1
もまれ「……これは……スクープかもです……!」
言いながら、私は物陰から物陰へと素早く移動を繰り返す
ここで見つかってしまっては、現在の取材対象から必ず「お仕置き」を受けることだろう
もまれ「……噂は本当だったのね……。くたちゃんとテケ先輩のイケナイ関係……」
私の視線の先には、くたくたちゃんとテケ先輩が居る
ただ一緒に居るだけなら別に何でも無いことだろう。だが、件の二人はソフトクリーム片手に楽しく談笑しながら下校している
普段無口なくたくたちゃんからは考えられないような満面の笑みが、テケ先輩に向けられている
勿論、それはテケ先輩も同じだ。あ、テケ先輩がくたちゃんの頬に付いたクリーム舐め取った!何かエロス
この光景をそれぞれのファンが見ようものならパルスィすること間違いないだろう
……出来れば裏を取りたい!二人に突撃取材したい!
もまれ「でもそんなことしたら即切り捨て御免だろうなぁ……」
からすなべ先輩ならここで疾風の如く二人に近づいて、聞くだけ聞いてトンズラとか出来るのだろうけど、私にそこまでの瞬発力は無い
ならば、私で出来る方法を取ればいい。『放課後の密会!?噂の二人のイケナイ関係!』とか煽った記事を書けば後はそれを読んだ人が考えることだ
もまれ「(なべ先輩も驚くような記事にするんだから…!)」
意気揚々と、目の前のスクープしか頭に無かった私は……
――もまれちゃん、何してるの?
突然後ろから声を掛けられ、
もまれ「ひゃああああああ!!?」
もの凄い素っ頓狂な声を上げてしまった
――わっ……!ご、ゴメン……。まさかそんなに驚くなんて……
声を掛けてきたのはとしあきさんだった。一学年上の、私の先輩だ
もまれ「…お、脅かさないで下さいよ!」
――いや、ゴメンゴメン。何かもまれちゃんの行動が怪しすぎて、気になったからつい……
もまれ「……はぁ、そうですか……。………っ!!!あー、くたちゃんとテケ先輩…!」
――えっ?
頭にクエスチョンマークを浮かべてそうなとしあきさんを尻目に、身を隠すのも忘れて二人の姿を追った
が、さっき大声を出した時に気付かれたのだろう。二人の姿はもう何処にも無かった
もまれ「……あぁぁぁぁ……折角のスクープが……。としあきさんの所為ですよ!!」
――お、俺!?俺、何かした……?
もまれ「しました!もう、すんごい邪魔してくれました!どう責任取ってくれるんですか!?」
――せ、責任って言われても……
きっと今の私は鬼のような形相(誇張)をしていることだろう。そんな私の剣幕に、としあきさんはオロオロとうろたえる
もまれ「……折角のスクープのチャンスだったのに……としあきさんの所為で台無しです!はぁ、これからは絶対警戒されるだろうなぁ……」
――す、スクープって、一体どんなの……?
もまれ「それは秘密です。でもスクープには違いないです。責任取って何かネタ提供して下さい」
――無理だよ……新聞部に提供出来るようなネタ、俺が持ってると思う?
もまれ「緋想天学園のあらゆる女性とフラグを立てては折り、フラグを立てては折るというとしあきさんなら一つや二つスキャンダルなネタを持ってそうですけど」
――……いや女友達が割と多いのは認めるけど……。てか、あの学園の女生徒の比率は絶対おかしい
もまれ「緋想天学園って昔女子校だったらしいですよ?今は共学ですけど」
――そうなのかー。……どっちにしろ、新聞部が喜びそうなネタは持って無いよ……
もまれ「………分かりました。じゃあ―――」
今思えば、この時の私は何を血迷っていたんだろう、と思う
2
もまれ「あ、としあきさーん!こっちこっちー!」
休日、私ととしあきさんは指定した待ち合わせ場所にて落ち合った
どこからどう見ても、これからデートに赴く男女に見えるだろう。私もそのつもりだ
……あの日、私がとしあきさんに思わず出した条件は、「私とデートする」だった
勢いとはいえ、中々大胆なことをしたと思う。だって私は今まで男の子とデートとか、一度もしたことが無いからだ
――もまれちゃん、お待たせ
もまれ「いえいえ、時間通りですよ。さ、行きましょ」
――……出来れば俺の財布事情は考慮してね……?
もまれ「…うふふ……さぁ、どうしよっかなー?」
――いや、マジで手加減して下さいお願いします
このデートの予算は、としあきさんの全額負担だ。これも条件の内に入っている
軽やかな足取りの私とは対照的に、としあきさんの足取りは重かった。まるで死刑台に連行される囚人のように。まぁ、当然と言えば当然なんだけど
最初にやってきたのは映画館。デートの定番よね
もまれ「『ゆっくりハザード』と『00⑨』、どっち観ます?」
――その二択だけ?
