J-AC TOP40  2021年5月29日付けチャート

Last-modified: 2021-05-30 (日) 13:47:12

2021年5月29日付けチャートを振り返っていきます。


今週のチャート

20210529.png




 

ニューエントリー

今週のニューエントリーは5曲でした。
ちなみに、初登場予想が的中した曲は5曲中3曲でした(よかったです。しかし39位は絶対に無理だ)。

  




39位 都心の窓から / 湧               

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初登場予想:×


  
 初エントリー。湧(ワク)さんは京都で活動する1999年生まれのシンガーソングライター。こちらは5月19日に発売されたミニアルバム「Train Pop」からの1曲です。京都のワンルームで猫と暮らしながら、主に宅録で音楽を作ってきたという湧さん。ワンルームから、様々な世界につながっていくような「物語性」の強い音楽を作っているそうです。

 J-AC TOP40は地元京都のアーティストを大切にし、インディーズシーンからも様々な音楽をチャートインさせてきました。何回も書いていますが、これは素晴らしいことだと思います。地元のアーティストを育てていくという気概を感じますからね。最近はくるり、10-FEETなどの常連組が上位で活躍しており、Homecomingsもメジャーデビューアルバムからリード曲がランクインしました。「京都枠」が広がっており、非常にいい顔触れになっていると思います。

 私自身は、申し訳ありませんが初めて聞くアーティストさんでした。まずはミニアルバム「Train Pop」を聴いてみて、ワンルームからの世界を感じてみたいと思います。




37位 STOP FOR THE NOTHING / FANTASTICS from EXILE TRIBE               

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初登場予想:×


  
 最近はLDH(EXILE系列)の復権が目立ちます。最近あまりエントリーできなくなっていましたが、先週はφmiさん、そして今週は彼らがエントリー。にわかに存在感が出てきましたね。こちら、FANTASTICSはEXILE TRIBEの中の1グループ。5月19日にリリースされた8枚目のシングルで、J-ACでは初エントリーだと思います。メンバーの一人、中尾翔太さんが22歳の若さで胃がんのため亡くなられたグループですね。私は中尾さんのことは知りませんでしたが、逝去のニュースには本当に胸がつまりました。22歳で胃がんとは、あまりに過酷すぎる。本人の無念を思うと、言葉がありません。

 貴重なメンバーを失った後も、「9人でFANTASTICS」というスタンスで活動している彼ら。初エントリーおめでとうございます。
 


34位 Another Great Day!! /  LiSA             

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初登場予想:〇


  
 今年1月の「dawn」以来4か月ぶり、通算4曲目のエントリー。「炎」が大ヒットになり、それ以来はすっかりJ-ACでも常連になったLiSAさん。あっという間に4曲目のエントリーですね。こちらはデビュー10周年記念のミニアルバム「LADYBUG」に収録された1曲で、先週はコメントゲストで番組に登場していました。そのかいもあり、アルバム曲ながらエントリーを決めています。

 この曲「Another Great Day!!」はB'zの松本さんとのコラボナンバーで、ハードなギターロックに仕上がっています。私は先週オンエアで聴いたときに一聴き惚れ。ぜひエントリーしてほしいと書いていただけに、予想通りエントリーしてくれたのは非常にうれしいです。アルバム曲ですが、どこまで頑張ってくれるでしょうか。5週以上は入ってほしいですね。




33位 怪盗 /  back number            

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初登場予想:〇


  
 J-AC最強格のアーティスト、back numberの新曲が入ってきました。エントリーは昨年10月の「エメラルド」以来7か月ぶり。5月24日、つまり今週の月曜日にリリースされたデジタルシングルで、ドラマ『恋はDeepに』主題歌。リリース週にエントリーしていますが、月曜リリース→土曜にエントリーという流れは前作「エメラルド」でも同じでした。というわけで、驚きはなく、まあ当然だろうというエントリーです。

 最近のback numberはリリースが控えめですね。2018年まではかなりの曲を送り込んでいましたが、2019年、2020年は1曲ずつ(「HAPPY BIRTHDAY」「エメラルド」)です。ただ、相変わらず強く、「HAPPY BIRTHDAY」は年間1位の金字塔、「エメラルド」は配信シングルながら16週、400ポイント超えという好成績でした。曲数を絞っている分、強さに磨きがかかっているような気がします。
 今作が1位を獲れるかというと、正直五分五分といったところでしょう。「1位候補」であることは間違いがありませんが、前から書いているようにライバルが非常に強力です。5月終わりから6月にかけては、あいみょん(CD)、星野源(CD)、米津玄師(CD)という最強の3組が控えており、back numberは彼らの間に割って入ることができるでしょうか。さらに髭男、BUMPなどとも上位を争うでしょうから、梅雨を吹き飛ばすような激熱なチャートバトルが繰り広げられることは間違いなさそうです。




