「さすがは我が社のリンクスだ!全くすばらしく優秀だな」
モニター越しにローゼンタールの社員がそう『お馴染み』の言葉を言った。
俺、ユウ=カジマともう一人クロード・トハリスとかいう奴とコロニーに援助物資を運ぶ輸送車護衛の任に着いていた。
その道中テロリストに襲われたが何の問題も無い、一瞬で片をつけた。
そして今はこうしてローゼンタールの社員に『お褒めの言葉』をいただいている訳だ。
ただ、その中で納得のいかない単語が入っていたが。
「我が社だと? 俺は貴様らの専属のリンクスになった覚えは無いぞ」
俺はそういい通信を切り、企業からあてがわれた部屋のイスに座りこんだ。
そいつの言葉が気に食わなかったのもあるが今は感傷に浸りたかった。
「どうしてかね・・・こんな夜は・・・あの頃を思い出す」
俺はそういい手に持ったグラスの中身を飲んだ。
そう思い出す。子供の頃見た地獄と天国。
そして俺の命の恩人の事を。
国家解体戦争といわれる戦争があった。
国の統治力の低下、それに伴うテロと暴動が頻発に起きていた時代。
そんな役立たずな国に見限りをつけた6つの企業組織、GA、ローゼンタール、レイレナード、BFF、インテリオル・ユニオン、イクバールが国家に全面戦争を仕掛けた。
企業側の最新兵器、特に「ネクスト」と呼ばれる人型兵器に数多くの国家軍はなすすべも無く壊滅していった。
そしてたった一ヶ月で戦争は企業側の圧倒的勝利で終わった。
そして俺はその戦争の最中俺は両親を失った。
その時だった。あの人が現れたのは。
国家解体戦争勃発から4日後・・・
アメリカ、ロサンゼルス避難所付近
「くそ、どうして企業が国に戦争を仕掛けるんだ・・・」
「そんな事いっても何も変わらないわよ? 今は・・・」
親父とお袋がこんな事を言っていた様な気がする。
避難所に向かう車の中で俺は「何が起きているんだろう?」と考えていた。
ガキだった事もあって何が起きているのか理解していなかった。 ただ、嫌な事は起こっているとは思っていた。
「もうすぐで避難所だ」
親父がそういうとすこし先に光が見えてきた。
だがその光は電気の光ではなかった。
物が燃える炎の光だった。
その炎の中に薄汚れたGA製のノーマルACが5機いた。
「そんな・・・避難所が・・・どうして!?」
今思えばおそらくテロリストだったんだろう。
あのご時世、国も避難所に兵隊を使う暇なんて無い。
あったとしても新兵だけだろう。
襲った理由は恐らく避難所にある食料と医療備品の強奪。
そして車は目の前に出てきた5人のテロリストに止められた。
「おら、早く出やがれ!!」
一人がそういい親父とお袋を引っ張り出した。
俺はそのうちの一人に組み倒されて親父とお袋を見させられていた。
「頼む!! 俺はどうなってもいい!! こいつらだけには何もしないでくれ!!」
親父がリーダー格の一人に頭を下げていた。
「ん~? なんだってぇ~?」
テロリストはそういい手に持ってた拳銃で親父の頭を撃ちぬいた。
どさり、という音と共に頭を撃ちぬかれた親父『だった』物は倒れた。
「あなたあああぁぁぁああ!!」
お袋がヒステリックに叫んだ。
俺はというと何が起こっているか理解できていなかった。
その後お袋は俺の目の前で強姦され、殺された。
その時やっと気が付いた。「今度は自分が殺される」と。
「で、このガキはどうする?」
と顔に醜い傷を負っている青年。
「めんどくせーから殺そうぜ?」
と前歯がない不細工な顔をした中年の男。
「そうだな」
そんな会話を聞きながら俺は親父だった物とお袋だった物を唯見続けていた。
それしか出来なかった。
「大丈夫だよ、坊主。すぐにママとパパに会えるよ」
そういいテロリストが引き金を引こうとしたとき、燃え盛る避難所にいたACが爆発を起こした。
一機の灰色のACが頭上を飛んでいった。
そのACに気付いたテロリストのACはそのACに向かって攻撃する。
だが灰色ACは着地と同時にグニャグニャと蛇のような動きでそれをかわしながら右手に持っていたライフルで相手の銃を撃ちぬく。
そしてすれ違いざまに左手のブレードで切り裂いていった。
テロリストは全く連携の無い動きで灰色のACを襲い掛かった。
だが灰色のACは宙に跳び、上からライフルを撃ち、二機を戦闘不能にし、敵の後ろに出た瞬間振り向き、肩にあるミサイルを生き残ったACに浴びせた。
そしてミサイルが直撃したACは一機が生き残ったものの、足が破壊され動けない状態だった。
それを灰色のACはブレードで切り裂いた。
その戦いを俺はぼぅ、と見ていた。
俺には殺し合いがとても滑稽な物に見えていた。
鉄の巨人が殺しあう、そんな光景を。
そして気が付くと周りにいたテロリストはいなくなっていた。
そして全てのテロリストを排除した灰色のACがこちら近づき、俺に声をかけてきた。
「君、大丈夫?」
その人の声を聞いた途端俺は意識が遠のいたのを感じた。
そして次、目が覚めたのは・・・その人の部屋だった。
To be continues.
Author by ユウ
さぁ一応宣伝しといた奴だ!!
うん、見ての通りユウ=カジマの過去話です。
戦闘シーンがうまくかけない・・・。くそ!
ノマクさん、すみません、クロスさせていただきました!(といっても名前だけですが)
ではまたPeace!。