Last-modified: 2020-08-09 (日) 21:47:26

さあ生中継でお送りします、第1094回ワールドヒストリーカップ。
世界の覇権争いの行方はいかに。実況はクッキーがお送りします。
解説はセカイスポーツのラバーさんです。よろしくお願いします。

<はい、よろしくお願いします。>

さあまずは古代文明が続々と出現してまいりました。
まずはエジプト文明。ナイルの賜物であります。

そしてメソポタミアではシュメール人の都市国家が出現
さらにアッカド人のサルゴンがメソポタミアを統一した!

<はい、どちらの文明も大きな河の恵みをうまく農業に活かしましたね。
 ただメソポタミアは開放的な地形なので色んな民族がひしめいていますね。
 ですからエジプトの方が安定した王国になりそうですよ。>

その隣、イラン高原ではエラム人の文明。
インドではインダス文明モヘンジョダロが発展。
遠く離れた中国では黄河文明が栄えている。

<中国は同時に、南の長江でも文明が栄えているという情報もありますよ!>

さらに西の方ではギリシアのエーゲ文明も無視できません。
序盤からはやくも熾烈な先頭争いです。
さあラバーさん、この中からどの民族が抜け出してくるでしょうかね~?

<いや~まだまったく予想できませんね。どの文明も甲乙つげがたいクオリティです。
あとカメラは捉えられてないんですが、アメリカ大陸でもメソアメリカ文明とかアンデス文明が生まれてますね。>

さあエジプトでは古王国が衰退したが、まもなく中王国時代が開幕しそうです。
メソポタミアではシュメール人が独立を回復しています。
しかし付近では、ミタンニ、カッシート、アッシリア、バビロニアなどの
様々な王国が並立してきた。混沌としてきたオリエント世界。

<やはりメソポタミアは民族性が多用で争いが激しいです。>

その中から、一歩抜け出したのはバビロニア王国だ。
絶対的エースのハンムラビが一気に中央集権、ハンムラビ法典を編纂!

<これは厳しい法律ですね。身分制度も厳格だし、
 貴族の目を潰した者は、その目を潰されるそうですよ。>

まさに目には目を、歯には歯を!!

さあ一方エジプトにはアジア系の民族ヒクソスが侵入し混乱。
そして小アジアでは謎の存在ヒッタイトが台頭。
驚くべき強さ!なんとバビロニアを崩壊させた!
ラバーさん、これは何が起こったんでしょうか?

<どうやらヒッタイトの強さの秘訣は「鉄」の使用のようですが
 彼らは常に練習非公開なので、どうやって作るのか、こちらから確認できませんね。>

一方エジプトもヒクソスを追放して盛り返す、新王国時代の幕開けだ。
そしてエース、トトメス3世が現れた!
間違いない、エジプト王国の最大領域を実現した!

<はい、ここに来てエジプトも全盛期ですねー。先ほどまで侵入してたヒクソスから
 馬や戦車の技術をうまく取り入れましたね。これは二強の様相を呈してきましたね>

一方、遠く離れた中国でも、最古の王朝・殷が青銅器の技術を独占しています。

おっとエジプトで、異端児アメンホテプ4世が唯一神の信仰を強制!
しかし神官勢力から大ブーイング!これは何が狙いだったんでしょうか?

<はい、神官たちがね、政治に口を出してくるので、彼らにダメージを与えるために
 これまで信じられてきた神様を否定する作戦でした。ただちょっと改革が急すぎましたかねー>

ここでついに、エジプトとヒッタイトの首位直接対決が
カデシュの地で行われます!結果はドローだ!

<ヒッタイトが押していたんですが、エジプトはよく勝ち点1を拾いましたね。
 両チームは世界最古の平和条約を結んだようですよ。>

さあここで、ギリシアのエーゲ文明が崩壊している!
何が起こったんでしょうか!

<そうですね、海の民が暴れているとの未確認情報がありますね。何者なんでしょうか。>

その影響か、ヒッタイトも滅亡した!そしてエジプト新王国も衰退!

