緋想天学園に転校してきて一週間
そこそこに話せる相手も出来て快適な学園ライフを送っている
だが休日に遊びに行くような相手は今のところ居ないので、一人でゲーセンを堪能する事にした
…のだが…
明らかに不良たちに絡まれている一人の女の子を見つけてしまった
女の子は萎縮してしまって動けないで居るようだ
触らぬ神に祟りなしとは言うが…こんな状況をほうっておく事など出来ない
――「おい、お前ら!その子嫌がってるじゃないか!」
不良A「てめぇにゃ関係ねぇだろ!」
不良B「痛い目みねぇうちに消えな」
まずい…こいつら威圧感が凄い…
何度かこういう場面は経験しているが、今までのとはワケが違う気がする
だがここで引き下がるわけにはいかない
――「聞こえなかったか、その子嫌がって――」
言い終わる前に不良が仕掛けてくる
とっさに回避しようとするがとても間に合わない
ガスッ
――「ぐっ…!」
不良C「もういい、やっちまえ!」
不良たちが寄って集って殴りかかってくる
袋にされる中、俺は女の子が逃げるのを確認した
ぼこぼこにされ、意識が遠のきそうになったその時
背の高い女「おいそこの不良ども、もうその辺で良いだろ」
不良D「なんだ?てめぇも邪魔すんのかぁ?」
不良B「女だからって容赦しねぇぞ~」
背の高い女「お、やる気かい?ほら、早くかかっておいでよ。それとも怖いのかい?」
その背の高い女性は不良どもを軽く挑発する
不良A「てめぇぇぇぇ!」
不良の一人が女性に殴りかかるが――
背の高い女「遅いよ!」
女性は軽く避け、一撃で不良をOKしてしまった
強いなんていうレベルなのかこれは…
背の高い女「なんだい、この程度かい?期待はずれもいいところだね」
不良B「な…何だコイツ…化け物か…」
不良C「まさか貴様…めかぶか…」
めかぶ「おやおや、私のことをご存知とは、光栄だね」
不良D「ちっ…帰るぞ」
そういうと不良たちはその場を去っていった
…それにしてもめかぶと呼ばれたこの女性…一体何者…
めかぶ「少年、大丈夫か?」
――「う…うぅ…なんとか…」
めかぶ「随分酷くやられたようだね。立てるか?」
何とか立ち上がろうとするが、力が入らない
めかぶ「…ダメみたいだねぇ。しょうがない、肩貸すよ」
――「あ…ありがとう…」
めかぶ「とりあえず…その辺のベンチにでも座るか」
めかぶさんの肩を借り、何とか立ち上がりベンチまで移動する
めかぶ「しかし君も中々無茶するねぇ…したらば学園のLunaクラスを相手に喧嘩売るなんて普通は出来ないからな」
――「したらば…学園…?」
めかぶ「ん?知らないのかい?てっきり服装からうちの生徒だと思ってたんだけど」
――「??」
よく見るとめかぶさんの制服はうちの学園の物だった。リボンの色からすると3年生のようだ
――「…あぁ…すみません…転校…したばかりで…」
めかぶ「なるほどね。それで知らなかったのか。したらば学園ってのは――」
話によるとしたらば学園はうちのライバル校らしい
クラスは実力によって分けられ、Lunaクラスはその中でも上から2番目に強いらしい
…道理で奴ら強いオーラが出てたわけだ
めかぶ「まぁそれにしたって、君みたいに男らしいのはいまどき珍しいね。あっさりやられてたけど」
――「…最後のは余計です…あと…俺の名前…としあきです…」
めかぶ「としあきね。覚えとくよ。学校も同じだから、また会う事もあるだろう。その時はよろしく」
――「あ…はい…」
めかぶ「さて…歩けるようになるまで、私がついててやるから少し横になってな」
めかぶさんの好意に甘え、横になる事にする
そしてその後動けるようになるまでしばらく雑談した
もっとも、話したのは殆ど俺の事だったのだけど
めかぶ「さて、もう大丈夫そうだな」
――「はい、おかげさまで。本当に助かりました」
めかぶ「いいさ。次からは喧嘩売る相手は選びなよ。いつも私が居るとは限らないからな」
――「肝に銘じておきます…」
めかぶ「それじゃ、またな。校庭の隅の方に大きい木があるだろう。学校で私に会いたくなったら、昼休憩にそこに来ると会えるかもしれないぞ」
――「わかりました、時々お邪魔させてもらいます」
めかぶ「あぁ」
それが俺とめかぶさんの出会いだった
翌日学校で、彼女が学園2強と言われる2人の一人である事を知った