発売元 | 東宝 | #ref(): File not found: "Onii.jpg" at page "燃える!お兄さん" |
開発元 | アドバンスコミュニケーション | |
発売日 | 1989年8月8日 | |
定価 | 5,800円 | |
判定 | クソゲー | |
ポイント | 勝ったらゲームオーバー 原作ファンにとってはバカゲー? スタッフが無能なのだ! |
概要
当時『週刊少年ジャンプ』で連載されていたギャグ漫画『燃える!お兄さん』をゲーム化したもの。
主人公・ケンイチの妹である雪絵を誘拐し、「ロリコニア」なるエネルギーを手に入れ、世界征服を企む悪の親玉「ドラ・ゴン」を倒すのが目的。
ドラ・ゴンの配下である「ホラフクジン」が持つ「リュウのンタマ」を5つ揃えてドラ・ゴンに挑むという流れである。全6面+ラスボス。
システム
- 十字ボタン+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。
- ステージ中に出現する敵を倒すと回復アイテム、または「吹き出し」が出現する。
- 「吹き出し」を取ることによって、「吹き出し攻撃」が出来るようになる。
- セレクトボタンを押すと現在ストックしている吹き出しの種類が切り替わり、攻撃ボタンを押すと吹き出しが発射される。
- 飛び道具である「あうっ」、地を這う飛び道具「ギュー!」、足場になる「ダン」、画面上の敵を全滅させる「ドン!」、プレイヤーの周辺を回転する「マモレ!」の全5種類がある。
- ドラ・ゴンとの決戦の前には、特訓と称したミニゲームが火堂、ロッキー、不知火に課される。
問題点
- ゲームバランスは極めて劣悪である。敵は画面左右から無限に出現する。配置などは一切考えられておらず、「垂れ流し」に近い。
- ステージ途中にはミニゲームとしてインベーダーゲーム、横スクロールレースゲーム、腕立て伏せ、的当てがある面もある。
- ミスしてもペナルティは無いが、やった所で得られるものは得点のみ。このゲームはいくら得点を稼いでもメリットは無い。
- 普通なら体力回復、体力上限アップなどのメリットがあっても良さそうなものだが…
- ミスしてもペナルティは無いが、やった所で得られるものは得点のみ。このゲームはいくら得点を稼いでもメリットは無い。
- ベタ塗りの背景が多く、当時を考えてもグラフィックはかなり稚拙。
- 登場する敵も、灰色のゴミ袋のようなものに目と口が付いた1面ボス「ホッテケ・チャン」、『ファンタジーゾーン』の自機「オパオパ」を茶色にしたようなもの、地面の穴から出てきてこっちに突っ込んでくる背の低い白い恐竜のようなものなど、原作とは関係が無い上に意味不明なものばかりである。
- ドラ・ゴンとの戦いはRPG方式で、何故か『ドラクエIII?』風の戦闘画面になる。
- ドラ・ゴンには普通に攻撃しても1ケタのダメージしか与えられない。
ではどうするのかというと、ケンイチが今まで手に入れた「リュウのンタマ」を使うと、風呂敷、腹巻きといったものが出てくる。
5つ全て使うと、ケンイチが「おにーさんマン」に変身。4ケタのダメージを与えられるようになり、
3回攻撃するとドラ・ゴンを倒せる。すなわちケンイチ以外の3人は役立たずである。
決戦前のミニゲームで勝っているとHPが上がるのだが、結局はケンイチしか役に立たないので意味が無い。
ちなみにドラ・ゴンの正体は、1面の道中で次々と湧いて出てくる野良アヒルのダック・ニコルソン。
賛否両論点
- 原作の無茶苦茶なノリをそのままゲームにしてしまったこと
- 原作からして不条理な展開の多いギャグマンガなのだが、本作もその無茶苦茶さ加減がしっかり再現されている。
- ある意味良く出来ているとも言えるが、いざゲームとしてその不条理な展開をプレイヤー自身が受けるとイライラしてしまいやすい。原作を知らなければなおさらである。
- オープニングでは「ケンイチの父の憲吉が、借金のカタに雪絵をバクチの景品にしてしまったがために、ドラ・ゴンとの丁半博打をする羽目になる」という場面から始まる。負ければ雪絵がさらわれてゲーム本編に入れるのだが、勝ってしまうとゲームが続かない、という事で何とゲームオーバーになってしまう。
- しかもその際「もちろん勝ったのはゲーマーのキミが悪いのであって東宝は悪くないのだ」と腹の立つ言い訳もといナレーションが入る始末。てか、東宝じゃなくて,アドバンスコミュニケーションだろ!*1
- 幸い博打に3回勝ってしまった場合は負け扱いにして勝手に本編に入らせてくれるのだがセリフが負けたときと同じなので「ドラ・ゴンが負けた腹いせに約束を破って雪絵をさらっていった」ようにしか見えない。
- ラスボスの正体も原作を知っていれば納得の正体。
- 原作からして不条理な展開の多いギャグマンガなのだが、本作もその無茶苦茶さ加減がしっかり再現されている。
評価点
- 原作キャラの顔グラフィックはまずまずの出来。
- 特にステージ間で表示される雪絵のグラフィックは中々かわいく書かれている。
- 3面、5面、6面ではケンイチに代わり、それぞれロッキー、火堂、不知火を操作可能。
- 時代が時代なので、吹き出しの「あうっ」が「ジャナイ」「ダー!」「フッ」に変わるのみだが、原作の主要キャラが操作できるのは評価点。
- また、ロッキーを操作する3面で流れるBGMは良曲。
- 上記のBGMやアニメOP曲など、アニメ版楽曲のアレンジも使用されている。
総評
一応漫画内の主要キャラは出ており、原作の世界観を表現しようとしている形跡も見られはするが、個性的な彼らの特徴を生かしているとは言い難い。原作のファンであったとしても楽しめるかどうかはかなり疑問である。
余談
- 海外版はグラフィック、BGMやストーリー等が大幅に差し替えられ『Circus Caper』という名で発売されている。
- …のだが、何故かゲーム開始時の導入部分はほぼそのまんま使いまわされておりピエロ相手に丁半博打を打つことになる。
- 東宝繋がりでステージ合間のデモシーンにゴジラ?が登場、ジャンプとファミコンの宣伝をしてくる。
- 本作発売1年後に、原作で一部では有名な「用務員差別発言」問題を起こしている。詳しくはゲームとは関係ないので省略するが、雑誌の回収騒ぎまで起こした程。気になる人は検索してみよう。
- ちなみに用務員問題の回が掲載されたジャンプを送るとボールペンが貰えたそうな。
- 1面スタート時には「わからないのだ」、5面スタート時には「ふざけんじゃねー!」というメッセージが画面上部に出るが、これらのメッセージは上記の問題点を味わったプレイヤーの心境を端的に表現していると言える。
- 「ダン」の吹き出しを利用してエリア開始位置から左上に飛び画面外に出ると、何故かそのエリアを突破したことになってしまうバグがある。
- これを利用すると大半のエリアはショートカットできてしまう。