概要
| 作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日 |
| コハル日和3 | 138-406氏 | 11/01/23 | 11/07/27(更新) |
作品
最近はすっかり寒くなりましたね、あたしのやる気も気温と一緒に下がる一方です。
今日も今日とて平和に平凡と日常を過ごしまして、あっという間に一日の終わりも近づいてきました。
さっさとベットの中に温もりを求めて潜り込もうと思います。皆さんお休みなさい、良い夢を……
次に起き上がった時
あたしは日常とは遠く離れた、不思議に巻き込まれることになる。
夢でも幻でもない本当の不思議に
うぅ~ん……ん?
「……オハー」
「ふゎ~朝から何やってんですか有希さん」
「……此処は私の家」
「は? 何を寝ぼ……え~自分の部屋で寝てたはずなのに……な! なんで有希さんが制服着てるんです。それに髪も短く……今度はなんの遊びです?」
「私はあなたが知っている長門有希ではない」
「何を言ってるんですか、有希さんは有希さんで……」
確かに有希さんの顔が少しだけ幼くみえ、何時もの有希さんより無表情の度合いが三割増しな気がしました。
「あなたは?」
「私は長門有希」
「違う……あたしの知ってる有希さんはあなたじゃない」
否定してる自分が1番可笑しいと思うくらいこの娘は有希さんだった。
……もしかして有希さんの娘とか? ない、ありえない。
有希さんに娘なんていないもの。
隠し子? まさかね
あ! 双子の妹とか……ないわ~
「私は……あなたの知る私ではない」
「…………」
「あなたの知っている私は私の異時間同位体」
「……正直意味がわかりません」
「あなたの知っている私は未来の時間軸の私」
「…………」
「……信じて」
「無理でしょ」
「それでも信じて」
そう、信じないといけない状況になっているのはわかってる。
この有希さんがその証拠……この娘は有希さんの娘でも、隠し子でも、はたまた生き別れの双子の妹でもない。
有希さん本人……
あたしの知ってる有希さんよりもずっと若い有希さん。でも……ありえない。
夢よね
少し強めに足を抓ってみた。
「痛い~」
「……何をしてるの?」
「いや~夢かなっと思って抓ってみたんですが」
「…………」
「こんなのありえませんよ現実離れしてる。夢~夢~絶対に夢~」
「……起きてしまったので仕方がない。現実を受け止めて」
「随分と冷静ですね」
「そうでもない」
「どうしてこうなったんですか?」
「……あなたが願った」
「ハァ?」
「あなたがこの時間軸の両親に会って見たいと思ったから」
「日記……」
「そう」
「確かに高校時代の二人に会ってみたいとは思ったけど……でもそれだけで!」
「あなたの力は微力、ほぼ無いに等しい。平凡な日常を生きている限り絶対に力が使われる事はなかった」
「力? ハァ~家の母さんみたいなことを、不思議探索は余所でやってください」
「あなたの母親である涼宮ハルヒは普通の人間ではない……私も」
「確かに母さんも有希さんも普通とはほど遠いですね」
「あなたも」
「あたしも?」
「願望を実現させる力……あなたの母親である涼宮ハルヒのそれと、あなたが受け継いだそれが共鳴して起きた事態がこれ、信じる?」
「信じません。あたしにそんなアホな力はありませんから」
「そう。これは古泉一樹が所属する機関の考え。統合思念体の考えは……説明が面倒なので省略」
「? …………」
「仮にそんな力があたしにあったなら、あたしの人生凄いことになってますよ」
「……あなたの力は微力、そしてあなたの母親である涼宮ハルヒもあなたのいる時間軸では既に力の大半を失っている。しかし、この時間軸の涼宮ハルヒはまだ力を失ってはいない」
「要するにあたしの弱い力とこの時代の母さんの力が合わさってあたしは此処に飛ばされて来たと」
「謎……解明」
「ハァ~信じる訳ないでしょ、そんな漫画やアニメやSSみたいなこと」
「あなたは此処にいる」
「……有希さんって何者なんですか?」
