しずしず

Last-modified: 2023-08-13 (日) 19:34:34

桜坂しずくと高咲侑がラブホテルで身体を重ねる様子を小型カメラ(これも璃奈ちゃん謹製)で録画したものを見せられたしずくちゃんは、絶句して言葉を失っていた。
そりゃそうだ。身に覚えがない自分のレズプレイ、そして眼前にいるもう一人の桜坂しずく(もちろん俺)。かすみちゃんの時と同じことをしているのだから。

「部長……じゃないですよね。仮面も着けてないしその身体は、私にしか見えない」

お互いに全裸で頭にリボンを着けただけの姿だ。見間違いすることもない。

「そう。私は桜坂しずくだよ。ここしばらくあなたの代わりに暮らしてたけど誰も私が桜坂しずくだと疑わなかった。同好会のみんなも、部長も、家族も。オフィーリアだって。あそこまでされた侑先輩も私がしずくだって思い込んでる」

しずくちゃんは黙り込む。
そして恐る恐るといった感じに口を開いた。
しずくちゃんは自分の身体を抱き締めながら震えていた。

「違うとしたら、あなたは処女だけど私は侑先輩に処女を奪ってもらったことくらいかな」

しずくちゃんはハッとして顔を上げる。
俺はニヤリと笑みを浮かべる。
しずくちゃんは俺を睨み付けるようにしながら、口を開く。

「……何が目的なの?」
「目的なんてないよ。ただ私は侑先輩とセックスしたかっただけ。あなたの望みをかなえてあげたの」
「そんな理由で私のふりをしてたんですか?」
「そんな理由なんて、ひどいなぁ。私は侑先輩を愛しているのに。歩夢さんや他の人に遠慮して言い出せないあなたの代わりに本当の私を演じてるんだよ?」

言いながらしずくちゃんの頬を撫でる。彼女は嫌悪感を露わにする。
その反応が面白くて、俺はつい意地悪をしてしまう。
彼女の耳元に口を近づけ囁く。
甘く、脳が蕩けるような声で。

「嫉妬してるの?自分が知らない、侑先輩に愛してもらった私に」

ビクッとしずくちゃんの肩が跳ねる。
しずくちゃんの顔がみるみると赤く染まっていき、耳に息を吹きかけると身を捩らせた。
しずくちゃんは顔を真っ赤にしたまま何も言わず俯いていた。図星だったらしい。

「それじゃあ、おすそわけして上げるね。間接だけど……っ♡」

桜坂しずくと桜坂しずく同士のキス。しずくちゃんは驚き目を見開くがすぐに受け入れてくれたようだ。
舌を絡ませ合いお互いの唾液を交換し合う。かすみちゃんの時もそうだが、同一人物同士のキスは唾液の味や舌使いも同じで他では味わえない特別なものに感じられる。
しずくちゃんの口の中はとても温かくて、柔らかくて、気持ち良い。
唇を離すと銀色の糸を引いた。

「んっ……♡」

しずくちゃんはトロンとした表情を浮かべており、その瞳にはハートマークが浮かんでいるように見えた。

「私……可愛いよ」
「ふぇ……?」
「もう我慢できない……っ!」

しずくちゃんは俺を押し倒し、覆い被さった。

「ちょ……ちょっと待って!」
「待たないよ♪まさか自分で自分とエッチなことができるだなんて♡」

しずくちゃんはそのまま俺の胸に吸い付いた。乳首を舐められると思わず甘い吐息が出てしまう。そのまま首筋を舐め上げられゾクっとした感覚に襲われる。

「あぁん♡」

想定外だ。妄想癖があるとは言えしずくちゃんの方から襲ってくるなんて。

「私の大きさじゃ自分の胸を舐めるなんて無理だったけどもう一人の私の胸を味わえる♡」

しずくちゃんは嬉しそうに俺のおっぱいをしゃぶっている。
頭を優しく撫でると髪はサラサラでとても触り心地が良い。
しずくちゃんもそれが嬉しいのか俺のおっぱいと戯れるように甘噛みしたり、舌先でチロチロと弄んだりしている。

「はぁ……はぁ……ちゅぱ……れろ……んぅ……美味しい♡」

しずくちゃんはすっかり興奮しているようで、呼吸を荒げながら俺の身体を貪っていた。
俺は同じ桜坂しずくの身体に覆い被さられ身動きが取れなかった。

「ねぇ……もっとぉ……♡」

しずくちゃんは切なげな表情でこちらを見つめてくる。その姿はとても扇情的で、男なら誰しも理性を保てないだろうと思った。
しかし俺は今、桜坂しずくだ。勃つモノはなく、女性器が疼くのみだった。
俺はしずくちゃんを抱き寄せ、背中に手を回す。するとしずくちゃんも同じように抱き締め返してくれた。
お互いの肌が密着する感触に心まで満たされていくような気がする。

