「そういえばクリスマス、霧切さんはどうするの?」
「……そうね、特には決まって……いえ、一つ決まってたわね。」
「へえ、いったいなにをするの?」
「……食べるのよ。」
「食べるって、七面鳥とか?用意するの大変そうだね。」
「……そうでもないわ、きっと自分からネギしょって来てくれるでしょうし」
「ネギって、鴨じゃないんだから。」
……そんな会話があったのは一昨日だったっけ。
そもそも、なんで僕は縛られてるんだろう。
夕方、学園で開かれるクリスマスパーティに行くための待ち合わせで
霧切さんの部屋の扉を開けたことまでは覚えてる。
……そして気づくと縛られてベットに横たわっていた。
超能力とか超スピードとかそんなちゃちなもんじゃねぇ、
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったみたいだ。
というかなんで目の前にいる霧切さんは
嬉しそうに服脱ぎだしてるの!、僕何されるの!?
「あ、あの霧切さん、これはいったい?」
「あら、忘れたの苗木君?食べるって言ったでしょ。」
「えっと、そのナニを食べるんでしょう?」
「……クリスマスに男と女、後は分かるわね?苗木君」
……そうか、食べられるのは僕だったのか…………