2021年12月11日付けチャートを振り返っていきます。
今週のチャート
ニューエントリー
今週のニューエントリーは4曲でした。
ちなみに、初登場予想が的中した曲は4曲中2曲でした。
36位 君を見つけてしまったから / フジファブリック
初登場予想:×
2月の「楽園」以来10か月ぶりのエントリーとなるフジファブリックです。「楽園」はトータル9週、最高14位とそれなりに健闘し、その後でリリースされたアルバム「I Love You」も素晴らしかったですね。JUJUや秦基博、幾田りら(YOASOBI)という豪華メンバーとコラボしつつも、彼らの色もしっかりと出ていた名盤でした。今作はそれ以来となるシングル。11月24日にリリースされた両A面シングルで、ドラマ Paravi「つまり好きって言いたいんだけど、」オープニングテーマに起用されています。だんだんと上がっていき、伸びやかなサビが気持ちいい。彼らの楽曲はどれも水準が高く、聴き込みたくなりますね。11月24日リリースなので1週タイミングとなりましたが、まずはエントリーしてくれてよかったです。
両A面のもう1曲「音の庭」はNHK「みんなのうた」に起用された1曲。CDの初回生産限定盤にはZepp Tokyoで行われたライブを収録したDVDが付属しています。1週遅れの36位ですから厳しい出足でですが、ぜひ上位に進出してもらい、年末チャートを盛り立てる1曲になってほしいですね。
35位 藍才 / Eve
初登場予想:〇
「夜は仄か」以来7か月ぶり、今年3曲目のエントリー。通算では4曲目のEveですが、そのうちの3曲が今年の曲ですから、ブレイクの兆しが見て取れますね。サブスクでは昨年の楽曲でアニメ主題歌となった「廻廻奇譚(かいかいきたん)」がロングヒット。その「廻廻奇譚」はJ-ACにはエントリーしていないものの、世間で大ヒットした余波がここJ-ACチャートにも現れているように思います。ヨルシカsuisさんとのコラボ曲「平行線」、そして「夜は仄か」に続く1年で3曲目のエントリーは素晴らしいです。期待を込めて初登場予想に加えた私もにんまりです。
12月3日にリリースされた配信シングルで、Spotifyまとめ/プレミアムのCMソング。Spotifyとは、非常にいいタイアップをもらいましたね。私もSpotifyをメインで利用しているのですが、この「Spotifyまとめ」というのはとても高性能で素晴らしい機能です。この1年間で自分が音楽を聴いた時間、アーティスト別、曲別の再生時間など、実に細かいデータを教えてくれる上に、よく聴いた楽曲をまとめた自分だけのプレイリストを提示してくれます。それだけではなく、そのプレイリストになんとアーティストからのコメントが挿入されるんです(「今年もたくさん聴いてくれてありがとう」的な一言コメントです)。この「コメント挿入」は粋な演出で感動しましたね。ちなみに、私が今年Spotifyを再生した時間は「約26,000分(≒433時間)」で、全リスナーの中でも結構聴いている方だったみたいです。J-ACの初エントリー予想の際にも活用させてもらっています笑 いろいろな曲が気軽に聴けるので本当にありがたいです。
よいタイアップが付いたこともあり、好成績を期待したいですね。Spotify大好き民としては応援したくなります笑 これまでの最高成績は、「僕らまだアンダーグラウンド」のトータル6週、最高13位となっています。自身の最高成績にどこまで迫るか、あるいは追い抜くのか、活躍に期待しましょう。
32位 残響散歌 / Aimer
初登場予想:×
Vaundyとのコラボ曲「地球儀」以来9か月ぶり、今年3曲目のエントリーとなるAimerです。今年最初にエントリーした「季路」は安定のトップ10入り。その次にエントリーした「地球儀」は、トップ10入りこそなかったものの、再浮上するなどよく頑張り、アルバム曲ながらトータル10週の健闘を見せました。今年も堅実な活躍が続いたなという印象がありますね。そんなAimerですが、今度はかなり強そうな楽曲が入ってきました。12月から放送されているテレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編のOPテーマとなっている楽曲で、1月12日にCDシングルとしてリリース。LiSAはEDの「朝が来る」も担当しており、CDは両A面としてリリースです。今週6日にこの曲が先行配信でリリースされましたが、配信チャート48冠というヒットでスタートダッシュを飾り、さっそくJ-ACにもエントリーしてきました。CDリリースの1ヶ月前に早くもエントリーですから、こういうタイプの曲はかなり強いです。「鬼滅」主題歌という影響力を考えても、トップ10、いやトップ5入りは堅いのではないでしょうか。
