角度・ハルダウンのあれこれ

Last-modified: 2020-09-27 (日) 11:49:11

戦車にはかならず固いところが存在します
同じように弱点・柔らかいところも存在しますよね
では、柔らかいところを何かで隠して固いところだけを出しているとどうなると思いますか?
ここではそういう防御面のあれこれを紹介します

昼飯

○飯とかという前になぜ角度をつけるのか
「避弾経始」というものを知っていますか?
理論的なことはここではやめておきましょう。自分で調べてみましょう
要は装甲を傾斜させ、砲弾のエネルギーを分散させ弾き返すという概念です。
それではこの画像を見てください
極論.jpg
ちょっと難しいバージョン

灰色の部分が戦車の装甲だとします
左側は黒の矢印、右側は黒・赤・緑の三種類の矢印がありますよね。これを貫通力と思ってください
左と右の黒矢印は長さが変わりません。これは同じ貫通力だと思ってください。
黒の貫通力では左も右も貫通できますね
しかし右の緑の貫通力では左側の装甲は貫けません
二つとも装甲に対して90°(垂直)に入っています
これが単純なWoT内で見れる装甲圧のことなのです
戦車のスペックでは緑貫通力で装甲を抜けたはずなのに
実際に正面から戦うと黒の貫通力がないと敵の装甲を貫けません
では赤の矢印ではどうでしょう
普通は黒の貫通力で抜けたところが今度は・・・
装甲が抜けませんね。
これが角度の付ける意味なのです

簡単に言うと3色の矢印が灰色の部分を超えるのに必要な長さが違います
この違いは入射角・矢印の入る角度によって出てくるのです
これを装甲・貫通に変えて表現をしてみましょう
角度の付いた装甲.jpg
ここまで差ができるのです
昼飯とは?
ここから本題ですね
昼飯とはただ普通に角度をつけちゃいました☆
ただそれだけです
え?と思うかもしれませんが本当です
たまたまつけた角度が敵車(攻撃される方向)に対して、車体を11時か1時の方向になったのです
ね?簡単でしょ?
角度の付け方
敵が正面にいたとします。
その敵に対して真正面に向き合いそこから少し角度を取ってみましょう
昼飯.png
上手くいきましたか?
上手くいかない貴方へ

ある程度装甲がないとできませんね、単純な装甲圧をあげるだけなので元の装甲圧がないと意味がありません
他の車両で試してみたり、誰かに手伝ってもらったりして見せてもらいましょう

しかし、厳密にいうとこの角度は車両毎に最適な角度が異なります。
ダメ昼飯.jpg
この画像を見てみましょう。
一見すると正面装甲にかなりの角度をつけることで防御力が上がっているように思えます……
ですがこれが罠!車体を傾けすぎて 傾斜が甘くなった貧弱な側面装甲が撃たれてしまいます!
車体側面にも十分な装甲があるソ連のKVシリーズや、ドイツのEシリーズ重戦車なら弾ける可能性もあります。
では次の画像を
角昼飯.jpg
このように 障害物や曲がり角を使うことで、きつい角度をつけた正面を晒しながら側面は撃たせないポジショニングができます。
都合、ここでは角昼飯と呼んでおきます。これが顔出しの基本!
画像ではM4A3E8というバランスの取れたデザインの車両ですが、 砲塔が極端に前にある車両なら更に角度をつけながら撃てます。
角度と跳弾
さらに重要なものがもう一つ
ボイスを聞いていると「貫通しなかったぞ!」と「弾がはじき返されてしまったぞ!」の二種類ありますよね
実はこれにはしっかり意味があります
「貫通しなかったぞ」は自分の貫通力が敵の装甲圧を上回らず、装甲に防がれたときに
「弾がはじき返されてしまったぞ!」は貫通力に関係なく跳弾してしまったときに聞くことができます
では跳弾してしまう条件というのは何なのでしょう
これは難しいこと抜きで一定以上の衝突角以上で被弾した場合、砲撃を必ず弾くことができる
ということなのです
ちなみに砲弾の種類によっても変わってきますし、装甲圧が敵の砲の口径の3倍以上ないと弾くことができないなどの細かいルールはあります

