※ss74429の続きです。一応読んでなくても解る内容になっていると思います
今回の登場人物
生徒会:だぜだー・ゆむ・あるる・ふまれ・巫女巫女
演劇部:詐欺夫・最高・上海・すっぽこ、演劇部掛け持ちの圧殺・天子ちゃん
犠牲:ちーすけ・鮭・としあき
教師陣:いつもの・ドリモグ
※今回いつもより登場人物が多いので必然的に出番が少ない人が出てくるでしょうが犠牲だと思って諦めて下さい
※エロがあります。ゆむ×としあき
※一瞬、某不思議饅頭生物が出てくる気がしますが無害です
※以下本編。ゆっくり読んでいってね!!!
1
慌しくもあっという間に過ぎていった学園祭から三日
瞬間最大風速で巻き起こった喧騒も成りを潜め、いつもの日常が戻ろうとしていた
――はぁ、学園祭も終わったなぁ
ちーすけ「あぁ。…誰かさんの所為でブラブラレイプしながら学園祭を満喫するという俺の目論見は崩れたけどな」
――……一般人も来る学園祭でレイプとかしたら流石に警察呼ばれてたぞ……
演劇部の雑用として俺と共に犠牲になってもらった時はすまない、と思ったものだが、この物言いを聞く限りではコイツを野放しにしなくて正解だったようにも思える
……まぁ、そこまで空気読めない奴じゃないから本気で言ってる訳じゃないんだろうけど
鮭「俺は結構楽しめたがな。慣れないことをして少し筋肉痛だが」
――あぁ……鮭にはホント感謝してるよ。流石紳士
ちーすけ「あれ?俺の扱い酷くね?」
――気のせいだ
ちーすけ「そうかい?…しかしアレだな。強制とはいえ労働に勤しんだんだから何かしら見返りがほしいもんだ」
――……確かに……。だがそれ以上いけない
鮭「紳士たる者、見返りなど要求しないものだ」
ちーすけ「悪いが俺はお前程紳士じゃないんでね」
いつも通りのやり取り。この学校はやたら突発大会とかのイベント事が大小問わず多いため、普通の日常風景でも心休まる一時と言える
ぴん・ぽん・ぱん・ぽーん
不意に、ちょっと間の抜けた音が校内のスピーカーから響いた
???「二年乙組のとしあき、ちーすけ、鮭の三名は至急生徒会室までマッハで来やがって下さい
……繰り返します。二年乙組のとしあき、ちーすけ、鮭の三名は至急生徒会室まで悪女緊急発進しながら全力ダッシュして下さい。遅れたら死刑。ブッチしても死刑
命が惜しかったらさっさと生徒会室まで来なさい!」
続けてスピーカーから発せられたのは、俺達三人を名指しで呼び出す声
ちーすけ「……今のは……」
鮭「ゆむ先輩だな」
――……俺ら、何かしたっけ……?
ちーすけ「最近呼び出されるような心当たりのある事って言ったら演劇部の手伝いくらいだが…」
――考えても仕方ない。行こう
鮭「そうだな。待たせると後が怖い」
ゆむ先輩は『生徒会の暴君』の異名を取る程の人だ。遠慮の無い物言いと、小さな体に似合わない破壊力は多くの生徒から恐れられている
それと同時にそんなギャップがカッコイイ!と、同性異性問わずに人気が高かったりもする
一体どんな用があるというのか……?不安を抱きつつも俺達は生徒会室へ向かった
2
――失礼しまーす
ちーすけ「失礼しやーす」
鮭「失礼する」
扉を開けて軽く一礼し、生徒会室へと入る俺達。中にはゆむ先輩とあるる先輩が色々な書類片手にノートパソコンを操作していた
ゆむ「あぁ…来たか。わざわざ呼び出して悪いね」
俺達の姿を確認するとゆむ先輩は一旦作業を止め、来客用テーブルと椅子へと向かう
ゆむ「まぁ掛けなさい。立ち話もアレだしね」
腰掛けるよう進められたので黙って席に着く俺達。あるる先輩は我関せず、といった感じでそのまま作業を続行していた
そしてゆむ先輩が四人分の緑茶を用意して、俺達と向かい合って座るとおもむろに口を開いた
ゆむ「さて、突然呼び出した訳だが……何だお前等。何を固まってるんだ?」
ちーすけ「いやー、何言われんのかなーって思って…」
ゆむ「別に君達を咎めようって訳じゃない。それとも、何かやましい事でもあるのか?」
ちーすけ「滅相もない。なぁ?」
鮭「紳士ですから」
――さし当たってゆむ先輩に制裁を受けるようなことはしてないつもりです
ゆむ「………別に取って食おうって訳じゃない。君達は学園祭の準備の時、演劇部の裏方仕事を手伝ってくれただろう?その礼が言いたかったんだ
君達のおかげで滞りなく準備を進めることが出来た。ありがとう」
――……
ちーすけ「……」
鮭「……」
ゆむ「な、何だ…?鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して……」
――……いえ、そんなストレートにねぎらいの言葉を下さるとは思ってなかったので…
ゆむ「……私はそんな不躾な人間だと思われていたのか……。まぁいい。本題はこれからだ。君達、今度の連休空いてるか?」
いきなり連休の予定を聞かれた。何だろう、また何か手伝わされるのか…?
