映画評

Last-modified: 2018-01-13 (土) 19:03:14

映画を評する

 結構映画は好きで、一般の人の平均以上は見ていると思う。他人の意見を全く受け付けない、完全俺様映画評

スターウォーズ4~6

 これほど面白いSFは見た事が無い。というわけでぶっちぎり一位。

許されざるもの

 西部劇というジャンルでは間違いなくダントツに面白い。映画全体で見ても、トップ3に入る。ダーティーハリーは好きになれなかったが、この映画を見てクリントイーストウッドを見直してしまった。

サウンドオブミュージック

 いわゆる万人向け、老若男女誰が見ても面白い。含蓄のある台詞も好き。とくに終盤の「やっぱり君には無理だったか」というせりふ。明らかに「(私の娘のボーイフレンドである、私の見込んだ)君がそんな事を出来るわけ無いのだ」という賞賛の意味で発せられるのだが、受け取った方は「(君はまだ若造だから)出来ないのだ」という侮辱の意味に取ってしまう(という僕の解釈)。言葉って難しい。これは日本語に限った事じゃないんだな、きっと。

 子供持ちの人は、ディズニー映画やドラえもんなどを卒業した位の年齢に一緒に見るといいんじゃないかな。

突撃

 スタンリーキューブリック。キューブリックと言えば「時計仕掛けのオレンジ」「2001年宇宙の旅」が有名で、十二分に面白い。けれど、この「突撃」はそれとはまた違った衝撃だった。ラストのシーンが最高に泣ける。っつうか僕は泣いた。戦争映画でいまのところ最高峰。

マトリックス

 現代撮影技術の草分けというイメージを持っている。ストーリーも面白くて好き。科学的には疑問点が多々あるけれど、娯楽映画では許される範囲内に収まっているのでよしとする。ただし、「レボリューション」「リローデッド」は×。

 「花瓶は気にしないで」主人公は何の事かとあたりを見回し、その拍子に近くの花瓶を割ってしまう。「あなたはあとで気にするわ。言われなくても割ったのだろうか、と」このやり取りがストーリーの核になっていると言う構造。こんな問答も気に入っている。

あの夏いちばん静かな海

 北野武監督作品では最高峰。日本映画の中でも最高峰。この作品のレベルは異様に高く、その後も高い水準で映画を製作している。全く凄い人だ。

 暴力描写で他の監督と一線を画す北野武だが、「あの夏いちばん静かな海」は、暴力描写はなし。とても美しい映画。

もののけ姫

 薄気味悪いアニメ。世界観はナウシカを踏襲か。自然保護団体が泣いて喜びそうな内容。見たあとにはヤレヤレ感だけが残った。この作者の「自然」とは、「人間のための自然」なのだろう。

 さて、なぜこの映画を取り上げたかと言うと、こんなトンデモ映画が一世を風靡して大ヒットしたって事が凄いな、と思ったから。

スゥイングガールズ

 日本映画は高くてね。テレビでないと見ない。見てみるとやはり大抵は時間の無駄なのである。適当な努力でラストシーンの大成功。何が言いたかったのか分からん。ただ楽しければそれでいいんすかね。金払ってみたひとはお気の毒。

TAKESHIS'

 北野映画。上野の映画館で鑑賞。「採算考えない。自由に撮らせてもらった」と、スマップとのテレビ対談で言っていた。そのとおりホントに自由に撮ったようだ。ストーリーまったく無意味。映像美にこだわる北野監督。不思議と退屈しなかった。つまらなかったのだが面白かったというか、嫌いな映画ではない。京野ことみが脱いでいてしかもセックスシーンであえいでいた。5秒くらいだったけれど。結構セクシー、っつうか下品さが彼女にぴったりあったのがビックリ。

風の谷のナウシカ

 中学~高校生の頃に見たのだが、テレビで再度みる。受けた印象がずいぶん変わっていた自分に驚く。ファンタジー的なおとぎ話にはもう騙されん。
 「腐海の木々は、人間が汚したこの世界を奇麗にするために生まれて来たの。大地の毒を体に取り込んで、奇麗な結晶にしてから、死んで砂になっていくんだわ。(略)虫達は、その森を守っている。」だそうである。なぜ、地球が「人間にとって奇麗なもの」で無くてはならないのか。そういう人間のための進化の方向に進むはずだという考えは、とてもおこがましいと思う。進化はどんな生物も自分と自分の分身が生き延びるためにはどんな事でもする方向に進む。腐海の虫達がなぜ人間のために働かなきゃならんのだ。
 たしかに、森林は二酸化炭素を吸い、酸素を吐き出している。このことは、森林があたかも人間や動物達のために生きているかのようにみえる。そう思いたい気持ちも理解できる。残念ながらそれは違うのだ。
 「もののけ姫」で感じた違和感は、やはりナウシカにもあった。こういう思想に立脚する自然保護だの動物愛護だのがいま一番多いのではないか。笑える話だ。

