概要
PS2『ラスト・エスコート ~深夜の黒蝶物語~』での主人公のセリフ。
動画初出は「部長のラスト・エスコート【実況プレイ】 その3」だが、注目されだしたのは「その6」またはそれ以降から。
(24:01~)
主人公「煮毛 毛毛」の初の給料日である4月末。
貯金残高の確認のために銀行を訪れた毛毛は、「ロト3」なる宝くじを1枚だけ購入してみることに。
1口とはいえギャンブルに手を出していられる立場ではないのだが、ホストクラブ通いに比べれば大した問題ではないし、番号発表と翌月分の購入は毎月末の恒例になっていく。
この直後、初月の収支結果が公開され、129,000円の黒字を達成。
「黒字でよかった。来月はもっとがんばって貯金するわ。」
のセリフはここで初登場となったが、ゲーム開始直後で支出も控えめだったこの時点では、誰の目に留まらない、何ら変哲もないテキストであった。
宝くじ
このゲームにおける宝くじとは、任意の3桁の数字を選び、当籤*1番号と一致した桁数に応じて等級(1等~3等)が決まる、「ナンバーズ3」に似た宝くじである。
例えば、「123」が当籤番号のとき、「213」なら3のみ一致するため3等。「312」だとはずれ。
(ただし当籤番号は等級ごとに異なるようで、複数の等級に同時当籤することはないと思われる)
等級 | 当籤金額 | 当籤確率*2 |
---|---|---|
1等(3桁一致) | 20,000,000円 | 1/1000(0.1%) |
2等(2桁一致) | 5,000,000円 | 30/1000(3%) |
3等(1桁一致) | 100,000円 | 300/1000(30%) |
番号の発表は購入の翌月末。
1口500円とあるのだが、ゲーム中ではなぜかその分が口座より引かれておらず、実質タダで引けてしまう。
注目のきっかけ
(10:50~)
あ……当たってる!
6月末の当籤番号発表時のこと。
「214」で購入していたくじが、2等「216」と2つ一致。500万円が当籤する。
貯金100万円+月のバイト代20万円前後でやりくりしていた所に、いきなり5倍近い臨時収入である。
ちょっとした事件だが、毛毛は一言驚くのみで他にリアクションもなく、収支報告画面で
「黒字でよかった。来月はもっとがんばって貯金するわ。」
と、前月までとまったく同じセリフにツッコミが集まった。
……が、これはほんの序章に過ぎなかったのである。
黒字ラッシュ
7月(6月購入分)
(14:36~)
あ……当たってる!
翌月、今度は3等の10万円が当籤。
アルバイトの月収を考えればこれでも十分な大金である。
9月(8月購入分)
(18:41~)
あ……当たってる!
再び2等500万円を的中。宝くじの当籤率の異常さが注目され出したのはこのあたりである。
ナニフツウ「これが義人モードなのか…」
11月(10月購入分)
(19:07~)
あ……当たってる!
ナニフツウさんに縁の深い数字「089」を購入したところ、なんと1等が的中。
2000万円を手にし、預金残高は約3600万円となった。
数字の妙も手伝い、あまりの強運を疑った視聴者からリアルバグ疑惑すら持ち上がった。
12月(11月購入分)
(7:23~)
あ……当たってる!
翌月末、まさかの2ヶ月連続で1等2000万円を的中。
わずか2ヶ月で4000万円を得たことでもはや資金繰りにブレーキをかける必要はなくなり、景気よくボトルを全種購入*3してしまう。そして目当てのホストである彬を店内ランキング1位へと押し上げた。
まとめ
以上は抜粋だが、宝くじは終始このような調子。
ゲーム終了までの1年間の宝くじの結果の一覧が以下である。
購入月 | 購入番号 | 結果 | 累計黒字(宝くじ分のみ) |
---|---|---|---|
4月 | 222 | はずれ | ¥0 |
5月 | 214 | 2等 | ¥5,000,000 |
6月 | 728 | 3等 | ¥5,100,000 |
7月 | 000 | はずれ | ¥5,100,000 |
8月 | 852 | 2等 | ¥10,100,000 |
9月 | 624 | 2等 | ¥15,100,000 |
10月 | 089 | 1等 | ¥35,100,000 |
11月 | 427 | 1等 | ¥55,100,000 |
12月 | 294 | 2等 | ¥60,100,000 |
1月 | 642 | 1等 | ¥80,100,000 |
2月 | 000 | 2等 | ¥85,100,000 |
あ……当たってる!
