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Last-modified: 2009-04-05 (日) 22:30:23

(回想:小高い丘の上で)

 

テケ「おじい様はヒドイのだ、テケはドルチェ食べたかっだけなのに…グスッ」
??「あら、こんな時間にどなたかしら…」
テケ「…ぐすっ…テケ…なのだ、おねーさんは何者なのだ?」
⑨ 「私は⑨。テケちゃん、子供が出歩くには遅い時間よ」
テケ「テケはもう子供じゃないのだ、立派に家出もする年頃なのだ」
⑨ 「そう……テケちゃん、寒いでしょ、こっちへいらっしゃい」

 

⑨ 「テケちゃんは何かあったの」
テケ「おじい様は怒りんぼなのだ、テケがちょっと道場抜け出しただけでカンカンになって」
⑨ 「それで家出したのね」
テケ「おじい様の分も買ってきたのに…頭ごなしに怒鳴るなんて、テケはもう知らないのだ」
⑨ 「どうしてそんなことしたの?」
テケ「今日はおじい様の誕生日だから、テケの大好物ドルチェのミルフィーユをおじい様にって買ってきただけなのに」
⑨ 「おじい様には説明したの」
テケ「聞く耳持たなかったのだ」
⑨ 「そう、まだなのね」
テケ「あんな頑固者、もうテケは知らないのだ」
⑨ 「あらあら、ご立腹ね(でも涙は収まったようね)」

 

テケ「それはそうと、おねーさんはここでなにしてるのだ?」
⑨ 「星を見ていたの。こういう日は空気が澄んでてよく見えるの」
テケ「どういう日なのだ」
⑨ 「雨上がりの日はね、雨で大気の塵が流されて…空気が雨で洗われてきれいになるの…
   そうすると星の輝きが増して見えるのよ」
テケ「お星様の光なんてあまり変わらないのだ」
⑨ 「そうね、本来の輝きに近づくから増えるわけじゃないわね、ふふ」
テケ「星なんか見ておねーさんは楽しいのか?」
⑨ 「星はね、それぞれが光を放つ…それだけでもきれいだけど、星と星を線で結ぶと星座になるのよ
   宇宙は広いから星は孤独な場所で光ってるだけかもしれないけど、私たちがこうして線を繋ぐことでお互いに関係を持って色んな物語をつくるの
   ふふ、お星様はただ自分が光ってるだけなのにね…輝きをもつものはそれだけ人に希望をもたらしてくれる存在ってことかしら
   私は人と人の関係も星々に似ていて……」
テケ「くー…くー…」
⑨ 「あら、寝ちゃったのね、テケちゃんには難しかったかしら…それとも疲れてたのかしら?
   ふふふ、可愛い寝顔ね…」
テケ「おじい様…おめでとうなのだ……むにゃむにゃ」

 

??「おーい⑨、そろそろ戻る時間だぞ…おや、その子は……」
⑨ 「あら、もうそんな時間? …チルはこの子のこと知ってるの?」
チル「テケちゃんだろ、球体道場の神童って評判知らない…のか」
⑨ 「あら、そうだったの…この子もお星様だったのね」
チル「?」
⑨ 「チル、家に戻る前に寄り道してもいいかしら」
チル「テケちゃんを送るんだろ、付き合うよ」
⑨ 「ありがとチルは色々頼りになるわね、じゃお願いね」
チル「背負うのは俺なのね…」
⑨(さっき家出したっけ言ってたけど、説明すれば家の人もきっと分かってくれるわよね
  それに、もうテケちゃんの雨はやんだもの、きっと元通り光れるわ)

 

その後ドルチェに足繁く通う道場主の姿があったとかなかったとか…

 

おしまい