朝。
いつもどおり始業チャイム5分前に付くように時間を調整して家をでた俺は学校へ向かう道を歩いていた。
遅めな時間のせいか同じく学校へ向かう生徒達はまばらだ。
いつものペースで歩いているところへ後ろから聞き覚えのある声がした。
?「や、おはようとっしー」
─お、誰かと思えばしかねぇさん、おはよう。
声の主はいつもマウンテンバイクで登校をしているしかねぇさんだった。
だが今日はマウンテンバイクから降りて手押しをしている。
わざわざ何でそんなことを?と思ってしかねぇさんの隣にもう一人、誰かがいた。
─そちらの方は?
し「あ、としあきはまだ会ったこと無かったっスか。
紹介するっス。ウチの師匠のいくべぇさまっス。」
─どうもはじめまして。2年のとしあきと言います。
べ「はじめまして。君がとしあき君か。
しかねぇ君や他の人達から噂は聞いているよ。」
(─どんな噂だろう…
あることないこと吹き込まれていそうな気もしないでもないが深く考えてもしょうがないかと考えているといくべぇさんがまじまじと俺のことを見ている事に気付いた
─お、俺の顔なんか変ですか?
べ「ああ、いや気にしないでくれたまえ。
ちょっと変わった髪型をしているなと思ってみていただけだ。
しかし君はその前髪で前がみえなくないのかい?
いや、きっとしかねぇ君のことを認識したから見えているのだろう。
ならばその前髪はどういう構造になっているのだろうか?
隙間から見えているのか、それともサングラスのように透過している可能性もあるのか、はたまた野生の感で察知しているのか。
何にせよ特殊な髪型とは思うが自分からそういう風に整えているのかい?
君のアイデンティティというのであれば私からは何も言えることはなくなってしまうのだが。
ああ、いや勘違いしないで欲しいが別にその前髪が悪いといっているわけではないよ。
単にこういう性格で些細なことが気になって原因を追究することが好きなだけでそれを解決するためには当人に聞いたほうがいいというのは判っているのだが、考察し自問自答をするのも楽しいからね。」
─…(ポカーン
すごい勢いでまくし立てられてしまったあまり口を半開きにしマヌケ面を晒してしまっている俺がいた
が、いくべぇさんはそんな俺に構わず独りで自問自答を繰り返していた。
い「…ああ、すまない話がそれてしまったね。
ところで、しかねぇ君はこのとしあき君の前髪はどうしてこうなったと思う?」
し「ん~~~そうっスねー。遺伝とかっスかね?」
い「遺伝…遺伝か。何せこれだけ特殊な前髪だ。ありえない話ではないね。
そうだとすると母親父親どちらの遺伝だろうか?
男の子は母親ににるともいうが父親に似ている人も多いから当てにならない。
もしかしたら両親ともこんな前髪をしているのかもしれないね。
興味深い。機会があるならば君の両親に一度あってみたいものだね。」
─は、はぁ…機会があれば是非…
し「おっ、師匠会ってその場で両親にご挨拶がしたいとは。中々ヤルっすねー♪」
べ「おっと、こんな時間か。そろそろいかないと遅刻してしまうな。
ではとしあき君。またどこかで。」
─は、はい…
し「じゃあまたっスよとしあき。師匠~まってくださいっス~~~」
─朝からどっと疲れてしまった…
よくしかねぇさんはいくべぇさんのノリについていけるなぁと思いつつダッシュで教室に向かうのであった。
おわり