澪の増殖

Last-modified: 2023-02-08 (水) 21:45:02

どうしてこんな気持ちが芽生えてしまったのだろうか?
友人の紬が最近ハマっていると、オススメしてきた自分同士や大量の自分とエッチなことをする官能小説を仕方なく読んでしまったからか?
それとも幼馴染の律が「この魔法で澪を沢山増やしてやるぞ~!」と魔法使いごっこしながら冗談半分で弄られて、意識してしまったからか?
あるいは、どちらも関係しているのかもしれない。

とにかく澪は、最近特におかしいことに自身でも気づいてしまっている。
曲作りを一旦やめ、勉強机に突っ伏しながら部屋の角に立ててある姿見の鏡を横身で見る。鏡に映し出されたもう一人の自分と視線が合い、慌てて顔を真っ赤にしたまま顔を戻す。

「わ、私はもしかして自分とのエッチに興味があるのか?そ、そんなアブノーマルの性癖あるはずがない!!」

意識し過ぎてしまっているからか、そんな誤認さえしてしまう。澪は必死に頭を振って脳裏に思い浮かんでいる自分自身と見つめ合っている自身の妄想を掻き消す。

「はぁ・・はぁ・・。汗かいちゃったな。今日は集中できないし、曲作りは明日にするか」

今は夏休み。新曲作りのために部活は一週間ほど休みとなっている。真面目な澪は忙しくなるだろうと予想していたおかげで、宿題も終わっている。
夏休み終わり間際に宿題が終わってなくて泣きついてくる律と唯の姿を想像すると、プッと笑いが込み上げてくる。
澪は椅子から立ち上がると、着替えを持って一階へと降りる。もう夕方だが、リビングに電気はついておらず人の気配もない。両親は結婚記念日とかで一週間ほど旅行に行っているため、家には澪一人しかいない。
寂しがり屋で男口調なわりに気弱な澪を心配して、両親は一緒についてくるかと提案してきた。だが、せっかくの記念日だからと、遠慮して断った。
誰もおらず物音一つしないリビングは、いつも利用しているはずなのにどこか不気味で、奥のキッチンの蛇口から垂れた水滴が大きな音を響かせる。
ビクッと澪は驚きのあまり無言で身体を跳ねる。

「は、早く入ってしまおう!」

ちょっとだけ、留守番すると言ったことを後悔した。

「ふっふふ~ん♪」

風呂を沸かし、浴室に取り付けられた鏡の前で鼻歌を鳴らしながらシャンプーで頭を綺麗にする澪。季節的にどうかと、一瞬迷ったが今日ばかりはスッキリしたいと思ったのだ。
湯の溜まった桶を掴み、頭からお湯をかける。髪を覆っていた泡が一気に流れていき、水を吸って垂れ下がった髪の所為で某有名なお化けみたいな見た目になってしまう。犬のように顔を左右に振って髪を揺らし水分を撒き散らす。

「「さて、そろそろ入るとするか!」」

身体と頭を綺麗にしたところで、いよいよ疲れを癒す番だ。意気揚々とした態度で立ち上がろうとした澪は、自分の声が何故か二重になって耳に届いたことに気づき、立とうとした身体を途中で止めたまま隣を向く。

「「・・・なんでこんな所に鏡が?」」

隣には同じ態勢をしたもう一人の自分がいた。
唖然とした声が零れ、視線が自然と隣の自分の全体を眺めていく。
腰まで届く綺麗な艶のある黒髪、最近また大きくなり律や唯から羨望の眼差しを受けるようになった豊満な胸。体系から顔の輪郭まで完璧に瓜二つだ。
二人の澪は頬を引きつらせる。隣に鏡などあるはずがないことは分かっている。それでも信じたくなくて、きっと親が置いていた鏡であろうと恐る恐る手を伸ばす。
同時に伸びた二人の指先が当たる。そこからは確かに人肌の感触、それに熱が感じられた。

「「ひぃ!?」」

恐怖で尻もちをついたまま後退る二人は怯えながら叫ぶ。

「「な、なんで私が二人も!?」」
「「そ、そうか!きっとムギや律のおかげで、自分がもう一人いると幻覚を見てしまっているのだな!!そ、そうに決まっている!どうやら相当疲れているようだ!ふ、風呂に浸かれば落ち着いて幻覚も消えるだろう」」

動作から口の動きまで見事にシンクロさせた二人の澪は、同時に風呂に浸かる。
これで気づけば、もう一人の自分などという非現実的な存在は消えているはず。強く願いながら・・。

