発売元 | やのまん | #ref(): File not found: ".jpg" at page "アレサII アリエルの不思議な旅" |
開発元 | 日本アートメディア | |
発売日 | 1994年12月2日 | |
定価 | 9,900円 | |
書換 | ニンテンドウパワー 1998年8月1日/1,000円/F×4・B×4 | |
セーブ | 3箇所 | |
判定 | 良作 | |
ポイント | システムは改善 前作の使い回しが目立つ トッドは添えるだけ |
概要(SFC版II)
本作は、前作から1年後に発売された作品。SFCアレサIの続編である。
アリエルは同じ夢にうなされる。それはカイルとドールが襲撃されるというものだった。
そんなある日、ドールから手紙が届く。それは邪悪な者達と遭遇し戦いで苦戦を強いられているという内容だった。
まさに、悪夢が現実になるのではと居ても立っても居られないアリエルは早速向かう事になった…
特徴(SFC版II)
- アリエル
- 本作でも主人公を務める。前作の冒険で女王になっている。
- レベルは1からであり装備や魔法も殆ど忘れている仕様である。また、今回は良く落ちるわねとメタ発言もあり。
- 本作でも主人公を務める。前作の冒険で女王になっている。
- トッド
- コモの村で猟師をやっている。
- 序盤では心強い存在で冷静で的確な判断力をみせるが後に敵の策によりEDまで寝たきりになってしまう。
- ドール
- 本作でも勿論登場。前作のカイルと一緒に修行の旅に出ていたが強大な敵達に遭遇して苦境に陥ってしまい、その旨をアリエルに手紙を送る。
- カイル
- 前作で活躍した剣士。その終盤で負傷してベッドで療養していたが全治している。それからドールと共に修行の旅をしていたが、謎の勢力に遭遇し行方不明になる。
- 本作では最後まで共に戦う事になる。
- ジェラック
- 成り行きで共に冒険に参加するが、レッド・ソー峡谷の吊り橋で遊んでいたところ踏み外し生存が絶望視されてしまう。
- ゾッピルド
- 本作でも登場。エレメンタルドラゴン様のところで修行をすべく虹の国を出たが森へ迷い込んでしまう。
- 高所恐怖症で方向音痴である。
- 仮面の騎士
- 謎に包まれた人物でアリエルたちを何度も助けてくれたりする。カイルから太刀筋の特徴を指摘されており、もしかしたら前作のキャラではないかと噂されている。
- アーケン
- リヴァティエの英雄の一人で傭兵王の戦士と呼ばれていた。ワニのような外見で粗暴なイメージがあるが人望が厚い。顔も広く賢者ミロンとも面識がある。
- 普段はゼークト城で国王を務めておりオルトバ公とザークを側近に従えている。
- 戦闘では斧を得意としており、ザヴェーナックという技などを使う。
- 賢者ミロン
- リバティエの英雄の一人。最高の魔術を極めた大賢者。今はエルケシア大陸の北方の地のナムール山に住んでいる。以前何かの戦いで転生術を使い子供の姿になっている。
- 仲間にはならないが、アーケンとは旧知の仲であり、要請された際はドールを救うために力を貸してくれたり、移動魔法をアリエルに伝授してくれる。
- ミネルウァ
- 女性の剣士。2年前に亡くなった父の意志を継ぎ守護剣士としてミロンに仕えている。
- ユノ
- 巫女をやっていたが問題行動を起こしアーケンに窘められる。地理に詳しい事と、攻撃魔法が使えるのが強み。
- アクバル
- ミューリッツを裏から支配している盗賊たちの親玉。アーケンとは不仲である。
- 『SONG MASTER』のアッハルと名前が似ているが全くの別人である…が、【ガマのコンパス】の件ではアーケンの弱みを握りフルボッコにした挙句、アリシア達を殺害までしようとするなど、とんでもない悪者とされている。
- バロメッツ
- 闇の者たちの総元締めであり、ヴェロキナ、エムプーゼを従え各地に飛ばし脅威をもたらし多大な犠牲者まで出している。
- その際は、アーケンの戦友でありユノの父親だった人物を復活させこちらにぶつけてくるなど、こちらも卑劣漢。
- リバティエの英雄
- 20年前に突然現れた闇の者3人を死闘の末、次元の彼方に封印したと語り継がれている者達の事である。騎士ソーン、アーケン、シャクラの巫女レア、ミロン、その守護剣士ウザ。5人の勇者である。
- リヴァティエとはその舞台になった場所から付けられている。
- 前作にあった全方向バトルや相談コマンド、モンスター図鑑、名前変更などの要素は本作でも健在もしくは進化している。