30位 愛しい人 / SUPER BEAVER               

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初登場予想:〇


  
 昨年は4曲もエントリーする大活躍だったSUPER BEAVER。しかし今年はこれが初めて。昨年10月の「突破口」以来、こちらも7か月ぶりとなるエントリーです。5月19日にリリースされたシングルで、ドラマ「あの時キスしておけば」の主題歌。彼ららしい、直球のラブソングになっていますね。
 
 昨年は4曲エントリーし、「ひとりで生きていたならば」はトップ10内に4週というヒットになりました。しかし、その後の2曲は低迷しており、流れとしてはあまり良くないところです。今作はCDシングルですから、セールスポイントが加算され上位入りが期待されます。「ひとりで生きていたならば」以来となるトップ10入りをぜひ目指してもらいたいですね。7月7日には、早くも次のシングル「名前を呼ぶよ」のリリースが決定。こちらは映画主題歌ということで、大きなタイアップが続きます。7月に新曲が待っていることを考えると、この曲の主戦場は6月になりそうです。トップ10入りできるかどうかは、早い上昇ができるかどうかに懸かっているといえるでしょう。来週はランクアップすると思いますが、その上昇幅に注目です。




今週のチャートアクション



THIS WEEK'S No.1

ポニーテイルビッケブランカv8(2+5+1)15週目


 時計の針が巻き戻りました。ビッケブランカの「ポニーテイル」が中1週で首位に返り咲き、通算では8回目の1位となりました(v2+5+1)。
 1位を8回獲得した曲となると、昨年12月~今年1月にかけて8連覇したLiSAの「炎」以来となります(そんなに久しぶりじゃないですね)。しかし、凄いのは「1位に2回返り咲いた」ということでしょう。1位に2回返り咲いた曲となると、2018年12月に米津玄師の「Flamingo」(v2+2+2)が記録して以来、2年5か月ぶりだと思います。8回目の1位、そして2回目の返り咲きと、本当にすごい曲になりましたね。年間1位は「Universe」で確定かと思いましたが、現在はこの曲が猛追している状況でしょう。「Universe」が先にダウンし、この曲が上位に残るようならば、十分チャンスも出てきます。年間1位が早々と決まるようでは面白くありませんから、この曲にはできるだけ頑張ってもらい、「Universe」と張り合ってほしいですね。

 しかし、3月17日リリースの曲が5月29日にまだ1位ですか。他のアーティストには、それでいいのか?と言いたい気分です。
 


WELCOME TO TOP10

4位不思議星野源↑95週目



 星野源の「不思議」がエントリー5週目でトップ10入り。39位に初登場してから、26位、19位、13位と軽快にランクアップしてきました。CDのリリースが6月23日とまだ先であり、私の予想ではトップ10の下の方から少しずつ上げていくものと思っていました。しかし、一気に9ランクも上げ、いきなり4位という好位置に付けました。先週から結婚効果でリクエストが爆増しているようで、その影響もあったのでしょう。一気に4位まで上げたところをみると、将来的に1位を獲得することは99.9%確定でしょう。あるいはリリース前の1位ということも十分に考えられそうです。
 


最も順位を上げた曲

29位なないろBUMP OF CHICKEN↑112週目



 
最も順位を下げた曲

40位地球儀Aimer with Vaundy↓1010週目


最長エントリー

23週目35位泣き笑いのエピソード秦基博↓2
21週目5位UniverseOfficial髭男dism↓1
16週目20位勿忘Awesome City Club↓2
16週目22位桜が降る夜はあいみょん↓6

 

トップ10落ち

13位アオ10-FEET↓515週目10週

 

チャート詳細


31-40位


順位曲名アーティスト推移IN
31創造星野源↓514w
32たとえたとえ緑黄色社会↓510w
33怪盗back numbernew1w
34Another Great Day!!LiSAnew1w
35泣き笑いのエピソード秦基博↓223w
36HereHomecomings3w
37STOP FOR THE NOTHINGSFANTASTICS from EXILE TRIBEnew1w
38旅路藤井風↓813w
39都心の窓からnew1w
40地球儀 with VaundyAimer↓910w