――今のところ何も
ちーすけ「無いッスよ」
鮭「マッタリ過ごす予定」
ゆむ「そうか、良かった良かった。欠員は作らずに済みそうだ」
――……欠員って……?
ゆむ「あぁ、今度の連休、我等生徒会メンバーと演劇部とで一泊二日の温泉旅行に行くことになってね。で、準備の犠牲になってくれた君達もどうかなと思ったのさ」
ちーすけ「…じゃあ、呼び出した理由って…」
ゆむ「参加か不参加を聞こうと思っただけだ」
ちーすけ「そうなのかー。俺はてっきり……」
ゆむ「……てっきり……何だ?」
ちーすけ「あー、いえ、何でもねぃです」
ゆむ「………まぁいい。三人共参加でいいんだな?」
ちーすけ「行かない理由が無いッスよ!」
鮭「温泉でのんびり過ごすのも紳士的だなぁ」
――異論無いです
ゆむ「分かった。用件はそれだけだ。もう戻っていいぞ」
もう用は無い、と言わんばかりに自分用のデスクに戻り、また作業を再開するゆむ先輩
退室しようとした時、集合時間とか場所とかはどうするんだろう?思った俺の心を読んだかのように、それまで作業に没頭していたあるる先輩が口を開き、
あるる「詳しいことは後でふまれに伝えさせるから」
簡潔にそう述べた。なら、追求しても無意味だな。邪魔にならない内に退散しよう
そして俺達は各々温泉旅行へと思いを馳せながら教室へ戻った
3
温泉旅行当日、後でふまれさんに伝えられた集合場所に向かうと、すでに俺以外の全員が揃っていた
…いや、引率の一人であるドリモグ先生が居ないから全員じゃないか
天子「おー、としあき、遅いぞー」
巫女巫女「やっと来たな雑用係A!俺の相棒は朝一番に来ていたというのに貴様はだらしないな!」
――誰が雑用係Aだ、誰が!ちゃんと時間厳守してるってのに
最高「でも一番遅く来たのは事実よね」
だぜだー「としあきは大体あんな感じなんだぜ」
すっぽこ「ま、まぁまぁ先輩方……としあきさんも言ってる通り、ちゃんと予定時刻には間に合ってますし、そんなに責めなくても……
巫女巫女「責める?違うなすっぽこちゃん。イジってるのさ。すっぽこちゃんも隙を見せるとああなるから、気をつけなよ?」
すっぽこ「あ…は、ハイ……」
……キチンと時間厳守したのに一番最後に到着したってだけでイジられる……クソ、何て時代だ……
いつもの「としあきも来たし、後はドリモグ先生だけか。コンビニ行って来るって言ってたが何処まで行ってるんだか……
まぁいい。今の内に誰がどちらの車に乗るか、決めておこう」
引率のいつもの先生が皆を見渡しながら言う
そして車に乗るメンバーの割り振りを決めると言った瞬間、生徒会の面々と天子ちゃん、圧殺さんの掛け持ち演劇部員以外の演劇部がいつもの先生のワゴン車に殺到した
巫女巫女「おい止めろお前等!定員オーバーすんだろうが!」
踏まれ「じゃあ巫女巫女先輩、ドリモグ先生の方に行って下さい!」
巫女巫女「一応紳士の俺だが、それだけは出来ん相談だ!」
だぜだー「紳士でも何でも皆命は惜しいんだぜ!」
詐欺夫「誰が何と言おうと俺はいつもの先生の方に乗る!これだけは譲れん!」
上海「わ、私だってまだ死にたくありません!」
ぎゃーぎゃーと言い争い、車上権を主張する面々。残された俺とちーすけと鮭、それに天子ちゃんと圧殺さんは呆然としている
てか、何気に死にたくないとか言ってなかったか上海ちゃん
いつもの「ハァ……またか……しょうがない連中だ……」
あるる「てかこうなること解ってるんですから、予めマイクロバスを用意するなり送迎バスを手配するなりして下さいよ、先生……」
いつもの「…スマン、失念していた」
言い争う面子の傍らで、呆れた様子のあるる先輩といつもの先生がそのやり取りを見ていた
うん、いい感じに嫌な予感がしてきたぞ。ホラ、いつもの先生が近付いてきた
いつもの「あー、スマンがとしあき………」
――俺達はドリモグ先生の方に乗った方がよさそうですね
いつもの「スマン!本当に申し訳ない!」
手を合わせて平謝りするいつもの先生。えぇ、いいんですよ。人間諦めが肝心な時もありますよ……
天子「折角だから、私はドリモグ先生の車を選ぶぜ!」