「「「「・・・・・」」」」

消えるどころか四人に増えました。
真後ろと向かい、さらにその奥にいる自分と同じ姿をした女性三人の存在に、四人共硬直する。

「「「「うわあああああああああっ!!!!?」」」」

これが幻ではないと理解せざるを得なくなった時、四倍の悲鳴が浴場に反響していく。

「ど、どうなってるんだ!?」
「いなくなるどころか、また増えたぞ!!」
「も、もしかしてドッペルゲンガー・・!?」
「これは夢だこれは夢だこれは夢だ!!」

恐怖のあまり錯乱状態に陥る。
無理もない。突然自分が四人に増えれば、恐怖を感じるのは当然のこと。
風呂に浸かっているはずなのに、澪達の身体は全く温まらず、むしろ冷たくなっていく。

「「「「もう寝る!!!!」」」」

こんな状況でゆっくり風呂に浸かれるはずもない。四人は眠りの世界に逃げようと一斉に風呂から出ようと湯船に足をかける。瞬間、八人に増えてしまいバランスを崩す。

「「「「「「「「きゃあ!」」」」」」」」

タイルの床に八つの裸体が倒れ込む。幸いにもどの澪を怪我はなかったが、もっと大変な状況になっていた。

「んぁ!」
「ひゃん!」
「んんっ!!」
「ちょっ!?・・どこ触って・・」
「あん!胸揉むなぁ~!?」
「お、おい顔を近づけるな!?」
「起き上がれないだろ!!」
「だ、誰だ尻を触ったのは!?」

八人の身体がくんずほぐれつに絡み合ってしまい、身動きがとれなくなってしまっていた。
抜け出そうと彼女達は暴れるが、その行動が余計に脱出を難しくさせていく。しかも密集してしまい、豊満な胸が他の澪の身体に押しつぶされたり、指が秘所に触れたり、手が胸を揉んでいたり、顔が胸にぶつかっていたり、澪同士の唇が合わさっていたりと大騒ぎだ。

「「んんんっ!?ぷ、ぷはぁ!!じ、自分とキスしてしまった!?ふぁ、ファーストキスだったのに~!!!!!」」

事故とはいえ、消せない事実に嘆く澪。

「んんんんっ!!!」
「お、おい離れあん!?か、顔を擦りつけるにゃぁ~!!」

自分の胸に顔を擦りつけてくる澪を、呂律の回らなくなった言葉で叱るも、別の澪に尻を揉みしだかれている彼女に罪はないのだ。

「やぁん!んぁ、んっ・・そ、そんな強く揉むなぁ!!と、というか手を離せぇ!!」
「ちょっ!?そこはやめろ!指を早くひゃっ!?な、なんで差し込んでくるんだぁ!?」
「わ、私だって好きにやっているわけじゃない!ち、乳首を弄ってくるそこの私に文句を言え!!」
「私だって被害者だ!!どの私かが、わ、私の耳に息を当ててくるんだ!!・・はうん!?」

胸を揉まれる澪、秘部に指を挿入される澪、乳首を摘ままれる澪、耳に生温かい吐息を当てられる澪・・実は四人が四人中の誰かを弄っていることも知らず、互いに文句を言い合っている。

気づけばさらに八人の身体は絡まり、全員が同じ行為を浴びせられる羽目になる。近づいてきた別の澪とキスをし、さらに他の澪に胸や秘部を触られる。
とても不快で気持ち悪くて、逃げだしたい気持ちで一杯のはずなのに、心地よい気持ちよさを堪能している考えもあった。

(な、なんで私、他の私に触られて喜んでいるんだ!?ち、違う!!きっとムギが読ませた小説の影響なんだ!!私はナルシストのレズなんかじゃない!!)

思考では否定しても、身体は素直に喜んでしまう。

「「「「「「「「あ、ん・・ン、ふぁ・・ンン❤」」」」」」」」

無意識に喘ぎ声を発してしまう。
次第に彼女達の動きも速まり、澪達が抜け出せたのは同時絶頂をした直後であった。

「「「「「「「「お、お前達は誰だ!!!」」」」」」」」
「「「「「「「「私は秋山澪だ!!!」」」」」」」」
「「「「「「「「違う!!本物の澪は私だ!!」」」」」」」」

風呂に入ったはずなのに、汗だくのまま浴室を後にした八人の澪は下着を着ることすらも時間の無駄と思っているのか、全裸姿で自室に戻っていた。
同じ顔をした裸の少女達が円の形で向き合ったまま座り異口同音の口論をする光景は異常という言葉以外何も見つからない。
絶頂をしたおかげで一周回って冷静になったのか、さっきまでの恐れは吹き飛んでいた。これが怖いお化けの姿ならビビるが、自分と瓜二つの姿を相手がしているのも強気を保てる理由なのだろう。
しかし、どれだけ口論を続けても平行線のまま進展が一切しない。名前も、生年月日も、思い出も全員見事に答えてしまい、澪達の中では八人全員が正真正銘自分自身だという事実を受け入れないといけなくなっていた。