<さあしかしこれで、ヒッタイトが独占していた鉄の技術が各地に流出してますね。
 強い国がなくなって、他のいろんな民族が元気になってきますよー。>

一気に混沌とした世界の中、アッシリアが急成長してきました。
またシリアではセム語系民族が活躍。
アラム人は陸上交易、フェニキア人は地中海貿易に活路を見出した。

<そうですね、フェニキア人は地中海沿岸に色んな植民都市を築いていますね!>

そしてユダヤ人は、他民族と一線を画す、一神教の信仰を築き上げた。
エルサレムを都にイスラエル王国が繁栄!しかしまもなく分裂を迎えます。

<ほとんどの人がたくさんの神様を信じてるんですが、ユダヤ人は頑なに
 唯一絶対の神しか信じませんね。このこだわりには注目していきたいです。>

さて、ここで中国大陸に目を向けると、さまざまな勢力が分立しているものの
周という国の王が、緩やかに各国の諸侯を従属させており、その勢力範囲はかなり広大です。

<そうですね、周の王と各地の諸侯たちはだいたい血がつながっているんですね。
 だから強いきずなでチームワークがなかなか乱れませんよ。>

逆に西の方も面白そうだ。
北アフリカでは、フェニキア人の植民都市カルタゴ。
その北方ギリシアでも、アテネやスパルタなど様々な都市国家ポリスが成立しました。
このあたりいかがですか?

<ギリシャ人のポリスたちは非常に個人技に優れているので、
 あとはチームプレーが熟してくると恐ろしいと思いますよ。
 今はまだ、身内でケンカが絶えないようですからね。>

おっと、中国大陸で異変!周が異民族・けんじゅうの侵入で都を奪われている。
各地で諸侯が自立。これは春秋・戦国時代の到来でしょうか?

<はい。まあ一応、周も滅びてはいないですけど、ほとんど力を失っていますね。
 もうこれは次のNo.1をめぐる争いと言えそうですよ。>

さあそして、アッシリアが止まらない。イスラエルを滅ぼした。
そして、エースのアッシュールバニパル王が現れた!
なんとエジプト王国までも支配した!だがこれは一瞬のこと!
各地で反乱が勃発。そしてあっという間に衰退…
何が起こったんでしょうか。

<いやちょっと異民族の支配が残酷すぎましたね…
 特に強制移住政策は痛恨のミスだったと思いますね。>

さて、その跡地にはカルデア王国、別名新バビロニアが力を伸ばす。
ユダヤ人苦難のバビロン捕囚!

<はい、ユダヤ人たちが国を滅ぼされて、バビロンに移住させられましたね。
 でも彼らはこの苦難を通して、むしろ唯一神への信仰を深めているようですよ。
 恐るべき意志の強さですね。> 

さらに小アジアではリディア王国、さらにイラン高原ではメディア王国成立だ。
イラン系民族が初めて国家を打ち立てる。

おっと、今度はメディアの支配下から、
アケメネス朝ペルシア帝国が現れた!これもイラン人による国家です。
なんという強さだ!次々とオリエント諸国を征服!
エジプトまでいった!そしてエースのダレイオス1世が襷を受ける!
強い!いやーラバーさん、これは史上空前の大帝国ですね!

<はい、ペルシャ代表は選手層が厚いですよね、満を持してのエース投入でした。
 しかも彼らは、先ほどのアッシリアのミスからうまく学んでますよ。
 異民族の文化や慣習に対して寛容な姿勢で臨んでいますからね。
 それでいてこの広大な領土をうまく中央集権的にまとめています。見事ですね。>

 

さあその勢いのまま、アケメネス朝ペルシア
ついにギリシアに侵入!ペルシア戦争のキックオフ!

<いやーこれはペルシア代表が有利でしょう!>

格下のギリシアは守備的な戦術!必死で船を漕ぐ市民たち!
勝利を告げる伝令、走りぬいた42キロ!
だがペルシアはさらに攻撃に人数をかけスパルタを潰す!
しかしアテネが守り切った!歴史に残るジャイアントキリングだ!
ラバーさんいかがでしょう?

<いやーあの団結力に欠けていたギリシャ代表が今回は見事にチームで守りましたね。
 中でもマンオブザマッチは間違いなくアテネですよ。本当に目覚ましい活躍でした。>

さあそのアテネはデロス同盟のキャプテンに就任。
またペリクレスがアテネ民主政を完成させた、まさに黄金時代!