もまれ「割引券あるのがその二つだけなので。これに学割をプラスすれば、としあきさんの懐に大分優しいと思いますけど?」
――…あぁ、一応気を使ってくれてるのね……。ありがと…。もまれちゃんの観たい方でいいよ、俺は
もまれ「じゃあ00⑨にしましょう」
00⑨は某有名映画をパロディしたスパイ映画だ
スパイ映画なのだが、主人公のじぇーむず・チルノはすぐ騙されるわ捕まるわやかましいわでおおよそスパイとは言い難いのだが、何故か最終的にはキチンと任務を遂行し、成功させてしまう
そんなシュールさが人気の秘密なのかもしれない
――もまれちゃん、何してるの?
観終わった後、メモ帳片手に色々書き込んでいる私を見てとしあきさんが尋ねてきた
もまれ「あ、これですか?今の映画の要点を幾つか書いてるんです。何が記事のネタになるか分かりませんから」
――へぇ…。熱心だね
もまれ「まぁ、日課みたいなモノなので。…………よし、終わり。さ、次は何処に行きましょうか?」
――…取り合えずお昼にしようか
そうしてやって来たのはファーストフード店『ヤクモナルド』
定員は必ずネコ耳か、キツネの尻尾のアクセサリーを付けなければいけないという変わったお店だ
もまれ「としあきさんはこういうのよく食べるんですか?」
――まぁ、ね。一人暮らしの貧乏学生にとっちゃ、心強い味方だよ
もまれ「えー、ダメですよー。栄養偏っちゃいますよ?」
――……って言われてもなぁ………。もまれちゃん作ってよ。なーんて
もまれ「………」
――………うん、ゴメン。冗談
もまれ「……いいですよ。簡単なモノでよければ…」
――え……いいの?マジ!?
もまれ「あ、あんまり過度な期待はしないで下さいね!」
何だか成り行きで手料理を振舞うことになってしまった
ハンバーガーを頬張りながら、どんなメニューにするかをあれこれ考える。まぁ、どの道そんなに凝った物は作れないんだけど
それからゲームセンターに行ったり、ウィンドウショッピングしたり、夕飯の買い物をしたりしていたら、あっという間に時間は過ぎていった
でも、楽しい時間に水を差されるのは、いつも突然だ
――……ん……?何か冷たい……?
もまれ「……雨………ですね……」
買出しを済ませて外に出たところで、ポツポツと雨が降り出した
今日出かける前に見た天気予報では、午後からの降水確率はたったの20%だったというのに……これだから天気予報というのはアテにならない
そんなだから当然傘とかは持ってない訳で。それはとしあきさんも同じだったみたい
もまれ「でもこれくらいなら、ちょっと急げば傘無しでもイケますよね」
――そうだね
……なんて楽観視したのはまずかった
小走りで先を急ぐ私達の頭上に、雨は容赦なく勢いを増していき、としあきさんの家に着く頃には二人共ビショビショだった
コンビニにでも寄ってビニール傘でも買えば良かったのかもしれないが、後の祭りだ
――うひゃあ……ズブ濡れだ……
もまれ「……ですね……っしゅ!!!」
――大丈夫?もまれちゃん。すぐお湯沸かすから、ちょっと待ってて。服も乾かさないといけないし……
もまれ「あ…は、はい……」
――…と、その前にタオルタオル……
言いながら忙しなく家の中へ入っていくとしあきさん。暫くして、一枚のバスタオルを渡された
――まず、それで体拭きなよ
もまれ「ありがとうございます…」
――すぐお風呂も沸くから、暖まってくるといいよ。風邪引いたりしたら大変だしね
もまれ「……としあきさんは……?」
アレコレと私のことばかり気にしているとしあきさんは、未だに濡れたままだ。よく見ると体が冷え切っているのか、小刻みに震えている
――えっ、俺?大丈夫だよ。こう見えても割と丈夫だから
もまれ「は、はぁ……。でも……」
――いいからいいから。さ、早く
急かされるままにとしあきさんに手を引かれる私は、
もまれ「あ、あの!」
――ん……何?
もまれ「とっ、としあきさんも、一緒に入りましょう!」
――………へっ………?
勢いに任せて、とんでもないことを口走っていた
3
……としあきさんをデートに誘ったことといい、今こうして一緒にお風呂に入っていることといい、自分は一体何をしているのだろう?
これでは、彼に気があるみたいじゃないか。……それとも、自分で気付いてないだけで、私は彼に気があるのだろうか……?
