しかねぇ「悪いっスね、片付け付き合わせちゃって」
―――「いやぁ、別にいいよ、どうせ暇だったしね」
日の沈んだ学園の体育館、居残って練習してるしかねぇに付き合っているうちに
完全下校時間ギリギリになってることに気づいた俺達は慌ててボールをかき集めて体育用具室に叩き込んだ。
体育館の鍵を返した後、帰り支度をするためにバスケット部の部室に向かう。
しかねぇ「いやー!いい汗かいたっス!やっぱ一人より二人でやったほうがいいもんっスね!」
―――「まぁ、俺ボール拾いとパスしか出してないけどね」
しかねぇ「それだけでも大助かりっスよ!一人だとボール集めの時間も勿体無いっスから!」
―――「ま、お役に立てて光栄だよ」
しかねぇはいつでも誰に対しても明るく笑顔でハキハキだ。
独特な口調もあいまって結構人気が高いらしい、あんまりくたくたちゃんとは馬が合わないらしいけど。
周りの人を自分のペースに巻き込むのはある意味才能ともいえる。
―――「へー、運動部の部室って意外と広いんだね」
しかねぇ「部員全員が着替えられるだけのスペースはあるっスからね、ウチの学校は色々贅沢っスよー」
―――「それは実感するよ・・・・・・色々おかしいからな、突っ込み出したらキリないけど」
しかねぇ「アハハ、それもそうっスね!さってと」
普段入ることの無い運動部、それも女子の部室をしげしげと眺めた後、目線をしかねぇに戻すと
こともあろうに体操服を脱ぎ始めていた。
―――「ブハッ!!!!!!な、なにやってんの!?」
しかねぇ「何って、着替えっス」
―――「それくらい見りゃ分かるって!ってそうじゃない!着替えるなら一言言ってくれよ!俺何にも見なかったから!」
慌てて外に出ようと伏目がちにしかねぇの横を抜けてドアノブに手をかけてガチャリと回す。
―――はずだったが何故かドアは一向に開く気配を見せない。ガチャガチャと悲しい金属音が鳴り響くだけだ。
しかねぇ「ふっふー、そのドア、一度しまると鍵がないと開けられないようになってるっス」
―――「だ、だったら早くその鍵を」
しかねぇ「渡すと思うっスか?こんな絶好の機会、逃すほど私は甘ちゃんじゃないっスよ~♪」
―――「な、何言ってるのか意味が・・・」
体操服の上を脱ぎ捨て、スパッツを足首の辺りまでするっと落としたしかねぇがこちらに近づいてくる。
心なしか股間の部分がひっそりと濡れているようにも見える。
汗で濡れた健康的な体は引き締まりつつも出るところは出ていて、女の子らしさを十分に見せ付けていた。
しかねぇ「・・・・・・とっしーがニブチンってのは知ってたっスけど、まさか実力行使に及ばざるをえないとは思わなかったっスよ・・・・・・」
―――「いや・・・・・・だから・・・その・・・前を隠して・・・・・・」
しかねぇ「・・・・・・とっしー・・・いや、としあき君、好きっス・・・・・・ここまでさせて、私に恥かかせたり、しないっスよね・・・・・・?」
しかねぇの顔が目の前に広がる。
唇にやわらかい感触。
制服越しに押し付けられるやわらかい女の子の体。
すっと手を導かれたそこは既に汗以外の暖かい何かでやわらかくほぐれていた。