<はい、王様の権力が絶対のペルシャと違って、アテネでは市民たちはみんな平等みたいですね。
 重要なことはすべて市民たち全員が話し合って決めるという究極の民主政ですね。
 ただ、ちょっとこれ他のポリスの資金を横領しているかもしれませんね。
 これはいけませんね、カード出るんじゃないですか?>

ここでギリシャに内紛だ。スパルタを中心にペロポネソス同盟が成立。
ギリシア世界は2つに分裂、先行きはどうなる!?

さあ、東方も見てみましょう。
インドではナンダ朝マガダ国が繁栄。中国はまだ戦国時代の真っ最中だ。

<インドでは仏教、中国では儒教も生まれたようですね。
 にしても中国は、各国が必死に富国強兵を進めていて
 各チームの支配領域がかなり広がっていますね。
 あとはきっかけ1つで優勝者が決まると思いますよ。>

一方、北アフリカではフェニキア人の植民都市カルタゴが支配領域を広げます。
そしてイタリア半島では期待の新星ローマが共和政を発展させている。

おっとこれはなんだ?突然姿を現したフレッシュグリーンのユニフォーム!
広がっていく、広がっていく、いきなりアケメネス朝が滅亡した!
これはアレクサンドロスに間違いない、今最強の大王が降臨しました!!

<いやー、まさかのダークホース、マケドニア王国から王者が出ましたね。
 彼らはギリシャ人の一派ですけど、ずっと田舎者とバカにされてきたんですよね。
 それでも諦めずに努力して、ギリシャが内乱に明け暮れている間に、ついに力関係が逆転しましたね。>

さて、ここでいったんCMとなります。
第1094回ワールドヒストリーカップです。

この番組は、あのアレクサンドロス大王が恩師と仰いだ
伝説の家庭教師、アリストテレスの教えを皆さんに。
学校法人リュケイオンの提供でお送りしています。

ワールドヒストリーカップ、引き続き実況はクッキー、解説はラバーさんです

さあ大変です。CMの間にアレクサンドロス大王が急死!
その広大な領地をギリシア人たちが奪い合っている。
最も多くを受け継いだのはセレウコス朝シリアだが
エジプトではプトレマイオス朝も成立している。
ラバーさんこの状況はどう見ますか。

<いやこれは大王のミスですね、退場する前の最後の指示が
 もっともふさわしいものが帝国を継げ、ということで、これは混乱しますよ。詰めが甘かったですね。
 ただこれ、どこもギリシャ人の国ですから、ギリシャの優れた文化が
 広大な範囲に行きわたっていますね。ヘレニズム文化の始まりですよ!>

またインドではマウリヤ朝であります。仏教マニアことアショーカ王が登場だ。
西方ではローマがイタリア半島を統一。これを警戒するカルタゴ、
ここでポエニ戦争の火蓋が切られた!急ごしらえのローマ海軍、奇跡の勝利!
なかなか見ごたえある試合でしたね。

<はい。ローマとカルタゴ、まさに地中海の両雄の激突でした。
 初戦はローマが制しましたけど、まだ1点差ですから
 50年後に予定されているセカンドレグも楽しみですね。>

さあアジアでは、セレウコス朝の統率が早くも乱れ始めた。
バクトリアやパルティアが建国されている。

そして、中国の戦国時代がついに終わりを迎えそうだ。
秦の始皇帝であります!革新的な統一政策、そびえたつ万里の長城!

<これは見事ですね。王の称号では飽き足らず、歴史上はじめて皇帝を名乗りましたよー!
 ただちょっと調子に乗りすぎですかね、民衆をこき使い過ぎかもしれません。>

しかし支配が過酷すぎたか、あっというまに崩壊、再び混沌に逆戻りか。
しかし農民出身の劉邦が現れた。項羽との決戦に勝利。
再び統一国家・前漢の誕生だ!しかし北方の匈奴は悩みの種のようですね。

<はい。まあ劉邦監督、特別足が速いとかテクニックがあるわけではないのですが
 人の長所を活かすゲームメイクと、チームをまとめる包容力には見るべきものがありますね。
 しかし北方の匈奴ですか、彼らは遊牧民ですから、とにかく戦争に強いですよ。
 まあみんな移動しながらの生活なので、統一を保つのは大変そうですけどね。>

そしてこの間に、西の方でも大きな戦いがありました!ハイライトをご覧ください。
ローマが再びカルタゴと激戦しました。カルタゴの絶対的エース・ハンニバル、
決死の覚悟でアルプスを越えた!まさに山の神。ローマ絶体絶命の危機!
だが敵を徹底的に研究したスキピオ、見事にハンニバルを返り討ち!
というハイライトでしたがいかがでしたか?