「も、もう今日は寝よう・・」
「そ、そうだな」
「ありえない状況に、いつも以上に疲れがきた・・」
「きっとこれは夢だ!明日、目を覚ませば元通りに戻っているはずだ」
「そ、そうだよな!」
「今度ムギに会ったら文句言ってやる!」
「元を正せば、律よりもムギが原因の方が大きいからな」
「まあ・・夢とはいえふ、不思議な体験もできたしな」

脳裏に先ほどの浴室での出来事が蘇る。
八人の顔が真っ赤に染まる。

「「「「「「「「な、何を考えているんだお前達はッ!?」」」」」」」」
「「「「「「「「お前達こそ!!」」」」」」」」

羞恥心を紛らわせるように立ち上がり、ベッドへと移動する。
だが彼女のベッドはさすがに八人が寝れるほど大きくない。
だからといって他の自分を床に寝かせるのも、どこか罪悪感が湧いてくる。そこで四人の澪が横一列に寝転がり、反対側に残りの四人が寝転がることでなんとか八人全員収まる形となった。

(うぅ・・狭くて、熱い・・それに他の私の匂いが漂ってきて・・興奮してくる!?)

顔が熱くなる。密着していて後ろからかけられる吐息が髪を撫で、足を動かせば向かい側で寝転んでいる澪の足とぶつかる。
しかも本人達は気づいていないが、八人に増えてしまった衝撃で寝間着に着替えることをすっかり忘れている。つまり澪達は今風呂場から出たままの姿、すなわち全裸のまま眠ろうとしているのだ。
吐息と一緒に背後から豊満な胸が背中を擦る。
モヤモヤしながら悶え続け、ようやく澪達は眠りにつくことができた。

「「「「「「「「う・・ん?・・・・・えっ!?」」」」」」」」

やはり暑さで深夜に目を覚ました澪達。瞼をうっすら開けた時、彼女達は室内の光景に愕然とする。

「せ、狭い~!」「も、もう少し詰めてくれぇ~」「ああん!」「だ、誰だ胸を揉んだのは!?」「こ、股間に指を当てないでぇ!!」「どうしてこんなことに・・」「もう嫌」

部屋中が大量の裸の澪で埋め尽くされていたのだ。いや、部屋の扉を開けた先の廊下も澪だらけのところを見る限り、もしかしたら家中が大量の澪で覆いつくされてしまっているのかもしれない。

「「「「「「「「あああああん!?」」」」」」」」

事態を把握するのを阻止するようにベッドで眠っていた八人が同時に喘ぐ。見れば、八人の上に重なる形で八人の澪が寝転がっていた。仰向けでいたために上下の澪の胸がぶつかり、体重で深く潰れていく。強い快楽に身体が震え、真上の澪が微笑みながらキスしようと顔を近づけてくる。

「「「「「「「「な、何をする気だ!?」」」」」」」」
「「「「「「「「うふふ・・もう我慢するのはやめろ♪」」」」」」」」
「「「「「「「「や、やめっんぶちゅううううう!!?」」」」」」」」

どうやら一部の澪達はナルシストとして覚醒してしまっており、現状を喜んで受け入れていた。抵抗も虚しく唇を強く押し付けられ、貪るように舌を絡ませてくる。

『くちゅ、んはぁ・・・わ、わたしぃ❤』

キスされた影響で八人の澪も欲望に目覚める。しかも寝相でそうなったのか、向かい側の澪と太ももを絡ませ秘部を密着させていたのだ。キスの気持ちよさに悶えながら身体を揺らせば、太ももが擦れ甘美な刺激が下半身から送られてくる。

「「「「「「「「あ、ん❤」」」」」」」」
「「「「「「「「澪と身体の隅までくっつけて」」」」」」」」
「「「「「「「「別の澪と秘所を合体させられている。なんて最高の態勢なんだ❤」」」」」」」」
「「「「「「「「澪、もっと私とキスしよう♪」」」」」」」」

じゅぷ、じゅぴ、んぁ、みお❤あむ、みお、ぴちゅうううう❤❤

十六人の唾液の交わる淫らな水音が澪だらけの空間に反響していく。
彼女達の行為に続くかのように、他の澪達も次々と現状を受け入れ自分に正直になっていった。

「「「「私の胸ってこんなに大きかったんだな♪」」」」
「「「「自分が沢山いるおかげで、初めて知れたよ❤」」」」
「「「「あん!おい、そんなに胸ぶつけなくても・・」」」」
「「「「「「「ち、ちが・・私は何もしてないのにぃ!!澪達の胸が気持ち良すぎて身体が止まらないのおおおおおおっ!!!!!」」」」」」」」
「「「「「「「乳首が擦れて頭おかしくなってきそうだあああああ❤❤」」」」」」」」」
「「「「「あああああああん!!!!澪達の胸と交われて、おっぱいぶつけ合いっこできて乳首も擦れて気持ち良すぎるぅぅうううううううううう❤❤やめたくてもやめられないいいいいいいいいいいい❤❤」」」」」