「同じ私同士……体温も肌触りも一緒だね♡」
「うん……♡」

しずくちゃんは俺の首筋に舌を這わせてきた。
くすぐったいような気持ちいいような不思議な感覚に襲われ身体の奥底から熱いものが込み上げてくる。
俺の中の桜坂しずくの記憶や思考を使えばどうしてこうなったか、というのも分かる。
演劇部で主役を演じた舞台で白いドレスと黒いドレスの二人の『私』が出てくる作品があった。あの時以来、本当にもう一人自分が居たら……という妄想をしていたのだ。
そこに俺が現れたものだからどこかで願望が叶うのではないかと思っていたのだろう。
しずくちゃんの顔は上気しており頬は朱に染まっていて、瞳は潤んでいた。

「あなたは私の理想の自分……っ♡表に出せない情欲を素直に出せる桜坂しずくなの」

しずくちゃんは俺の耳元に口を近づけ囁いた。
その言葉にドキッとする。ただ俺自身の欲望にしたがって行動しただけなのにそこまで言われるとは思わなかった。
しずくちゃんは耳たぶを口に含み、舌先で舐め回してきた。
同時に両手は俺の乳房を揉みしだいている。
しずくちゃんの手つきは乱暴だったが、それがまた気持ちよかった。
しずくちゃんは俺の乳首を摘まむと引っ張り上げた。

「ひゃあん♡」

痛かったが、快感の方が大きかった。
しずくちゃんはクスリと笑うと、今度は指先で転がすように愛撫してくる。

「んっ……♡」
「やっぱり私だね♡気持ちよくなれるところも同じだよ♡」

しずくちゃんは俺の乳首を舐め始めた。
舌先を尖らせつつ、時折甘噛みしたり吸ったりして刺激を与えてくれる。
反対側の胸もしずくちゃんの手で愛撫されている。両方の胸に異なる快楽を与えられ頭がおかしくなりそうだ。

「あぁん♡」
「ふふっ♡可愛いよ♡」

乳首を舐めるのをやめると、そのまま首筋を舐め上げる。

「ちゅぱ……」
「んん♡」

しずくちゃんはそのまま俺の耳にしゃぶりついてきた。そのまま唾液を絡ませながら舐められるとゾクゾクとした感覚に襲われる。
そのまま首筋から鎖骨にかけてキスをしていきながら徐々に下へと向かっていく。
おへそを舐められるとくすぐったくて身を捩らせるが逃がさないとしずくちゃんに押さえつけられてしまう。
そしていよいよ、その舌先が濡れている女性器に触れた。

「自分のおまんこを舐められるなんて……いただきます♡」

しずくちゃんの舌が割れ目をなぞるように上下する度に甘い痺れが全身に広がっていき力が抜けてしまう。
しずくちゃんは舌先でクリトリスを刺激する。
今まで感じたことの無い強烈な感覚に思わず腰を引いてしまう。

「逃げちゃダメ♡」

しずくちゃんは俺の両太ももを抱え込むようにしてホールドすると、逃げることも出来ずにひたすらクンニされるしかなかった。

「んっ……ちゅぱ……ぺろ……んぅ、これが私の味♡美味しい♡」

夢中で俺の性器を貪っているしずくちゃんの舌使いは巧みで、どんどんと追い詰められていく。
このままだとすぐに達してしまいそうだった。
しかし、しずくちゃんは俺が絶頂を迎える寸前で動きを止めてしまった。
寸止めされ、切なさがこみ上げてくる。
しずくちゃんは俺の股間に顔を埋めたまま、こちらを見つめてくる。

「イかせて欲しいならおねだりして♡」

しずくちゃんはそう言うと再び焦らすように俺の秘部に口づけをした。
舌先でチロっと舐められただけで身体がビクビク震えてしまうが、それ以上のことはしてこない。
俺はもう我慢できなかった。
秘部を自分から開いて見せつけ懇願する。

「お願い……イカせてくださいぃ!」
「はい♡よくできました♪」

次の瞬間にはしずくちゃんの柔らかい唇で包まれていた。

「あっ!ああぁっ!!」

待ち望んだ快感を与えられ、身体が仰け反ってしまう。
しずくちゃんの舌先は的確に俺の弱点を突いてくる。
舌全体で押し潰すように舐め回されたり、時には強く吸い付かれたり。
様々な方法で責め立てられ、瞬く間に限界まで高められていく。

「嬉しい……♡自分で自分をイかせることが出来るだなんて♡」
「あぁっ♡私にイかされちゃうぅぅぅ♡」

しずくちゃんは俺の性器に舌をねじ込んできた。
しずくちゃんの舌は俺の中を蹂躙するように暴れ回る。
膣内で舌が暴れると頭が蕩けるような快感に襲われ、何も考えられなくなってしまう。
しずくちゃんは舌を引き抜くと、その標的をクリトリスに変えた。
舌先で弾くように小刻みに動かされたり、時折甘噛みしたり吸ったりしてくる。
その上膣内には指を入れてGスポットを的確に擦ってくる。