「私は……文芸部員兼SOS団団員の長門有希」
有希さんの言葉を聞いて、前に母さんが言っていたことを思い出した。
・・・・コハル、あんたもSOS団の団員なのよ、何を信じなくてもSOS団だけは信じるの、そしたらコハルも幸せになれるわよ、あたしみたいにね・・・・
ただの惚気かと思ってたけど、SOS団か……ふぅ
「有希さん。今の話、全部保留で良いですか?」
「それは違……」
「はぁ?」
「……いい」
「とりあえずどうしましょうか」
「接触してみる。まずはそれから」
「どっちにです」
「……両方。今日は探索の日」
「成る程」
「……楽しい?」
「ちょっとだけ」
「二つだけ守ってほしい」
「なんです?」
「この時間軸の涼宮ハルヒに自身が力を持っていることを自覚させてはダメ」
「自覚するとどうなるんですか?」
「……予測不能。あなたの存在が危ぶむ」
「……成る程、要するに母さんには秘密なんですね」「そう」
「わかりました。気をつけます。もうひとつは?」
「……あなたが涼宮ハルヒと彼の子供だと、二人に気づかれてはダメ。同じくあなたの存在事態が危なくなる。彼には気をつけて、意外と変な部分で鋭い」
「なるほど、了解しました」
「……不安」
まだ、夢心地かも
あたしが寝てる間に、こっそり有希さんの家に運ばれて、北高の制服でコスプレした有希さんがあたしを起こすという、母さん主導のドッキリ……とかなのだろと、往生際の悪い考えを働かせている、あたし。
そんな考えもぐにホライゾンの彼方に飛んで行ってしまいました。
「ハァ~誰も来ませんね」
「集合時間まで後3時間」
「な! 来るの早過ぎるでしょ、デートでもそんなに早くは来ませんよ」
「訳あり」
「こんにちは長門さん、それにコハルちゃん」
「…………」
「か、可愛い」
写真でしか見たことがなかったのですが……本物は! 凄いです。
これが朝比奈みくるさん
「あ! この時間軸では、はじめましてなんですね」
「え?」
「朝比奈みくるです。よろしくねコハルちゃん」
「えぇ~あ! ハイ!」
「長門さん、説明会は古泉君が到着してからでいいですよね」
「説明会?」
「……お出まし」
「どうも」
「若い……」
「初めまして、古泉一樹ともうします。コハルさんに会えたこの日が、僕にとって最良であることを切に願います」
「うわーーキモいー」
「……彼でも此処までは言いませんよ。そちらには面識があってもこちらは初対面ですよ。流石にショックが隠せません」
「今のはしょうがないです。古泉君が悪いです」
「しょうがない……あなたが悪い」
「フォローもなしですか」
……なにが始まるのでしょうか。
ウォ~寒い!
なんでこんな日にお外で元気良く不思議探索せにゃならんのだ。
「キョン君ー起きろ」
「ぼぉぉい~おー起きました起きましよ~ぬぉ~」
もうすぐ中学生ですよね
「ハルニャン来てるよ」
「ハァハァ~ん? なんであいつが来るんだ。不思議探索は昼からだぞ」
「これからデート? ねぇ~ハルニャンとデートに行くの?」
「黙りなさい、なんて恐ろしいことを言うんだ」
「えぇ~キョン君はハルニャンとデートだから、旅行に行かないんでしょ」
「違うぞ妹よ、お兄ちゃんは地球の平和の為に、泣く泣く毎年恒例の家族旅行を断念してだな」
「ハルニャンが待ってるから早く行ってあげてね」
スル~ですか……お兄ちゃんかなり傷ついた。
「キョンー!!」
「呼んでるよ」
「ハァ~やれやれだ」
「遅い! 団長を何時までも玄関で待たせるなんて、あんたも偉くなったもんね」
悪いのは俺か? 行きなり人の家に乗り込んで来るお前はどうなんだ
「あんたが何時も不思議探索に遅刻してくるから、団長直々に迎えに来て上げたんじゃない。感謝しなさい」
なんもいえね~
「ハァ~そりゃどうも、ありがとよ」
「まったく! だからあんたはいつまでたっても雑用から出世しないのよ」
厳しい~な、階級社会
「とりあえず上がれよ、茶ぐらいは出してやるから」「お邪魔しますーーー」
なんだかとっても楽しそうな団長様……何を考えているのやら。