 


 今週も初登場曲が下位に固まっています。最近はこの傾向が非常に強く、いきなり上位に飛び込んでくる曲がほとんど見当たりません。毎週30位台は非常に目まぐるしくなりますね。
 そんな30位台、初登場以外は6曲です。大ダウンは2組。ダブルエントリーの藤井風「旅路」はさすがに厳しく38位。しかし、今週でロングエントリーの13週に乗せ、見栄えはかなりよくなりました。Aimer×Vaundyは痛恨の9ランクダウンで40位。こちらも2ケタ10週目に乗せたのは大きな成果ですが、残念ですが今週まででしょう。
 「地球儀」と同じく2ケタ10週目となったのは緑黄色社会。「たとえたとえ」は32位にとどまり、自身初となる2ケタエントリーを記録しました。緑黄色社会は順調に力を付けており、素晴らしいと思います。次の曲あたりで大ヒットが期待できるのではないでしょうか。星野源の「創造」は5ランクダウンで31位。藤井風と同じくダブルエントリーですが、こちらは非常に安定しており、今週で14週目。「不思議」が大ヒットになりそうですが、先に配信されたこの曲も年間チャートの中位を狙えそうな状況です。Homecomingsの「Here」はランク変わらず36位。ええ...スマッシュブレイクでこれは寂しいですよ...(先月のにしなより低いじゃないですか...)。アルバム特集もあり、優遇されていると思ったら全く伸びない。これは非常に残念です。
 最後にロングエントリー。目まぐるしく変わるチャートの中で、秦基博の「泣き笑いのエピソード」はしっかりと35位をキープしました。これで23週目、下位でもしっかり粘りエントリーを伸ばしています。今週は長き渡り上位を争ったライバル、ヨルシカの「春泥棒」が35位からチャートアウトしてしまいました。それだけに、33位からしっかり粘ったこの曲の強さが際立ちます。


 

21-30位


順位曲名アーティスト推移IN
21Kura KuraTWICE↑73w
22桜が降る夜はあいみょん↓616w
23緑酒東京事変↓39w
24磁石aiko↓514w
25Chilly Chili SauceWANIMA↓26w
26Film outBTS↓18w
27ANSWER...SHADOWφMI↑22w
281995平井堅↑62w
29なないろBUMP OF CHICKEN↑112w
30愛しい人SUPER BEAVERnew1w



 先週40位初登場のBUMP OF CHICKEN「なないろ」は11ランクのジャンプアップで29位。さすが朝ドラ主題歌、まずはいい伸びをみせました。早ければ、再来週(4週目)にもトップ10入りが狙えそう。朝ドラは最強のタイアップですから、この曲にもブーストがかかっていくでしょう。
 アップ曲は他に3曲。先週初登場34位の平井堅「1995」は28位。アルバム曲ですからまあこんなところでしょう。この曲のMVは本当に意味が分からないです。曲も意味が分からないですが、それ以上に意味が分からない。何ひとつ分からない笑 しかし、妙に癖になる1曲だと思います。面白い曲をリード曲にしましたね。7ランクアップで21位に付けたのはTWICEの「Kura Kura」。普通なら順調としたものですが、いつもはすぐにトップ10入りするTWICEですから、これは「不調」と書きたくなりますね。NiziUに勢いを奪われているのでしょうか...?トップ10入りは疑っていませんでしたが、確実とはいえなくなってきました。来週一気に上昇できないと怪しくなってきます。φMIの「ANSWER...SHADOW」は27位(圏外になると思っていた人は正直に手を挙げましょう。...はい)。無事にランクアップを果たし、これでLDH系列から2組目のエントリーとなっていますね。
 ダウン曲を見ていきます。あいみょんの「桜が降る夜は」は6ランクダウン。さすがに下がり幅が大きく、厳しめになってきました(それが普通ですが)。aikoの「磁石」は5ランクダウンの24位。24位というのは初登場の時と同じ順位で、それ以来の20位台です。その間、13週にわたってトップ20をキープしていたわけですから、改めてすごい安定感だったことが分かります。
 その他は小幅のダウンですか。先週再再浮上の東京事変の「緑酒」は23位。3ランクダウンしていますが、中位で健闘しており立派です。BTSの「Film out」も今週は踏みとどまりました。1ランクダウンの26位にとどめ8週目。ヒットはなりませんでしたが、2ケタは入らないと最低限の格好がつきません。今週の粘りは大きく、2ケタは見えてきそうですね。WANIMAの「Chilly Chili Sauce」は2ランクダウンで25位。先週大ダウンの分、さすがに今週は踏みとどまりました。しかし今週はまだ6週目。それでこの位置というのは寂しくなる成績です。
 

