貴方は切実な者に一日をつなぐ命を施してくれた・・・
貴方は疲れた釣人に足を伸ばす場所を用意してくれた・・・
貴方は船を漕ぐ者の旅を優しく見守ってくれた・・・
女性たちは貴方の祝福を頭上に掲げ
子供たちは貴方の指先で無邪気に駆ける
小鳥たちは貴方の傍らで翼を休める・・・
あなたの美しさを言葉では表現しきれない
今日も向かおう 昨日のあの場所へ
流れる宝石のような貴方に逢いたい・・・
今日も向かおう 貴方のいる場所へ
けれど貴方を前に思い知る
私のなんと浅ましきなるか
あと一歩を水面の私が邪魔をする
つい石を投げてしまったのは
貴方に逢うことを邪魔をする我が姿への恨み・・・
貴方を直視することすら出来ない醜き詩人の嘆き・・・
愚かな私は気付けなかった
貴方を苦しませたのが私の投げた石だとは・・・
貴方の心を傷つけたのが私のおこした波だとは・・・
静かにつぶやく貴方の名前・・・
いつか口から詩となり流れ・・・
その姿 貴方の瞳に洗われ 月の光の彼方へ浮かび
この愚かな男にどうか情けと許しを・・・
(余計酷くなって居る様な気が・・・)