ところで、「鬼滅の刃」の主題歌に起用された本作ですが、「鬼滅と言えばLiSAなんじゃないの?」と思った方が多いのではないでしょうか。実際、これまでアニメや映画は全てLiSAが主題歌に起用されており、「紅蓮華」や「炎」といった世間的にも大ヒットの楽曲が生まれました。現在もチャートに「明け星」がエントリーしていますね。このままずっとLiSAで行くのかと思っていたところに他のアーティストというのはかなり意外でした。ただ、Aimerも数多くのアニソンを担当していますし、LiSAの後釜としては申し分ない感じがします。昨年の大ヒット「SPARK-AGAIN」を彷彿とさせるAimerらしいハードなナンバーで、早速アニメともガッチリはまった印象があります。初めてLiSAからバトンタッチした「鬼滅の刃」ですが、引き続き勢いは止まらなそうで、「遊郭編」も相当な話題となりそうです。
24位 Babel /sumika
初登場予想:〇
「Jasmine」以来4か月ぶり、今年4曲目のエントリーです。12月1日にリリースされた4曲入りのCDシングル「SOUND VILLAGE」のOPを飾るリードトラックで、これまでのイメージを覆すようなダークな雰囲気の1曲になっています。プロデューサーにTeddyLoidさんを迎え、ボーカル・ギターの片岡さん以外は演奏に参加していないというのも初めての試みだそうで、かなり攻めた1曲になっています(MVもかなりホラーです)。この曲を4曲入りシングルの1曲目に持ってきたという点にsumikaの挑戦を感じますね。ちなみに、この「SOUND VILLAGE」ですが、初となる作曲合宿で作られたそう。作曲合宿って...なんか青春ですよね笑 その甲斐あってか(?)、非常に作り込みを感じる、気合の入った1枚になっています。シングルというよりはミニアルバムといったほうが近そうです。
2019年の「願い」で1位を獲得して以来、安定のヒットを飛ばしてきたsumikaですが、今年の夏に入ってから異変が生じています。「Shake&Shake」はCDシングルながらトップ10入りを逃し、配信シングルの「Jasmine」はオール30位台の5週と自己最低成績に沈みました。流れとしては非常に悪くなっており、このあたりで食い止めておきたいところ。初登場24位と中位から入ってきており、勢いはそれなりにありそうですね。まずは「本音」以来3作ぶりとなるトップ10入りを目指してもらいたいと思います。
今週のチャートアクション
★THIS WEEK'S No.1★
ハート | あいみょん | → | v5 | 7週目 |
シンプルに、強い
1位と2位が4週連続で変わらないという異常な膠着状態が続きます。それだけ、この2曲が飛び抜けているということです。2位をキープし続けるビッケブランカの「北斗七星」も相当ですが、そのビッケブランカを押さえ付けて首位街道を走り続けるあいみょんの何たる強さか。抜群の強さでこれで5連覇達成となりました。
あいみょんの5連覇は7連覇を記録した「裸の心」に次いで自身2位の記録となりました。昨年は7連覇、今年は5連覇に加え、1位獲得はこれで8週目(「桜が降る夜は」「愛を知るまでは」を含む)。圧倒的な実績を積み上げていますね。ちなみに、今年の楽曲で5連覇以上となると、これはビッケブランカの「ポニーテイル」、米津玄師の「Pale Blue」に続き3曲目。その2曲に匹敵するような数少ない大ヒットになっているということです。
冗談半分で書いていた「年間入り」の可能性についても、これはもしかすると...という状況になってきたかもしれませんね。
★WELCOME TO TOP10★
6位 | 明け星 | LiSA | ↑6 | 8週目 |
7位 | 君に夢中 | 宇多田ヒカル | ↑10 | 2週目 |
トップ10入りは2曲。まずはLiSAの「明け星」。一時は24位にまでダウンし、上位進出が絶望的になったと思われたこの曲ですが、CDセールスの加算により急上昇。エントリー8週目、大逆転でのトップ10入りを決めました。24位まで下げてからの巻き返しは相当なもので、本当に素晴らしいですね。コメントゲストの週に大ダウンで24位まで下げた時は「あんまりだろう!」と思いましたが、その翌週からちゃんと巻き返してくれました。LiSAさん、おめでとうございます。これで、「HADASHi NO STEP」に続き2曲連続、通算では4曲目のトップ10入りとなりました。トップ10も板に付いてきたという感じで、確実に実績を積み上げています。
