大人ナエギリ番外編 年越しは福蕎麦

Last-modified: 2014-11-09 (日) 00:35:12

霧「年末はダイナマイトよ。これは譲れないわ」
苗「…僕、紅白見たかったんだけど」
霧「録画でもしておきなさい。私はリアルタイムでの勝負が見たいの」
苗「普通、リアルタイムで見るのは往く年来る年じゃないかな…」

 

霧「それより苗木君。そろそろ茹で始めないと、年越しに間に合わないわ」
苗「なんで自分の家なのに、満足にテレビも見られないんだろ…」
霧「私は温かい方が食べたいわ。蕎麦湯は捨てないでね」
苗「はいはい…じゃ、僕も温かい方でいいかな。分けるのめんどくさいし」

 

 グツグツグツ トントントン

 

苗「…っていうか霧切さん、自分の家で年越せばいいのに」
霧「薬味のネギは多めにお願いね」
苗「そしたらお互いに好きなテレビ見られるし」
霧「……あなた、まさかこのエビ天なんて、入れるつもりじゃないでしょうね」
苗「こうやって年越し蕎麦の好みで口論することもないし」
霧「好みじゃないわ。天麩羅なんて年越しには邪道なのよ。これは没収よ」
苗「僕の話も、相変わらず聞いてくれないし」
霧「あなたの小言を隣で聞きながら、一緒に年を越したかったの」
苗「こたつも占領しちゃうし、大掃除もろくに出来な……、え?」

 

霧「あ、いいお酒があるじゃない。熱燗にしましょう」
苗「今、なんかすごい爆弾発言を聞き逃してしまった気が…」
霧「あら、私は何か特別なことを言ったつもりはないわよ?」
苗「そ、そうなの…?」
霧「信州信濃の新そばよりも、私はまことのそばが良い…ってね」