<いや歴史に残る名勝負でしたけども、ローマの粘り勝ちですね。

苦しい時間を耐え抜いてよく団結を守ったと思います。
そしてカルタゴはもはや風前の灯ですね。>

はい。そして今、ローマによってついにカルタゴは滅ぼされました。
ローマにとってもはや、地中海は我らが海!

さあ一方、アジアではパルティアが帝国と呼べる繁栄ぶりだ。
また前漢では7代皇帝武帝が即位した。東西南北、四方向へのめざましい外征だ!

<パルティアはイラン人の国ですね。西アジアを久々にギリシャ人から奪いましたね。
それにしても、各地でこれまでにないほどの大国が出現してきましたねー>

そして西の方をご覧ください!あの伝説の、ハゲの女たらしが現れた!
ユリウス・カエサル、圧倒的な民衆の支持を得る。
終身独裁官に就任。さあラバーさん、ローマの共和政は終わるんでしょうか?

<そうですね、カエサルは軍事も政治も天才的ですし、民衆の支持も圧倒的ですからね。
 それにこれだけ領土が広がると、大勢で話し合うよりも1人の強力なリーダーが
 必要なんじゃないでしょうかね。ただ、元老院議員たちの中には
 プライドが傷ついてる人もいるようで、チームに内紛が起きそうですよ。>

そしてここで元老院の反撃だ、なんとカエサル無念の暗殺。ブルータス、お前もか!
さあ内戦だ。カエサル側近のアントニウス、ここはエジプトの美女クレオパトラと結ぶ。

<完全に心を奪われていますね。これではローマ市民に見放されますよ?>

そんなアントニウスを、カエサルの養子オクタウィアヌスが破った。
共和政の復活を宣言!いやー、共和政へと時代が戻りましたね!

<いや、元老院は騙せても、我々の目は騙せませんよ。
 彼は実質的には絶対的な権力を持った皇帝。つまりこれは、帝政ローマの始まりです!>

なるほど、そうですか。さあここで中国をご覧ください。
皇帝の外戚・王莽が国を乗っ取っている。極端な復古政策!
だが農民の反乱であっけなく滅びまして、光武帝が漢王朝を復活させました!

そしてインド北部では大月氏から、イラン系クシャーナ朝が独立。
一方ローマ帝国では、先ほどのイエスの処刑で話題が持ちきりのようです!!
何が起こったんですか?

<そうですね、イエスはユダヤ教の改革をめざしたんですが、先ほど十字架で処刑されてしまいました。
 しかし、なんと彼が復活したという噂が急速に広がっているらしいですね。>

果たして彼は救世主・キリストなのでしょうか!?
それにしてもローマの発展は見事です。完成度を高めるパクスロマーナ。
しかしここで、自称アーティストでオリンピック金メダリスト、
ネロが本領発揮。濡れ衣を着せられたキリスト教徒!

<いやーこれは暴君ですね。ローマで起きた大火事を
 キリスト教徒たちの責任にしようとしています。>

さあこのタイミングで、アジアのオアシス都市が後漢に服属。
ユーラシアの東西交易路の完成だ!ローマ、パルティア、クシャーナ、そして後漢。
美しいバトンリレーが織り成す絹の道!

さあローマでは、混乱を乗り越え栄光の五賢帝時代に突入だ。
最強の皇帝トラヤヌス、パルティアの都クテシフォンを一時占領!
そしてハドリアヌスはディフェンスを固めます。

<はい攻撃的だったトラヤヌスと違って、
 ハドリアヌスはさらに点を取りに行くのではなく

  現実的なディフェンス重視に切り替えて

 堅実に首位を守り抜いく戦術ですね。>

ここでクシャーナ朝ではカニシカ王が登場、大乗仏教を保護しています。
一方パルティアは衰退傾向か。
後漢でも外戚や宦官が政治を荒らす。党錮の禁だ、犠牲になった多くの官僚たち。
そして宗教団体による黄巾の乱。各地で軍閥が自立していく!

