ss107073

Last-modified: 2010-03-29 (月) 12:37:03

授業が終わった放課後。
部活に入っている者は部活動に精を出し、
そうで無い者も何かしらに打ち込んでみたり、
またある人は余暇を楽しんだり…。
俺は生徒会の手伝いに明け暮れる毎日だった。
これもまぁ、充実してるから良いんだけど。
割と生徒会は忙しい。
そう見せないのは役員の先輩方の成せる業か。
実際やってみるとかなり大変だった。
最初のうちは筋肉痛は当たり前。
いつか過労死するんじゃないかとまで思った。

学期末が近い事で、生徒会もその関係の仕事に追われていた。
「ふまれ、こっちの書類チェック終わったから纏めて職員室に。」
「はい。」
「くれぐれも途中で転んで順番滅茶苦茶にしたりしないように。」
「し、しませんよぅ…。」
「巫女みこ、各部の今学期活動経費決算は?」
「出来てる。」
「流石。じゃあ、ふまれ、そっちも一緒にお願い。持ちきれないようならオレオに手伝わせて。」
あるる先輩が指示を飛ばし、各自慌しく動く。
先輩は自分も仕事してるのによく的確に指示出来るな、と思う。
俺もふまれちゃんと一緒に職員室までの荷物持ち。
書類とか見てもちんぷんかんぷんだしな。
副会長は生徒会室に居ないが、何やら別件で動いているらしいとの事。
皆それぞれがそれぞれの仕事をこなしていく中で、一人だけ
暇そうに椅子にもたれ掛かる人物が居た。
我らが生徒会長、だぜだーだった。
普段から「仕事しろ」と言われているが
こういう一番動いて欲しい時に動いていない。
何故だろう?と思う人も居るかもしれないが…。
「…私も何か手伝うんだぜ?」
一応本人はやる気はあるのだが
「会長はそこでじっとしてて。下手に動かれると仕事がはかどらない。」
とあるる先輩が静止する。
実際普段からあまり雑務をこなしてないせいか
会長はどうにも作業の要領が悪い。
「ヒマなんだぜ~…。」
まぁ、仕方のない事か。
「…あんまりヒマでヒマ過ぎて…」
お?
「だぜがだぜでだぜだぜなんだぜーーー!!」
会長が壊れた!?
「ひゃわぁ!?だ、だぜがゲシュタルト崩壊です…。」
ふまれちゃんが驚いて妙な声を上げた。
俺も驚いたが他二名はそ知らぬ顔。
と言うよりは慣れてらっしゃるようだ。
「私もたまにはみんなの役に立ちたいんだぜ~~!」
気持ちは分かるけど…。
ふと、あるる先輩が思い出したように提案をした。
「…あぁ、それならこの前の…ほら、新聞部?あれどうしたの?」
そういえば何か以前一悶着あったような…。
「一応一旦は収まったとは言え、ある程度釘は打っとくべきじゃない?」
釘を打つって…。
確かに報道の自由はあってもプライベートは守られるべきである。
自由を履き違えた暴走は害悪になるのだから。
「つまりほら、ちょっとお灸据えたりとかお説教とか。」
ふてくされていた会長の顔が見る見る笑顔に変わっていった。
「つまり私の独演会だぜ!?説教部屋行きは~…とかやって良いんだぜ!?」
「どこのさ○まですか!?」
「話は分かったんだぜ!それじゃあちょっと行ってくるんだぜー!」
座った体勢から一気に飛び立つと、ドアまで物凄い勢いで駆けて行く。
が。
会長がドアを開ける前に、ドアが開いた。
副会長のご帰還だった。
「その必要は無いわよ。」
「あ、お帰り。どうだった?」
どうやらあるる先輩は副会長の用事を知っていたようだ。
「えぇ、それなりに。あんたに借りた本、役立ったわ。」
「本?」
何かの参考書かな、と質問する。
「えぇ、これ。」
副会長から手渡された表紙には
「くたくた監修 すぐ出来る!誰でも出来る!家庭の拷問108最新版」
おィィィィ!?くたくたちゃん何しとん!?
そうじゃなくて何故そんな本を!?
「あの…これをどう利用して…ま、まさか…!」
副会長…とうとう…。
「ふまれちゃん、警察に電話を。」
「え、は、はい?」
ガンッ、と鈍い音がして星が見えた。
「誰も札付きにはなって無いわよ。」
「っつ~…口で言えば良いじゃないですか…。で、それがどうしたんですか?」
「そりゃあ、お仕置きの方法としてチラつかせただけよ?」
「だぜ!だぜ!だぜ!」
静かだった会長が状況を理解したのか急に自己主張し始めた。
「それよりもだぜ?その必要は無いってどういう事だぜ!?」
あぁ、そうだそうだ。
本のインパクトで忘れてた。
新聞部の事だろうか?
「だから、新聞部の方は私が対処してきた、と言う事よ。」
と副会長がサムズアップし、にやりと笑う。
それを聞いた会長も何故か誇らしげにサムズアップを返し
「さすが我らの副会長だぜ!仕事が早いんだぜ!!」
…何だろうこの絵。
…絵?そういや会長と副会長って似てる、かな?
性格とかはあれだけど、何と言うか
容姿と言うか…言うとたぶん殺される。
だが湧き出た疑問は消えるばかりか膨らむばかり…聞きたい…どうしよう…。
えぇい、ままよ!
「あ、あの会長!副会長でも良いですけど。」
「何よ?」「何だぜ?」
二人同時に反応する。
ステレオな反射に少々驚きつつも質問を続ける。
「あのー…会長と副会長って、何処と無く似てますよ、ね?」
「あ、そういえば…。」
俺の質問にふまれちゃんが同意する。
あ、俺だけじゃなかったんだ。
質問を受けた二人は、あっけらかんに答えた。
「そりゃあ、私達双子だし。」
「だぜ。」
なぁんだ、双子だったのか。
それなら似てて当然…
「「えぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!?」」
ふまれちゃんと絶叫がシンクロしてしまった。
これはもう結婚するしかない。
「な、なんだぜ?知らなかったんだぜ?」
「知るわけもないですよ!だって聞いたことありませんし?」
副会長が不思議そうな顔をする。
「だって聞かれないし?」
「私も聞かれたこと無いんだぜ。」
だ…だからって…。
「むしろ気付いてなかったの?」
後ろからあるる先輩が溜息混じりに相槌を打って来た。
先輩二人は淡々と仕事をこなしていた。
「先輩達は知ってたんですか?」
俺より先にふまれちゃんが二人に質問した。
「そりゃあ、同じ学年だし。名簿見ればすぐでしょ?」
巫女みこ先輩も無言で頷く。
つまりこの場で知らなかったのは俺とふまれちゃんだけと言う事か。
「さ、謎は解けた?」
つまらなそうに副会長が問う。
「あ、はい。ありがとうございます…。双子……。」
「じゃあ仕事に戻る。今は一分一秒だって惜しいんだから。」
と言うわけで各自仕事に戻る事となった。
あれ、そう言えば…
「…だぜ~…結局仕事なくなったんだぜ~…。」
会長以外がシンクロする。
「「「「仕事しろ。」」」」