空気を読まず……いや、この場合読んだのか?天子ちゃんが高らかにそう宣言した。あー、こういう時キミの能天気さにすごくパルシィ
天子ちゃんの発言を皮切りに、いそいそとドリモグ先生側の車に乗り込むちーすけ、鮭、圧殺さん
……俺も行こう……。そう思い何だか動く棺桶に見えてきたドリモグ先生の車へと向かう。…所々にヘコみとか無数の傷があるのは見なかったことにしよう
ドリモグ「いやー、遅れて済まない。さ、出発しようか」
足取りの重い俺の背後から聞こえてきた、コンビニ帰りのドリモグ先生の出発宣言が死刑宣告に聞こえたのはきっと俺だけだろう
4
結論から言うと、俺達は生きて目的地に辿り着けた
道中の車内は、こんな感じだった……
天子「オィぃぃぃぃ!ドリモグせんせぇぇぇぇ!スピード出しすぎっすよー!!!?」
ドリモグ「んー?100キロくらい普通だろ?」
――どう考えても速度超過です。本当に(ry
ちーすけ「ちょ!先生!!対向車!対向車!ちゃんと見てくださいよぉぉぉ!!!」
ドリモグ「あースマン。サイドミラー畳んだまんまだった」
ちーすけ「ぎゃー!!!」
――他のドライバーの皆さん、本当にすみません……
鮭「せんせぇぇぇぇ!一般道でドリフト走行しないで下さいぃぃぃぃ!紳士的じゃないッスよぉぉぉ!」
ドリモグ「はっはっは。峠の私はもっとすごいぞー」
――ダメだこの先生………早くなんとかしないと………
圧殺「…………コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス………」
――なんか圧殺さんが呪詛吐き始めたー!
―――――で、今に至る訳だ。正直、よく事故らなかったな、としか言えない
鮭「ハハハ……俺もうジェットコースターとか怖くないぜ……」
ちーすけ「俺もだ……生きてるって、素晴らしいことだったんだな……」
圧殺「………抉る価値も無い…………いつか磨り潰してやる…………」
天子「……ねぇとしあき……私、頑張ったよね………もう、ゴールしてもいいよね………」
――………取り合えず帰ってこい、天子ちゃん……
魂が抜けそうになっている天子ちゃんを適当に小突いて意識を呼び戻す。折角生きて辿り着けたのに、ひとっ風呂浴びもしないで死なれても困る
最高「……見てたよ……。無事で何より……」
ゆむ「犠牲になったのね……ドリモグ先生の運転の犠牲に……」
半死人の俺達に、ゆむ先輩と最高さんが声を掛ける。でももうそれに応える気力すら残ってない
ドリモグ「おーい、何してるんだ?早く行くぞー」
俺達がこうなった原因を作った元凶は、何食わぬ顔で俺達を急かしていた
5
ちーすけ「あー……生き返る……」
鮭「……全くだ……生きててよかった……」
巫女巫女「大げさな奴等め」
――……真っ先にいつもの先生の車に逃げようとした人にだけは言われたくないですね
……地獄のスーパードライブタイムから解放され、ゆっくりと温泉に浸かる俺達。ちなみに混浴では無い。残念
だぜだー「すまなかったのぜ、としあきにちーすけに鮭。三人の尊い犠牲は忘れないんだぜ……」
――勝手に殺さないで下さいよ会長
詐欺夫「いやー、でもいい物見せてもらった。煽り運転してきた車といきなりレース始めちゃうんだもんなぁ、ドリモグ先生」
ちーすけ「……止めろぉぉぉ思い出させるなぁぁぁぁ」
鮭「………あれは………マジ死ぬかと思ったよ………」
青ざめた顔でそう語るちーすけと鮭。正直、俺も思い出したくない。……しかし、帰りもあるんだよなぁ……。ドリモグ先生が自重してくれることを祈るしかない
だぜだー「その調子で帰りも犠牲になってほしいんだぜ」
ちーすけ「だが断る」
鮭「いくら紳士な俺でももう無理」
巫女巫女「そんなことより女湯覗こうぜ!」
――紳士にあるまじき台詞だな、このダメ先輩
巫女巫女「手厳しいな。紳士な俺だってハメを外したい時くらいある!」
――客は俺達だけじゃないんだからマジ止めて下さい。それに……流石の巫女巫女先輩も女性陣にフルボッコにされて生き残れる自信は無いでしょう?」
巫女巫女「……冗談だ。だって俺、紳士だぜ?」
嘘付けコノヤロウ。目がマジだったぞ