11-20位


順位曲名アーティスト推移IN
11はしりがきマカロニえんぴつ7w
12閃光[Alexandros]↑54w
13アオ10-FEET↓515w
14もう少しだけYOASOBI↑83w
15ただいま手嶌葵↓314w
16Ado↑54w
17Take a pictureNiziU↓39w
18Cry BabyOfficial髭男dism↑64w
19Eden through the rough西川貴教↓45w
20勿忘Awesome City Club↓216w

 


 10位台です。まずはアップ組から。髭男の「Cry Baby」ですが、今週もジャンプアップはならず18位。37位に初登場して、1度もジャンプアップがないとはさすがに予想できませんでした。順調に上げてはいますが、これまでの曲とは異なり、随分まともな上昇幅になっています。これはやはり「Universe」のトップ10残留効果でしょう。 対照的に順調なのはYOASOBI。2週連続のジャンプアップと非常に好調で、3週目であっという間に14位に付けました。こちらはダブルエントリーもなく、来週のトップ10入りは間違いがなさそうです。そして16位はAdoの「踊」。いやあ、非常に元気がいいじゃないですか!こういった新顔が10位台に上がってくるのは面白く、盛り上がります。トップ10も見える位置に付け、ここからが真の勝負どころです。Adoはトップ10で踊れるか!?来週は真価の問われる週になるでしょう。
 12位は[Alexandros]の「閃光」。私は10位に予想していましたが、惜しくも12位にとどまりました。とはいえ、順調に上昇しており、トップ10の下位は弱っているという状況ですから、まだ上がり目はあるでしょう。久しぶりのトップ10入りは、来週に期待したいと思います。そんなアレキをかわし、11位をキープしたのはマカロニえんぴつ。さすがにトップ10返り咲きはなりませんでしたが、1ランクも下げなかったのは非常に立派です。これで7週目ですが、10位台が多く、自己最高成績は確定ですね。順調に力を付けており、応援している身としては非常にうれしいです。
 次は粘っている人たち。手嶌葵の「ただいま」は安定感を発揮し15位。キヨピーさんが「幸福」にこの曲を挙げるくらいですから、そりゃあなかなか順位は下がりません笑 今後もかなり頑張りそうですね。NiziUの「Taka a picture」は17位。なんと、TWICEに順位を抜かされないという強さをみせました。今週で9週目、気付けば立派な数字であり、もしかするとロングエントリー(13週)も狙えるかもしれません。西川貴教さんの「Eden through the rough」は19位まで下げましたが4週目の10位台。トップ10はなりましたが、ここ最近の曲と比べるとかなりの健闘ぶりです。
 トップ10落ちは1組で、「元・4強」の一角である10-FEETがついにトップ10を去りました。トップ10の下位で踏ん張っていましたが、5ランクダウンの13位と大きく下げてしまい、力尽きてしまった感があります。とはいえ、トップ10は10週と素晴らしい成績でした。昨年の「シエラのように」は5週でしたから、単純にその倍という好成績です。年間チャートでは、久しぶりに上位にランクインすることとなるでしょう。


トップ10


順位曲名アーティスト推移IN(うちトップ10)予想結果
1ポニーテイルビッケブランカ↑115w(14)2
2Baby, it's youYUKI↓111w(8)1
3きらり藤井風↑74w(2)8
4不思議星野源↑95w(1)9
5UniverseOfficilal髭男dism↓121w(19)5
6紫の夜を越えてスピッツ9w(7)7
7I Love Youくるり↓410w(6)4
8RenegadesONE OK ROCK↓36w(5)6
9One Last Kiss宇多田ヒカル↓211w(10)×
10愛を知るまではあいみょん↓15w(2)3△(衝撃的)