最終的に、わずか1年間で約8500万円もの超大黒字を叩き出してしまった。
1等を2月連続で当てた辺りからは当籤が前提といった雰囲気になっており、2月末にはナニフツウさんに「この瞬間が一番楽しみ」とまで言わしめた。
主人公は高校卒業後2年間進学も就職も結婚もせず、両親に懇願されてようやくアルバイトを始めたと思ったら同時にホストクラブに通いだすという、人生の先が思いやられる設定。
この点は当初からナニフツウさんや視聴者のツッコミポイントとなっていたが、そんな不安を一瞬で消し飛ばす度を越した豪運ぶりには、笑いと困惑の入り混じったコメントが多く寄せられた。
そして、これだけの荒稼ぎをしているにもかかわらず、毎度毎度決まって「黒字でよかった。」という一言であっさり済ませてしまう毛毛の可笑しさに注目が集まり、コメントで徐々にテンプレート化していった。
解説
ナニフツウさんの1等・2等の当籤数は、確率だけを考えるとどう見ても異常である。
しかしこれは得意のリアルバグを誘引したわけではなく仕様。
このゲームでは、主人公の運のレベルで、何等にどれくらいの確率で当たるかが前もって決められている。
動画での最終ステータス(3月4日時)である運LV9近辺を例に取ると、下に示した表のようになっている。
運LV | 1等 | 2等 | 3等 |
---|---|---|---|
LV7 | 12% | 53% | 62% |
LV8 | 15% | 66% | 74% |
LV9 | 20% | 79% | 86% |
LV10 | 25% | 92% | 98% |
(出典:『ラスト・エスコート~深夜の黒蝶物語~公式ビジュアルファンブック』(エンターブレイン))
※各Lvごとの1等~3等の合計が100%以上となっているのは、まず1等とするか否かの分岐があり、もし1等としないなら2等とするか否かの分岐があり…というフローになっているからだろうか(1回の分岐で1等~3等およびはずれが決まるわけではなさそう)。
運は何かしらのアルバイトをしていれば必ず上がり、かつ下がることはないため、普通にプレイしていれば、ゲーム後半ではかなりの確率で2等以上が当たる。
月収をはるかに上回る当籤金を得ていたため「働く必要がない」と言われ続けていた毛毛ちゃんだが、その強運もアルバイトの賜物だったというわけである。
余談
このゲームにおける宝くじの設定では、1口ずつ連番で全通り(1000口)購入しても50万円。簡単に元を取ることができてしまう。前述の通り宝くじの購入金額が口座より引かれないことも考えれば、金をばらまいているようなものである。
現実には、このような買う側が必ず大儲けする宝くじなど絶対に成立しない。ギャンブルは胴元が強いからこそ成立するのである。
ちなみに、(現実の)宝くじ「ナンバーズ3」の「ストレート」*4の当籤金額は約10万円*5。1000口購入した際の費用が20万円(一口200円)であることを考えれば黒字どころか大赤字。毛毛並みのラッキーを連発したとしても、ホストクラブで全部のボトルを入れ続けたり、ましてや働かずに暮らせるほどの儲けなど望むべくもない。
使用例
経営要素のあるゲームで黒字を達成したときのほか、ギャンブルまたはそれに類するイベントで勝ちを収めるなどして、所持金が増えた時に使われている。
努力を伴わないあぶく銭の意味を強調するためか、「^^」がついていることが多い。