ss77895

Last-modified: 2009-04-05 (日) 22:23:42

(放課後:校舎2階)

 

王鮭「なぁ、俺ダイエット始めたんだ」
――「唐突だな、一体どうした?」
王鮭「そろそろ実家に帰省しなきゃだからさ、体鍛えるついでさ」
――「まさか・・・鮭だけに急流でも登ろうってのかよ」
王鮭「お、分かってんじゃん」
――(深くは突っ込まないでおこう・・・)
王鮭「で、水泳をはじめたらさ、これが結構俺の肌にあってるんだわ」
――(これは突っ込むポイントか!?)
王鮭「しかも、そのプールにはあの大パンダさんがいて、紳士としたら目のやり場に困るわけよ」
――「マジか!?」
王鮭「うむ、しかも決まって何故か俺のゴール地点にいる」
――「つまり、どういうことだってばよ?」
王鮭「俺が泳ぎきってゴールするだろ、大パンダさんが両手を拡げて待っててくれるんだ・・・しかしそこで毎回意識がなくなる」
――「夢かよ!」
王鮭「分からん・・・その後プールサイドで目を覚ますんだが、体重が減ってるからきっと泳いではいたはずだ」
――「そう、か・・・で、効果のほどは?」
王鮭「決まって170g減ってる」
――「・・・意外に小食なんだな」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

おまけ、そしてどこかに続く話

 

「ちーちゃん・・・ちーちゃん・・・どこ・・・」
あれは万歳ちゃんじゃないか
今日もちーすけを探してるのか・・・・・熱心だな
「としあきさん、ちーちゃん見なかった?」
「マイハニーなら必死の形相で2階に上がってきたところまでは見たぞ」
「鮭、そういうことは言っていいのか? ちーすけが逃げてた相手って・・・」
「俺は紳士だからな」
聞くなり万歳ちゃんは「ちーちゃん・・」と言って教室の中を探し始める
「おぉ、こわいこわい」
万歳ちゃんを見送ると鮭がゴソゴソとジッパーを開き始める
「でだ、としあき、これを見てくれ、こいつをどう思う?」
「すごく・・・大きいです」
いきなり硬くて黒光りする球を取り出す
「結構な質感だろ?」
鮭のモノにしては場違いなほど大きい塊を見せつけられて俺は喉を鳴らす・・・
「今なぜ、ここでそんなものを出すんだ!?」
「ふふ、お前にも見て欲しくてさ」
・・・・・・
鞄から取り出したボーリングの玉だった
「なんで持ってきてるんだよ!!」
「ここから捨てるためさ」
そう言って鮭はダストシュートを指す
この学校のダストシュートは結構大きく作ってある、なんでも入れられるようにだ
途中でいろいろ分岐があってきちんと分別されるらしい・・・仕組みは分からないが
「ボーリングの玉ははたして燃えるのか燃えないのか、はたまた再利用なのか気になってさ」
いや、気になっても知ることはできないだろ・・・
そもそも燃えねーよ
「お前、分別の判断がつかないからここで処分しようって魂胆か」
「そうとも言う、もうこのボールも用無しだしな」
「ボーリングダイエットはやめるのか」
「ああ、俺には地上よりも水中のほうがあってるらしい、昔やってたスクワットもやめたしな」
言いながらダストシュートの蓋を開ける
「さらばマイボール!」
鮭は球をその中に放り込む
ゴスッ
「ぐげっ」
鈍い音と悲鳴っぽい何かが聞こえた
ダストシュートの中から「さけぇぇぇぇぇぇぇてめえぇぇぇっ・・・・」と誰かの叫びが響いてる気がしたが
・・・気にしないでおこう

 

「としあきさん、ちーちゃんこっちに来なかった? ちーちゃんの声が聞こえた気がしたの・・・」
万歳ちゃんが戻ってくる
「こっちには来てないよ・・・でも、もう・・・2階にはいないんじゃないかな?」
「ありがと」
短いお礼の言葉とともに万歳ちゃんは捜索を再開しはじめた
「うむ、帰るか」
「帰るか」
俺たちは帰ることにした
ちーすけの無事を二つの意味で祈りながら

 
 

(おしまい)