※このSSには読んで不快感を感じる可能性のある表現が含まれています。そういうの、ナシで。という方は読まれない方が精神衛生上良いかと思われます
※何となく過剰な表現がありますが、ホスメモはフィクションです
※あくまでifの世界としてお楽しみ下さい
以下本編。ゆっくり読んでいってね!
1.
文化部クラブハウス、新聞部部室
その扉を、スラッとした長身と鮮やかに伸びる長い赤髪をなびかせる少女――めかぶが勢い良く開ける
めかぶ「邪魔するよ」
扉を開けると同時にめかぶは室内をザッと見渡し、お目当ての人物が居ないことに気付く
めかぶ「…なべは居ないのかい?」
もまれ「なべ先輩は、今日お休みみたいで……」
訝しげな視線を送るめかぶに、たゆんたゆんな胸と動物の耳のような帽子が目を引く少女、もまれが答える
めかぶ「ふぅん…そうなのか。珍しいね、アイツが……」
もまれ「…何か……用事ですか?」
めかぶ「ん…いや、ね。久しぶりに緋想天ファイトでもしようと思ったんだがね……居ないんじゃ仕方ない。……それとも、君等が相手してくれるかい?」
もまれ「めかぶ先輩とお手合わせ出来るのは光栄ですけど、次の学園新聞の記事を書いたりしないといけないので…」
めかぶ「そうか…。いや、無理言って済まなかったね。じゃあ、なべに宜しく」
そう言ってめかぶは挨拶もそこそこに新聞部部室を後にする
めかぶ「やれやれ、アテが外れたねぇ…。さて、どうしようかな……ゆむかテケちゃん辺りでも引っ掛けるか……」
誰も居ないクラブハウスの廊下を歩きながら、めかぶは思案する
???「あらめかぶさん。こんなところで何をしてるんですか?」
めかぶ「えっ?…あぁ、いつもの先生。こんにちは」
いつもの「えぇ、こんにちは。で、神妙な顔してどうしたのかしら?」
物思いに耽っていためかぶに声を掛けたいつものが、そんなめかぶの様子にクスクスと笑みを浮かべる
そんな顔していただろうか、と思いつつめかぶは頭を掻く。きっとしていたんだろうなと少し苦笑した
いつの間にかクラブハウスの外にめかぶは出ており、そこでいつものに声を掛けられたようだ
めかぶ「いえ…久々になべと緋想天ファイトでもしようと思ったんですが……何か休みみたいで。アテが外れちゃいましてね…」
いつもの「成程…そういうことでしたか。……よければ私がお相手しましょうか?」
めかぶ「えっ……いいんですか?」
いつもの「えぇ。ちょうど私も緋想天ファイトの相手を探していたんですよ。たまにやらないと鈍ってしまいますからねぇ」
めかぶ「そういうことなら……お願いしちゃいましょうかね。それじゃあ宜しくお願いします、先生」
いつもの「こちらこそ、お手柔らかに。………では、緋想天ファイト……」
めかぶ「レディ…………ゴォォォ!!!」
少女対戦中………
いつもの「……はぁ……はぁ……め、めかぶさん、お疲れ様です……」
めかぶ「ふぅぅ……いつもの先生お疲れ様。いやぁ…疲れたー」
緋想天ファイトを終えた二人が、土で汚れるのも構わず地面にへたりと座り込み、呼吸を整える
いつもの「うーん…全然敵いませんねぇ…。先生、ちょっと凹んじゃいます…」
めかぶ「いやいやそんな。あの多彩なバトルスタイルを使いこなす器用さ、アタシもあやかりたいですよ」
いつもの「そうは言いますが……さもすると器用貧乏になってしまう危険性も……。あ、そうだめかぶさん。喉渇いてないですか?」
めかぶ「あーそういえば……カラッカラですね…」
いつもの「では、よければコレをどうぞ」
そう言っていつものは一本のペットボトルをめかぶに差し出す
めかぶ「これは……?」
いつもの「私が作った手製のスポーツドリンクです。甘さ控えめ喉越しスッキリ……のハズです」
めかぶ「はぁ。じゃあお言葉に甘えて…。でもいつもの先生の分は……」
いつもの「ご心配なく。こんなこともあろうかと、常に二本常備していますから」
少しだけ得意気に言いながら、いつものは自分のバックからもう一本のペットボトルを取り出す