詐欺夫「そういえば夕食済んだらちょっとしたイベントやるって聞いたんですけど、何やるんスか?」
だぜだー「肝試し大会なんだぜ」
ちーすけ「……肝試しねぇ……」
鮭「ドリモグ先生の運転以上に怖いモノなんて無い」
だぜだー「まぁまぁ、そう言うなだぜ。二人づつペアになって、この旅館の近くにある『出る』って噂の林道でやるんだぜ」
詐欺夫「…出るって…幽霊の類っスか?」
だぜだー「そうらしいのぜ。後、生首みたいでバスケットボールくらいの大きさの得体の知れない生物も出るらしいのぜ。突然現れて『ゆっくりしていってね!!!』って言うらしいのぜ」
――なんだそりゃ……
会長の語る得体の知れない「モノ」の話に、一様に首を傾げる俺達。……想像したら気持ち悪くなってきた。幽霊よりタチが悪そうだ
だぜだー「まぁそんなのはただの噂なんだぜ。実際に見たって人は居ないらしいのぜ。だから皆は気にせず暗がりに怯える女性陣にいい所を見せるんだぜ!」
そう言って親指を立て、サムズアップする会長。でも会長、肝心なこと忘れてます。ウチの学校の女性陣は、幽霊とか平気で返り討ちにしそうな面々ばかりだってことを……
6
夕食後、兼ねてより決められていた肝試し大会が行われることになった
司会進行役のドリモグ先生の傍らには、いつもの先生の姿が無かった
ドリモグ「あー、皆こんばんわ。進行はこのドリモグが勤めさせていただく
ちなみにいつもの先生は「私幽霊とかマジ無理だし、何か訳分からないモノが出るなら尚更」と言って不貞寝されたが、君達は全員参加してくれて先生嬉しいぞ」
そういえばいつもの先生は幽霊とかダメなんだっけ…
しかしまぁ、皆よくやる気になったモンだ。正直、肝試しって時期でも無いのに
天子「幽霊でも何でも私がやっつけてやるぜー!!!」
天子ちゃんは一人だけテンション高い。あの娘は本当に人生楽しんでそうだ
ドリモグ「では早速ペアを決めようか。誰とペアになっても苦情は一切受け付けない。
ペアはクジで決める。男女に分かれてクジを引き、番号が同じ者とペアだ。間違って緋想天ファイト始めるんじゃないぞ?」
そう言ってドリモグ先生は番号の書かれた細い棒を俺達に見せる。赤ペンで番号が書かれている方が女子、青ペンで番号が書かれている方が男子、と注釈も受けた
ドリモグ「あーそれと天子ちゃん、悪いが数合わせで男連中の方のクジを引いてくれるかい?」
天子「いいッスよー」
ドリモグ「うむ。スマンな」
ドリモグ先生に頼まれ、男連中に混ざる天子ちゃん。しきりにそわそわしてる
天子「としあきー!組むことになったら宜しくなー!」
――いや、天子ちゃんはどうあっても俺とは組めないだろ。数合わせとはいえ男側なんだから…
天子「はっ!?そうだった!!!おのれーはかったなどりもぐー」
……この娘は時々素の言動とネタかどうかの境界線が判断しづらい……
程なくして全員クジを引き終わった。出来上がったペアは―――
1:鮭・上海
2:だぜだー・すっぽこ
3:天子ちゃん・ふまれ
4:としあき(俺)・ゆむ
5:ちーすけ・あるる
6:巫女巫女・最高
7:詐欺夫・圧殺
だった。ちなみに出発する順でもある
上海「あ、あの…宜しくお願いします…」
鮭「あぁ、宜しく」
すっぽこ「はわわ…ドキドキしてきました……」
だぜだー「大丈夫だぜ!だぜだが護るんだぜ!」
天子「うおー、宜しくなー先輩ー」
ふまれ「ふふ……天子ちゃんは元気だね」
ちーすけ「クソ……あるるんじゃレイプ出来ねぇじゃん……」
あるる「何か言った?」
巫女巫女「……あんまり面白味が無い相手だ……。緋想天ファイトならともかく……」
最高「その台詞、そっくりそのまま返すわ」
圧殺「……………」
詐欺夫「え、えーと…よ、宜しく……?」
出来上がったペア同士、軽く挨拶を交わす。そして、俺とペアになったゆむ先輩は……
ゆむ「…………」
――あ、あの…どうしたんですか?ゆむ先輩……。何か顔色悪いですよ?」
ゆむ「そ。そう?気のせいじゃない?大丈夫よ」
そう言って俺から視線を逸らすようにそっぽ向くゆむ先輩。というか、皆で集まった辺りからすっと顔色が悪かった。体調が芳しくないのだろうか?