7位は宇多田ヒカルの「君に夢中」。主題歌になっているドラマ「最愛」はいよいよ佳境を迎え、この曲はMVも公開されたことで俄然話題となっています。ビルボードや各種チャートでも軒並み好成績を記録しており、あるいは「One Last Kiss」を上回ろうかという勢いも感じます。初登場17位からの10ランクアップは勢いを踏まえれば当然で、この出だしを見るにはっきり「1位候補」になったでしょう。なお、宇多田ヒカルさんのトップ10入りは3月27日の「One Last Kiss」以来約9か月ぶり。前作「PINK BLOOD」はまさかのつまづきとなりましたから、2作ぶりのトップ10入りということになります。
最も順位を上げた曲
7位 | 君に夢中 | 宇多田ヒカル | ↑10 | 2週目 |
29位 | もぐらとボンゴ | ザ・クロマニヨンズ | ↑10 | 2週目 |
30位 | 走り続けた日々 | ケツメイシ | ↑10 | 2週目 |
最も順位を下げた曲
40位 | HADASHi NO STEP | LiSA | ↓10 | 13週目 |
最長エントリー
① | 17週目 | 23位 | 水平線 | back number | ↓1 |
① | 17週目 | 39位 | 夢醒めSunset | ビッケブランカ | ↓3 |
③ | 16週目 | 38位 | LITUMUS | 緑黄色社会 | ↓3 |
トップ10落ち
11位 | 黄色 | back number | ↓2 | 11週目 | 8週 |
14位 | Cube | 星野源 | ↓4 | 8週目 | 4週 |
チャート詳細
31-40位
順位 | 曲名 | アーティスト | 推移 | IN |
---|---|---|---|---|
31 | ヒカレイノチ | Kitri | ↓4 | 3w |
32 | 残響散歌 | Aimer | new | 1w |
33 | 〇か× | 吉井和哉 | ↑1 | 2w |
34 | 境界線 | amazarashi | ↓2 | 3w |
35 | 藍才 | Eve | new | 1w |
36 | 君を見つけてしまったから | フジファブリック | new | 1w |
37 | 大空がある | ザ・クロマニヨンズ | ↓9 | 6w |
38 | LITMUS | 緑黄色社会 | ↓3 | 16w |
39 | 夢醒めSunset | ビッケブランカ | ↓3 | 17w |
40 | HADASHi NO STEP | LiSA | ↓10 | 13w |
大ダウンは2曲。いずれもダブルエントリーとなっているアーティストです。「明け星」が上位進出してきたLiSAは、「HADASHi NO STEP」が10ランクダウンで40位。今週は力尽きてしまいましたが、区切りよくロングエントリーの水準(13週)に乗せ、スマッシュヒットになりました。もう1曲はザ・クロマニヨンズ。先週連続リリースの第4弾「もぐらとボンゴ」が入ってきた影響により、第2弾の「光の魔人」は圏外、そして第3弾の「大空がある」は9ランクダウンの大崩れとなりました。連続リリースの影響とはいえ、落ち方が激しく、あまり大丈夫ではありません。
残りは小幅な動きとなりました。38位、39位はロングエントリー組。ビッケブランカの「夢醒めSunset」が17週目となる39位、緑黄色社会の「LITMUS」は38位で16週目のランクインです。いずれも先週から3ランクダウンにとどめ、よく粘りました。特に初の年間入りを懸ける緑黄色社会にとっては大きな粘りで、今週も「3ポイント(=38位)」をもぎ取ったのは立派です。
エントリー3週目の2曲はいずれも初のダウン。先週27位のKitri「ヒカレイノチ」は4ランク、先週32位のamazarashi「境界線」は2ランクとそれぞれ下げ、上位進出は厳しくなりました。先週の初登場組では、34位初登場だった吉井和哉さん「〇か×」がじわり1ランクのアップ。いちおうアップはしたものの、上げ幅は控えめでした。今後の上昇はあるのでしょうか。この曲にとっては、まさに「〇か×」かが懸かっているところです。
21-30位
順位 | 曲名 | アーティスト | 推移 | IN |
---|---|---|---|---|
21 | Soulコブラツイスト~魂の悶絶 | 桑田佳祐 | ↓5 | 14w |
22 | 大正浪漫 | YOASOBI | ↑3 | 12w |