……自分の気持ちが、イマイチよく解らない
少し狭い浴槽に、向かい合わせの私達。ちなみに、お互いタオルを体に巻いて隠すところは隠している
もまれ「………」
――………
立ち込める湯気と共に、気まずい沈黙が流れる
そんな沈黙の中、ふと、としあきさんが私のことをチラチラと見つつも必死で視線を外そうとしていることに気付いた
もまれ「…としあきさん、どうしたんですか?」
――えっ……?い、いや、何でもないよ……?
そうは言うが、なるべく私を直視しないようにしているのはバレバレだ
――そ、その……ね。目のやり場に困るというか……何というか……
視線を逸らしながら、としあきさんは言う。成る程、そういうことか
もまれ「…別にお互いタオルで隠してるんですから、そこまで気にすることじゃないと思いますけど…」
――そ、そうは言うけどね、もまれちゃん……。例えるならアレだ。混浴だって解ってはいるんだけど、何となく後ろめたい気持ちになるみたいな……」
もまれ「……そういうものでしょうか……?」
――……そういうものさ……。そ、それに……もまれちゃん、隠しきれて無いというか……
もまれ「えっ……?あー……」
としあきさんの視線は胸に注がれている。隠れているのに隠しきれていない。そういうことか
…自慢では無いが、私のバストサイズは結構大きい。こうしてタオルで隠しても、魅惑の谷間が出来てしまう
もまれ「こうして一緒にお風呂に入っちゃってる時点で、そんなこと気にしてもしょうがないような気もしますけど……」
――そ、それはもまれちゃんが強引に……
もまれ「…私の所為にするんですか?……本当は、期待してるんじゃないんですか……?」
言いながら、ぐいっと顔をとしあきさんに近づける
――そ、そんなことは……
もまれ「……本当に……?」
――……っ!そ、そこは……
戸惑うそとしあきさんのペニスにそっと触れると、タオル越しでも判るくらいにガチガチに硬くなっていた
ほら、やっぱり期待してる……
――も、もまれちゃん、止め………うぁ!
タオル越しに数回撫でた後、間髪入れずに隙間から手を差し込み、直接ペニスに触れる
ビクリ、と体を震わせるとしあきさんを見ながら、その形を確かめるように私はペニスを撫で、握る
――だ、ダメだよ……もまれちゃん……。冗談はそれくらいに……
もまれ「……じょ、冗談でこんなこと……出来ません……」
としあきさんは私に止めるように言う。でも、すでに私の中で別の思いが芽生えていた
心臓は破裂しそうなくらいドキドキして、物凄く恥ずかしいことをしていると判っていながら尚、
……自分が、としあきさんを『男』として求めているんだと理解した
もまれ「……としあきさん、立って……」
――……えっ……?
もまれ「早く、立って下さい」
――わ、分かった……
私の勢いに押され、としあきさんは要望通り立ち上がる
立ち上がった彼のタオルを剥ぎ取り、ガチガチのペニスをあらわにする
…そして私も……改めて一糸纏わぬ姿を晒し、自らの胸でとしあきさんのペニスを挟み込んだ
――うぁ……もまれちゃん……
挟み込んだまま、ゆっくりとペニスを上下に扱くと、としあきさんが嬌声を上げる
そのまま胸を体ごと押し付け、更に扱く
初めは戸惑っていたとしあきさんも、除々に息を荒げてペニスに与えられる快感に身を任せているみたいだった
それが何だか嬉しくて、もう恥ずかしさなんて何処かに吹き飛んでしまっていた
もっと気持ち良くなってほしい………そう思った私は、自然と舌を亀頭に這わせていた
――くっ………あぁ………
としあきさんの気持ち良さそうな声を聞きながら、私は一心不乱にフェラとパイズリに没頭する
もまれ「…んっ……ちゅ……んふぅ……ぢゅる……ちゅ……はぁ……」
――も、もまれちゃ、ん……
もまれ「……はぁ……んふっ……気持ちいいですか……?としあきさん……」
――う、うん……すごく……イイ……
もまれ「……クス……よかった……。もっと……気持ちよくなってね……ちゅ……ぢゅる……」
――……っ!あぅ……うぁ……あっ……
もまれ「……んっ……ちゅ……はむっ……ぢゅ……んうぅ……ちゅぱ……んふぅ……」
――も…ま……れちゃ……
もまれ「……っ!?」
としあきさんが苦しげな声を上げた瞬間、ペニスがビクビクっと震え、爆ぜた
勢いよく飛んだ精液が、私の口内を駆け巡る。反射的にペニスから口を離すと、残りの精液が顔と胸を汚した
でも、嫌悪感は感じなかった。むしろ、私の拙い行為で射精してくれたことが嬉しかった
口の中に入った精液を舌で転がす。苦くも甘くも無い、形容し難いその味は、
もまれ「……変な味………」
そんなありきたりな感想にしかならなかった
――………飲んだ……の?もまれちゃん……
もまれ「……はい、飲んじゃいました……」
――そ、そう………
ふふ、としあきさんったら顔真っ赤……
はしたない娘だと思われちゃったかな…?でも、今更だよね…。だって……今からもっとはしたないことするんだから……
もまれ「……ねぇ、としあきさん……」
――……な、何?