さらにローマでも、哲人皇帝マルクスアウレリウスの健闘むなしく蛮族が侵攻。
軍事大国化は避けられない。乱れていくローマの平和。
中国も三国志の時代に突入だ!劉備と孫権、赤壁の戦いで曹操を食い止めた。
ラバーさん、一気に各地が動揺しているように見えますね?

<はい、東西の大国が両方衰退したので、
 その間で交易路をつないでいた2か国も苦しくなってきましたよ。>

ここで中央アジアでは、パルティアにかわってササン朝ペルシアの登場だ。
往年のペルシア帝国復活をもくろんでいる!
ここでシャープール1世、なんとローマ皇帝ウァレリアヌスを捕らえた!
ローマ帝国は混迷の軍人皇帝時代を抜け出せません。

<はい、各地の軍隊が、勝手に自分たちのリーダーを皇帝に推していますね。
 もう50年間で16人もの皇帝が現れて、だいたいが暗殺で命を落としていますよ。>

現れては消える皇帝たち。まさに皇帝のバーゲンセール!
世界各地が荒れています!

しかし、止まない雨はない、明けない夜はない。
ここで中国三国時代が終わります。魏を乗っ取った晋の司馬炎が統一だ!
ローマでもディオクレティアヌス、専制君主となって国に平穏をもたらした。
皇帝を拝まないキリスト教徒は大迫害だ、そしてテトラルキアを始めたようですがこれは?

<はい、まあ広大な帝国を4つに分けて、それぞれに皇帝を置く作戦です。
 帝国の安定のためには、現実的な手を選んだと思います。>

おっと、しかしコンスタンティヌスは戦術を変更!ミラノ勅令だ!
キリスト教を公認!コンスタンティノープルを新たな都に、
ローマをキリスト教国家へと変貌させていく。再び帝国を1つに統一させました!
この狙いはどこにあるんでしょうか?

<これは戦術の革新ですね。キリスト教はもう十分に広まってしまいましたから
 弾圧するのではなく、逆に認めた上でこれを利用する手に出ましたね。
 つまり皇帝はキリスト教の神に選ばれた存在なんだ、というアピールをしていますよ。>

なるほど、その手があったわけですね。
さあ中国ではあっというまに晋が滅亡。ほんの一時の平和でありました。
今南部で復活しましたが、もはや北部は匈奴・鮮卑など5つの異民族が興亡。
五胡十六国時代に突入だ!そしてインドではグプタ朝が成立しています。
仏教やヒンドゥー教文化が花開く。

さあここで、突如謎のアジア系勢力・フン族が東欧に出現しました!
蛮族にすら恐れられる蛮族であります。何者なんでしょうか?

<彼らのプレースタイルは、先程中国北方にいた匈奴に似ていますね。
 同じ系統の民族かもしれませんよ。>

これに押され、ゲルマン人たちは西に逃げる逃げる逃げる。
ローマ帝国内になだれを打ってきた。ローマが東西分裂する中、
フン族最強の大王アッティラが出現、そしてゲルマン民族によって蝕まれていく西ローマ。
一方中国は南北朝時代に突入しています。
北は異民族の鮮卑、南は漢民族、二人の皇帝が並び立っている。

さあここで、西ローマ帝国は静かに終焉を迎えました。
イタリアもガリアもスペインも、もはやゲルマン人が支配者に。

<しかし東ローマ帝国の方は、経済力も強いでうsから
 あまり異民族の侵入を受けていませんね。>

たしかに東ローマ帝国は健闘しています。そして現れた、ユスティニアヌス大帝!
アフリカとイタリアの奪回へ向かう!一方ササン朝ペルシアも名君ホスローの登場。
宿敵の遊牧民エフタルをついに滅ぼした。組んだ相手は突厥だ。
ついにベールを脱いだトルコ民族!内陸アジア中に広がる大帝国!