23 | 水平線 | back number | ↓1 | 17w |
24 | Babel | sumika | new | 1w |
25 | Small World | BUMP OF CHICKEN | ↓1 | 5w |
26 | 踊り子 | Vaundy | → | 3w |
27 | アルデバラン | AI | ↓4 | 5w |
28 | ツバメ feat.ミドリーズ | YOASOBI | ↓7 | 6w |
29 | もぐらとボンゴ | ザ・クロマニヨンズ | ↑10 | 2w |
30 | 走り続けた日々 | ケツメイシ | ↑10 | 2w |
サプライズはYOASOBI。12月1日に2ndEP「THE BOOK」がリリースされ、今週はリリース効果が見込まれる週でした。私の予想では、先週順位を上げた「ツバメ」がアルバムリリース効果で大きく上昇、「大正浪漫」はダウンと見ていました。しかし、結果は見事に逆になりましたね(苦笑)。ジリジリと順位を下げてきた「大正浪漫」がなんとエントリー12週目にして再浮上、一方の「ツバメ」は見放された形でダウンとなりました。要するに、アルバムのメイン曲は「大正浪漫」とみなされたということです。年間入りのボーダー付近を争っていた「大正浪漫」にとってこの再浮上の持つ意味は極めて大きく、再浮上のおかげで年間に届くという展開が見えてきましたね。
10ランクのジャンプアップが2曲。アルバム「ケツノポリス12」がリリース、アルバム特集にも選ばれたケツメイシの「走り続けた日々」は30位にアップ、最高のスタートダッシュを切りました。配信シングル2作が散々な扱いを受けていたケツメイシですが、今回は10ランクアップ&アルバム特集と実に幸先がいいですね。今後にも期待したくなります。もう1曲はザ・クロマニヨンズの「もぐらとボンゴ」。前の2曲が大崩れしたわけですから、この曲はアップしてもらわないと釣り合いが取れません。10ランクアップの29位は当然で、ここからが本当の勝負となります。
ロングエントリー組では、back numberの「水平線」が1ランクダウンで23位。エントリー17週目の今週も抜群の安定感で、最長エントリーを堅持。この安定感ですから、「年越し」も十分見える成績になってきました。エントリー14週目、桑田佳祐さんの「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」は21位。今週は5ランクとやや大きく下げましたが、まだまだこれからの位置ともいえます。「SMILE~晴れ渡る空のように~」がトータル16週でしたから、まずはそこを目指していくことになるでしょう。
Vaundyの「踊り子」は26位をキープ。初エントリーから3週連続の20位台と頑張っており、好調です。街中でもよく流れており、小松菜奈さん効果もあるのでしょうがいい感じのヒットになっていますね。27位はAIの「アルデバラン」。おっと、これはどうした。ドラマの盛り上がりに合わせ、順位を上げていくのかと思いきやまさかのダウン。27位でかなり苦しくりました。前の朝ドラ主題歌、BUMP OF CHICKENの「なないろ」はトップ10入りを逃しましたが、もしかするとこの曲もトップ10に入れないなんてことがあるのでしょうか。朝ドラ主題歌に異変が生じているのか...?ちょっと不穏な展開になってきましたね。そのBUMP OF CHICKENですが、映画主題歌「Small World」がランクインしており、今週は1ランクダウンの25位でした。こちらも順位を下げているものの、12月22日にCDリリースが控えています。CDセールスが加われば再浮上の可能性が大きく、今は我慢の時でしょう。それまでは何とかチャートにとどまりたいところですね。
11-20位
順位 | 曲名 | アーティスト | 推移 | IN |
---|---|---|---|---|
11 | 黄色 | back number | ↓2 | 11w(8) |
12 | ラストシーン | 菅田将暉 | ↑7 | 4w |
13 | BOY | King Gnu | → | 8w |
14 | Cube | 星野源 | ↓4 | 8w(4) |
15 | Gifted. | BE:FIRST | ↓1 | 5w |
16 | 阿修羅ちゃん | Ado | ↓1 | 6w |
17 | ベテルギウス | 優里 | ↓6 | 5w |
18 | テーマソング | ポルノグラフィティ | → | 11w |
