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オオアリクイ
ヒメー！ どこだー！
ヒメー！！
オオアリクイ
──もどかしいな
早くヒメと助手を見つけねばならぬのに
オオアリクイ
街中に立ち込める香しい匂いのせいで
鼻がまるで利かぬ…
アフリカオオコノハズク
ふたりを探すより
チョコ泥棒の方を何とかするのです
アフリカオオコノハズク
道行くフレンズの数も
さっきより増えているのです
アフリカオオコノハズク
このまま地道に探すにしても
時間がかかりすぎてしまうのですよ
オオアリクイ
しかし、チョコ泥棒の正体は
まだ分からないのだぞ？
アフリカオオコノハズク
いえ、確かに正体は不明ですが…
ヒントならあったのです
オオアリクイ
ヒント？
アフリカオオコノハズク
まず、チョコ泥棒は誰が手作りチョコを
持っているかを正確に把握しているのです
アフリカオオコノハズク
たくさんの匂いが立ち込めるこの街で
匂いをたよりに何かを探すのはとても難しい
アフリカオオコノハズク
にもかかわわず、犯人は
いとも容易くチョコを盗んでしまうのです
オオアリクイ
なるほど、言われてみれば奇妙だ
オオアリクイ
しかし、そうなると犯人はどうやって
手作りチョコの有無を…？
オオアリクイ
！！ そうか、わかったぞ！
オオアリクイ
犯人はジャパリカフェ夜市支店を
常に見張っていたのだ！
オオアリクイ
見せに来るものがいれば
誰が手作りチョコを作るかも分かる！
オオアリクイ
そして手作りチョコが出来上がったのを
見計らって、被害者からチョコを──！！
アフリカオオコノハズク
では、クロサイの場合はどうですか？
アフリカオオコノハズク
あの子はオオセンザンコウに依頼して
チョコの材料をこっそり調達していたのです
オオアリクイ
…………むぅ
アフリカオオコノハズク
さらに言えば、クロサイが奪われたのは
チョコの材料でした
アフリカオオコノハズク
手作りチョコですらないのです
オオアリクイ
なのに、奪われた
ううむ…………ううううむ…………
オオアリクイ
分からぬ…なぜ材料しかもたなかった
クロサイが被害に遭ったのだ…？
アフリカオオコノハズク
考えが行き詰ったときは
視点を変えてみるのですよ
オオアリクイ
というと？
アフリカオオコノハズク
盗まれた二つの物の違いについてではなく
これら二つの共通点を考えるのです
オオアリクイ
共通点…？
チョコレートであること以外のか？
アフリカオオコノハズク
あるでしょう
ひとつの大きな共通点が
オオアリクイ
──どちらのチョコも、大切な誰かに
プレゼントするために用意されたものだった
アフリカオオコノハズク
そうです
ですから、こんなふうに考えてみるですよ
アフリカオオコノハズク
チョコ泥棒が真に狙っていたのは
チョコレートの方ではなく…
アフリカオオコノハズク
チョコに込められた
気持ちだったのではないか、と
オオアリクイ
込められた、気持ち…？
アフリカオオコノハズク
そう、奪うチョコがどんな形をしていようと
犯人には関係なかったのです
アフリカオオコノハズク
チョコに込められた想いを奪えさえすれば
それでよかったのですよ
オオアリクイ
だが、一体何のために？
それに…
オオアリクイ
チョコに想いが込められていることを
犯人はどのようにして知るのだ？
アフリカオオコノハズク
お前のその問いに対しては
「わからない」としか答えられないですね
アフリカオオコノハズク
しかし、そのようなことができる存在なら
我々は既に知っているのです
オオアリクイ
知っている…？
アフリカオオコノハズク
目や鼻に頼らず、チョコに込められた
想いだけを正確に狙うことができる連中
アフリカオオコノハズク
つまり…チョコに宿った
輝きを狙うヤツらのことです
アフリカオオコノハズク
お前も、よく知っているはずですよ
オオアリクイ
──なるほど、そういうことか
アフリカオオコノハズク
そういうことです
まだ仮説に過ぎないですが
アフリカオオコノハズク
…とりあえず、確かめてみるのです