「部屋を漁るなよ」
「どうかしら?」
「ハァ~勘弁してくれ」
かなり心配だがハルヒを部屋に残して台所へ向かう。見送りくらいはしないと後がうるさいからな。
「誰か来てるの?」
「ハルニャンが来てるんだよ」
黙れ妹よ
「成る程……成る程」
……違う、断じて違うぞ、その妄想。ママンよ。
「あら~あんたにはもったいないくらい美人じゃない。母さんもハルちゃんならあんたのお嫁さんにピッタリだと思うけど、ね~お父さん」
「……ハルニャンは良い」
黙れ親父
「えぇ~キョン君、ハルニャンと結婚するの、おめでとう!」
すべてを相手にしていたら身がもたんな……
「さっさと旅行に行ってくれ」
「なによ~早くハルちゃんとニャンニャンしたいの? このエロキョン」
「ハルニャンとニャンニャン~キョン君はエッチ。はい! お父さんも一緒に」
「……ニャン~」
子供の前でなんてこと言うんだ。それでも母親かあんた。そして親父よ、いくら娘が可愛くてもそれはないだろ。
「ハイハイ、お邪魔虫はさっさと旅行に行きますよ。じゃあね」
「行って来るねキョン君」
「……さいなら」
ハァ~やっとか
「キョンーー遅い!」
神よ我に休息を
喧しく叫ぶハルヒを黙らせる茶菓子をたっぷり用意することにしよう。
「遅い~遅すぎー」
「しょうがねえだろ、家族を喧しく旅行に送り出してたんだから」
「そう言えば、前に義母様が旅行に行くって言ってらしたわね」
「それだ、三日は帰ってこんぞ」
「ふぅ~ん」
「……何をニヤニヤしとるんだ」
「な! してないわよ」
「さいですか」
何を企んでいるのやら
ハァ~やれやれ
「朝早くからご苦労なんだが、生憎俺はまだ朝飯すら食ってない」
「……っ」
「ん?」
「あ、あたしが作って上げてもいいわよ」
「……結構です」
「な! せっかくあたしが作ってあげるって言ってんだから、あんたは黙って食べてればいいのよ」
いきなり優しくされると後が怖いんだがな、何が目的だ?
「じゃあよろしく頼む」
「最初からそう言えばいいのよ」
ハルヒは……やはり楽しそうだった。
「美味しい?」
「……美味い」
「あ、当たり前よ」
自分から聞いたよね、そうですよねハルヒさん。
「さ、さっさと食べなさい」
「へいへい。しかしホントに料理上手だよなお前」
「そうかしら?」
「ああ。良い嫁さんに馴れるぜ、俺が保障する」
「あぅ~////」
「どした?」
「……ウルサイ」
「ほら、美味いからお前も食ってみろよ」
「確かに美味し……って! あ~あんた今」
「だろ、そらもう一口」
「美味しって……あんた業とやってんの?」
「何がだよ?」
「ハァ~やっぱりね」
「なんなんだ?」
「いい~こういうことは他の娘にはしちゃダメよ」
「なんでだよ? 妹にはよくするぞ、ほれ」
「美味しい、モグモグ。こんなことされちゃうと勘違いしちゃう娘だっているかも知れないじゃない」
「何を勘違いするんだよ」
「それはそのキョンがス……////」
「ハァ? 俺がなんだって」
「と、とにかく! あたし以外にこんなことしちゃダメなの! わかった?」
「何なんだまったく。じゃあ、お前にはして良いんだな。ほれ」
「バカ、変態、エロキョン」
「そんな可愛い顔で罵声を浴びせても効果は薄いと思うが」
「可愛い?」
「失言だ忘れてくれ」
「ふぅ~ん。あんたってあたしのこと可愛いって思ってたんだ」
「頼む忘れてくれ」
「どうしたの~キョン? 顔が真っ赤よ」
「う! うるさい。こっち見んな」
「こっち向きなさいよ」
「いやだ」
「ほら~さっきみたいにア~ンってしてよ。キョン」
「だ~近寄るな! 顔が近い……止めろー止めてくれーニャア~~」
自分自身の行動にもう少し……いや、多いに自覚を持とう。
身に染みるとはこんな状態のことをいうのだろう。
「もぉ~キョンのせいで遅刻よ遅刻ー」
オレノセイカヨ……
「罰金はあんただからね」
なんとなく反論できないのだが
「みんなーゴメン! キョンがっ……誰?」
いつものメンバープラス1? そこにはSOS団の美少女たちと並んでもなんら遜色ない少女が……ん?