19 | Chopstick | NiziU | ↑1 | 4w |
20 | AVALANCHE | UVERworld | ↑9 | 2w |
先週は1曲も入れ替わらなかったトップ10ですが、今週は自然な動きで2曲が入れ替えとなりました。back numberの「黄色」は2ランクダウンの11位。トップ10内は8週で、最高位は2位。一般的には大ヒットの部類ですが、「back numberのCDシングル」ということを考えるとやや控えめです。前の曲、「水平線」が非常に安定しており、今週もまだ23位にいます。それが響いて、この曲はいつもと比べると伸び切りませんでした。もう1曲、星野源の「Cube」が10位にダウン。マニアックな曲なので上位は長くないと予想していましたが、全て9位以下とはいえトップ10に4週もとどまったのは立派でした。さすがの地力を見せ、今後はロングエントリーを目指していきます。
トップ10争いを見ていきましょう。トップ10に一番近付いたのは菅田将暉。エントリー4週目、ドラマ「日本沈没」主題歌の「ラストシーン」が7ランクアップの12位に付けました。トップ10はほぼ間違いなしの位置ですが、この曲は一度ダウンしていますし、「星を仰ぐ」のようにトップ10の間近から下げるパターンもあります。来週はしっかりと着地を決められるでしょうか。他にジャンプアップしてきたのはUVERworld。菅田将暉と同じくドラマ主題歌となっている「AVALANCHE」が9ランクアップの20位と大きく伸ばしてきました。トップ10の常連であるUVER。2作ぶりのトップ10に向け、まずは視界良好といった感じです。
伸ばしきれなかった曲も目立ちました。今週シングルセールスが加算されたKing Gnuの「BOY」は順位変わらず13位。私の予想では、あいみょんの「ハート」やビッケブランカの「北斗七星」と今頃1位を争っているはずでした。早くに脱落し、10位台で燻ぶっているのは寂しい限り。トップ10に3週入っているので決して悪くはありませんが、何とかトップ10に復帰して格好を示してもらいたいです。King Gnuよりもさらにひどい、「爆死」と言えそうなのは優里。勢い良く上げ、先週は11位に付けていた「ベテルギウス」ですが、なんと6ランクダウンの17位と撃沈。トップ10争いはほぼ脱落という状況になりました。同じドラマ主題歌でも、菅田将暉、UVERworldが大きく上げてくる中、先に上位にいたこの曲は撃沈。配信の弱さが出てしまった感じで、期待していただけに残念です。15位、16位は伸び悩み。BE:FIRSTの「Gifted.」とAdoの「阿修羅ちゃん」がそれぞれ1ランクダウンでした。BE:FIRSTは初登場から全て10位台。安定の高水準なものの、「トップ10はまだ少し早いね」と言われた感じでしょうか。Adoの「阿修羅ちゃん」もこれで5週連続の10位台。同じく安定ぶりは光るものの、「踊」の時のようなパンチ力が見られません。19位はNiziUの「Chopstick」。3週連続で順位を上げるものの、21位→20位→19位と実に渋い。アルバム「U」は大ヒットしていますが、やはりJ-ACはシングル中心のチャート。効果は限定的でしょうか。
最後に18位はポルノグラフィティの「テーマソング」。先週と変わらず、18位をキープする健闘ぶりでした。この頑張りは非常に大きく、年間チャートに向け望みをつないだといえます。年間40位付近には有力曲が多くあり、この曲もその一つです。残り2週も頑張れば年間に入る可能性があり、ポルノグラフィティにとっては年間入りの懸かる年末となりそうです。
トップ10
順位 | 曲名 | アーティスト | 推移 | IN(うちトップ10) | 予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ハート | あいみょん | → | 7w(6) | 1 | 〇 |
2 | ポニーテイル | ビッケブランカ | → | 7w(5) | 2 | 〇 |
3 | なんでもないよ、 | マカロニえんぴつ | ↑2 | 5w(3) | 4 | △ |
4 | おっさん | 岡崎体育 | ↓1 | 7w(4) | 5 | △ |
5 | こたえあわせ | JUJU | ↓1 | 4w(3) | 3 | △ |
6 | 明け星 | LiSA | ↑6 | 8w(1) | 10 | △ |
7 | 君に夢中 | 宇多田ヒカル | ↑10 | 2w(1) | 6 | △ |
8 | 燃えよ | 藤井風 | ↓1 | 14w(13) | 9 | △ |
