ほしざき

Last-modified: 2024-03-04 (月) 21:21:18

私が異能に目覚めたのは、高校生に上がる直後のことだった。星崎家は一般的にも貧しく、他の家の子みたいに親に強請って何かを買ってもらった記憶が私にはない。勘違いされていると困るから言うが、決して家族仲が悪くない。むしろ良い方だと自負しているし、両親が頑張っていることを知っているから私も我儘を言わないよう自分に徹底してきた。
両親は朝から晩まで仕事三昧。故に家で1人なことがほとんど。最後に親と会話をしたのは1週間前。私が寝た時間帯に帰宅し、私が学校へ行くときはまだ夢の中。休日も日々の疲れで寝ていることが多く、起きていても惚けた様子でソファーに座っているため、気を利かせて声をかけないようにしている。
そんな両親を見てきたからか、私の中では『お金は沢山稼ぐべし』としたモットウを掲げていた。中学では無理だったバイトも高校生になったことで可能。同級生達が部活や遊びに時間を費やす中、私はバイトに全てを捧げていた。そんな学校生活をしていることもあって、自慢じゃないが私に友達はいない。学校では眼鏡をかけて地味な恰好なので私の美貌に見惚れた男子が声をかけてくることもなく、素っ気ない態度しかとらないから女子からも次第に声をかけられなくなった。
ボッチで寂しく、楽しさの欠片もない学園生活。けど私はそれでよかった。友達を作る時間も、部活をする時間も、遊ぶ時間も私にとっては『無駄』な時間。そんな暇があるなら1分でも多く働いてお金を稼いだ方が断然良いに決まっている。学校が終わればバイト、休日は当然1日中シフトを入れてバイトの日々。これでは学生というよりもフリーターになっている気分だ。
この生活に不満はない。自分で決めたのだから当然だ。それでも・・・やはり娯楽を捨てた生活は無意識にストレスを溜める。本来なら別のことをして発散するのが一番。だが悲しいことに、私には“趣味”と呼べるものが何もない。バイトにしか費やしてこなかった弊害が、こんなところで邪魔をしてくるとは予想外だ。
ゆえに––––もしかしたら能力が発現した原因は、これなのかもしれない。
私がストレス発散に選んだのは、性欲発散・・要するにオナニーだ。初めて両親に誕生日プレゼントで買ってもらった姿見の前で裸になり、発達途中のおっぱいや膣穴を指で弄る。最初は自分でも何やってるんだと思ったが、いざ初めてみたら驚くほどにハマった。自慰行為による刺激はバイトで疲れていた体をスッキリさせ、元気を回復させてくれる。イった瞬間など、今まで感じたことのない気持ちよさだった。
ちょうどその頃だろう。私は自分を増やせるようになった・・・・・・・・・・・・・。–––––––もちろん最初は驚いた。唐突に私の前に自分自身が立っていたら誰だって驚くに決まっている。艶光な黒髪のショート、バイオレットの瞳、右目下の泣きぼくろなど全てが同じだった。さすがに声や記憶だけでなくホクロの位置まで同じだと、相手を偽物と疑うことはできなくなった。
急に扱えるようになった漫画みたいな力。何度も試行錯誤を繰り返すことで、少しずつだが異能の能力が分かってきた。
まず増える人数に今のところは限界はない。増えた私全員が『本物』である。増えた私全員が能力を使用できる。「1人に戻れ」と頭の中で念じれば1人に戻る。戻った拍子に、その時増えていた全員分の記憶が共有される。
能力を理解すればするほどに、私は喜びを感じずにいられなかった。ある程度、能力をコントロールできるようになってくると、早速1人を学校へ行かせ、その間に別の私にバイトに行かせる。これで平日でも長時間シフトが可能であり、さらに人数を増やせば別のバイトを同時に行うことも可能になる。学業なども家に帰ってきた時に1人に戻れば記憶が共有され、周りにおいてかれる心配もない。
当然言いことばかりではない。私が沢山、いろんな所にいるのを同じ学校の生徒や親などに見られると色々と面倒だ。それだけは警戒しなければいけない。
あと増えれるようになって嬉しいことは––––––––。

「あむっ❤ジュルッ❤・・れろぉ❤」
「はぁ~❤ンチュ❤・・プハァ❤・・私とのキス、とっても気持ち良すぎ❤」
「ええ。やっぱり自分同士だからかしら。相性が抜群だわ❤」

仕事終わりのオナニーがセックスになったことだろう。
どうやら姿見で自分の姿をオカズに性欲解消を繰り返していたからか、私は自分自身に興奮する変態になってしまっていたようだ。しかし、それも仕方がないこと。自分相手ほど、こんなに相性の良いセックス相手など存在しない。同性とか、同一人物とか諸々なことを無視してもだ。
帰宅し、残っている食材で簡単な夕食を済ませ、風呂で汗を流してから自室に戻り、2人に増えた私は私と距離を詰める。膝立のまま向かい合い、両手の指と指を綺麗に絡ませ、何度も鏡で見ている顔に見惚れながら唇を重ねる。
初めてのキスに上手くできるか不安が湧くが、相手は自分自身。どんなやり方であろうときっと相手は私を責めやしない。なぜなら私ならそうするから。