めかぶ「成程、抜かり無いですね。では頂きます。…んぐ………んぐ………む、これは……」
いつもの「ど、どうですか?」
めかぶ「いや、美味しいですよ。確かに甘さ控えめで喉越しもスッキリ爽やかで……。こういうの、自分で作れるなんて凄いですね、いつもの先生は」
いつもの「あはは、おだてても何も出ませんよ。…めかぶさんは料理とか、しないんですか?」
めかぶ「恥ずかしながら、そういうのはからっきしでして。まぁ、作る相手もいませんしねぇ」
いつもの「そうなんですか?気になる人とか、居ないんですか?」
めかぶ「えっ…あっ…それは……」
いつものの何気ない問いかけに、一瞬言葉に詰まるめかぶ
脳裏に、ある一人の男子の顔が浮かんでいた
めかぶ「(な、何でとしあきの顔が浮かぶんだか……)」
そんなしどろもどろになっているめかぶを見て、いつものはクスクスと笑う
いつもの「その様子だと居るみたいですねぇ、気になる人」
めかぶ「ま、まぁ居ないと言えば嘘になりますが……以外ですか?」
いつもの「いえいえ、そんなことは。…折角ですし、その気になる彼のためにちょっとだけ頑張ってみては?食べてもらいたい人が居れば、上達も早いですよ」
めかぶ「あ、煽らないで下さいよ、いつもの先生…。その気になっちゃいますよ?」
いつもの「いいじゃないですか。私で出来ることがあれば協力しますし」
めかぶ「……か、考えてみ、ま………す………???」
このままなし崩し的に普段しない料理に挑戦することになりそうだなぁと思いながら、めかぶは不意に眩暈に襲われた
めかぶ「(あ……れ……?なん…だ、か……急に頭がくらくらして………)」
何とか意識を留めようとするものの、徐々に意識の混濁と強烈な眠気がめかぶの中で高まっていく
そのままめかぶは完全に意識を失い、地面に倒れこむ。程なくして、安らかな寝息をめかぶは立て始めた
いつもの「………まぁ、貴方に『これから』はもう無いんですけどね」
静かに眠るめかぶを見下ろしながら、いつものは一人呟いた
2.
めかぶ「(………あれ………?私………どう…したんだっけ……?
そうだ……いつもの先生と話してたら……急に眩暈がして……眠くなって……それで……
……ダメだ……頭……ボーっとして……それに……何だか熱……い……
む、こう……何…か……聞こえ…………)」
???「いやぁぁぁ!あああっ!!!ゃああああぁっ!!!もう嫌なのぉ!!!中出し嫌ぁぁぁ!!!」
めかぶ「(あ…れ……?なべ………?こんな………とこで……何し、て………な、に……?)」
半覚醒の意識の中、めかぶがまず最初に目にしたのは二穴責めされて泣き叫ぶからすなべの姿だった
※「ちっ……さっきからギャアギャア喚きやがって……うるせえったらありゃしねぇ」
※「大人しくさせるか…。おい、そっち掴んどけ。暴れないようにな」
周りに居る男達にからすなべを押さえるよう指示した男は、一本の注射器を手に取る
なべ「ひっ……!な、何…なのぉ…それぇ……」
何らかの薬物が入れられたその注射器を見た途端身を強ばらせ、これから何をされるのか分からない恐怖に顔を歪める
※「何かって?安心しな。天国が見れるクスリさ」
なべ「う…嘘…!嘘なのぉ!それだけは…それだけはやめてほしいの…!ほ、他のことなら…何でもするからぁ……」
※「ん…?いや、別にいいよ。クスリキメるのはもう決まってたことだし」
なべ「ひぃぃ……いやぁ!やだ!やだぁ!いやぁぁぁぁぁ!!!」
※「くっ、この……暴れるんじゃねぇ!!!」
必死に抵抗するからすなべを男は思い切り殴り飛ばし、黙らせる
そのままからすなべの腕に針をあてがい、ゆっくりと注射器の中身を血流に乗せて注入していく
なべ「あ゜っ……!!!あぁあぁあぁぁぁ―――――!!!!!」
薬物を注入されたからすなべが、悲痛な叫びと共に体を痙攣させる
※「あーあ、コイツ気絶しちまったよ。こんなんでこの先大丈夫かぁ?」
※「初めは皆こんな感じだろ?――ほれ、この間入荷した雛山んトコのお嬢様なんて、最後凄かったろ」
※「あーあれか……。人間堕ちるトコまで堕ちたらあぁなるんだなーって思ったよ…」
