ss86181

Last-modified: 2009-08-12 (水) 21:10:04

くるるくんに元に戻れる薬を調合してもらい、無事に男に戻る事が出来た僕はついに一大決心をする
そして――

握手「あ、あの!いつもの先生!」
いつもの「…はい」
握手「僕と…結婚してください!!」

さすがの僕も不安で胸が張り裂けそうだったが、今までの付き合いからも断られる事はさほど考えていなかった
だが…

いつもの「…ごめんなさい…私にはもう心に決めた方が居ますので…」
握手「え……そんな…」

まさかの事態に頭の中が真っ白になる

いつもの「本当にごめんなさい…それでは失礼しますね」

その場を去っていくいつもの先生
僕は愕然としたままその場に立ち尽くすしかなかった

そして時は流れ――いつもの先生の結婚式当日
僕も式に招待され出席していた
周囲は当然、祝福ムードでいっぱいだった
ただ一人、僕を除いて
そして、式が始まった

司会「それでは、新郎新婦の入場です」

場内にエレクトーンの音色が響き渡り入り口の扉が開く
そしていつもの先生と新郎…としあきくんが入場してくる
そうか…いつもの先生が心に決めたというのは彼の事だったのか

二人が一歩一歩歩みを進める
そして神父の前に辿り着く

神父「汝としあき。汝は病める時も健やかなる時妻いつものを愛し、敬い、共に歩み続ける事を誓いますか?」
――「はい、誓います」
神父「汝いつもの。汝は病める時も健やかなる時も、夫としあきを愛し、敬い、共に歩み続ける事を誓いますか?」

ダメだ…もう限界だ…!

握手「待ってくれ!」

会場中の視線が僕に集まり、騒然となる
僕はいつもの先生に向かって歩きだす
そしていつもの先生の前に辿り着いた時、会場が静まり返った

いつもの「握手…先生…」
握手「いつもの先生…ごめんなさい…でも…」
いつもの「あ…っ」

僕はいつもの先生の手を掴んで走り出した
いつもの先生はそれについて来てくれてる
そのまま僕たちは会場を後にした

そして――

いつもの「あの…握手先生…」
握手「本当ごめんなさい!!結婚式までぶち壊しにしてしまって…」
いつもの「いえ、良いんです。私、こういう風に結婚式でさらわれるのって憧れてたんです」
握手「え…もしかして…それって…」
いつもの「はい、これからよろしくお願いしますね、握手先生」

いつもの「…くしゅ先生…握手先生」
握手「ん…う~ん…」
いつもの「握手先生、机で寝ては姿勢体に毒ですよ」
握手「アレ…ここは…」
いつもの「疲れてるのもわかりますけど、寝る場所には気をつけてくださいね」
握手「あ…はい…」

寝ぼけたまま胸を確認してみる
…あった
と言う事はさっきのは夢…

握手「はぁ~…」

不意に溜息をつく

いつもの「握手先生、どうかされました?」
握手「いえ…ちょっと夢の中でけっこ…何でもないです」
いつもの「けっこ…?」
握手「それよりこの後二人で飲みにでも」
いつもの「そうですね、仕事が終わったら」

やっぱり結婚は…夢より現実でしたいからね

続かない