――先輩、体調悪いなら先生に言って……
ゆむ「うるさい!大丈夫だって言ってるでしょう!!!」
――す、すみません……
結局、それから出発してもゆむ先輩は一言も口を利いてはくれなかった
ゆむ「…………」
――…………
真っ暗な林道を、懐中電灯の明かりだけを頼りに、互いに無言で歩く。ゆむ先輩は小刻みに震えながら、やたらと辺りをキョロキョロ見渡し、警戒している
――………先輩、もしかして怖いんですか………?
ゆむ「ッ!……はぁ!?何言ってるのよ!ここ怖いとか、そんなことある訳無いでしょう!!!」
――でも、震えてますし……声だってちょっと上ずってますよ…?
ゆむ「……ちょ、ちょっと風が肌寒いだけよ!」
怒鳴り散らしてズカズカと先を進むゆむ先輩。てか、ライト持ってるの俺なんだから、一人で先進んだら色々危ない……
サァァァァァ
ゆむ「ひっ……!!!?」
突然吹いた風に、さっさと先を行くゆむ先輩が、体を一際びくりと震わせて怯えた声をだす
――落ち着いて下さい、先輩。風で木の枝が揺れただけです
ゆむ「そ、そう…。な、何よ、脅かしてくれちゃって………」
先輩は心底ホッと様子で溜息を付く。「やっぱり怖いんじゃないですか」と言いたかったが、喉まで出掛かって慌てて引っ込めた。もう何言っても怒るだけだろうし
だが、そんな安堵したゆむ先輩を狙い撃つかのように、今度は茂みがガサガサと揺れる
ゆむ「……ひぃっ!!!い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
――ちょ、ゆむ先輩!?
ただ茂みが揺れただけ。普通ならそれで済む話だ。だがもう限界だったのだろう
ダムが決壊するかのように今まで押し込めていたモノを、叫びと共に吐き出したゆむ先輩は茂みで足が傷つくのも構わず茂みを越えて脇道へと走り去ってしまう
「ゆっくりしていってね!!!」
先輩が走り去ると同時に、茂みから黒髪に特徴的なおさげと赤いリボンをつけ、不敵な笑みを浮かべる生首のようなモノが「ゆっくりしていってね」と叫びながら現れた
こいつが会長の言っていた「得体の知れないモノ」か。だが今はこんな奴よりゆむ先輩の方が先だ
――ゆっくりしてる暇なんてねぇよ!!!
「ゆべぇ!!!!」
目の前に現れたよく解らない物体を思い切り蹴り飛ばし、すぐさまゆむ先輩を追う。去り際に「もっとゆっくりしたかった……」という呟きが聞こえた気がするが、どうでもいいことだ
7
ゆむ「……うぅ……ひっく……グスッ……」
俺がゆむ先輩に追い付いた時、先輩は大きな木の根元で蹲って泣いていた
走って荒くなった呼吸を整え、ゆむ先輩の肩にそっと触れる
ゆむ「……ひっ!!!い、いやっ!来ないで!来ないでぇ!!!」
その俺の手を振り払おうと、いやいやするゆむ先輩
――先輩!俺です!としあきです!
ゆむ「ひっ……うっ……とし……あき……?」
――そうです。足もちゃんと付いてるし、ホラ、触れるでしょう?
ゆむ「うっ……うっ……としあき……としあきぃぃぃ」
決壊したダムはもう止まらない。ゆむ先輩は顔を涙でくしゃくしゃにして、俺にしがみつく様に抱きついた
――落ち着きました……?