※「その内クスリ欲しさに何でもやるように調教して……変態の金持ち共に売り飛ばすのが俺らの仕事だからな」
※「そーいやあの雛山の嬢ちゃんは誰が買ってったんだっけ…?」
※「んー……確か何とかつー議員のセンセーだよ。スカトロ趣味のある変態ジジイ」
※「何とかって何だよw。…しかし、二重の意味で肉便器だなそりゃ。可哀想に」
※「違いねぇ」
まるで自慢話でも語るかのように調教した女の顛末をゲラゲラと笑い合う男達
めかぶ「(こいつら……何てことを………)」
男達の話を聞きながら、めかぶの心は怒りに打ち震えていた
しかしそんな怒りとは裏腹に、めかぶは体をどうにか動かそうとしても全く動かない
そのくせ先程から膣内を突き上げられ、擦られる度に体はそちらにばかり反応し、己の意思とは真逆の感覚にめかぶは支配されそうだった
※「おぉぉ……イク……イクぞ…!くぅぅ…!」
不意に、めかぶを突き上げていた男が呻き声と共に腰の動きを更に早める
めかぶ「(……えっ……?な、に……?ま、さ…か……?)」
男の変化。それは自分の絶頂が近いことを端的に口にしたものだった
めかぶはぞっとする。このままの勢いならば、この男は――――
めかぶ「(ま…さ、か……な、か…に…?う、嘘……や、やめっ……!!!)」
中出ししようとする男に対してめかぶは拒絶の意思を言葉で示そうとするが、その思いは声にならない
そもそも、めかぶがどれだけ拒もうとも、この場で彼女に拒否権など無いのだが……
※「っ…あ゜……ぐ!!!」
程なくして、男は絶頂を迎え、全身を何度も震わせながらめかぶの膣内に精液を流し込む
めかぶ「(う…うそ……う……そっ……中に………出され………わた、し………犯され…た……あぁぁ……)」
※「はぁ…はぁ……ふぅぅ………た、たまんねぇ……。ちょ…調教ついでに…ハァ……どんないい女も抱き放題ってのは……美味しすぎるってもんだぜ……へへ……」
めかぶに膣内射精を終えた男が、ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべながら言う
下腹部に感じる異物感と、白いキャンバスを黒く塗りつぶされていくような感覚を感じながら、めかぶは静かに涙を流す
※「おい、ちと早いがコイツにも一発目打っとけ。ボスが飲ませた薬がそろそろ切れる頃だ」
※「ん……あぁ、もうそんな時間か……」
※「目が覚めてあっちの小娘みたいに暴れられちゃ適わんからな」
めかぶが悲しみにも悔しさにも暮れる暇も無く、男達は次なる段階へと進もうとしていた
その中で、めかぶは男達が口にしたある言葉に引っかかりを感じていた
めかぶ「(こいつら……『ボスが飲ませた』って言った………。ま、さ…か………)」
めかぶの脳裏に浮かんだ、ある光景。それが思い浮かぶと同時に、めかぶの信じていたものが音を立てて崩れ去る
めかぶ「(……いつもの……先生………!?そ、ん……な………)」
嘘だと思いたかった
彼女を信じたかった
……だが、めかぶには他に思い当たる節が無かった
※「さ、めかぶちゃーん。お注射しましょーねー。…しかし可哀想に。コレ打ったらこの子もう二度と元の人生に戻れない事確定だね」
まるで抽選でハズレを引いて残念でした、とでも言わんばかりの軽い口調で男はめかぶの「人生を終わらせる」注射を打とうと腕に注射針をあてがう
めかぶ「(い…や、だ……やめろやめろやめろ…!そんなの…そんなの打つな!……打たないで…!嫌!嫌ッ!!!)」
めかぶの体は徐々に回復し始めていたが、男達がそれをわざわざ待つ筈も無く。ゆっくりと、注射針がめかぶの腕に刺されていく
めかぶ「(ひっ……い、やぁ………ダメ、ダメ…!やめて!許して…!お願い……!誰か……助けて!ハナ…!としあ――――)」
※「はーいゴメンねー。キミの人生これでおしまーい」
男の気の抜けた声と共に注射器の「クスリ」は無常にもめかぶの体内に注入される
深い絶望感を抱えたまま、めかぶの意識は再び闇に堕ちた
3.
