山田リョウ

Last-modified: 2024-02-25 (日) 20:08:08

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夏休みに突入し、しばらく学校に行かなくていい日々が訪れる。そんな中ロックバンドグループ「結束バンド」のメンバー達は、バイトの回数を増やし練習とお金稼ぎに利用していた。
事件は夏休み1週間経過後の火曜日に起きた。

「「・・なんか増えた」」

平日だが、夏休みだからこそバイトに入ることができる。リーダーである虹夏の姉、星歌が店長を務めるライブハウス「STARRY」にて今日もメンバー全員で資金稼ぎをするはずだった。
・・・なぜかメンバーの1人である山田リョウが2人に増えていなければ・・。

「・・いやどういうことッ!?」

当然同じ人間が増えるなんてこと、漫画の世界だけの話。だが現実に目の前で起きていては、夢や錯覚だと自分を誤魔化すのは限界だった。
それでも唖然の沈黙が数秒程度で済んだのは、ほぼ毎日ツッコミどころ満載な事態を経験していたおかげであろう。
正気に戻った虹夏のツッコミを皮切りに、残りメンバーであるひとりと郁代が口を開く。

「い、いいなリョウさん!・・わ、私も自分が2人になれたら・・・ぼっち卒業になるんじゃ!?」
「・・・・リョウ先輩が2人・・・ッ!あ、あのどちらでも構わないので家に住みませんか!?」
「よし!まずぼっちちゃんは真似しようとしない。増えたら増えたで余計に面倒になりそうだから!・・あと喜多ちゃんもさり気なく養おうとしないの!そんなことしたら、リョウ付け上がるから!!」

さすがはメンバー唯一のツッコミ担当。自分を増やしてでもぼっち卒業を企むひとりと、普段は真面目なのにリョウ関係になるとポンコツになってしまう郁代へ連続で指摘を浴びせる。
それで終わらず、すぐさま原因たるリョウへ狙いを定める。

「・・で?ホントにどうして増えたわけ」
「さあ」
「なんか気づいたら増えてたとしか言えない」
「てか、なんで増えた本人が冷静なわけ?もうちょっと焦ってもいいと私は思うけど!?」
「さすがですリョウ先輩!」
「喜多ちゃんは一々褒めない!!」

顔を見合わせる2人のリョウ。どちらも変わらずの無表情で、ホントに自分が増えたことに対して気にすらしていないらしい。

「まあ増えたことを今更嘆いても仕方ない」
「それより“双子の天才ギター女子”って動画を投稿したら100万再生いくかも!」
「それによる収益を得てぼろ儲け!」
「「私って天才!?」」
「どれだけ都合の良い未来を視てるわけ!?」

2人に増えてもノリは変わらないらしい。むしろ増えたことで倍に面倒になってしまっている疲弊している虹夏の姿がその証拠だ。

「そういえばリョウ先輩が増えたこと、ご両親は知ってるんですか?」
「「うん。・・驚くどころかメッチャ喜んでて、もう一人の私用の部屋と戸籍作りの準備に取り掛かってる」」
「・・なんか。リョウ先輩の親って感じですね・・」

ただでさえ娘を溺愛している両親だ。可愛い娘が2人になれば、喜ぶことなんて容易に想像できること。まあ、そのおかげで大騒ぎになっていないのだが。

「で、でも自分が2人いるっていいですよね・・!だ、だって片方にバイト行ってもらって、もう片方はお休みできるんですから!」
「ぼっちちゃん。なんだか最終的に自分同士で殺し合いしそうなこと考えてるね・・」
「「なるほど!その手があったか!!」」
「って思いついてなかったんかい!!」

ひとりの考えに頷くリョウとリョウ。2人は互いに相手の両肩を掴み向き合う。

「「そういうわけで私。バイトの方はよろしくお願い。・・・いや私じゃなくて、そっちに行ってもらいたいんだけど。いやいやそうじゃなくて・・」」
「ああもう!シンクロして口論するな!頭がおかしくなってくるから!!」
「ハモるリョウ先輩達・・・素敵です!」