枯れ果てるんじゃないかという程涙を流して、ゆむ先輩はようやく泣き止んだ
俺の腕に抱かれてぐすぐす鼻を鳴らすその姿には、いつもの『生徒会の暴君』は存在しない
ゆむ「……うん……ありがと……としあき……」
――大したことはしてません。でも………やっぱり怖かったんですね?
ゆむ「……私……ダメなのよ……幽霊とか……」
――やっぱりそうだったんですね
からすなべ先輩辺りが知ったら『生徒会副会長の意外な弱点発覚!!!』とかいう見出しで学園新聞のトップを飾ることだろう
いや、誰に限らず、プライドの高いこの人がそんな自分の弱点を曝け出すようなマネはすまい
ゆむ「……幻滅したでしょう?いつも偉そうなこと言ってるクセに、幽霊とか苦手なんて……」
――そんなこと……
ゆむ「嘘!!!笑いなさいよ!!!『幽霊怖がるなんて情けないですね』とか!『そんなザマでよく生徒会副会長なんて務まりますね』とかさ……」
――先輩……
言いながら、また目に涙を溜めるゆむ先輩。今の言葉は、自分自身に向けた物だろう。誰でもない自分自身が、そんな情けない自分を許せないのだ、この人は
――先輩、誰にだって怖い物の一つや二つありますよ
ゆむ「………だから何………?」
――別に幽霊苦手でもいいじゃないですか。そんなことで誰も先輩のことを嫌いになったりしませんよ
ゆむ「……何でアンタにそんなことが解るのよ…!!!」
――俺は、幽霊怖がってるゆむ先輩、可愛いと思いますよ?……なんて言うか……先輩も女の子な一面があったんだなぁって
ゆむ「……な、何……言ってるのよ……バカじゃない…の」
――もっと「女の子」な先輩を見せてほしいですね。個人的には
ゆむ「―――――ッ!!!!」
俺のそんな言葉を聞いて、耳まで真っ赤に染め上げた先輩は顔面を叩きつけるように俺の胸に顔を埋めた
ゆむ「………ホントに………私のこと可愛いと思ってるの?」
――えぇ、勿論
ゆむ「………だったら………私を「女」にしてよ……」
顔を埋めながら言ったその言葉に、一瞬思考が停止した
――せ、先輩……それって………
ゆむ「お、女の口から皆まで言わせる気!!?」
――す、すみません………。でも、本当に……いいんですか?
ゆむ「く、口止め料よ!させてあげるから、その代わりさっきまでの出来事は誰にも言うんじゃないわよ!!!」
――は、はい…
まだ顔が真っ赤っかなのは相変わらずだが、漸くいつものゆむ先輩が戻ってきた気がする
――じゃあ……行きますよ……
ゆむ「――ッ!?」
言うが早いか、即座にゆむ先輩にキスし、唇を塞ぐ。先輩は最初こそ驚いたようだが、何度も唇を重ね、最後には舌まで絡めてきた
ゆむ「……んっ……ちゅ……はっ……むっ……う……ん……ぷは………」
絡めあった舌と舌が漸く離れた時、唾液が透明な糸になって淫猥な輝きを放った
――……先輩……意外と積極的なんですね……
ゆむ「……それはこっちの台詞よ……。ちょっと驚いたわ…」
――お互い様ってことですか…
ゆむ「そうみたいね。………ねぇ、もう一回キス……して?」
――……分かりました
今度はお互い示し合わせて唇を重ねる。貪るように唇と唇をすり合わせ、舌を絡めあう。唇が重なる度に互いの吐息が荒くなる。どんどん自分昂ぶっていくのが解った
それはゆむ先輩も同じようで、口付けしあうのを止めると、恍惚の表情を浮かべてじっと俺を見つめた
その目は「もっとしてほしい」と訴えているようだった
――先輩、続けますよ…?
一応確認を取る。先輩は何も言わず、ただコクリと頷いた
もう言葉なんて要らない。先輩をそっと寝転ばせて、首筋から順に舌を這わせていく
ゆむ「……んっ……ふ…ぅ……あっ……」
愛撫する度に体をピクリと震わせ、か細く声を漏らす先輩。同時に、ゆっくりと服を脱がせる。少しずつ華奢な体が外気に触れる
――先輩…肌、綺麗ですね
ゆむ「……んっ……そ、そう……?よ、よく…分からないわ……」
月明かりの僅かな光に照らされる肢体は、劣情を誘う。いつの間にか、俺のペニスはガチガチに硬く勃起していた
それを知ってか知らずか、ゆむ先輩がガチガチのペニスをそっと撫でた
――うっ………せ、先輩……?