トランスポーター2

そもそも1を見ていないのにいきなり劇場で2をみる。子供をわざわざ誘拐した理由が不明。ウイルスならべつにわざわざ子供を誘拐させなくても、会場で撒けばいいじゃないの。主演の男優がかっこ良かっただけで、脚本がアホアホで途中から眠気。早く終わってくれよと思いながら見た。

TRICK劇場版2

邦画は金の無駄だと言っておきながら見てしまう。仲間由紀恵が出ていたことが判断を狂わせた。上映途中で時間の無駄だと気がつき、ばかばかしくなって退場。シネコンの会員感謝デー特別価格だったからムカつき度はやや低くなったとはいえ、金返せや。

スーパーマン

暇つぶしに見たのだが、これがまた面白かった。「もしスーパーマンが本当に居たならば、実際にこういう映像になるだろう」という映像を再現させてやる、というスタッフの熱意と意気込みが感じられた。ただ、異星人と交配は無理。

ハリーポッター

流行時の騒ぎは何処へやら。買うなら今だ、と2007年GW期間中に1、2、4とDVD購入。3枚で2980円。3を買わなかったのは以前スカパーかなんかで見ていたから。結構面白く見た。物語序盤の意地悪育て親がでてくるあたりは古典的だなあ。4では出てこなかったけれど。2980円は良コストパフォーマンス。

ブロンド少女は過激に美しく

マノエル・デ・オリヴェイラ監督の100才の記念碑的作品。とにかく、どこかに書かずにはいられなかった。ここのページの存在を思い出して、キーボードを叩いている次第。ポルトガル映画(フランス映画?)らしいのだが、1時間ほどの短編というか中編というか。とにかく、唐突に終わる。ペーソス効いている。いろいろ不思議な感情を思い起こさせる。邦題があいかわらずクソ。「SINGULARIDADES DE UMA RAPARIGA LOURA」グーグル翻訳先生に問い合わせたら『ブロンド少女の奇行」というポルトガル語らしい。今思うともっと丁寧に見ておくべきだった。暇なときにもう一度金払って劇場で見ちゃうかも。(2010.10.9)

OUTRAGE BEYOND

北野武。劇場で見た。初日。ただしレイトショー。クソ面白かった。初日で席が悪かった(最前列)ので、もう一度劇場で見たい。で、ブルーレイで前作を見たのだが、こっちはそんなでもなかった。Beyondのストーリーは秀逸。北野武はやくざ映画の歴史を変えてしまった。(2012.10.08)

結局OUTRAGE BEYONDをまたレイトショーで見た。前作を見た後だと印象がやや違った。たしかに、前作の方がハデな暴力描写などもあって、ハラハラ度はBeyondでは抑えめになっているのかもしれない。それでもやっぱり上映中は、北野武の作るバーチャルなヤクザ世界に浸る事ができ、至福の時間(語弊有るけど)を過ごせた。名作であることを改めて確認。日本語でないとこの映画を楽しむことは絶対にできない。日本語ネイティブで本当に良かった。
(2012.11.12)

で、この後の発売直後のBlu-rayも手に入れたのである。邦画の最高峰。
(2014.07.13)

スパイダーマン2

HULUを契約してしまった。で、早速見た映画。『スパイダーマン2』。実はもう何度も見ている。しかし、何度見てもオモロイ。CGのよいところどり。アメリカ的おとぎばなしのよいところどり。というわけで、よいところどりを集めに集めて最高のエンターテインメント映画になっている。このあとに、せっかくだから1も3も見たのだが、この2が良すぎて霞む。アメリカ的ヒーローのお約束だが、そのお約束の心地良いことといったらない。
(2014.07.13)

スターウォーズ7

公開日のレイトショー。当日(18日)の朝、スマホにて地元映画館の空席状況をチェックしたらなんと空いていた。チケット確保して、いざ、映画館へ。……もう俺もオッサンになったのだ。映画がつまらなくなったんじゃないんだ。俺がつまらない人間になっちまったんだ。…というくらいつまらなかった。長い夢を覚ませてくれてありがとう。まさしくフォースの覚醒である。
(2015-12-20)

君の名は。

テレビ放映されたので録画していた。全体としては日本アニメの金字塔なのでしょう。前半までが最高。3年前死んでいた人物と入れ替わっていたという事実が分かるところは鳥肌。この時点まで、俺的に面白さとしては最高潮、数々のアニメでしかできない演出に感動。感激。そして絶賛。「さすが世界に誇る日本アニメ」。

しかし前半のデキがあまりに良すぎて、それ以降の後半の恋愛要素及びつじつま合わせの要素には本当にがっかりだった。時間超越モノはかならず矛盾が発生するので、それを理論的に処理しようとしても不可能なのだ。時間超越が生む矛盾のつじつま合わせを無理にやればやるほどそれだけ白ける。しょせんつくりものなんだから、そこはあいまいに処理すればいいのに。(というか、あいまいにする以外に理論的な処理方法など存在しない。)

…いや、アニメにしてはよくできていた。しかし今やこれは誉め言葉なのか?上にも書いたが、映画がつまらないのではなく俺がつまらない人間になってきているのか。
(2018-01-13)