大きくなった胸をフルに活用し、床や廊下で座っている澪達は十人ほどのグループにまとまり向かい合ったままおっぱい相撲を行っていた。
本人も圧巻するほどの弾力と大きさを誇った乳房は、潰れるほどに全身に電流を走らせ、胸同士をぶつけることで身体が飛び跳ねそうな気分に陥っていく。ぎゅうぎゅうと押し込まれたおっぱい同士が乳首を突き出し、当てっこする。心地よい感触の中に鋭い貫くような感覚が混ざったことで、とてつもない快楽が誕生した。
身体は本人の意思を無視して勝手に動かし、胸をぶつけて快楽を求める。秘所から愛液が漏れ出てゆき、床が大量の澪の愛液で沈んでいく。

「「「「澪の髪は綺麗だな~」」」」
「「「「「サラサラしていて、触れても触れても飽きがこない♪」」」」」
「「「「「匂いを嗅げば、澪の匂いを強く感じれる❤」」」」」

同性でも見惚れるほどの黒髪を澪達は、愛おしそうに撫で、しゃぶり、香りを嗅いだりして楽しむ。すっかり興奮している彼女達は、自分の匂いだけで濡らす程にまで手遅れなレベルに達してしまっていた。

「「「「「んじゅるうううううう❤❤」」」」」」
「「「「「はぁ・・はぁ・・❤」」」」」
「「「「「「澪の愛液、とっても美味しくて喉が満たされていくぞ❤❤」」」」」
「「「「「「指でほじくれば、どんどん流れてくる❤」」」」」」
「「「「「「ああん!また出しちゃうからやめてえええええ❤❤」」」」」」

浴場の時と違い、澪達の声は悲鳴でも嬉々とした感情がしっかりと込められているのが分かる。
恍惚とした状態で澪の秘所に顔を埋め、舌で無我夢中に舐めれば奇妙な味が口内に広がっていく。しかも舐めると、別の澪に秘所を舐められ感じてしまう。
澪同士で反転させた態勢のまま顔を埋めて抱き合っているペアがいれば、無数の澪が一列に繋がっているグループもある。
舐めれば舐めるほど愛液は止めどなく溢れ、飲めば飲むほどもっと欲したくなってくる。一滴も見逃さず指を膣内に挿入して弄りまわせば、子宮を刺激されてまた溢れるほどの愛液を流してくれる。
もはや澪は澪の給水係となってしまっていた。

「「「私ってこんな場所にホクロあったんだ♪」」」
「「「「澪の身体を見ていると、どんどん新しい発見が出てくるな♪」」」」
「「「「「おかげでもっと澪のことが好きになってくる❤」」」」」

性的な行為をするだけでなく、普通に触れるだけでも感じてしまう。澪に対して敏感になり過ぎてしまっている澪達は、探索するように澪の身体を隅々まで目を通していく。
すると、普段なら目立たない箇所にホクロがあったり、意外な箇所が弱いなど自分でも知らなかった新事実が次々と見つかってくるのだ。
澪に対する愛情はますます増長していき、澪の魅力も桁違いに跳ね上がっていた。

「「「「「「もう・・我慢できないいいいいいいい!!!!!」」」」」」
「「「「「「「どうせイクなら・・澪達みんなと!!」」」」」」
「「「「「「「みんなと一緒にイキたいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」」」」」」」

二度目の絶頂の時は訪れる。
澪達は寂しくないように近くの澪と手を繋いでいく。孤独ではないと実感し、安堵を浮かべた直後・・その時はきた。

「「「「「「「「「「「みおおおおおおおおおおおおおおおおおお❤❤❤あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ❤❤❤」」」」」」」」」」」」」」」

一人でも十分大音量の嬌声が、何千倍にもなって家中に響き、夜の近所一体にまで届く。途端に愛液が噴出され、外に飛び散ったり、別の澪の口内または膣内へと流されていく。
ムンムンと蒸した熱気が家中を包み込み、発情している澪はまだまだ物足りない。
それは秋山澪全員が同じ気持ちだった。

「「「「「「「「もう一度やろう❤」」」」」」」」

それから澪達は、どんどん性行為に慣れていき何度も何度もイっては飽きがこず、朝日が昇る時まで続いた。
彼女達がようやく体力が尽きて眠りについたのは朝六時を迎えた時。
それから夜に目を覚ました彼女達が見たのは・・・全世界を密集した裸体で沈めたさらに増殖した秋山澪の景色だった。