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ハシビロコウ
ジーッ…
リカオン
あれからずっと張り込んでますけど、
誰も来ませんね…
ハシビロコウ
慌てず、慎重に待つんだ
ホシは必ず、姿を見せる
リカオン
（ハシビロコウさん、迫真の演技ですね
張り込む姿が似合ってます）
リカオン
（でも、お話の流れとしては本当は
ホシを追いかけているはずなんですよね）
リカオン
（だから、どれだけ待ってみても
ホシは絶対現れないんですよ…）
ハシビロコウ
…………
リカオン
（おっと、次は私のセリフでした
先輩刑事と仲良くなっていくシーンです）
リカオン
…先輩、ひとつ聞かせてください
いつもそんな感じなんですか？
ハシビロコウ
…どういう意味だ？
リカオン
なんだか先輩、わざと怖い目をして
みんなを遠ざけているように見えます
リカオン
もっと私を頼ってください
みんなと連携を取れば、事件だってすぐ──
ガサガサッ！
ハシビロコウ
ムっ！？
リカオン
え？ なんですか…？
リカオン
もしかしてですけど…
また何か見つけちゃったんですか…？
ハシビロコウ
静かに…何者かがいる気配がする
ホシが現れたのかもしれない
リカオン
（『ホシが現れた』？
マーゲイさん、また台本と違いますよ！？）
マーゲイ
でも、草むらには本当に誰かいるみたい…
リカオン、そのまま流れに合わせちゃって！
リカオン
（え～！？）
リカオン
えっと、くんくん…たしかに誰かいますね
セルリアンの匂いではないようですが…
リカオン
先輩、私はこっちから行きます
先輩は向こうから回ってください
ハシビロコウ
動くな！ まだ早い
リカオン
え？ …うわわっ！
ドシーン！
？？？
っ！？
ガサガサッ…
リカオン
痛った～…
ハシビロコウ
大丈夫か、リカオン
ずいぶん派手に転んだな
リカオン
す、すみません…
私は大丈夫ですが…
リカオン
くんくん…やっぱりですね
今の音でホシを逃がしてしまいました…
ハシビロコウ
気にするな 手がかりはある
ハシビロコウ
見ろ どうやらホシは
この石を落としていったようだ
リカオン
よく気が付きましたね…
ハシビロコウ
ずっと見ていたからな
俺は些細なことも見逃しはしない
リカオン
でも、なんの石なのでしょうか？
普通の石と違ってキラキラしてますが…
ハシビロコウ
…あいつなら知っているかもしれないな
リカオン
あいつ？
ギンギツネ
あ、あら、ハシビロコウじゃない
今日はどうしたのかしら？