郁代が目を輝かせながら、スマホで撮影している。
すると離れた位置から様子を窺っていた店長の星歌が呆れながら告げる。

「いや。お前よくサボったりするし、他人から借金しまくりだから片方だけ働くなら、給料は半分にするからな」
「「そんな殺生な!?」」

日頃の行いが悪かったことを、ここまで呪ったことが今まであっただろうか。反論しようとしたリョウ達だが、星歌の睨みに負け、渋々従うことになったのであった。

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「「ただいま」」

仕事が終わり家に帰ってきたリョウ達。疲れた声を発する彼女らを出迎えるのは両親ではなく–––––

「「「「「「「「おかえり」」」」」」」」

部屋着姿で玄関までやってきた8人・・の山田リョウだった。
そう。仲間達の前では2人に増えたと告げたリョウであったが、実は10人に増えていたのだ。嘘をついたのは、さすがに外出するのに10人一緒に行動したら嫌でも目立つ、2人なら「実は双子だった」と勘違いされるかもしれないから。あと穢れた考えを言うなら、2人分働いて給料2倍を狙ったことだろう。もっとも、そこは日頃の行いの所為で失敗に終わったが。

「「「「そう。店長、酷いね・・」」」」
「「そうそう。優秀な私が2人いれば、店の売上も上がるっていうのに・・」」

両親は仕事で今夜はいない。部屋に戻ったリョウ達は、留守番していた他の自分へバイト先での出来事を話した。本人がいないからこそ、好き勝手に言いたい放題の10人。
すると話している最中に、8人が服と下着を脱ぎ捨て全裸になる。そしてバイトに行っていた2人を囲み、ゆっくりと服を脱がせにかかる。

「「「「「まあ、話はその辺にしておいて・・」」」」」
「「「今晩は両親もいないし、・・・ね?」」」
「「「「「「「「それに仕事頑張ってきた私達にご褒美あげないとね」」」」」」」」

あっという間に2人も8人同様に生まれたままの姿になり、もう誰が留守番していたリョウかバイトに行ったリョウか判別できなくなってしまった。
2人のリョウが背後から抱き付き、顔を無理やり振り向かせ唇を重ねていく。

「「ほら、こっち向いて♪・・・ンチュッ・・クチュッ・・・チュッ・・」」
「「あっ・・ンンッ!・・・疲れてるから、もう少し優しくキスして・・」」
「「だめ。だって汗かいてる私、とっても可愛いから」」

それぞれ自分同士でディープキスを始める4人のリョウ。風呂に入るわけでもないのに裸になっていることもそうだが、いくら自分相手とはいえ躊躇なくキスをする姿は、仲間達でさえ見たことがない。しかも無理やりキスされているバイト帰りのリョウ達も、頼む素振りはしても嫌がる素振りは微塵もしていない。
徐々にリョウ達の瞳がトロンと緩んでいく。頬が紅潮し、口から喘ぎ声が零れ始める。

「「やっ・・あんっ!・・ふぁっ・・疲れてるって、言ったのにぃ・・❤」」

疲弊で弱った涙腺。潤んだ双眸で見つめながら訴えてくる。左目下の泣きぼくろが涙で濡れ、8人に興奮を促す結果となる。

「「「「れろっ❤あむっ❤ちゅぷッ❤❤」」」」
「「ふぁ❤乳首もやめてぇ~」」

我慢できなくなった8人も近づいてきた。無防備の美乳へ顔を寄せ乳首を口へ含み、舌で弾きまくってくる。ビクビクと快感で痙攣を起こしながら、キスされていて上手く発せれない声で制止を呼びかけるも、リョウ達は止まらない。

「「「「私が悪いんだよ。そんな可愛い声で鳴かれたら、見ているだけなんて生殺しもいいところ・・♪」」」」

さらに濡れた陰裂に口を押しつけられる。吐息が膣内に流れ込むだけで、溢れる愛液の量が増す。
顔を埋めた残り2人のリョウ達は、それは無我夢中で舌を動かし、流れてくる愛液を飲み干していく。

「「ぺろッ❤昨日より味が濃厚になってるね。我慢して熟成されていたおかげかな?」」
「「あん❤舌を流し・・・はぅん❤・・こまないでっ❤もうホントに限界なんだから・・❤」」
「「大丈夫。私達は気にしないから、無理して我慢せずにさっさと解放しなよ」」