 今週のトップ10は非常に刺激的でしたね。入れ替わりは1組でしたが、トップ5に2枚替えがありました。まず、3位まで上げてきたのは藤井風。これには驚いた方も多いでしょう。前にも書いたように、これまでのトップ10(3曲)は全て6位以下でした。ですから、今作も6位~10位の間を行ったり来たりするのではないか、というのが私の予想でした。それが、先週10位から一気の7ランクアップで3位!自己最高位を一気に更新し、初のトップ3入り。完全に一皮むけた動きで、これで「1位候補」に名乗りを上げました。6月は強い曲が多く、さすがに藤井風の1位は厳しいかと思っていましたが、今週3位まで上げたのなら全く話は別です。今週は最大のライバルがまさかの失速をしてしまったこともあり、来週は1位が狙えるかもしれません。藤井風にとっては最大のチャンスが来たといえるでしょう。
 その「まさかの失速」をしたのはあいみょん。新曲「愛を知るまでは」は今週がリリース週。それが、「先週9位からダウン」、この結果を予想できた人は世界に一人もいないでしょう(力強く断言します)。順調に上げてきたCDシングルが、リリース週にダウンするというのは滅多にないことです。2位から3位にダウンするようなことならたまにありますが、9位というトップ10内の下位からダウンするのは極めて異例で、ちょっと過去に記憶がありません。私はこの曲が入ってきたとき、「早すぎる」「チャートが壊れる」とボロクソに批判してしまいました。「どうせすぐ1位になる」とヤケクソに放言していたのですが、なんだか予想を裏切る展開になってきましたね。「桜が降る夜は」とのダブルエントリーの影響で下げたのかと思いましたが、あっちも今週は6ランクと大きく下げています。つまり、あいみょんは今週2曲とも下げてしまった。これは、かなりの異変といえるでしょう。もしかすると、スタッフさんからのプッシュポイントが絞られたのかもしれませんね(これまで強すぎたから)。私としては、この動きは歓迎です。何度も書きますが、「予定調和」の1位よりも、激しい上位争いの方が絶対に面白いですから。とはいえ、来週はセールス加算週ですから、間違いなく大きく上げてくるでしょう。
 先週悲願の1位を獲得したYUKIは1週天下。15週目の「ポニーテイル」にまくられるとは残念ですが、気付けばこちらも11週目と大分長くなっています。1週天下は残念ですが、1位に名を刻んだことは非常に大きく、後は年間の順位上げのために少しでも頑張ってもらいたいと思います。「元・4強」はいまだに3組がトップ10内に残留。15週目で1位に返り咲いた不死鳥のような「ポニーテイル」と、21週目でいまだにトップ5をキープする化け物の「Universe」、そして宇多田ヒカルの「One Last Kiss」はトップ10を10週の大台に乗せました。宇多田さんのトップ10内2ケタは2019年の「Face My Fears」以来。2020年はやや精彩を欠きましたが、2年ぶりにしっかりと大ヒットに戻したのはさすがです。
 7位・8位はトップ5から大きくダウン。一時は2位まで上げたくるりですが、やはりアルバム曲ということが響いているのかじりじりと後退。ONE OK ROCKの「Renegades」は5位まで上げ、2週キープしたことは立派でしたが、もうひと伸びがありませんでした。この2曲はトップ10の残留に黄色信号が灯ったといえるでしょう。


 

さよならトップ40


先週39位「Sha・la・la・la」宮本浩次 
IN【1】TOP10【0】HIGH【39】



容赦ないね最近のチャートは

 これは驚きました。番組終盤になるまで、誰がチャートアウトしたのか分かりませんでした。実績のない若手アーティストが1~2週で消えることはよくありますが、この人を誰だと思っているんですか。昨年2曲が年間入りした宮本浩次さんですよ。これはビックリ。以前もsumikaが40位から1週でチャートアウトしましたが、それに続く衝撃の出来事となりました。2組に共通することがあって、それは「CDシングルの先行配信で早くからエントリーした」ということです。以前だったら、そこから少しずつ上げていく、というのが定番でした。しかし、最近はそうはいかない。ポイントが足りないようなら、大物でも容赦なくチャートアウトさせられるという傾向がこれではっきりと分かりました。最近のJ-ACは下位の入れ替えが非常に激しく、エントリーしたからといってチャートに定着できるとはまったく言えない状況です。忖度なしに、「ガチ」でやっている感じがしますね。下位には非常に「緊張感」があります。

 さて、1週でチャートを追い出されたsumikaと宮本浩次さんは果たしてチャートに戻ってこれるのか。私はさすがに戻ってくるとみています。CDシングルですから、さすがに...ね。