9 | 大好物 | スピッツ | ↓3 | 5w(4) | 7 | △ |
10 | 食べた愛 | aiko | ↓2 | 10w(9) | 外 | × |
1位と2位は4週連続で変わらず、トップ5の顔触れも変わりませんでした。上位は硬直化が進んでいます。4週連続で2位となったのはビッケブランカの「北斗七星」。1位には上がれないものの、3位以下に下がることもない。あいみょんの「ハート」が強すぎるうえにこのような現象になっています。このまま1位を獲得できなかった悲運の曲に終わるのか、それとも悲願の1位となるのか。「悲運」か「悲願」かというところで、来週は大注目です。
3位から5位は、顔触れはそのままですが順番が動きました。2ランクアップで初のトップ3入りを決めたのはマカロニえんぴつの「なんでもないよ、」。8位→5位→3位と来ており、毎週自己最高位を更新する快進撃。ついにトップ3でマカロニえんぴつの曲が流れた時は非常に感慨深かったですね。世間的にも大ヒットしており、ビルボードでは5位まで上昇しました。これまでのそれなりにヒットしていたマカロニえんぴつですが、もしかするとこの作品が「出世作」になるかもしれません(Official髭男でいう「Pretender」のように)。これから年末年始にかけてどのようなチャートアクションを見せてくれるのか、楽しみでなりません。4位、5位はそんなマカロニにかわされてそれぞれ1ランクダウン。岡崎体育さんの「おっさん」はダウンするもこれで4週連続3位or4位を記録。非常に高い水準でトップ10に残っており、アルバム曲でこの成績は圧巻です。先週4位まで上げたJUJUの「こたえあわせ」ですが、今週は4週目で初のダウンを喫しました。トップ3は確実かと思われましたが、予想以上にマカロニ&岡崎体育が強く、苦戦の模様です。来週以降、どこまでトップ10内をキープできるかに注目ですね。
8位から10位は残留組。8位は藤井風の「燃えよ」で、今週も1ランクダウンにとどめました。トップ10に13週と圧巻の数字になっており、これはトップ10に17週だった「きらり」に迫る数字です。私はこの曲が1位を獲得するとは思っていませんでしたし、トップ10も「きらり」の半分(8~9週)くらいかなと思っていました。予想をはるかに上回るヒットで、藤井風恐るべしの大ヒットです。年間チャートでは、「きらり」もこの曲もかなり上位に来ることは間違いありません。一方、9位の曲ははっきり不調でしょう。勢いよく3週目で4位まで上げたスピッツの「大好物」でしたが、その後は6位→9位と続落で振るいません。トップ10に4週目と決して悪い数字ではありませんが、「紫の夜を越えて」のメガヒットを覚えているものですから、どうしても寂しくなるものです。最後に10位はaikoさんの「食べた愛」。先週8位からトップ10残留が危ぶまれましたが、辛くも10位でとどまったのはさすがでした。やや落ちるのが早いと評価していたこの曲ですが、それでもトップ10に9週目。さすがに昨年の「青空」(13週)には及びませんが、「愛した日」(8週)は上回り、「ハニーメモリー」(9週)には肩を並べました。言わば「いつも通り」の堅実なヒットにまとめているということになります。サラッと書きましたが、トップ10に8週以上が基準になっているわけであり、いかにaikoさんがもの凄いアーティストであるかがよく分かる数字ですね。
さよならトップ40
先週38位「軍艦少年」卓真
IN【1】TOP10【0】HIGH【38】
格差26倍です。
今年2月にエントリーした10-FEETの「アオ」はトータル26週の大ヒットでした。そんな10-FEETのボーカル、卓真さんがソロでリリースした楽曲。トータルは1週。つまり、格差26倍というわけです。目まいがするような、とんでもない落差ですね。ソロで曲を出したら、エントリーも「ソロ」になりましたってか。笑えないですね。最近は実力者にも容赦のないJ-ACチャートですが、卓真さんも例にもれず、手痛い仕打ちを受けることになってしまいました。今年は1週で圏外になる曲が多く、「弱肉強食」の傾向となっています。つまり、年間チャートのボーダーはかなり高くなるということです。
残念な成績に終わってしまったこの曲ですが、卓真さんの歌声は2週後にまた聴けることになるでしょう。10-FEETの「アオ」は年間チャートでかなり上位のランクインが確実です。
先週37位「JSB IN BLACK」三代目 J SOUL BROTHERS
IN【6】TOP10【0】HIGH【28】