口内を、乳首を、膣内を蹂躙される。全身を大量の快楽が行き乱れ、放出する場所が見つからなくて溜まっていくばかり。犯されているリョウとリョウは限界だった。整えている髪が乱れ、肌から大量の汗が噴き出てくる。
トドメに耳元で優しく囁かれる。

「「ふああああああああああああああああああああああああああ❤❤❤」」

とうとう2人は溜めていた愛液を解き放つ。膣に顔を埋めていたリョウ達の顔にぶっかかり、それによって周囲に飛び散り、他のリョウの体にかかっていく。
8人が微笑みかける。

「「「「「「「「いっぱい出したね❤・・気持ちよかった?」」」」」」」」
「「ハァ・・ハァ・・❤それ、聞く必要ある?」」

実はリョウは自分が増えた原因に察しがついていた。それも確信を得て。
彼女・・増える前に鏡の前でオナニーをしていたのだ。別に日頃からしているわけではない。ただ無性にストレスが溜まり、発散の為に思いついたのがギター以外でソレだった。初めてのことで知識も何もなく、自由に膣を弄っていたら不思議と気持ちよく、次第に癖になっていった。気づけば無我夢中になっており、しかもオカズにしていた鏡に映る自分自身に甚く興奮を覚えるしまつ。とうとう自分相手に初の絶頂を迎えたリョウ。疲れでそのまま眠りにつき、2時間ほど経過してから目を覚ますと自分が2人に増えていた。
普通なら驚くことなのに、どちらのリョウも無反応。それどころか今度は鏡ではなく、隣に突然現れたもう一人の自分を相手にセックスを開始。それから何度もイき、10人にまで増えてしまっていたというわけだ。

「「ねぇ・・・–––––」」

イったリョウ2人の体がブレる。映像を瞬時に切り替えたみたいに2人が4人に増えていた。だけどもう何回も経験したことだから彼女らは驚かない。

「「「「今度は・・みんなで滅茶苦茶に楽しもう?」」」」

色気に満ちた表情を煌めかせ、呟く言葉は自分自身を虜にしていく。
提案した4人へ、8人のリョウが我慢できずに飛びかかったのは言うまでもない。

「「「「れろっ❤ジュルゥ❤クチュッ❤」」」」
「「「「リョウ可愛い❤私、もっとリョウとキスしたい❤」」」」
「「「「顔近づけて。リョウの顔、もっと近くで見つめたいよ❤」」」」

室内は宣告通り『滅茶苦茶』になった。
1ヶ所に絡み合う同じ顔の少女達。上下左右関係なしに、自分と自分の間に体を割り込ませ密集した蔦みたいに山田リョウでくんずほぐれつ状態の光景。
それは他者から見ればあまりに“異常”であり、当人達からすれば“当たり前”だ。目が合った自分とキスを交わし、舌を絡ませて楽しむ。
口内を自分じゃない自分の舌が好き勝手に動き回っている。歯茎の裏をなぞるように浸らせていく。唾液をかき集め、己の口内へと流し込んで喉を潤す。
部屋中が熱気に包まれ、12人の唾液音と喘ぎ声だけが響き渡る。

「「「「「あん❤・・ンンッ❤・・」」」」」
「「「「「突いて❤その為にマン汁で膣内挿れやすくしてるんだから❤」」」」」
「「「「「「どのリョウの指か分からないけど・・・体が内側から痺れるように気持ちいい❤」」」」」」

キスだけをしているわけじゃない。無防備となっている膣穴へ指を挿入して搔き乱す。自分の体だからこそ、見ていなくても分かる。
膣内を弄られ喘ぎ声が大きくなる。股間部の刺激に意識がもってかれそうになりつつも、キスをやめない。離れそうなのを舌を絡ませて無理やり繋いでいるみたいだ。

「「「「「「「「ああああああああああああああああん❤❤❤」」」」」」」」」

あっさりとリョウ達が絶頂を迎える。自慰行為を何回もしていたこともあって、自分相手ならすぐにイけるほどに体が敏感になってしまっている。
イったリョウが増え、新たに増えたリョウ達も加わって女体の塊は一回り大きさを増す。