先週38位「永遠の不在証明」東京事変 
IN【5】TOP10【0】HIGH【27】



 奇跡のリエントリーを果たしたこの曲がチャートを去りました。なんたって、リエントリーは4年以上なかったですからね。リエントリーした時の興奮といったらありませんでした。あの興奮を味わわせてくれただけでも、この曲の功績は計り知れないと思います。
 ただし、チャート成績自体はパッとしませんでした。最高27位の5週というのは、昨年の最高15位、8週を大きく下回る成績です。東京事変はもう1曲「緑酒」がエントリーしており、てっきりこの曲と入れ替わってくのかと思いきや、まさかの入れ替わらず、「緑酒」の方が強いという展開になりましたね。逆にいうと、「緑酒」の方はダブルエントリーにもかかわらず、2回も再浮上し、20位前後で非常に頑張っているといえます。昨年2020年は尻すぼみだった東京事変ですが、今年は奇跡のリエントリーにダブルエントリー、2回の再浮上と素晴らしい活躍を見せてくれています。ちなみに、来月6月のマンスリーピックアップも椎名林檎さん(東京事変)に決まりましたね。流れとしては非常によく、もしかすると「緑酒」はまだまだ頑張ってくれるかもしれません。


先週37位「Presence I(feat.KID FRESINO)」STUTS&松たか子 with 3exes 
IN【5】TOP10【0】HIGH【31】



 毎週曲名とアーティスト名を手打ち入力するのが大変だった曲でした(すみません)。最近はやっと何も見ずに入力できるようになりましたが、慣れたころになってチャートアウトです。オール30位台の5週と、ドラマ主題歌にしては振るわない成績でした。松たか子さんはおそらく朝ドラ主題歌「明日はどこから」以来のエントリーでしたが、久々の上位進出とはなりませんでしたね。
 ちなみに、この曲からの派生曲「Presence Ⅱ」が5月26日から配信スタートになっています。ドラマのエンディングで用いられたそうで、参加アーティストやアレンジが少し異なるようです。「Presence Ⅱ」もJ-ACに入ってきたら驚きますが、さすがに可能性は低いと思います(ほとんど同じ作りですから)。


先週35位「春泥棒」ヨルシカ 
IN【19】TOP10【9】HIGH【1】



 本当にお疲れさまでした。2月に3連覇を獲得した偉大なこの曲がチャートを去りました。今週残っていれば20週の大台で、非常に悔やまれるところがあります。しかし、トータル19週も立派な記録には違いありません。素晴らしい活躍をしてくれたと思います。
 昨年、「花に亡霊」で初の1位を獲得したヨルシカ。この曲は、「花に亡霊」からさらに成績を上げ、ヨルシカの実績を確かなものにした1曲となりました。「花に亡霊」と成績を比べると、トップ10は10週→9週とわずかに減少しましたが、トータルは17週→19週、1位は1週→3週に増加しました。その結果、トータルポイントは「484」から「???」へ。おっと、これはネタバレになるので書けませんね笑
 どちらにせよ、「花に亡霊」から成績を上げ、大きな飛躍を遂げたことは間違いがありません。「花に亡霊」は年間13位でしたが、この曲はそれと同等、あるいはそれ以上の成績が狙えそうです。普通なら年間トップ10入り間違いなし!と書きたいところですが、今年は上位陣のレベルが非常に高いんですね。ですから、どうなるかは正直分かりません。


先週32位「HOURGLASS」UVERworld 
IN【10】TOP10【4】HIGH【7】



 先々週8ランク、先週は7ランクと大きく下げていたこの曲。後ろはあと8つありましたが、こういうタイプの曲は粘れません。あえなくチャートアウトとなってしまいました。
 とはいえ、トータルは2ケタに乗せ、トップ10は4週に乗せる好成績でした。UVERworldとしてもかなりの自信作だったようですが、ある程度それに見合うような成績になったと思います。最近の3曲は、トップ10内が3週、1週、1週という推移でした。今作は4週にまで伸ばしたわけですから、健闘ぶりが光ります。
 さすがに年間入りできるような成績ではなく、ポイント的には年間50位前後が濃厚でしょう。年間チャート41位~50位にランクインできれば、番組で紹介してもらえることになります。私としても、非常にいい曲だと思いますので、なんとか年間50位以内に食い込んで欲しいところです。