「……あんた誰」
「…………」
威圧感丸出しのハルヒ。正直恐いです。
「は、初めまして? 」
「で……?」
「えぇ~あぅ~っと」
困っている謎の美少女に救いの手を差し延べたのは普段は無口な宇宙人だった。
「今日の探索に参加させてあげたい。彼女はSOS団の熱狂的ファンであり、私の親友……どうしてもと頼まれた」
いねえよー! そんな奴。むしろいて欲しくないぞ。てか、親友って……超人か何かなのかこの娘は。
「お~! ワンダフォー」
信じんなー! いないから、そんな奇特な人いないから。
「ファンは大事にしたほうが世間的にもSOS団の評価が上がると考えますが、そこは団長である涼宮さんの判断が絶対です。しかしながら僕個人としても彼女は中々のお人柄だと感じましたよ」
黙れ古泉、こいつも一枚噛んでやがるな。
「と、とっても良い人だと思いますよ、コハルちゃん」
朝比奈さん。あなたの前では例え犯罪者でも良い人になります。ちょっとは疑ってください。
しかし、一般人じゃないことは確定的だな。
あの三人からのお墨付きでは。
「うぅ~ん……」
「…………」
美少女だけに残念だが明らかな面倒事だ。断れハルヒ! 断れ。
「うん! ファンサービスは大事よね。それに三人共が良い奴って言うくらいだから良い奴なんでしょう。有希とも友達みたいだし、ただ者じゃないのは確かね……合格よ合格」
ハルヒに期待した俺がアホだった!
「なんて呼べばいいのかしら?」
「コハルでお願いします」
「コハル?」
「……ハイ」
「変な名前ね」
「…………」
「それじゃコハル!」
「ハイ」
「あたしはSOS団団長の涼宮ハルヒ! でコッチの間抜け面が雑用係のキョン」
俺の名前……なんだったかな
「よろしくお願いします。えぇ~コハルさん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。キョンさん」
近くで見ると……
「キョン、顔がエロいことになってるわよ」
「……気のせいだろ」
「ふん! エロキョンのせいで大事なファンを失う分けにはいかないわ。キョンには近付かないようにしなさい」
「ふふぅ」
害虫か俺は。
「あんたには客団員の階級を与えるわ! 今日一日しっかり不思議を捜しなさい」
「ハイ!」
……ハルヒとコハルさんが似ているように見えるのは俺の眼が正常ではないからだろうか?
姉妹と間違えられてもおかしくないぞ。
今回はこの辺に何かしらの面倒が隠れていると、俺の第六感の針が振り切れんばかりに反応してやがる。
しかし……コハルさんを見てると髪の長かったころのハルヒを思いだす。
すらっと長い黒髪はポニーテールが良く似合いそうだ、あの改変世界のハルヒのように。
ハルヒとの明らかな違いを上げるなら、カチューシャはもちろん付けていないが、眼と独特のオーラだな。ハルヒには力強い眼力と世の男どもが振り向く『美少女です!』ってオーラがでているが、コハルさんからはそういうモノはまったく感じられない。
失礼だな俺……美少女ではあるのだが何か親近感すら感じでしまうほどに普通の方だ。
しかし長門たちの関係者ということでおそらくいな完全に普通の美少女ではないのだろう。
彼女もなんらかの目的『ハルヒ関連』でやって来たのは間違いない。
長門と古泉が何も言ってこないところを見ると、直ぐに危機が迫ってる分けでもないのだろが、あちらからアプローチをかけてくるまではまあ~待ちだな。できれば勘弁願いたいんだが。
ハァ~やれやれ
変わってないんだ……てか、二人ともそのまんま。
有希さんの言ってたとおり。
土台は既にこの時から出来てたんですか。
父さん、怪しんでますね。
母さん~疑って。
なんとか探索参加を許可してもらい、一つハードルを越えた感じがします。
事前説明会ではどうなる事かと思いましたよ。
ハァ~
「成る程」
「……信じていない」
「古泉さんは母さんの力が他の人に悪用されないように護ってるんですね」
「信じていただけませんか?」
「朝比奈さん、あたしが居た時代に禁則事項で禁則事項して禁則事項なんですね」
「ひょえ~信じてください」
「この時代にあたしが来たのが規定事項ですか」
「……そう」