「「「「「「「ぺろっ❤れろっ❤」」」」」」」
「「「「「「「ンンッ❤・・なんだか大きな赤ちゃんが出来たみたい❤」」」」」」」
「「「「「「リョウのおっぱいって大きさは普通だけど、形は綺麗だね❤」」」」」」」
「「「「「「ぼっちが大きすぎるんだよ。でも私のおっぱいもあれぐらいのサイズだったら、揉んだ時気持ちいのかな?」」」」」」
「「「「「だったら大きくすればいい。揉んだら大きくなるって聞いたことあるし❤」」」」」
「「「「「「あん❤・・そうだね❤」」」」」」

新しく増えたリョウは、キス祭りに参加せず肌と肌の合間に顔を埋ませ、美乳の感触を顔越しに味わいながら突起しているピンク色の乳首を甘噛みしていく。真上から聞こえるどのリョウか分からない喘ぎ声を聞き、それだけで秘部が濡れる。
咥えた乳首を舌で弄り、乳房を舌を這わせて唾液を塗りたくっていく。プルンッと小さく震える感じが可愛らしくて、もっと気持ちよくさせたいと思わせてくる。
他にも顔ではなく手を忍ばせ、胸を揉みしだくリョウもいる。ちょうど掌サイズに収まる大きさは揉みやすく、乳首が擦れてこそばゆく感じてしまう。それでも指先が乳房に沈む弾力の感触は面白く、癖になってしまいそうだ。

「「「「「「「ああん❤」」」」」」」

愛液を放出して、またリョウは増える。どんどん部屋の空間がなくなっていく。密集に密集を重ねた肉塊はぎゅうぎゅうに締め付けられ、腕が絡まり、足が絡まり胴体が絡まりともう訳が分からなくなってしまっている。

「「「「「「ハァ・・ハァ・・❤体熱い❤」」」」」」
「「「「「「汗とリョウの体臭・・・すごく濃い❤」」」」」」
「「「「「「「好き❤好きぃ❤」」」」」」」

室内の気温は上昇するばかり。白い肌から汗玉が止まらず、熱気で頭がクラクラしていく。至る所で見つめ合う自分と自分。❤マークが浮かんだ瞳が自分と同じ顔の愛しい相手を眩しく映し出す。左目下の泣きぼくろが色っぽさを醸し出し、涼しめの目は本人らでも信じられないぐらい蕩けた形をしていた。

「「「「「んぶっ❤好きぃ❤・・チュッ❤・・クチュッ❤・・大好きぃ❤」」」」」
「「「「「美味しい!リョウのマン汁さっきより味が濃くなって美味しい❤」」」」」
「「「「「もっと密着❤汗同士の綺麗な素肌、重ねていこう❤」」」」」

どんどん絶叫していく。どんどん増えていく。どんどん室内が山田リョウで埋め尽くされていく。積み重なった女体の塊の重さでベッドや床がギシギシと軋む音を鳴らす。
増えてもリョウ達のやることは変わらない。ディープキスをして、愛液びっしょりのマンコを舐めて、ついでに汗の匂いをムンムン漂わせているアナルにも舌を捻じ込む。
もう100人ぐらいいるんじゃなかろうか。身動きがとれず自由が利かない。でもそんなの関係なくリョウはセックスを続ける。

「「「「「「「「また増える❤大好きなリョウが増えていく❤」」」」」」」」」
「「「「「「「「やめられない❤自分が増えていくことが・・・快感で仕方ない❤」」」」」」」」
「「「「「「「「ああん❤増えちゃうぅぅううううううううううう❤❤❤❤」」」」」」」」

リョウ達の頭の中に『止める』なんて言葉は一切浮かんでこない。只管に増え続け、新たな自分を仲間に加えて大乱交を盛大にしていく。
増え続けたリョウの体に部屋の方が限界だった。圧迫の力に扉は吹き飛び、溢れ出し家中を埋め尽くしていく。

そして–––––––––

「「「「「「「「というわけで気づいたら27000人に増えてた」」」」」」」

メッチャ増えた親友を前に虹夏は気絶し、郁代は鼻血を噴いて幸せそうな顔で気を失い、ひとりは人酔いでゴミ箱に逃げ込み、店長の星歌は・・・

「そんな人数雇えるかぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!」

店内を、続く道を、周辺一帯を隙間なく埋め尽くす山田リョウ達に怒鳴ったのであった。