けて少し水中に潜ります。リップが大きければ大きな抵抗を受けて深く潜ります(ダイバー系)。
     それじゃあ、表層も狙えて潜ることも出来るダイバーさえあれば問題ないかというとそうでもありません。少なくとも自分の場合、流れに勢いがあるところでダイバーを使いつつ表層を狙おうとしたらものすごい勢いで早巻きするか、必死にロッドを立てて抵抗するくらいしか考えられませんので、流れのあるところやダウンにキャストする場合は、ダイバー系はスパッとあきらめてフローティングでシャロータイプに使い分けた方が良いと思います。
     フローティングミノー以外で表層を狙うとすると、カップの深くない細めのスプーンを使うことで対応できます。ロッドを立てればシンキングでも狙うことは出来ますが、やはりフローティングミノーには扱いやすさでは敵いません。
     
     主な表層狙いのルアーは、フローティングとつくもの、シャローとつくものがメインになります。
     余談ではありますが、表層狙いはどう頑張ってもフライやテンカラの毛鉤に勝てる気がしません。でもルアーにはルアーのアプローチがあると思います。隣の芝生は青く見えるものです。ルアーの方が威力を発揮する場面はいくらでもあるので、苦手なところで意地にならない方が心穏やかに釣りが出来るってものです。どうしても同じ土俵に立ちたければ、ルアーロッドで毛鉤を投げる練習をしたほうがいいかもしれませんよ。
     
  • 中層を狙うルアーセレクト
     簡単に狙うなら、ミディアムディープなどと銘打っているものを使用することで、普通に巻いているだけで中層(1m~1.5m)付近を泳いで戻ってきてくれる。フローティングをロッド捌きで沈めるのは至難の業だが、シンキングを沈めないようにコントロールするのは比較的簡単なので、シンキングタイプを使った中層攻略も可能です。
     ある程度幅のあるスプーンを普通に巻いてくると、中層より浅めのところを戻ってくることが多い。ロッドを倒して気持ちスローに巻くことでスプーンでも狙うことが出来ます。
     
  • 深層を狙うルアーセレクト
     深く潜らせるならリップの大きいディープダイバータイプか重たい肉厚のスプーンを使用します。
     ただし、このタイプは根がかりロストの覚悟がない限りオススメできません。とはいっても、春先のまだ魚の活性が低いとき、天気が良すぎるときなどは、そこ岩の陰に隠れていたりすることが多く、どうしても狙わなければ釣果につながらないことがあります。この辺は度胸と経験で乗り切るしかないのかもしれませんね。
     

ルアーのアクション

 
 
 

ルアーサイズ

 ルアーのサイズと一口に言っても、全長(長さ)・体高(高さ)・ボリューム(厚さ)・重量といろんな要素があります。スリムタイプにしか反応しないということもよく聞く話で、大きければ目立って良いというわけではないようです。食い気が無い時やナーバスになっているときは、細身のものが威力を発揮するようです。
 

  • ルアーの長さでのセレクト
     一番のサイズの目安になるのが重さとこの長さという要素ではないでしょうか。実際パッケージやカタログにはこの二つが書かれていることが多いのです。
     長さは、ルアーの存在感を示す数値だと思っていましたが、最近は長さはルアーの直進安定性の為にあるような気がします。流れが強いところで安定するのであって、存在感は別の要素にあるのでは?と思っています。
     実体験から行くと、6センチのルアーで10センチそこそこの魚が食いついてきたことが何度かありましたが、そのほとんどは、細身のスプーンだったり比較的細長いモノだったと記憶しているので、「このヒョロいのなら俺が食ってやるぜ!」と魚が思っているのかもしれません。
     
  • ルアーの体高でのセレクト
     体高はルアーのアピール力に一役買っていると考えています。平べったい体高のあるルアーはヒラヒラと泳ぐときに、魚が見える面積が大きくなっているのでそう思っています。
     ただ、「ここにいるぞー!」とヒラヒラ体を振ることは、逆にナーバスな魚には逆効果だとも思いますので、活性の高い時だけ体高のあるルアーが活躍すると思っています。
     実際に平べったいルアー(アレキサンドラ)は、夏のウグイが元気なときに次々と仕留めるほどの威力を持ちながら、少し時期はずれの時には全く釣れませんでした。
     
  • ルアーのボリュームでのセレクト
     ボリュームはズバリ存在感だと思っています。ズングリ体型であればかき分ける水の波動は大きくなります。バス用のミノーにクランクタイプの丸っこい形が多いのも、バシャバシャ音を立てて呼び寄せるスタイルがあるバス釣りはルアーの存在感がキーになっているからではないかと思います。
     警戒態勢ではない攻撃的になっている魚には威力を発揮するでしょう。あとは濁って視界の効かないところではこの存在感がとても重要になると考えます。
     
  • ルアーの重さでのセレクト
     ルアーの重さは、策敵範囲と悪条件の中での安定性に関係していると思います。深さはリップ形状やボディのカーブやカップに関係していて、重さにはそんなに関係ないと思っています。100グラムもあったら重たいし底を探れる!と思ったって、比重が1より軽ければ沈まないんですからね。
     策敵範囲というのは、言い換えれば飛距離。1グラムもないマイクロスプーンを強風向かい風の中20メートルキャストするなんてロケット花火に結び付けて飛ばしても難しいと思う。でも、20グラムのジグならきっと20メートル以上は飛んでくれるはず。