ゆむ「…んふふ……としあきのココ、硬くなってる……」
――………先輩が魅力的だからですよ………
ゆむ「……発育不全な幼児体型よ……?」
――関係ありませんよ、そんなの……
ゆむ「……ふぅん……としあきってもしかしてロリコン…?」
――そ、そういう訳じゃ…なくてですね……
ゆむ「……ふふ、ゴメン。ちょっとからかってみた」
――せ、先輩……
ゆむ「ふふふ………。可愛いところあるじゃない、としあきも……。ねぇとしあき……私も………としあきにシてあげたいな……攻められてばかりじゃ癪だし」
――……分かりました。じゃあ………
俺達は体勢を変えて、お互いの性器を見せ合う形になる。所謂、69と呼ばれる体勢だ
先輩の秘部を、間近で目にする。でも嫌悪感は感じない。むしろもっと先輩に気持ちよくなってほしいから………気付けば指で触れて穴を広げ、溢れてくる蜜を舌で掬い取った
ゆむ「きゃ……!こ、こらっ……!いきなり………」
――すみません、先輩。俺、先輩のこんなエッチなところ見たら、我慢出来ませんよ……
ゆむ「……ったく……そんなの……私だって一緒なんだから………んっ……む……っ……ふ…ぅ………」
――う……ぁ………せん……ぱい……
不意にペニスが暖かな感触に包まれる。俺に負けまいと、ゆむ先輩がペニスをしゃぶり始めたのだ
ゆむ「んふっ……んちゅっ………んぷっ……ちゅっ……」
――あ……あぁ……せ、先輩………
ゆむ「んぶっ……ちゅぼっ……ちゅぼっ……ん……ふ…ぅ………」
――う、うぅ……く……ま、負けるか……
激しく、それでいて丹念に俺のモノを舐め上げる先輩。負けじと、こちらもヴァギナへ舌を這わす
ゆむ「……んっ……んぅぅっ………。あっ……はぁ………だ、ダメ………そんなに……舐めたら……あぁ………!」
やったらやり返す。俺も、先輩も、互いが互いを高めあっていく。もう快楽を貪ることしか、お互い頭に無かった
――あっ……はぁ……先輩………俺、もう……
ゆむ「………んっ……はむっ……ちゅっ………はぁ……イキそう……なの?としあき………。いいよ………出してぇ………受け止めてあげる……。んんっ……」
爆発寸前のペニスを更に舌で舐めまわされ、竿は激しく扱かれて…俺はもう先輩を攻め立てるどころじゃなくなり、ただ夢中でペニスから与えられる快楽に没頭した
――あぁぁ……い、イク……。俺、イッちゃいます…!先輩……!
ゆむ「……んんんっ……ちゅっ……ちゅっ……ちゅぼ……ふっ……は…っ…んぶっ……」
――うあぁぁぁ……!せ、先輩……イク…………
その瞬間、頭の中が真っ白になって……俺は果てた。ドクドクと、精液が放たれるのが自分でも分かった
放たれた精液はゆむ先輩の顔を、髪を汚していた。こぼれ落ちる精液を舐め取りながら、「いっぱい出たわね…」とうっとりした表情でゆむ先輩は言った
そして、今度は自ら足を開いて、
ゆむ「次はとしあきが私を攻める番、でしょ?」
ヴァギナを指で広げて、そう言った
――せ、先輩……
ゆむ「は、早くしなさいよ………ホントは……は、恥ずかしいんだから……」
――……分かってます……
さっきは無様に果ててしまったけど、今度はこの人を満足させたい……そう思うと一度射精して萎えかけたペニスもまた硬さを取り戻した
そして導かれるまま狙いを定め、
ゆむ「……んっ……は………あぁっ………!」
先輩と、一つになった
途中、何か膜のようなモノを突き破った感覚があった。見ると、ヴァギナとペニスの間から、赤い液体が太ももを伝って流れ落ちていた
――先輩……初めてだったんですか……?