誰が信じるんですか? こんなウソップ童話……でも
「ふぅ~やれやれ。信じますよ」
「ホントですか?」
「この時代の皆さんに文句をぶつけてもしょうがないですし、何よりその設定の方が愉しいじゃないですか!」
「愉しい……ですか」
「間違いなく二人の娘さんです」
「……心配ばかり」
「父さんと母さんには正体バレちゃダメなんですね」
「ハイ! えぇ~っともしバレちゃったら、時間軸が狂って禁則事項が禁則事項して禁則事項になっちゃうかもしれましぇん。だからコハルちゃんがキョン君と涼宮さんの娘さんなのは絶対にバレちゃダメです」
禁則事項だらけでよく分かりません……
「違う時間軸が構成され、あなたの存在が消えてしまう可能性がある」
「……いぃ~」
「心配いりませんよ。我々が全力でお守りさせていただきますから、ね」
「古泉さん」
「ハイ?」
「抓っていいですか」
「おやおや」
「ある程度の設定とマニュアルはこちらで用意いたしましたので、これを逸脱しない限りあなたはほぼ自由に行動できます」
「さいですか」
「他に質問などはありますか?」
質問が有りすぎて脳内会議は大混乱です、収拾が付きません。
「あたしがこの時代にきたってことは、あたしの時代の皆さんは、このことを知っていたってことですよね」
「そ~それは」
「記憶を所持しているのは私と朝比奈みくるだけ、あなたが無事に元いた時間軸に帰還すれば、この時間軸であなたの存在を認識した全有機生命体からあなたの存在した痕跡を抹消する」
「古泉さんもですか」
「そう」
「僕も僕が所属する機関も例外ではないのです。この時代に生きる人間があなたの記憶を保持していると、あなたの存在事態が危なくなりますから。それは我々の臨むところではありません」
「本来、記憶を改変するのは処々に影響を及ぼす可能性があるので、極力避けている。今回のことは完全に例外、涼宮ハルヒに改変を加えるのは非常に危険な行為であり、思念体もかなり慎重に行動している」
「母さんの記憶を弄るとどうなるんですか?」
「地球が爆発する可能性がある」
「え?」
「……嘘」
「な、長門さん!」
「一瞬こちらもヒヤッとしましたよ」
「非常に危険な事とだけ言っておく」
「あたしに教えてよかったんですか? 有希さんいわくあたしも力を持ってるとか、持ってないとか」
「あなたの力は……観測するに値しないほど微力」
「我々、機関の能力者でも感知ができないほどなので、おそらくほぼ一般人と同等だと言う見解です」
「そりゃ~どうも」
「それにしても、有希さんと古泉さんが同じ歳なのは凄い違和感がありますね。得に古泉さん」
「未来の僕はどんな……いえ、聞くのは止めておきましょうか」
「変わってませんよ。相変わらずのニヤケ面で、やたらと長い説明口調。古泉さんはいつまでたっても古泉さんです」
「褒め言葉として受け取っておきます」
「……私は?」
「有希さん? 有希さんも変わってません」
「……そう」
「小さな時からの友達です」
「……友達」
「わ、わたし~は……あぅ~初対面でした」
「あたし、朝比奈さんに凄く会って見たかったです。今日は沢山、お話ししましょう」
「ハ、ハイ」
「……私という個体もあなたともっと情報を共有したと思っている」
「有希さんとは何時も話してると思うんですが」
「この時間軸では……ハジメマシテ。許可を」
「それを言うなら、僕にもコハルさんとお話しする時間が有っても、よろしいかと思うのですが」
「聞かない事にしたんじゃないんですか? それに今更、古泉さんと話すこともありませんよ」
「優雅にチェスに興じつつ、美味しいお茶で茶を濁すというのはどうでしょう」
「ゲームというゲームで、古泉さんに負けた事は一度足りともないんですが」
「おやおや、貴女も彼譲りの勝負強さをお持ちなのですね。是非一度、手合わせ願いたいものです」
「長門さん、古泉君。わたしが先ですよ~」
「朝比奈みくる、私は彼女の親友。さらに親睦を深めるため、彼女と情報を共用する必要がある」
「お言葉ですが数々の私闘を繰り広げるだろう強敵『とも』との記念すべき初対戦より大切な事柄があるとは考えられません」
こんな感じで大丈夫なんでしょうか?