岩田剛典さんの「Korekara」がエントリーしたのが9月25日。そこから始まったLDH怒涛のエントリーラッシュでしたが、先週で打ち止めとなりました。9月最終週から12月第1週まで、本当にたくさんの曲が入れ替わり立ち替わりエントリーしましたね(全部挙げろと言われたら自信がありません)。
数多くエントリーした中でも、最も歴史が深いのがこの三代目 J SOUL BROTHERS。おそらく、2015年か2016年、それ以来となる久々のエントリーだったと思います。かつてトップ10の常連だった頃を思うと大きく下げましたが、それでも久しぶりに戻ってきてチャートに爪痕を残したのは立派なことでした。3週目に10ランクの大ダウンで38位。普通はここで終わりとしたものですが、そこから再浮上し、30位まで戻したチャートアクションは見ごたえがありました。今年はEXILEが20周年という年で、メモリアルイヤーだったからこそ戻ってこれたのかもしれませんね。
先週33位「光の魔人」ザ・クロマニヨンズ
IN【9】TOP10【1】HIGH【9】
6か月連続リリースの第2弾。第1弾の「ドライブGO!」の成績を振り返ると、トータル10週、トップ10に2週、最高位は8位というものでした。この曲はトータル9週、トップ10に1週、最高位が9位ですから、どの指標も見事に少しずつ下げたということになります。それだけ聞くと残念に思いますが、1曲しかエントリーしていなかった「ドライブGO!」とは異なり、この曲は最初からダブルエントリーだったという点に違いがあります。「ドライブGO!」よりも不利な条件でこれだけ頑張ったのですから、成績的には少し下げたとはいえ、健闘というのが私のイメージです。トップ10は1週のみですが、10位台に5週エントリーしており、全体的に安定していました。第3弾、第4弾が次々と入ったことにより最後は急落しましたが、これは6か月連続リリースが発表された時点で分かっていたことですから仕方ありません。
「ドライブGO!」とこの曲は健闘と言えるでしょうが、第3弾の「大空がある」は今のところ大きく下げてしまう結果になっています。第4弾の「もぐらとボンゴ」は、今週は大きく上げたものの、今後どうなるかは分かりません。このまま右肩下がりになってはあまりに寂しすぎるので、クロマニヨンズにとっては踏ん張りどころを迎えていると言えるでしょう。
先週31位「YURA YURA」WANDS
IN【4】TOP10【0】HIGH【23】
昨年の「真っ赤なLip」に続き、アニメ「名探偵コナン」の主題歌に起用されたシングルでした。コナンファンの私は毎週楽しく歌っていたのですが、相変わらずJ-ACでは消えるのが早い笑 初登場23位と高く、10位台以上を期待したのですが、結局はその初登場が最高位でした。20位台に3週とそれなりに入りましたが、4週目に崩れると30位からそのまま圏外。消え方も非常に悪く、結局トータルは「真っ赤なLip」と同じ4週止まりです。コナンファンとしては非常に歯がゆい成績ですね。ただ、エントリーできないアーティストも大勢いる中、コンスタントにエントリーしてくるのは素晴らしいことです。それだけでも、恵まれていると思わないといけないですね。
トータルは4週と極めて短いですが、うち20位台が3週だったこともあり、トータルポイントは「58」でした。昨年は3曲がエントリーしたWANDSですが、トータルポイントは最高でも「真っ赤なLip」の「35」でしたから、ポイント的にはかなり伸ばしたという見方もできます。同じトータル4週でも、中身のいい4週だったということです。ただ、トータルポイントが2ケタでは寂しいことに変わりはないでしょう。せめて、3ケタ(100ポイント以上)を取れるアーティストに成長してほしいなと願っています。
来週の展望
トップ10予想
順位 | 曲名 | アーティスト | 推移 | TOP10入り |
---|---|---|---|---|
1 | 北斗七星 | ビッケブランカ | ↑1 | |
2 | ハート | あいみょん | ↓1 | |
3 | 君に夢中 | 宇多田ヒカル | ↑4 | |
4 | なんでもないよ、 | マカロニえんぴつ | ↓1 | |
5 | おっさん | 岡崎体育 | ↓1 | |
6 | 明け星 | LiSA | → | |
7 | こたえあわせ | JUJU | ↓2 | |
8 | ラストシーン | 菅田将暉 | ↑4 | ★ |
9 | 燃えよ | 藤井風 | ↓1 | |
10 | 大好物 | スピッツ | ↓1 |