- 戦闘面では必殺技が採用されたり魔法エフェクトも順当に強化されている。なお、戦闘で逃げた際は何も得られず、モンスター図鑑にもカウントされる事はない。
- 魔法の習得については、普通にレベルを上げれば覚えるようになった。
評価点(SFC版II)
メニュー関連
- 相談コマンド
- 大きな画像が表情豊かにアニメーションするのは健在で好評である。会話する相手も選べるようになっているので会話感が向上したと言える。
- メニュー画面を開いてステータスを選ぶと前作では歩行グラのみだったのに対し、本作では大きなグラフィックがアニメーション付きで表示される。
- ついでに言うと、今作で追加された必殺技とその解説文まで用意されているので個性がより表現されたと言える。
- 勿論、イベントの方でもグラフィック付きの会話が行われており、前作では仲間にしたキャラしか話さなかったが本作では敵のグラフィックも用意されている。
- アイテムのインターフェースが快適になった
- おかしな上限などというものが撤廃…とまではいかないまでもかなり緩和されている。
- 所持数も増えており合計個数から種類になった。それぞれ回復系24、戦闘系16、補助系12、装備品50、そしてイベントアイテムがアイテムを圧迫しないように特殊に分類されている。
- それぞれ最大99個まで持てるようになっており、プレーヤーの負担は大幅に軽減している。
- 装備関連
- 武器防具にカーソルを合わせると、解説とパラメーターが表示される。更に装備出来るキャラが前に出てきて上には矢印が出る、これは装備した後が強いかどうか分かり易い。
- 装備品は数値だけではなく追加効果などの特質もあり個性が出ている。
- 「自動装備」は便利であり、「装備固定」は外れないように出来る。手動で意図的に外す際は外れるので融通が利く。
戦闘面
- 必殺技の採用
- 戦士系のキャラは必殺技が使えるようになったので尚更頼もしく思えるだろう。
- 使用する際はEPを消費する。MPの戦士版みたいなもので強い技ほど多く消費する。また、仲間が戦闘不能にされたりするとEPが全回するのが熱い。
- カーソル位置は記憶されるようになった。
- それだけかと思うが、前作で毎回コマンドを選ぶのは意外と手間で意外とバカにならなかった。
- 敵の戦術は多彩
- モングラは焼き直し感はあるのだが、色々な戦い方が用意されている。前作で印象に残ったのはスリープで眠らせて叩くのが有効だったくらいであるが本作では魔法を吸収したり反射したり色々な事をやってくるので個性がより出ている。
- 敵の表示について
- 敵にダメージを与えた際は数値が表示されるようになった。
- しかも、相手の残りHPの割合に応じて青、黄、赤と点滅するので残りHPがおおよそつかめるようになり前作から格段に分かり易くなっている。
- 他の画面の敵はマークで表示
- 従来は「M」で表示されるのみであったが、本作では色々な形状のマークになっており、種族が大まかに分かるようになった。
- 敵にダメージを与えた際は数値が表示されるようになった。
その他
- 遠景の奥行きスクロールの種類が増えた。
- 前作では山で遠くの町が見える遠景のみであったが本作では、峡谷、火山、魔道器内部など種類が多い。
- 空気遠近法も考慮されており奥行き感が上手く表現されており見易く邪魔にならない。更にただの静止画ではなく遠くで川が流れていたりしているなど、こちらも細かく作り込まれている。
賛否両論点(SFC版II)
- ストーリーは一本道
- 4つの魔石を集めに行くと言うと、順番が選べそうに思えるがアーケンに言われた通り固定の順番だったりする。
- メンバーも固定。前作は一時的なNPCを選ぶくらいは出来た。
- とはいえど本作でも船や飛行手段が手に入るので行動範囲は大きく広がる。
問題点(SFC版II)
使い回し
- 前作の使い回しが多い
- まずタイトル画面の構成とBGMと演出が前作と変わらない。
- 仲間はアリエル、ドール、カイル、ゾッピールなど前作で登場したキャラが多い。
- ただし、舞台の方は新しくなっており前作で行けたところは出てこない代わりに色々なダンジョンが用意されている。
- ザコ敵のグラフィックは火竜、剣、ゴリラ、樹木、スケルトン、スライム、セントール、ゾンビ、デーモン、ネズミ、魔女、メデューサなど前作で登場したものばかり、しかもポーズまで同様で嫌でも使い回しが目立ち新鮮味に欠ける。
- ただ、流石にボスの方は使い回しではなくちゃんとオリジナルである。