さあ、再びCMを挟みます。
第1094回ワールドヒストリーカップです。

この番組は、不老不死を夢見るあなたに
あの始皇帝も愛飲した、最高品質の水銀ドリンクを提供する
マーキュリー飲料の提供でお送りしています。

ワールドヒストリーカップ、引き続き実況はクッキー、解説はラバーさんです。

さあここで、ついに長きにわたる分裂が終わったのが中国だ。隋帝国であります。

<はい、これは中国北方に侵入した鮮卑族の流れを組んだ王朝ですね。
 とはいえ彼らは、漢民族の文化を取り入れて、かなり現地に溶け込んでいるように見えますよ。>

ここで隋の2代皇帝煬帝(ようだい)が大運河を建設、そして高句麗へ突入!
しかし失敗!3度の決定機を外してしまいました!わずか30年で唐へとバトンタッチ。

<うーん戦争に土木工事と、民衆をこき使いすぎましたね。始皇帝の失敗を繰り返してしまいました。
 大運河を作るというアイディア自体は良かったと思うんですけどねー。
 まあとはいえ今度は、隋の皇族の親戚が唐が作って再び中国を統一しましたね。
 こちらの2代目・李世民は屈指の名選手ですよ。あっという間に国に安定をもたらしてますね!>

さあ西方では、最後にして最大の預言者、ムハンマドの登場だ!
恐るべきイスラム教の帝国、何という勢いだ、ササン朝を食い尽くした。
そして内紛を乗り越え、ウマイヤ家のカリフを中心になおも拡大する。
しかし唐もすごい。中央アジア一帯を征服した。2つの大帝国が対峙しています!
ラバーさんこれはどうみますか?

<いや二大帝国の拡大は迫力ありましたね。
 特にイスラム教の力はすごいです。彼らはキリスト教と同じ一神教なんですが
 より徹底した平等主義で人々の心を掴みましたね。もう信者たちの共同体の広がりは留まるところを知らないという感じで
 これはヨーロッパのキリスト教の指導者たちは震えてるんじゃないですか?>

さて、相変わらずイスラム勢と唐の二大帝国が栄えておりますが
唐では異変であります。則天武后、中国では異例の女帝が誕生している!
しかし続く玄宗が国号を戻しました、開元の治のはじまりだ!

<はい、中国で女性の監督は珍しかったですねー。
 儒教の考え方が根付いている地域ですから、どうしても抵抗感があって
 色々と悪口も書かれてましたね。能力は優れているように見えたんですがねー。>

ここで勢い止まらぬイスラム帝国ウマイヤ朝、猛烈にイベリア半島に進出。
しかしフランク王国のカールマルテル食い止めた!見事なディフェンスですね!

<いやー素晴らしい。辛うじてキリスト教世界を守りましたね!>

ここでイスラム帝国を継承したのはアッバース朝、
今度はアジアで唐と一戦を交え、見事タラス河畔で勝利を収めました!
敗れた唐、国内でも安史の乱が起こって大混乱だ。
各地で節度使という軍人がが自立していく。
いやーラバーさん、もはや全盛期は見る影もありませんね?

<はい、皇帝の玄宗最初は良かったんですけどね、
 ちょっと美女の楊貴妃に心を奪われて、政治が疎かになってしまいましたね。
 年も30歳以上離れていますし、自重すべきだったんじゃないですかね。>

一方、アッバース朝はハールーン・アッラシードのもと全盛期を謳歌しています。
そしてフランク王国でもカール大帝が全盛期を築く。
ここでカール、キリスト教世界のトップ・ローマ教皇から
ローマ皇帝の冠を授かった!歴史的な瞬間ですね、ラバーさん!

<はい、ローマ滅亡以来、西側に消滅していた皇帝の称号が

 ついに復活しましたね!これは特別な重みを持つと思います。>

さあしかし、どこも繁栄は長くは続かない。
北ヨーロッパではノルマン人のヴァイキングが暴れまわっている。
そしてフランク王国は3つに分裂だ。イスラム世界も細分化されていく。
唐も長き衰退の末ついに力尽きました。
現在中国は五代十国時代です。その北方には契丹族の脅威もちらついている。

<はい、これはもう世界各地が混乱状態ですね。まさに中世という感じです。
 特にイスラム教世界は、徐々にアラブ人以外の民族、イラン人やトルコ人たちが

  どんどん独立してきているので、しばらくはバラバラな状態が続きそうですよ。>

さあ、ここでドイツのオットー1世、マジャール人のハンガリーなどを撃破。
イタリアにも遠征し、ここで教皇から戴冠を受けました。神聖ローマ帝国の誕生だ!

