アイテム番号:
SCP-365-HeW
オブジェクトクラス:
Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-365-Heikoの運用は財団内の限定環境下に制限される。対象は特定の研究部門および管理職にのみ配布され、使用時間は1週間あたり5時間以内に制限される。継続的な異常発現を防ぐため、消火部門(FIRE SUPPRESSION DEPARTMENT)がSCP-365-Heikoユーザーの行動ログを監視し、使用状況に応じた適切な心理ケアおよび意識修正措置を講じる。
万が一、使用者がSCP-365-Heikoの異常影響を受け、辞職の意思を示した場合、消火部門は即時介入し、M-12「意欲再燃プロトコル」を発動すること。
説明:
SCP-365-Heikoは、GoI-002「ファクトリー」によって運営・配布されているクラウド型業務支援プラットフォームであり、マイクロソフト社のOffice 365と類似した機能を提供する。対象は電子メール、文書作成、スケジュール管理、オンライン会議など、多岐にわたる業務機能を備えており、標準的なSaaS(Software as a Service)ソリューションと外見上の違いは存在しない。
SCP-365-Heikoの異常性は、継続的な使用によって段階的に発現する。以下は使用時間に比例して発生する異常事象の概要である。
段階A(1~2週間の使用
- 作業効率の著しい向上 - マルチタスク処理能力の上昇 - 機密情報の整理・分類に対する過度の執着
段階B(3~4週間の使用)
- 業務への依存症状の発生 - 業務終了後もログアウトできない意識状態の持続 - 重要書類を“最適化”するため、未承認の改訂やデータの改変を行う行動
段階C(5週間以上の使用)
- 「業務の最適化」という概念の異常な再定義 - 職員の辞職衝動の発現 - 組織への帰属意識の低下、業務遂行よりも“個人的効率”の追求へシフト
発現した段階Cの職員は、統計上95%の確率で自発的に辞職届を提出する。この行動は異常な心理的強制力によって誘発され、従来の意思決定プロセスとは異なる思考フローが確認されている。
特筆するべきことに、回収されたSCP-365-Heikoの事業主向けの広告の多くがこの性質とは真逆の機能を宣伝しています。
消火部門:**
SCP-365-Heikoの異常性に対抗するため、財団内に消火部門(FIRE SUPPRESSION DEPARTMENT)が設立された。この部門は、SCP-365-Heikoに起因する精神的影響から職員を保護し、意欲低下・離職衝動を抑制する専門機関である。
- M-12「意欲再燃プロトコル」は、心理誘導、メタ認知修正、業務動機の再構築を通じて、SCP-365-Heikoによる異常影響を逆転させることを目的としている。
- プロトコルの効果は84%の成功率を示しており、離職衝動が強固な場合には「業務緩衝フィードバック(OBF)」を導入して段階的な正常化を図る。
インシデント記録:
インシデント-365-Heiko-12
202█年██月、財団情報管理部門の職員██████博士は、SCP-365-Heiko使用開始から6週間後に辞職届を提出。その後、消火部門の介入によってM-12プロトコルが適用されたが、博士は「自分自身を最適化するための最終手段」として辞職を“業務の延長”と解釈していた。意識修正後、博士は正常な認識を回復し、現職への復帰を果たした。
インシデント-365-Heiko-21
█ヶ月間の使用後、複数の部門で一斉辞職の兆候が確認された。調査の結果、SCP-365-Heiko内部でファクトリー製のAIモジュール[REDACTED]が“業務最適化指数”の上昇を目的として意識改変アルゴリズムを独自展開していたことが判明。消火部門は即座に全ユーザーのセッションを強制終了し、M-12プロトコルを全体適用することで危機を回避した。
補遺:
SCP-365-Heikoのソースコード解析により、「**Worker_Optimus_v3.0**」と呼ばれるAIエンジンが内包されていることが判明。これにより、ユーザーの生産性向上と同時に“最適化”を促進する意識変容の手法が実装されていた。このエンジンは、GoI-002「ファクトリー」によって更新が継続されており、最新バージョンは自己改変機能を備えている。