豚飯

簡単に言うと昼飯の応用です
この技術は初心者の内は必要ありませんが、中級者以上ならば知ってなきゃいけないテクニックです
その分必要な技術はけた違いに多かったり、失敗した時のリスクも大きいものです
これは昼飯の逆で、 きつい傾斜をつけながらバックし、正面を隠しながら側面を晒して攻撃を誘うという技術です。
側面は柔らかいからダメなんじゃ?と思ったあなたは半分正解です。
ですがこの画像を見てください。
豚飯.png
このように 極めて浅い角度で被弾するように晒すことで、実装甲厚の1.5~3倍、あるいは強制跳弾の角度に持ち込めます!
とりあえず豚飯で相手を釣って「先に攻撃させ、無力化してから砲塔を出して攻撃する。」 という風に使えます
次の画像は自分が上から見た時の角度と敵側から見た時の見え方をまとめたものです
角度について.jpg
これを少し頭に入れておくと相手にされたときに
「あぁ^^○○°の角度が付いているんじゃぁ^^」とわかってしまうこともあるのです
市街地以外の豚飯.jpg
市街地じゃなくてもこんな感じで……

しかし、成功した豚飯にもいくつかの弱点があります。
それは
・物陰から大きく離れて姿を晒す為、自走砲の攻撃が当たりやすい
・曲がり角を使う場合、通路を封鎖してしまい味方の邪魔になる
・傾斜角度はHE(榴弾)に対して効果が薄く、実装甲が薄い側面には強制跳弾の角度以下だと結局大なり小なりダメージを受ける
という三つの点です。
これらのリスクを考えた上で、練習をしてみましょう

細かい動き

昼飯と豚飯を覚えたことで、貴方の防御力はおおよそ3割増!
ですが、そもそも装甲が薄い弱点を狙われたら生存力は3割減です……
そこで重要な技術、 フェイントで弱点狙いの狙撃を逸らしてしまいましょう!
さてどんなテクニックかというと 「相手のリロードタイミングを予測して車体や砲塔を動かし、弱点狙撃を逸らす」 というもの。

このゲームは絞り込みの時間は完全に静止していないといけない為、棒立ちで睨み合う初心者をよく見かけます。
完全に静止している目標に対しては(距離が近ければ)ほぼ確実にキューポラや車体下部に叩きこまれてしまいます。
細かな動き1.jpg
この昼飯の角度だと正面の機銃口以外は抜けません。オラッ!
赤丸は弱点の機銃口です。ほぼストレートに突き刺さっていることがわかるはず。

そこで、なにもやらないよりやったほうがマシの根性で、とにかく車体や砲塔を動かしましょう!
どう動かすかは自分の車両次第ですが、 車体の弱点(機銃口等)を隠す場合は昼飯の角度を往復する形で不規則に旋回します。
細かな動き2.jpg
発射直前に(パンター視点で左に)旋回されたことで狙いが逸れました。俺のAPCRを弾いただと!?
赤丸は機銃口です。 対して青丸は実際の着弾地点です。ほんの少し振られることで弾かれました。

車体下部を撃たれないようにする為には、車体を昼飯の角度、即ち敵車に対して斜めにしてから前後にフェイントをかけましょう。
キューポラ狙撃を回避する場合も同じく斜めに前後移動するか、砲塔を細かく左右に振って狙いを絞らせないようにするとグッド!

リロード中はもちろん、 あえて先制を放棄して車体(砲塔)を動かし、敵の先制攻撃を弾いてから後の先を取るというのもアリ!
改良型射撃装置(ガンレイ)や砲垂直安定装置(スタビ)を積んでいると、弾き終わった後のカウンターの精度が多少上がります。

敵のリロードタイミングがわからなくても、 なにもしないよりは動いていたほうが弾く可能性は上がります。
(大きく動かしすぎて、側面に撃ち込まれないよう注意しながら) ブンブン振り回してやりましょう!
相手の狙いを逆手に取って防御力を水増しできるようになったら撃ち合い初心者卒業です!