<うーん、とりあえず本人たちは西ローマ帝国の復活をアピールしてますけどね。

 ローマというわりに支配してるのはドイツですし広くもありませんね。
 ほんとにローマ帝国と呼べるのか、ちょっとVARを使った方が良い案件ですね。>

ここで東ローマ帝国ではバシレイオス2世が登場、出たぞブルガリア人キラー!
そんな彼の娘を妻に迎えたのはキエフルーシのウラディミルだ。
東ローマにならい、正教会に改宗だ!

<はい、このキエフルーシがロシアの原型ですね。そして他にもポーランドやハンガリー、
 そしてノルマン人の国デンマーク・ノルウェー・スウェーデンなど
 色んな国の原型ができあがってきましたよ。>

そして中国も宋が久々の統一だ。
チームスローガンは文治主義。これはどういうことですか?

<はい、軍事を捨てて経済を取るという斬新な戦術ですね。

 唐の反省を活かして、軍人たちの活躍の場を制限しています。

 北方の異民族は怖いんですが、なるべく戦いを避け、毎年銀や絹などを贈ることで
 平和を保っているようですよ。>

まさにすべてをお金で解決。平和を買うことは果たしてできるのか?
それにしても中国南部はめざましい経済発展。多くの富を生み出し、その戦術を支えています。

さあそして、中東ではトルコ系のセルジューク朝が出現しました。
久々にイスラム世界の強力な統率者となるかどうか。
一方北ヨーロッパでは相変わらずノルマン人のヴァイキングが激しい征服活動だ。
ここでついにイングランドが征服された。ノルマンコンクェスト!

そしてローマ教皇の権力も全盛を迎えている。皇帝を子供扱い!
3日3晩裸足で跪いた皇帝ハインリヒ!カノッサの屈辱だ!
そして教皇は、セルジューク朝に奪われた聖地の奪回を高らかに宣言した。
十字軍の派遣!いやーラバーさん、なぜこんなにローマ教皇は強いんですか?

<はい今のヨーロッパはバラバラの状態なんで、国王や皇帝も実はたいした権力がないんですね。
 だからヨーロッパ中をまとめる力があるのはキリスト教の神様だけ。
 で、その代理人がローマ教皇なんですね。彼はヨーロッパ中の教会を支配して、
 農民からも税をたくさん取っているんですよ。>

なるほど、ありがとうございます。
さて東アジア内陸では、女真族の金が契丹族の遼を飲み込んだ。
さらに中国の北部まで進出だ。たまらず南に逃れた宋。

<いや、内陸アジアでは次々に強力な民族が出現する名門と化してますね。
 何だか今後さらなる大物が出現する予感もしますよー!>

ここで、イスラム世界そしてクルド人の英雄、サラディンが聖地を奪回!
ヨーロッパにも広く勇名が轟いた。再び十字軍が派遣されるも、イングランドの獅子心王敗れて撤退。
続いてジョン王はフランスにも敗れ、イングランドの大陸領を喪失、そしてマグナカルタの要求を認めたようです。
これはどういうことですか?

<失敗を重ねた王様に対して、貴族たちが色んな要求を突き付けたんです。
 勝手に税を取るな、人を逮捕するな、とかですね。王様であっても好き勝手できないということですね。>

…おっとこれは何だ?モンゴル高原に、忽然と蒼き狼が舞い降りた!
チンギスハン!何という機動力、何という破壊力、過去最大の大帝国だ!
孫のバトゥはヨーロッパに進出、震撼するヨーロッパ諸国!
フラグは西アジアを征服だ、さらにクビライは中国を征服、
国号を元と定めました。世界征服も夢ではないのか!
しかし日本では負けじと神風が吹き荒れる!
いやーラバーさん、彼らの強さの秘訣はどこにありますか?

<はい、モンゴル民族の強さ、やはり騎馬遊牧民ならではの圧倒的な機動力、スピードじゃないですかね。
 あとは革新的な集団戦法、そして残酷さのアピールも武器にしています。
 イメージ戦略が巧みなんですねー!もう各地が戦う前から震え上がってますからね。>

おっと良いところですがここで前半終了を告げるホイッスル。勝負の行方は後半に持ち越されました。
第1094回ワールドヒストリーカップ、実況はクッキー、解説はラバーさんでお送りしました。