「んん♡」
「ここが良いんでしょ?知ってるよ♡」

しずくちゃんは自分の身体だ、当然俺が一番感じる場所を知っている。
指先でコリッコリッと引っ掻かれる度に頭の奥がチカチカするような快感に襲われる。

「ふふっ、気持ちいい?」

しずくちゃんの言葉にこくりと小さく首を縦に振る。

「素直になれて偉いよ♡ご褒美にイかせてあげるね♡」

しずくちゃんは指の動きを激しくした。
陰核を口に含み、舌先で転がすように愛撫してくる。
同時に二点を攻められればひとたまりもなかった。
快楽の波が押し寄せてきて、目の前が真っ白になる。
意識が飛びそうになるほどの衝撃を受け、俺は絶頂を迎えた。

「あぁっ!!イクっ、イッちゃいますぅぅぅ!!!」

しずくちゃんがとどめとばかりに強く吸った瞬間、頭がスパークして思考が吹き飛んだ。

「あぁぁぁっっっっっ~♡♡♡」

腰を突き出し、盛大に達する。
身体中が痙攣し、頭の中が快楽で満たされていく。
勢いよく吹き出した潮をしずくちゃんは美味しそうに飲み干していた。
しずくちゃんは満足そうな笑みを浮かべている。
俺の呼吸が落ち着くのを待ってからしずくちゃんは話し始めた。

「私ってこんなにいやらしい表情出来るんだね……♡羨ましいかも」

しずくちゃんが俺を見ながら呟いた。
頬は上気していて目は潤んでいる。口元には妖艶な微笑をたたえており、とても綺麗だった。

「それなら、一緒に気持ちよくなろうよ♡」

俺はしずくちゃんの手を取り、抱き締め合うと同じ大きさ、同じ柔らかさのおっぱいが触れ合った。
そのままお互いの固くなった乳首を押し付け合いながらこすり合わせる。
小さな乳首をぶつけ合うのは難しく、もどかしいがそれがスパイスとなり興奮を高めてくれる。
しずくちゃんも同じように感じているのか、荒々しい吐息が耳にかかる。

「はぁ……はぁ……んっ♡」
「あんっ♡」

しずくちゃんは乳首だけでなく、全身を使って密着させてきた。
肌と肌が直接触れることで得られる温もりと安心感に包まれていく。
流れるようにキスをして、互いの口内を貪り合うと幸福感に満たされていく。

「んんっ♡ちゅぱ……」
「んっ……んんっ♡」
「ぷはぁ……はぁ……はぁ……♡」
「んんんっ♡」

いつしか互いの脚が絡み合い、愛液にまみれた陰毛ごと秘部を擦り付け合っていた。
割れ目から伝わる刺激が心地良い。
しずくちゃんは両手を俺の背中へ回してぎゅっと抱きしめられると柔らかい身体が押し付けられ、体温を感じる。
心臓がバクバク鳴っているのはどちらの鼓動だろうか。
どちらからともなく唇を重ね舌を絡ませる。
口の周りは唾液でベトベトになり、それを舐め取るようにまた舌を這わせ、そして再び唇を重ねる。
もう俺としずくちゃんという別の存在ではなく、一人の桜坂しずくという存在に溶けて混ざり合うような感覚すら覚えていた。

「好き……♡」
「私もだよ♡」
「もっと強く抱いてぇ♡」

俺達は強く強く抱き合う。
胸と陰部が潰れ、快楽が生まれる。
しずくちゃんの柔らかいお尻を揉むとさらに気持ちいい。いや、俺が揉まれたのか?

「はぁ……♡」

甘い声で喘ぐのが、どちらのものなのか分からない。

「あっ♡」

おまんこ同士が触れ合いくちゅり、と音を立てる。
陰毛が、愛液が、ヒダが、クリトリスが、擦り付け合って気持ちいい。
まるで身体全体が性器になったみたいだ。
俺と彼女は夢中で腰を振り続け、双子もかくやと言わんばかりに同一人物として動きも喘ぎ声もシンクロしていく。
大きくはないが揺れる胸の動きすら完全に一致している。

「「んっ♡はぁ……っ♡♡♡」」

おまんこが熱く、身体中に広がる快感が溢れて爆発しちゃいそうだ♡♡

「はぁ……はぁ……♡そろそろっ」
「一緒にイこう♡♡♡」

ラストスパートをかけるように激しく動く。
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
頭が真っ白になって何も考えられない。私たちはただ快楽を求める雌みたい。

「「イクッ!イッちゃうぅぅぅぅぅ!!!!」」

身体が大きく仰け反った次の瞬間、目の前が真っ白になると同時に意識を失った。