ゆむ「あ、当たり前じゃない………。何よ、遊んでるとでも思った?……最初に言ったでしょ?「私を女にして」って」
――先輩………
ゆむ「ゆ、ゆっくり動くとか…そういう気遣いしなくてもいいから……。アンタの好きなように動きなさい……」
そう言って強がる先輩の目には涙が滲んでいる。男の俺には解らないけれど、破瓜の痛みというのは相当なモノなのだろう…。それでも、自分を気遣う必要なんて無い、と言う
強い人だ。俺は、きっと何をしてもこの人には敵わないだろう。でも、それでもいい。今は……彼女の望む通りにしよう
――……じゃあ、動きますよ……
ゆむ「う、うん………。うっ……くっ……ひ……っ……あ、ぅぅぅ………」
ゆむ先輩が悲鳴にも似た呻き声を上げる。結構濡れていたとはいえ体の小さいゆむ先輩にはキツいだろう
それでも、俺は注送を止めない。ここで彼女を気遣って動きを止めたりすれば、きっと彼女はそっちの方を怒るだろう
だから……
――(先輩……ゴメン……)
心の中で謝って、ひたすら腰を動かす
ゆむ「……んんっ……ふ……あ…あぁ……くぅ……!と、としあき……」
――……なんですか?ゆむ先輩……
ゆむ「抱きしめて……くれる?ぎゅっ、てしてほしいの………」
――お安い御用です……
俺は先輩を抱きしめる。強く、強く。離れないように
ゆむ「ふふ………暖かい…ね……としあき…は……。うっ……ふぅ……んっ……あっ……あぁぁ……」
休まず注送を続ける中、少しずつゆむ先輩の声に甘い感じのものが混ざり始める。除々に感じるようになってきたのだろうか……?
ゆむ「……はっ……あっ……ふっ…あぁぁぁ……あぁ……ん……はぁ……としあき………」
――先輩……ゆむ先輩……!
先輩の温もりを感じる。そして…限界が近付いてきている
――先輩………俺、また………!
ゆむ「……い…いよ……、出して………。私の一番奥に………としあきのを頂戴!」
――あぁぁ!先輩……!!!
ゆむ「…あぅ……は…ぁ………あぁぁぁぁ!!!」
限界を迎えたペニスが、再び精液を吐き出す。今度はゆむ先輩の膣内へ………白濁としたモノを流し込む
――はぁ………はぁ………はぁ……
ゆむ「……ぁん……としあきのが……中に来てる……」
――先輩………
ゆむ「…………何も言わないで………今は……ね?」
――………はい………
俺達は暫く繋がったまま、抱きしめあった―――
8
だぜだー「おー、遅かったんだぜ、二人共」
行為の後、大幅に遅れて帰ってきた俺達を迎えたのは会長だった
――遅くなってすみません、会長
だぜだー「んー、だぜだは別に気にしないんだぜ?でも皆心配してたから、ちゃんと謝っておくんだぜ?」
――はい、すみません………
だぜだー「まぁ無事で何よりなんだぜ。でも……何で遅れたのぜ?それに…なんでゆむっちととしあきはそんなにくっついているのぜ?」
――え、えーとですね………
うーん、どうしよう?まさかSEXしてましたとは言えんし………
俺が答えに詰まっていると、ゆむ先輩がふぅ、と溜息をつき、
ゆむ「私が足を挫いてしまって、暫く動けそうになかったので脇道に逸れて休んでいたんです」
ハキハキとそう答えた
だぜだー「そうだったのぜ?大丈夫なのぜ?」
ゆむ「えぇ、問題ありません。まだ少し痛みますが、としあきが介抱してくれたので」
だぜだー「そうなのかー、だぜ。まぁゆむっちが問題無いって言うならだいじょうぶなのぜ。としあき、ゆむっちを部屋まで送ってあげるんだぜ」
――はい、そのつもりです
だぜだー「じゃあだぜだはいつもの先生とドリモグ先生に、二人が無事に帰ってきたことを報告しにいくのぜ!じゃあまた後でだぜ!」
そう言うと会長はすぐさま踵を返して駆け出して行く。どうやら特に不信感を抱かれることはなかったようだ。……流石ゆむ先輩
ゆむ「ったく……場を誤魔化す嘘くらい、すぐ出来るようにしなさい。あぁ見えて会長はしつこいから、アンタがあのままおろおろしてたら確実に色々追求されてたわよ?」
――うっ……す、すみません……
ゆむ「ふぅ……まぁいいわ。じゃあキチンと部屋までエスコートしてよね?」
――あ、はい。それは……勿論。………時にゆむ先輩。胸が当たってるんですが………
ゆむ「当ててんのよ」
――そうなのかー。でも歩くのまだ辛いでしょう?お姫様だっこでもしましょうか?
ゆむ「ば、バカ!恥ずいでしょそんなことしたら!それに………」
――それに?
ゆむ「……う、うるさい!さっさと行くわよ!!!」
――へーい
ゆむ「返事は『ハイ!』」
――は、ハイ!!!
ゆむ「よろしい。あー、それと……としあき……」
――な、何ですか?
ゆむ「………今日のことは、二人だけの秘密よ……?いいわね?」
――…………ハイ!
了
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