来週の展望


トップ10予想

順位曲名アーティスト推移TOP10入り
1きらり藤井風↑2
2ポニーテイルビッケブランカ↓1
3不思議星野源↑1
4愛を知るまではあいみょん↑6
5Baby, it's youYUKI↓5
6UniverseOffcial髭男dism↓1
7紫の夜を越えてスピッツ↓1
8もう少しだけYOASOBI↑6
9閃光[Alexandros]↑3
10I Love Youくるり↓3

 
 来週の見どころはなんといっても1位争い。ここ最近にはない、非常に熱い争いが見られそうです。恐らくビッケブランカ・藤井風・星野源の三つ巴になり、この3曲がトップ3だと思います。7ランク上げて3位の藤井風と、9ランク上げて4位の星野源。こうやって一気に上げてきた曲は久しぶりで、ワクワクするものがあります。この中で誰を応援するかって...?そりゃあ、藤井風です!3位まで上げてきた勢いを買い、私としては1位に全力で推したい。1位を獲得すればもちろん初めてで、LiSA以来の「初1位アーティスト」となります。この曲は、曲もMVも非常にかっこいい。藤井風さんがバイクで疾走し、キレのあるダンスを披露するMVにはハートを撃ち抜かれてしまいました。乗るしかない、このビッグウェーブに。来週は本当に、心から期待して待ちたいと思います。
 今週まさかのダウンとなったあいみょんですが、来週はセールス加算週ですからさすがに上げてくるでしょう。ただ、一気に1位という曲ではなくなったでしょうか。今週ダウンしたことも加味して4位という位置に置きました。もちろん1位の目も十分に残っており、6月の1位争いの一角に加わることは間違いないと思います。
 5、6、7、10位はダウン曲。1位まで上り詰めたYUKIさんですが、マンスリーピックアップも終了し、さすがにトップ3のキープは難しそう。長きに渡りトップ5をキープしてきた「Universe」ですが、下からの突き上げが激しく、同じくキープは難しそう。安定しているスピッツは引き続き堅く7位、くるりはぎりぎりで踏みとどまり10位と予想します。
 トップ10の入れ替わりは2組。1番手はYOASOBIの「もう少しだけ」で、これはほぼ間違いなし。2週連続のジャンプアップと勢いがよく、ダブルエントリーもありません。今年3曲目のトップ10入りに死角はないでしょう。2組目は[Alexandros]の「閃光」を予想。今週は12位に止められましたが、トップ10の下位は弱っており、さすがに抜かしてほしいところ。新たなドラムスも加わり心機一転、ここはそれに相応しい成績を期待したいと思います。3番手はOfficial髭男dismの「Cry Baby」となりそうですが、これはくるり・アレキとのトップ10争いになるでしょう。普通ならすぐにトップ10入りとしたものですが、やはり「Universe」に頭を押さえ付けられているのが痛い。私は11位~12位と予想します。その他注目はTWICE、そしてAdoです。日本シングルではトップ10入りが鉄板だったTWICEですが、今作は出足が鈍い。来週はジャンプアップしてトップ10付近に付けたいところです。J-ACで異色の存在感を放つAdoは16位からさらに浮上ができるか。ライバルが多く、ここから上がるのは簡単ではなさそうですが、いい意味で予想を裏切るような、ハードパンチを期待したいと思います。

 

初登場曲予想(6/5)


「Pale Blue」米津玄師6/16リリースのCDシングル、5/31先行配信
「ディスタンス」flumpool5/26リリースのCDシングル
「八月の陽炎」マカロニえんぴつ5/28リリースの配信シングル
「モーニンググローリー」岡崎体育×木村昴5/26リリースのアルバムより
「Love Buds」さとうもか5/26リリースのCDシングル、メジャーデビュー

 新たな1位候補が登場しそうです。米津玄師の新曲「Pale Blue」は6月16日リリースですが、5月31日から先行配信が決定。これは速攻で入ってくる雰囲気がありますね。米津さんといえば、3年連続で年間チャートでトップ10入りしています(「Lemon」「馬と鹿」「感電」)。まさに最強アーティスト。1位争いが本当に楽しみです。
 その他の曲は入ってきたら紹介します。一番下のさとうもかさんはメジャーデビューシングル。個人的にすごく気に入っているので、J-ACにもぜひ発見してもらいたいところです。

 それでは、今週もありがとうございました。また来週お会いしましょう!