あれからどれ程の時が経ったのか……目隠しをされ、昼夜問わず代わる代わる男達に犯され続けるめかぶには分からない
だが、絶望的な状況の中、めかぶの心はまだ完全に屈してはいなかった
めかぶ「あっ………あぅ………あぅっ……………」
※「おっ…おぉ!飲めよっ…!いい加減ザーメン飲む練習しやがれっての!……そら、出すぞ!口ん中で受けろ…!オラッ!!!」
絶頂寸前の男が、めかぶの口内に強引にペニスを捩じ込み、同時に射精する
だが放たれた精液をめかぶは飲み込もうとはせず、男がペニスを口から離すとどろりとした精液がめかぶの口から垂れ、床に染みを作った
※「ちっ……またか……」
※「構うこたぁねぇ。何度でもブチ込んでやりゃあいいのさ
さーてめかぶちゃーん。お待ちかね、キモチいいおクスリのお時間でちゅよー」
注射器を持った男が、ニヤニヤと笑いながらめかぶに近づいていく
それを見た、口内射精をした男はすかさずめかぶを押さえつけるが、そもそも今のめかぶに大の男を跳ね除けるような力は残されてはいない
あくまで、針を刺しやすいように押さえつけているだけだ
めかぶ「ゃあ………やあぁ………いやぁ………」
※「へっ…我慢すんなって。そろそろクスリ切れで頭おかしくなりそうなんだろ…?」
残された僅かな力でイヤイヤと首を振るめかぶ
だが男はそんなことはお構い無しに、めかぶの乳首へと注射針を突き立てる
めかぶ「………ッ!あっ………ぐっ………」
※「おいおい…そんな所直接打って大丈夫か?」
※「大丈夫大丈夫。へへ…見ろよ、乳首ビンビンに立ってやがるぜ……」
※「うお……すげぇ。……しかし、あっちの方はいい感じに雌豚になってきたってのにな…」
言いながら男はちらりと別の男達によって「調教」という名の陵辱をされているからすなべを見る
※「確かに、大した精神力だぜ。もう丸三日薬漬けにしてんのにまだ抵抗してやがるからな…」
そう言って男はめかぶに視線を戻し、抽送を再開する
めかぶ「あ゜っ………やあ゜………やああ゜…………!」
度重なる薬物投与と陵辱によってめかぶの体は確実に雌の悦びを植え付けられている
だが、それでも完全に屈していないめかぶに、男達は少なからず苛立ちを感じていた
※「流石、緋学の覇王は伊達じゃないってか」
※「ハオー?なんだそりゃ」
※「あぁ…あの学校、訳の分からん特別カリキュラムとかあるだろ?緋想天ファイトだか何だかってヤツ
で、このめかぶって子は全校生徒の中でもトップクラスの実力者なんだとよ」
※「へぇ…。ま、覇王だか何だか知らんが、こうなっちゃ見る影も無いわな」
※「確かにな。しかし…どうしたモンかな。このまま調教が滞るようなら、ボスに何を言われるか……」
※「へっ…!簡単さ……こうすりゃあいいんだ!」
めかぶを担当している二人の男のやり取りを聞いていた別の男が、「クスリ」の入った注射器を片手に割り込む
そのまま先程「クスリ」を投与したばかりのめかぶの腕に、注射針をあてがう
※「お…おい、ちょっと待て!今打ったばかりなんだぞ?」
当然その凶行を止めようとめかぶを犯す男が声を荒らげる
※「きっとクスリの量が足りねぇんだよ。もっとドンドンブチ込んでねじ伏せてやりゃあいいのさ!」
割り込み男は聞く耳持たず、といった様子で静止の声を無視してめかぶに「クスリ」を投与する
※「ちょ、待…………な、なに…!?うあ゜っ………!おぉぉぉっ!?」
間を置かずに「クスリ」を投与されためかぶの体が、激しく痙攣を起こす
同時に、めかぶの膣に挿入していた男が呻き声を上げて果てる
※「な、何だ今の……すげぇ締め付けやがる……。さ、最高だ…!」
※「だ、だろ…?だろ?へへへ……ドンドン打ってやる……打ってやるぜ…!」
※「すげぇ……精液びゅくびゅく吹き出してやがる……。つ、次俺な!!!」
全身を痙攣させ続けるめかぶに、男達が群がる
そのまま一方的な蹂躙は続けられた
腕は勿論のこと、舌・乳首・クリトリスといった感度が鋭敏な場所にも次々と「クスリ」が打ち込まれていく
……だが、男達は肝心なことを失念していた
どれだけ強靭な精神を持っていても、肉体の強靭さが比例する訳ではないということを
その逆もまた、然りだということも……
めかぶ「あ゜――――っ!!!あ゜あぁぁぁぁっ!!!あ゜―――――っ!!!」
異常な程の痙攣と共に、めかぶが苦痛に満ちた悲鳴を上げる
※「くぁ…た、たまんねぇ……マジですごすぎる…。もっとだ……もっとブチ込んでやればもっとすごく……」
※「ん…?何だコイツ……さっきから痙攣しっぱなし……?」
※「な、なぁ……何かヤバくね?ぼ、ボスに報告した方が……」
※「バカ!先にドクターだ!誰かドクター呼んでこい!早く!!!」
男の内の一人がめかぶの異常に気付き、それを皮切りに室内の様子が一変する
事の重大さに青ざめる者。ドクターを呼べと声を張り上げる者。極度の興奮状態の所為か、構わずにめかぶを犯し続ける者……
なべ「うふふ………アハハ………ひひっ………アハ……ふふ………」
そんな男達の喧騒の中、虚ろな目をしたからすなべの乾いた笑いが誰にも知られること無く静かに響いていた……
4.