もまれ「………最後まで……して下さい……」
もう、この衝動を止められない
壁に手を付けて、お尻をとしあきさんに向ける
――行くよ……もまれちゃん……
自分のペニスを私のヴァギナにあてがって、としあきさんが言う
そのままゆっくりと、としあきさんのペニスが私の膣内に侵入する
もまれ「……うっく………あぁ!!!」
ぷつん、と、ペニスが何かを破る感覚と共に言いようの無い痛みが私を襲う
覚悟はしていたけど、やっぱり痛いものは痛い。この体勢だととしあきさんからは私の顔は見えないから、それだけは良かったかな…?
やがて私の膣内にペニスが全て埋まる。私達は、繋がったのだ
――もまれちゃん……大丈夫……?
もまれ「……は、はい……。ちょっと痛いですけど……」
ちょっと痛いなんて嘘だ。本当は物凄く痛い。でも、これ以上余計な気は使わせたくなかった
――……無理、してない?
もまれ「……へ、平気ですから…!う、動いて……いいですよ、としあきさん…」
――………分かった。じゃあ、ゆっくり動くよ?
もまれ「は、はい…」
私の痩せ我慢を察したかどうかは判らないけど、としあきさんはゆっくりと注送を始める
肉を内側から抉られるような感覚が私を襲う。痛みで思わず叫んでしまいそうだった
けれど、唇をグッとかみ締め、痛みを堪える
もまれ「……うっく……はぁ……あっ……うっ……」
喘ぎとは言いがたいうめき声が私の口から漏れる
でも、止めたいとは思わなかった。だって…自分で望んだことだもの……
もまれ「はぁ……はぁ……ぅぅ……くぅ……んはぁ……」
そうして何度か注送をされる内に、私の中で少しずつ痛みとは別の感覚が湧いてきた
痛みは消えないけど、それを和らげるように広がっていく感覚……
もまれ「(……私……感じて……る?)」
少しづつ、少しづつ、快楽が私を侵食していく。…初めてなのに感じるなんて、私って淫乱なのかな……?
もまれ「はぁ……んっ……あっ……ひゃん!」
未知の感覚に戸惑う私の胸にとしあきさんが突然手を伸ばし、そのまま胸を揉みしだいた
もまれ「……あっ……はぁ、ん!……だ、ダメぇ………!」
時に優しく、時に乱暴に、としあきさんは私の胸を揉む。乳首をコリコリと弄るのも忘れない
いつの間にか、破瓜の痛みは消えていた。もっとい揉んでほしい、もっと突いてほしい。……もっと激しく責め立ててほしい……
もう私は、快楽を貪ることしか考えてなかった
もまれ「……はぁ…ん!あっ…!と、としあきさぁん!もっと……もっとシテぇ!」
――…くっ……もまれちゃん……!
もまれ「…んっ……はぁ……あぁん……あっ……はぁ……んふぅ……うっく……あぁ……!」
浴室に生殖器が繋がり合う卑猥な音と、互いの息遣いだけが響く
――もまれちゃん……俺…もう……!
もまれ「あっ……はぁ……!い…いよ……来て、としあきさん……膣内に……膣内に出して…!」
――……うっ……く……!あぁぁ!!!い、イク……っ!
もまれ「あっ!……はぁん!……としあきさん……あぅ……は…ぁ………ふっ……あぁぁぁぁ!!!」
一層高い声を出して、お互い絶頂に達する
ドクドクと、熱い精液が私の膣内を満たしていく……
もまれ「……としあきさんの……暖かい……」
心地よい脱力感を感じながら、私はそっと自分のお腹を撫でた
もまれ「としあきさーん、もうすぐ出来るから、お皿用意してくださーい」
――あぁ。分かった
事が済んで、お互い気恥ずかしさを感じながらもお風呂で体を温めた私達は夕食の準備に移った
キッチンに立ちながら、何だか新婚夫婦みたいだなぁ、とかぼんやり考える
もまれ「(まだ付き合ってもいないのにね……)」
なのにすることはしてしまったのだから、順序がちぐはぐだ
もまれ「(……でも、としあきさんなら……いいかな……?)」
そんなことまで考えてしまう
もまれ「(……順序なんて、関係ないよね……?)」
今、彼に抱いている思いは……私にとっては確かなモノだ
だから―――
もまれ「ねぇ、としあきさん―――」
了