彼と私は未だに友達以上恋人未満の関係である。
私は間違いなく彼が好きなのだけれど、彼はどう思っているのかしら?
私の推理によれば…多少主観が入っていることを差し引いても、彼も私を好きなはず。
だというのに後一歩を彼が踏み出してくれない。もどかしい……
この前、遊園地に出かけた時も人混みではぐれないように――なんて理由を付けてしか手を握ってくれなかった。
そりゃ手を握ってくれたのは嬉しいけれど……。
私が求めているのはそうではない。
最後に乗った観覧車でもそう、折角夕日が差し込んで来ていい雰囲気になっていたのに
わざと私がバランスを崩して、彼にもたれ掛かったのにも関わらず
彼はキスするどころか、抱き締めもしてくれなかった。
彼の言い分はおそらく、まだ付き合ってもいないし――だろう。
でも私達が付き合っているの周知の事だ。
だって私が他の子を牽制するために、わざと彼らに尾行させていたもの。
いくら超高校級の才能の持ち主でも、高校生であることに変わりはない。
他人の恋愛に興味を持つのも仕方がない―特にクラスの皆に人気の苗木君の恋愛は。
だから何かにつけては見せつけている、私と腕を組んでいるところや
ご飯を食べさせあっているところを……
もっともコレは不二咲に頼んで作ってもらった合成写真だが……
現状を打破するために、私は朝比奈さんにあるお願いをした。
「苗木、霧切ちゃんみたいな女の子は案外押しに弱いんだよ」
これで良し。後は彼をその気にさせるようなことをすれば……
「……苗木君、責任とってちょうだいね」
―――――