「「ジュルッ❤レロォ❤グジュゥ❤ジュルルッ❤❤グジュッ❤レロレロォ❤❤」」

酸素を奪うように息を吸えば、大量の唾液が吸い寄せられていく。それも2人同時に行えば、唾液の争奪戦だ。握り合っていた手は離れ、腕は相手の腰へと回されていく。キスしやすい体勢を築くために、相手との距離をさらに縮めにかかる。密着ギリギリまで体を寄せ、一般サイズより劣る美乳サイズの双丘がギリギリの距離感を保ち、体が揺れる度に乳首同士が擦れる。

「「ンンッ❤・・・あ、ンッ❤・・」」

口内は私と私の舌が相手を蹂躙しようと暴れ回っている。何度も相手を屈服させようと舌同士が絡まり、淫猥な水音を鳴らし続けていく。そこへ乳首からの唐突な刺激だ。先端部位であり、感じやすい箇所である故に衝撃は鋭くやってくる。感じた瞬間、耐え切れずに舌を止めて喘ぎ声を零してしまった。その際に離れた口元から口内に溜まっていた唾液がポタポタと床へ垂れていく。
目と鼻の先で私達は見つめ合う。紫色の瞳が涙で滲んで輝きを増しており、泣きぼくろが涙玉で覆われて立体化しているように見えてくる。朱く染まった頬、荒い呼吸と魅了する要素満載で、さっきから落ち着かない動悸が激しさを増すばかり。

だから私達はもっと快楽を求めることにした。

もう一度キスしようとした時、左右からも顔がぶつかる。横目で確認すれば、新たに2人の私がいた。相談したわけでもなく私ともう一人の私は同時に自分を増やしたのだ。
人数が増えてもやることは変わらない。

「「「「私ぃ❤・・わたしぃぃぃぃぃぃ❤❤❤」」」」

全ての私を求め、埋めるように顔同士を密着させていく。1人に戻るみたいに全身を隈なく4人同時に押し付け、女体同士を一体化させていく。細い腕が、小さな胸が、汗でベトベトになってしまった髪が絡み合ってくんずほぐれていく。

「「「「4人に増えたら、今度は3人の私と楽しみたい❤でも同じ私なら、嫌がらずに受け入れてくれるわよね?そうよね❤」」」」

さすがに4人で唇を合わせるのは難しく、舌を外に出すことでのディープキスにやり方を変更。

「「「「ジュルゥ❤ペチャッ❤いい、いいわ私❤・・ああんッ❤私とは私が楽しんでたの!割り込まないで私ッ❤もうどの私の舌に触れてるのか分からないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ❤❤❤」」」」

淫らな水音が大きくなる。より大量の唾液が床に零れ、秘部がキュンキュンと痙攣を起こす。蒸れた匂いが鼻腔を刺激し、官能的な空気を濃厚にさせていく。

「「「「こんなに濡らして❤私ったら変態ねッ❤」」」」
「「「「あんッ❤私こそ、犬みたいに舐めて変態ね❤」」」」
「「「「「「「「汗で濡れてもスベスベな肌・・❤」」」」」」」」
「「「「「「「「私って首筋弱いのよね。知ってるよ、だって私だもん❤」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「挿入したら指が愛液でべちょべちょだわ~❤」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「やばっ❤私の匂いでおかしくなっちゃいそうッ❤」」」」」」」」」」」」」」

まるで息を吸うように私は能力を使用していく。徐々に増えていく私。キスをしている4人の私の真下に潜り込み、無防備の膣を舐めてくる。その私達の太ももをうっとりしながら撫でる8人の私に、その私達が新たに増えた8人から首筋を舐められて喘ぐ。さらに増えた私達が仰向けに寝転がりながら、愛液を垂らしている別の私の膣を指で弄る。増えれば増えるほどに私は興奮していく。しまいには密集したことで発生している汗と体臭×人数分を嗅ぐだけで全身が風呂上がりみたいに火照ってしまう。
倍々に増えていく。好き勝手に増えていく。部屋の中が『私』で染まっていく。私の部屋は狭いが、家具が勉強机、ベッド、タンスだけしか置いてないため空き空間は広い。それでも増え続ける私達を留めておくには限度がある。

「「「「「「「「やぁん❤どさくさに胸揉まないでぇ❤」」」」」」」」
「「「「「「「「全身私に包まれて幸せでイっちゃいそうだわッ❤」」」」」」」」」
「「「「「「「「「んじゅうううううううう❤❤」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「ペロッ❤レロォ❤味がまた濃厚になってくッ❤もっともっと出してッ❤」」」」」」」」
「「「「「「「どこでもいいから舐めさせて❤触らさせて❤私に増えていないと自分を制御できないの❤」」」」」」」
「「「「「「「ホクロ❤その綺麗な泣きぼくろ、今にも外れて食べれそう❤」」」」」」」