- 単品として見れば気にならないと言いたいが、本作は続編ものであり前作をやっていないと置き去り感があるし、前作をやっていると焼き直し感があり、どっちに転んでも上手く行かないところである。
- とは言え、使い回しが気にならないと言うのなら本作は更に良い選択肢となりうる。
その他
- OPは飛ばせない
- その尺は何と9分。台詞の早送りも出来ないのでどうしても待たなければならない。
- モンスター図鑑
- 本作でも用意されているのは良いのだが、その場所が非常に分かり辛い。
- 序盤のグラの町で、川沿いに5本の木が1つの石を取り囲むように並んでいる場所がある。その中央の石を調べると手に入る。知っていれば簡単であるが、前作では手に入れないと先へ進めないようになっていたのに対し、こちらはノーヒントなので最後まで気が付かなかったプレーヤーも多い。
- 期間を逃すとコンプできないモンスター
- 序盤のロゴス氷原の「アメーバー」「ラージマウス」であるが、道中で倒しておかないと埋める事は出来ない。氷原の方は二度と来る事が出来ないからである。しかもすぐに終わる短さなのでエンカウントしなかったり逃げると図鑑には載らない。序盤でグラの町へ来たばかりの時点でこの事に気付いてからニューゲームから9分間を潰してやり直す事が出来ればまだ良い方で、殆どは気づかずにゲームを進めてしまったプレーヤーの方が多かった。
- 本作でも用意されているのは良いのだが、その場所が非常に分かり辛い。
- 宝箱関連
- 「これ以上は持てないわ!!」
- 所持数が緩和されたとはいえ上限があるのでアイテムがいっぱいだと持てないと言われる。本作でも中身は示されず捨てるアイテムに困るのは相変わらずである。
- 中身のバージョンアップ
- 後で取りにくれば中身がバージョンアップしている事もある。本作ではあえて無視して後で取りに来るという意味不明な手間が厄介である。更に前作では一度きりのダンジョンが多く宝箱を取り逃さないようにプレイしており、本作でもそれに倣ってしまったプレーヤーも多数。
- 非常に分かり辛く、失敗した事にすら気付いていないプレーヤーも多いだろう。
- 「これ以上は持てないわ!!」
- 文章・会話について
- 誤字脱字
- わしの手には追えぬ→手には負えぬ、危険な目に会う→あう、とすべきところである。しかも何度も出て来る。
- 中盤で行先を言われるが…
- ミルバトスから南へといわれるのだが、実際に南へ向かっても目的地へは着かないので知らずに迷ったプレーヤーも多かっただろう。
- 本当はすぐ南西に位置しているので、ここからすぐ南西だと言うべきだった。こちらも知っていれば簡単であるが、言われた通りまっすぐ南へ行くと丁度画面外で見えない位置にあるので見落としたプレーヤーも多い。
- 会話をしている間はスクロールが止まる。
- 溶岩で上昇している際の会話で、どんどん早くなっていくと言われているのに、スクロールが止まっているのは流れがおかしい。
- 誤字脱字
- 戦闘中では本作でも会話が無かったりラスボスも第一形態のみであるのは寂しいところである。
総評(SFC版II)
前作の使い回しが多く焼き直しという印象が強いが、インターフェースは改善されて遊び易くなっている。
前作をクリアした事があるプレーヤーは本作も手に取って欲しいところである。
特に新しい要素はないが演出も強化されており、全体的に高品質であり他のRPGにはない魅力も多く、現在においても高く評価されている作品と言える。
余談(SFC版II)
- エンディングではアリエルたちがバロメッツと共に死亡したアーケンを探す旅に出るところで終わり、スタッフロールが流れる。
- エンディングでは続編を思わせている。しかし、アレサシリーズの続編の発売はなかった。
その後の展開
- SFCでアレサ3…ではなく、『[[リジョイス ~アレサ王国の彼方~』が発売されている。
- ドールは勿論登場して共に戦ってくれる、更にGB版と同じ時代を舞台にした作品で猛威を振るっていた魔王はここに来てSFCで最初で最後の登場となる。
- シリーズ物としては、RPGではなくアクションRPGだったり、主人公は見た事もない人間しかも悪ガキとして評判が悪いため、そこに感情移入出来るかどうかで賛否が分かれる作品であり、外伝という扱い方をされている。
- やのまんはゲーム事業から撤退し、日本アートメディアはソーシャルゲーム中心にゲーム制作を続けているものの、さすがにシリーズの復活は難しいと思われる。