ハァ~やれやれです。
「あれ? 考えてみればなんですが、記憶を改変するなら母さんはともかく父さんにはあたしの事を話しても大丈夫なんじゃないんですか?」
「キョン君にコハルちゃんの事を話しちゃうと」
「それは禁則事項。ただ……貴女のため」
「そんなに深い意味はありませんよ。ただ彼にもたまには蚊帳の外でのんびりしてもらいたいと」
「頼ってばかりじゃキョン君に悪いですから」
「……そう」
少しだけ嬉しいとか思ってるあたしって恥ずかしいかな?
「若い父さんってどんな感じです?」
「会えばわかりますよ」
「そうですね」
「……お楽しみ」
こんな感じで、何だかビックリするような話し合いが繰り広げられまして。
宇宙人? 未来人? 超能力者? 神様? そして父さんはこの時から既に苦労人だったんですね。
それにしても凄い!
まだ半信半疑ですがこれだけは言えます。
面白くなってきました
喫茶店であれやこれやと質問されながら、機関特製マニュアル+αでそつなく受け応えをしてましたが。
父さんは益々うたぐりの眼をあたしに向けてます。
カナダに留学は嘘っぽかったかな?
「さぁ~みんな! さっさと引いちゃいなさい」
くじ引きですよ
「…………」
「印なしです」
「僕はありですね」
「俺もありだ」
「あたしは……」
「よし!決まりね。あたしとみくるちゃんとコハル。キョン、有希、古泉君の組み合わせね。二人とも! キョンがサボってたら報告してね」
「了解しました」
「……うぃ」
「オイ」
髪が長くない若い母さんは写真でしか見たことがなかったのでなんか新鮮です。あたしはこっちも有りだな可愛いし、でもあれじゃポニーテールできないような……確か勝負の時はポニーテールにすると有利に事が運ぶとか言ってたのに? でも容姿や歳が違っても二人の関係は変わらないみたいです。引っ張るのは母さん、やれやれって顔で引っ張られるのが父さん。このスタンスは既に構築されてたみたいですね
「涼宮さん、今日はどこに行くんですか?」
「フゥフゥフ~みくるちゃんと一緒なら行き先はあそこしかないでしょ」
「……あそこ?」
「激安の殿堂ドンキ○ーテよ!みくるちゃんの新作コスプレを調達する良い機会だわ」
「ひょえ~」
「…………」
「みくるちゃんはねSOS団の萌えっ子宣伝要員なの。部室では毎日メイド服なんかも着てるのよ」
「朝比奈さんなら何を着ても似合うでしょうね」
「でも最近は有希がコスプレに興味津々でみくるちゃんも自分のポジション守る為に必死なのよ。ね~みくるちゃん」
「そんなこと~恥ずかしいです」
「有希さんがコスプレ……あの有希さんがプゥプハハハー見たい、有希さんのコスプレ凄い気になる」
「……爆笑してるわ」
「ツボだったみたいですね」
帰ったら頼んでみることにしましょう。
「みくるちゃんー次はこっちよ!」
「朝比奈さん~こっちも着てもらっていいですか?」
「ひゃーい」
「みくるちゃん!そこで決め台詞」
「えぇ~っと~今宵も虎徹は血に飢えておる~」
不貞浪士も笑顔で捕縛ですか。
「朝比奈さん~こっちもお願いします」
「ひょえ~いつもの二倍」
「う~ん……」
「どうしたんです?あたしの顔になにかついてますか」
サッーガシ!