隙間がなくなっていき、同一人物同士の肌と肌が強制的に密集されていく。室内で身動き取れなくなった私達の上を、新たに増えた私達が制圧していく。私の上に私が積み重なり、床から天井にかけての部屋全体の隙間が完全に私によって埋められてしまった。
重圧が加わり、苦しいはずなのに快感に満ちた声ばかり発してしまう。身動きどころか手を動かすことさえ不可能になってしまっている状況下で、私達は現状でやれることを精一杯に行う。
目で確認することなく適当に動かした手が、近くの私の胸を鷲掴む。強く、それでいて痛がらせないように優しく包み込むように乳房を指で抑え、乳首を掌で転がすように触ってあげる。
何をしていなくても大好きな私に包まれている現状だけで愛液を噴出させてしまう私もいた。
運良く目の前に顔と顔を突き合わせている私もいる。その状況になったなら、やることはキスのみ。躊躇なくディープキスが行われ、今度は離れたくても離れられないため能力を解除するまでずっと大好きな自分とキスをし続けなければいけないという幸せコース。嬉しそうに歓喜の涙を零しながら舌を動かしているのが分かる。
目の前に膣が見える私は、顔を相手の股の合間に埋め、徹底して舐めしゃぶっていく。吸えば、舌で撫でれば、膣内に挿入させれば、それだけで攻めている膣は痙攣を止めず、愛液を報酬を渡すように飲ませてくれる。飲んでいる私の恍惚な表情を見た瞬間、1人に戻った時の記憶共有が楽しみでしょうがない。
自分好きに目覚めた私は、病気レベルで自分自身に依存していた。一目がなければ即座に能力を使用するほどであり、今では自分の体に触れていないと落ち着かないほど。だから手で私の頬、体、胸、足、膣に密着させ、顔や肌や胸を舐める。薬を飲むように自分は1人じゃないと言い聞かせるために。
私は自分で言うのもなんだが美少女だ。色々理由はあるが、やはり1番はチャームポイントである右目下の泣きぼくろ。大きく目立つホクロは、私という人間を象徴する証であると同時に、自分を美しく引き出す装備品でもある。こればかりはホクロが出来た運命に感謝するべき。・・・すると私はホクロを弄るのが大好きだ。舐めるのも、指で触れるのも、何だって大好き。それが気持ちいいと思えてしまうのだから、やめられない。

「「「「「「「「「「「「「「「増える増える❤増えて増えて、私を増やしてみんなで楽しく、もっと楽しく❤」」」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「「私が舐めるから、私はキスをして❤私が指で弄るから、私は胸を揉んで❤」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「「全部やって私を喜ばせて❤誰1人として仲間外れがないように注意して❤」」」」」」」」」」」」」」」」

きっと私の人数は今、100人は超えているだろう。どんどん圧迫感が強まっていく室内の壁が至る所でギシギシと悲鳴を上げている。このままだと扉を破壊して廊下に溢れるのも時間の問題だろう。
全ての私の声がハモり、劇団演奏を聴いているように心が落ち着いてくる
私は私が好きだ。だから仲間外れなんて絶対にしないし、許さない。私がキスをするなら、みんなキスしないと駄目。私が胸を揉むなら、みんな揉まないと駄目。私が膣を舐めるなら、みんな舐めないと駄目。

「「「「「「「「「「「「「「「「イクイク❤もう私限界ッ❤❤」」」」」」」」」」」」」」」

そして・・・・私が絶頂を迎えるなら、他の私も同じタイミングで絶頂しないと駄目。
多数の刺激をその身に受けた私達は同時にイき果てる。

「「「「「「「「「「ああああああああああああああああああああん❤❤❤」」」」」」」」」」」」

密集した女体の隙間から愛液が溢れ、体中を濡らしていく。

瞬間に能力を解き、1人に戻る私。まるで今までの出来事が夢だったように物静かになるが、床全体を濡らす愛液の量が、100人以上の私がついさっきまでここにいたことを示している。

「ふわあああああああああああああああああッ❤❤ダメダメダメええええええ❤❤❤こんなに一気に快感流れこんできたら、私壊れちゃうううううううううううううう❤❤❤」

100人分の快楽は想像以上に反動を与えてきた。イったばかりだというのに愛液は止まらず、涙と鼻水と涎で顔はびしょびしょ。顔面崩壊でアヘ顔全開に晒してしまっており、普段のイメージは完全に破壊されていた。

「あ、はひぃ・・❤」

痙攣が一向に収まらない。あまりの気持ちよさに精神さえ犯しかねない危険性。けど麻薬のように、一度経験するとやめられない誘惑があった。

「私・・もっと欲しい❤」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

休憩を挟むことなく、私はまた能力を使用する。増えた私も能力を使い、勢いよく増える私の人数は先ほどの人数を軽く超えていく。止める思考さえ私には残っておらず、ただ思考にあるのは“もっと大勢の私の快感を共有したい”というイカれた理由のみ。
増え続けた私は家を埋め尽くし、外に溢れそれでも止まらない。もう何人に増えているのか、家にいる私には把握できないが、外では色んな人の悲鳴が聞こえてくる。

『・・・じゃあ始めましょう❤』

第2ラウンドを始める。
今度は1000人と乱闘を始める....

終わり