1位争いは引き続きあいみょんとビッケブランカでしょう。これで5週連続で変わらない構図ですが、今週はいよいよ「次の1位候補」が上がってきましたね。そう、今週7位でトップ10入りした宇多田ヒカルさんの「君に夢中」です。今週7位からさらなるアップは確実で、3位か4位あたりまでは上げてくるのではないかと思います。おそらく、再来週は1位の有力候補になりますので、あいみょんvsビッケブランカの争いは来週が最後になるかもしれません。あいみょんが6連覇を決めるのか、それともビッケブランカが「5度目の正直」で首位を勝ち取るのか、来週も見ごたえのある争いになりそうです。予想は迷いましたが、私はビッケブランカの「北斗七星」を初の1位と予想しました。「夢醒めSunset」がさすがに圏外になりそうであり、ポイントが集中するのではないかとみました(前もこんなことを書いていた気がするが...)。4週連続で2位をキープしている安定感も高く評価しています。
初のトップ3入りを決めたマカロニえんぴつの「なんでもないよ、」は宇多田ヒカルさんとの争いですが、さすがに分が悪いでしょうか。1ランクダウンの4位と予想しました。岡崎体育さんの「おっさん」も同じく宇多田さんに押されて1ランダウンの5位。6位はLiSAの「明け星」がキープするとみました。8週目と時間が経っており、Aimerの「残響散歌」(「鬼滅の刃」の新主題歌)も入ってきたため、少し不利になってくるのではないかというのが私の予想です。ただし、大逆転で6位まで上げた勢いは立派なもので、「HADASHi NO STEP」のようにトップ5入りする可能性も十分にあります。7位は2ランクダウンでJUJUの「こたえあわせ」を予想。あっという間に4位まで上げたこの曲ですが、今週は壁にぶつかり初のダウンとなりました。来週は巻き返しを狙いますが、他の曲も強めで厳しい戦いと予想します。9位、10位はそれぞれ1ランクダウンで残留組。藤井風の「燃えよ」は14週目のトップ10を狙い、思いのほか下落が早かったスピッツの「大好物」はトップ10死守を目指します。
トップ10の入れ替わりですが、少なめの1枠としました。今週は優里の「ベテルギウス」が脱落、King Gnuの「BOY」も伸び悩みました。BE:FIRSTやAdoも頭打ちで、トップ10入り候補がグッと減ってしまった印象があります。そんな中、今週12位まで上げてきた菅田将暉の「ラストシーン」は当確の状況です。RADWIMPSとのコラボ曲「うたかた歌」以来、ソロでは「虹」以来のトップ10は目の前に来ています。2枠目があるとすれば、20位まで上げてきたUVERworldの「AVALANCHE」、それに今週は13位に甘んじてしまったKing Gnuの「BOY」などが狙ってくることになりそうです。
初登場曲予想(12/18)
「透明な世界」 | Little Glee Monster | 12/8リリースのCDシングル |
「一途」 | King Gnu | 12/29リリースのCDシングルより 12/10先行配信 |
「新呼吸」 | 三浦大知 | 12/8リリースの配信シングル |
「プラトー」 | サカナクション | 12/3リリースの配信シングル |
「クリスマスの夜に」 | GReeeeN | 12/22リリースのアルバムより 12/8先行配信 |
2021年のチャートも気付けば残すところあと2回となりました。レギュラープログラムの放送は来週がラスト。滑り込みでエントリーを決めてくるのは誰になるでしょうか。
CDシングルは12月8日組。1番有力なのはLittle Glee Monsterです。最新曲「透明な世界」はアニメのEDテーマ。この前はアルバム曲でもエントリーしてきましたから、かなり力を付けています。
配信組も見ていきましょう。「BOY」をリリースしたばかりのKing Gnuですが、さっそく次の新曲「一途」のリリースが決定。「劇場版 呪術廻戦0」の主題歌に起用されています。三浦大知さんの「新呼吸」は「みんなのうた」に起用された1曲。「みんなのうた」ということで非常に口ずさみやすいです。そしてサカナクションの「プラトー」。今週はなぜかエントリーしませんでしたが、え、さすがに入ってきますよね...?
大穴はGReeeeN。毎年1曲くらいは入ってくるんですよね...クリスマスソング。今年は何かないかなと思って探していたら、GReeeeNが22日にリリースするニューアルバムにクリスマスソングがあり、先行配信がスタートしていました。GReeeeNは前のアルバムでもアルバム曲が入ってきたので期待です。
それでは、今週もありがとうございました。また来週お会いしましょう!