「ん?」
「…………」
「おぉ~良いじゃない!みくるちゃん程じゃないけどあたしよりあるんじゃないかしら?ちょっとジェラシー感じちゃうわね。おりゃ~」
「ハァ~やれやれ」
「……反応悪いわね」
「そりゃ~お風呂でこの間同じことされましたから」
「うわ~変態」
「え、エッチなのはダメですよ」
「……母さんにですよ」
「ふぅ~ん。あんたの母親ってどんな人?」
「いい歳こいて旦那といっつもイチャイチャしてる端から見ると恥ずかし過ぎる母親です」
「嫌いなの?」
「……普通です」
「普通ねぇ~」
「普段はスーパーマンみたいな母親なんですけどね。父さんがいないと寂しいからってあたしに絡むんですよ『誰がこんなナイスバディーな美少女に産んで上げたと思ってんの!』ってな感じで、誰も頼んでないですってね~」
「ハハァー面白いわねあんたの母親」
自分で言わないで
「涼宮しゃ~んあっちの服も可愛いですね~」
「どれ!どれよ~みくるちゃんー」
『コハルさん!禁則事項のラインギリギリでしたよ』
『あ!すいません』
「コハル!今度はあんたが着なさい」
「勘弁してくださいよ」
「大丈夫!先ずは基本のメイドさんだから」
「あ、朝比奈さん~ヘルプ」
「涼宮しゃ~ん、コハルちゃんこっちも似合いそうですよ~」
さっきの仕返しだ!
「オリャー」
「ニャ~ーーーー」
母さんは母さんでした。
「…………」
「まだふて腐れてんの?」
「ふん!さっき撮った写真キョンさんに見せちゃいますから」
「な!なんでキョンなのよ」
「そりゃ~自分の彼女がメイドさんの格好してたら誰でも喜ぶでしょ。しかも超美少女だし」
そうです!あたしはただではやられませんよ。死ねば脆ともの精神で嫌がる若い母さんにもメイド服を着せちゃいました。父さんなら泣いて喜ぶはずです。
「あ、あたしとキョンはそんなんじゃないわよ!勘違いすんなーー」
「か可愛い~~」
「ちょ!離れなさいー」
「母さんがこんなに可愛かったなんて、キャー」
「うぅ~もごもご~あたしは~母さんじゃ……ない!わよーーーー」
「ハァ~なにやってんです。完全に禁則事項混じってますよ~もぉ~ぶぅ」
「おや?涼宮さん達の方が遅いとは珍しいですね」
「遅れてすいません~」
「キョンさんーこれ見てくだー」
「待ちなさい~ダメーキョン!見たらダメだからね」
「……なんだ、随分仲良くなったな」
「ハァハァー今度はゆっくりと探索できる組み合わせを希望するわ」
「それでは引きましょうか」
…………
「イヤーなんで!どうしてこうなった」
「行きましょうか。朝比奈さん、長門さん」
「……水入らず」
『禁則事項には気をつけてくださいね』コソコソ
『ハーイ』ニヤニヤ
「……心配」
「…………」
「どこに行きます~ハルちゃん」
「ハルちゃんって呼ぶな」
「えぇ~じゃあハルニャン?」
「それは妹ちゃんと鶴屋さん」
「むぅ~……ハルハル」
「それはキョン」
「まてーい!俺はお前のことをハルハルなんて呼んだ記憶は頭の何処を探してもサッパリ、キッカリ、スッカリないんだが」
「そうだっけ?」
「断じてない。と言うか呼ぶ分けないだろ」
「じゃあ今日からそう呼んであげましょう。ねぇ~ハルハル」
「あんたはやめなさい」
「さっきから仲良いお前らが姉妹に見えるのは俺だけか?」
「嫌よこんな妹」
「じゃあ。あたしがお姉さんですね」
「違うーーそういうことじゃない!それにあんたがお姉さんなんて認めないから、お姉さんはどう考えてもあたしでしょ」
「そうですね!お姉ちゃん」ニヤニヤ
「…………」
「仲良くしろ」
「ふん」
「ハーイ」
「コハルさん、素直でよろしい」
「へへぇ~」
「バ~カ」プイ
ハァーやれやれ。
つづく