ハルダウン

ハルダウンとは
ハルダウン(Hulldown)というのは
何かを利用して車体(Hull)を隠す戦術を総じてハルダウン(Hull down)と呼ぶ。
車両により異なりますが、一般的に戦車は 砲塔正面に防盾があり、最も装甲が厚い箇所 となっています。
砲塔にはせいぜいキューポラ程度の弱点しかありませんね。
建物の窓枠や崩れた土砂、なだらかな稜線等の地形を活用し、 相手に対して弱い場所を見せない、究極の防御行動 とも言えます。
ハルダウンのやり方
これはもう感覚と練習です
わかりやすく横から見てみましょう
ハルダウン横から.png
こうしてみると左側の戦車Aは右側の戦車Bのほとんどの場所を撃てますよね
逆に戦車Bは戦車Aの砲塔しか狙えません
これを実際の戦場、3次元の世界にもっていきましょう
ハルダウン?.jpg
この状態は一見ただ何もないところにいるだけに見えますが
実は・・・
ハルダウン自分視点.jpg
自分視点ではこんなにも地面に埋め尽くされているのです
これがハルダウンの成功例で敵から見ると頭しか見えていないということが多いのです
ハルダウンのあれこれ
厳密には「稜線を使って車体を隠す」というものですが、WoTでは「障害物や土砂を使って砲塔だけを出す」という意味でも使われます。
また、ハルダウンは敵車に対して 自車の投影面積を最低限にする という効果もあります。
硬い場所を晒して防御力を上げているだけでなく、 的を小さくすることで回避力も上げているわけです。
半分ハルダウン.jpg
これはかなり極端な例。
赤枠が投影面積、青丸が実質の弱点です。
これで中距離以遠の砲撃戦ではあの小さな弱点を狙うことはなかなかできませんね
もうこうなったら、味方の自走砲の援護を待つか、さっさと逃げるかした方が無難です
(大口径のHEがあれば、爆風を車体や砲身に当てて僅かながら削り、モジュールを破壊することもできますが・・・おすすめはしません)
ですが、そんな強力なハルダウン。いくつかの条件と弱点があります。
ハルダウンの条件
・地形
当然、車体を隠す為の障害物や小さな起伏がないとできません
詳しく言うと、なだらかな稜線・建物の窓枠・小さな岩・敵味方の死体 の四つの内のどれかが必要です。
重要なのは死体で、マップによってハルダウン出来る・出来ないポイントがありますが、死体はその試合毎のアドリブで使っていけます。
・砲の俯角
「俯角」というのは 主砲がどれだけ下方向を向けるか 、というステータスです。
この俯角の値が大きいほど砲は下を向くことができます。
ハルダウンの項目、一番上の画像を見てみましょう!
ハルダウン横から.png
稜線を使ったハルダウンを行っていますね。
下り坂に車体を沈めるということは、 砲塔も傾斜の分だけ上方向に向いてしまいます。
この時、正面の敵を狙う為に「俯角」が必要になってきます。
ドイツ車両やソ連・中国車両のような可動範囲の狭い砲の場合、天を仰ぐだけで何も生み出せません