???「……そう……分かりました。残念ですがそっちの方は処分しなさい。……調子に乗ったお馬鹿さん達も一緒にね……
発狂した方?勿論売りますよ。そういうのでも欲しいという顧客は居ますからね…。まぁ、二束三文にしかならないでしょうが…」
緋想天学園地下、スキマ研究所
少し苛立ちを含んだ声で一人の女性が電話の応対をしていた
???「全く……折角の上物を無駄にするなんて……使えませんね……」
???「ふふ………どうしたの?いつもの先生……そんなに怒って……」
いつもの「あぁ…婚約先生。いえ、部下が調教中の商品を台無しにしてしまって……」
婚約「あらあら……それは災難ね。でも怒っても始まりませんわ。気持ちを切り替えていきましょう?……いい素材はまだ沢山居ますし、ね」
いつもの「……分かっています」
???「何なら……次の調達は私がやりましょうか?」
いつものと婚約の会話に、奥からもう一人の女性が割り込む
婚約と同じくスキマシステムの開発者の一人、ぐるぐるだ
いつもの「ぐるぐる先生…。いえ、大丈夫です。次の獲物は既に決めてありますので……」
ぐるぐる「あら、そうなの?…じゃあ次もいつもの先生にお任せしちゃいましょうか」
いつもの「えぇ、任せて下さい。…次の子は素直で大人しい子ですから、調教も早く済むでしょう。……それより、婚約先生……」
婚約「そんな睨まなくても、今度の調教担当はもっと質のいい人材を集めますよー」
いつもの「お願いします。…次は今回のような失態は無いように……」
婚約「手厳しいわぁ」
鋭い視線を向けるいつものに、婚約はおどけた口調で苦笑する
その様子に小さなため息を突きながら、いつものは踵を返して地上に通じるエレベーターへと向かう
いつもの「……………」
途中、机の上に置かれたB5サイズの用紙にいつものは視線を向ける
その用紙はめかぶとからすなべのプロフィールが記された用紙だった
不意に用紙を手に取り、それを一瞥した後、いつものは無表情のまま用紙をシュレッダーに掛け、その場を後にした
ある日の晴天の午後。いつものように下校時刻を告げる予冷が学園中に鳴り響く
帰り支度を済ませ、次々と下校していく生徒達が多数を閉める中、一人の女生徒が運動部クラブハウスへと向けて足早に駆けて行く
イトミ「さー今日も練習頑張るぞー」
小走りに駆けながら、えいえいおーと自身を鼓舞するイトミ
???「イトミさん、ちょっといいですか?」
イトミ「えっ……?あ、いつもの先生!」
不意に声を掛けられ、イトミがその声の主の方へと向き直る
そこには聖母のような優しい微笑みを浮かべたいつものの姿があった
いつもの「ふふ…相変わらず元気ですね、イトミさんは」
イトミ「えへへ……元気なのが取り柄ですから……」
いつもの「元気なのはいいことです。……ところでイトミさん、少し……お時間よろしいでしょうか?」
イトミ「へっ……?どうしたんですか?そんな改まって……」
いつもの「いえ……イトミさんに大事なお話があるんですよ……。そう、大事なお話が、ね……」
イトミ「はぁ…。分かりました!でも、私これから練習があるので、手短にお願いいしますね」
いつもの「…大丈夫、すぐに済みますよ。では、こちらに……」
イトミ「は、はい!」
自分に付いてくるよう促すいつものに、イトミは慌てて付いて行く
その時、いつものは一瞬だけ歪んだ笑みを浮かべたが、イトミの視線からはいつものの背中しか見えないため、その邪悪な微笑みに彼女が気付くことは無かった……
了