以上の二つを考慮してハルダウンができるかできないかを判断するのです

ハルダウンの弱点
ではでは、弱点は???
・ポジショニングが読まれやすく、無視されやすい
先ほど「ハルダウンはマップによって出来るポイント出来ないポイントがある」と書きました。
つまり逆を考えると、慣れているプレイヤーは敵味方のハルダウンポジションを熟知しています。
ハルダウンは地形を使った「待ち」に特化したテクニックです。
なので、 向かってくる相手がいない場合や、迂回して回り込まれる場合には効果が薄くなります。
モチロン硬いことには変わりありません。一本道や主戦場の真ん中でハルダウンできれば無視されることはありませんよ!
・自走砲や榴弾砲に弱い
先程ハルダウンは待ち特化のテクニック、と言いましたね。
このゲームにはボーっと突っ立ってるマヌケに無慈悲な制裁を加える車種があります!
そう、自走砲です。
彼らの砲撃は遥か彼方から大きな弧を描き、上空から着弾します。
この「上空から」というのがミソで、 ハルダウンは平面上の相手に対しての防御力は圧倒的ですが、上空への効果は一切ありません。
また、 稜線を使うハルダウンは周りに障害物があることが少なく、障害物を使う場合は周りに退避のスペースがあることが少ないです。
ハルダウン自走砲の復讐.jpg
ドーーーーン
どちらにせよ、発見された状態で静止して待つことが多いハルダウンにとって、自走砲は天敵となります。
マッチングを見たり、自走砲の場所を予測したりしてハルダウンの位置を決めましょう
また、そのまま動かないのではなく、細かく移動したり、出たり下がったりしたりしたら自走砲の砲撃をじよけれるかもしれません
つまり・・・
ハルダウンは強力なテクニック!活用できる場面、活用できる車両ならばどんどん使いましょう!
特に要所要所での前線維持や遅滞戦術を取る時は特に有効!
多くの車両に乗って、多くの稜線に触れてみて、各マップとその強ポジへの理解を深めましょう!
でも自走砲だけは注意をマッチングリストを開幕にしっかり確認 し、迂回してきそうな車両や自走砲がいる場合は注意しましょう!

空間装甲について

装甲には空間装甲という隠し装甲が存在します
どんなものかというと
・貫通されてもダメージ判定が存在しない
・空間装甲を砲弾が移動するときに貫通力が減っていく
・榴弾は着弾したところから判定が起きるため装甲に届きにくくなる
こういう利点があります
空間装甲.jpg
攻撃を食らい0ダメージだった時の例
これ以外にも、ダメージ判定の無い末端モジュールにのみ命中、というパターンや、長い砲身に横から当てた場合、真正面・真後ろから履帯に当てた場合に発生しやすい。

履帯という最強の装甲

装甲がない?敵戦車の砲撃を弾くことができない?
いやいや、誰にだってあるのですよ最強の装甲が
それは履帯なのです
履帯の何が強いの?
それはこの画像を見ればすぐにわかります
履帯の扱い.jpg
このゲームで履帯は空間装甲として扱われます
装甲値は20mmを平均に、Tier1車両等の最小5mm~E 100等の最大40mmと、Tier帯や車種によって異なり、装甲値は動輪とその他部分に差はありません。
他の空間装甲と違い履帯の避弾経始は考慮されず、履帯装甲20mmならどの角度から撃たれても一律20mmで変動はないのです
空間装甲なので車体HPへのダメージ判定はないが、中Tierの英・仏の重戦車のように履帯の中に車体部分が存在する特殊な車両もある。
攻撃側として側面から履帯部を撃つ事は、貫通力が十分であれば狙いも広く履帯と車体同時にダメージを与えるチャンスであるし、また110のように履帯の裏の車体装甲が極端に薄くなっている場合もあり、必ずしも履帯を撃つと車体ダメージを与え辛くなる訳ではない。但し履帯の下半分を撃つと車体と地面の間を砲弾がすり抜ける事になるので注意。
逆に履帯が堅固な例として履帯カバーがかかり空間装甲が上乗せされている車両(T1 Heavy Tank他)や、履帯空間装甲値がTierに対して高い車両(TOG II*他)もあり、側面を取った時に車体を撃つか履帯部を撃つか主砲の貫通力・敵車両の特徴・状況に合わせて見極めが必要である。
どうですか?履帯も立派な装甲でしょう(過信どころか信じることもできませんが)
運よく当たって0ダメージで済んだとかそういうことがきっとあるはずです

コメント



  • 参考になりました。WOT初心者ですがなんとかやっていけそうな気がします! -- ねろまる? 2017-08-26 (土) 04:35:59
  • ハルダウンうまくできない -- 2017-11-12 (日) 01:50:09
  • やっても囲まれたら終わりやん……(隙自語) -- 2018-05-23 (水) 22:33:31
  • なんか理解しやすくなってる -- ほい? 2018-07-16 (月) 13:56:49
  • ハルダウンやったら超強いじゃん。Sherman3 -- 名無しの英雄? 2018-08-01 (水) 15:04:25
  • KV-1乗ってるけどやっぱ独ソはハルダウンきつい -- 2020-09-27 (日) 11:49:11