ss95531

Last-modified: 2009-11-20 (金) 05:26:04

1.へたれいむ

何だろう、朝っぱらから奇妙なモノを目撃してしまった
セミロングにちょこんとした控えめなツインテールの巫女装束の女の子が、『対戦募集』というプラカードを持って歩いていたのだ
…何だか面白そうなのでちょっと付いて行くことにした。勿論、気付かれないように
しかしあの子は誰だろう?あまり見かけない顔だ。あんな目立つ格好してたらすぐ目に付くだろうに

充「やぁ、いいかい?」
???「あ、構いませんよ。よろしくお願いします」

歩くこと5分。奇妙な巫女少女に声を掛けたのは一人の男子生徒……ではなく、れっきとした女子生徒
あれは…たしか充さんだったかな。何故か男装してるクールビューティーさんだ
それはさておき、二人は挨拶もそこそこに緋想天ファイトを開始する。…さぁ、あの巫女少女の実力や如何に?ってところか

…少女対戦中

数分後、そこには地に伏せる巫女少女の姿があった。……てかやけにアッサリやられてたぞ……。不調か?

充「お疲れ様、Nullさん」
Null「あ、ハイ!お疲れ様です!」

見た目程ダメージは深刻ではなかったのか、Nullと呼ばれた巫女少女はぴょん、と立ち上がる

充「じゃあ、私はこれで。またよろしくね」
Null「ハイ!またよろしくお願いします!」

颯爽と去っていく充さんに何度もお辞儀をするNullちゃん。中々礼儀正しい子のようだ
その後、Nullちゃんはまたプラカード片手に次の対戦相手を求めて歩き始めた。俺も慌てて後を追う

いつもの「少し、よろしいでしょうか?」
Null「あっ!いつもの先生!今日もご享受お願いします!」

次に彼女が遭遇したのはいつもの先生だった
…そういえば俺、いつもの先生が緋想天ファイトしてるところってあまり見た事ないなぁ。よし、ここは見学見学…

…少女対戦中

数分後、そこには地に伏せる巫女少女の姿が……ってさっきと同じ光景じゃねーか!デジャブ?

Null「あぅぅ……いつもの先生、お疲れ様でした……」
いつもの「お疲れ様です。…頑張っていますが、まだまだですね」
Null「うぅ…よろしければアドバイス等をお願いしますぅ……」
いつもの「分かりました。まずはですね……」

その後、いつもの先生のアドバイスをメモを取りながら熱心に聞き入るNullちゃん。うーん、俺とはえらい違いだ

いつもの「……と、いう訳です」
Null「成る程……分かりました!先生、ありがとうございます!」
いつもの「いえ、私もまだまだ学ばなければならないことが沢山あります。お互い精進しましょう」
Null「ハイ!」

イイシテイカンケイダナー。天子ちゃんもあれくらい真面目にいつもの先生の話を聞けば……まぁ、人のこと言えないんだけどさ

ゆらゆら「ズラ~♪ズラ~♪対戦いいズラ~?」
Null「えっ……?あ、ハイ!少々お待ちを……」

去って行くいつもの先生を見送るNullちゃんに、何だか気の抜ける掛け声を発する少女が近付き、対戦を申し込む
Nullちゃんは即座に立ち上がると、埃を払って身だしなみを整える

Null「お待たせしました!ではではお願いします!」
ゆらゆら「こちらこそズラ~♪」

…少女対戦中

数分後、そこには地に伏せる巫女少女の姿が……ってまたか!?またなのか!?二度あることは三度あるのか!?

ゆらゆら「お疲れズラ~♪またよろしくズラ~♪」
Null「は、はい……お、お疲れ…様でした……」

目を回し、ふらふらになりつつもNullちゃんは去っていくゆらゆらさんを見送る

……それにしても……

にん「あそっびましょー!三時間くらい!」
最高「はっはっはー(キュピーン)対戦お願いできるかなー?(キュピーン)」
イトミ「対戦お願いしまーす!(物凄い爽やかな笑顔で)」
ちーすけ「ヒャア!レイ(ry)」
なべ「であえーであえー」
乳茶「よろしければ対戦お願い致しますわ(とても優雅な笑顔で)」

その後、Nullちゃんは様々な人と対戦した。…のだが、言っちゃ悪いが……弱い。弱すぎる
完膚なきまでに清々しい敗北が続く様は、こっちが目を逸らしたくなるくらいだった
…俺ならあんだけボコボコにされたら自殺するね

Null「う、うぅ……。はぁ……何で勝てないんだろう……」

一通り対戦し終えた彼女が、目に見えて解る程の落ち込みっぷりで呟く
そりゃ落ち込むわな、あんだけ負けが込めば…
どんだけボロカスにやられても平気な顔してられるのは天子ちゃんくらいだ

――あ、あのさ…大丈夫…?

居た堪れなくなって、つい声を掛けてしまった

Null「あ、は…ハイ!対戦ですね!少々お待ちを…」
――い、いや……対戦希望じゃないんだ……
Null「……はい?」
――あーいや……さっきからずーっと見てた…というか……その…なんだ……
Null「うっ……!み、見ていらしたんですか…?あぅあぅ…お、お恥ずかしい限りです…」
――いや、まぁ…バカにしたりする気は無いけどさ……。何でそんなに頑張れるのかなー、って
Null「そんな…頑張るだなんて……まだまだ足りないくらいですよー」

はにかみながら照れくさそうにそう言うNullちゃん
うーん、健気な子だ。イトミちゃんや納豆さんに通じるものがある

Null「ところで、貴方は一体…?」
――俺かい?俺はとしあき。緋学の最弱王とは俺のことさ!
Null「…あぁ、貴方がとしあきさん……お噂はかねがね……」
――噂……ねぇ……

また噂か!一体どんな噂流されてんだよ俺…

Null「あ、えーと……へ、変な噂じゃないですよ?」

…とか何とか言いつつ微妙に視線を逸らすのは何故だ?

Null「そ、そんなことより対戦しませんか?ほ、ホラ!私弱いですから、最弱王の汚名を返上出来るかも、ですよ?」
――む…話題を逸らしおったな…?まぁいいか。けどいいのかい?俺に負けたりしたら、それこそ死にたい気分になるかもだぜ?
Null「…か、覚悟の上です!」
――よく言った!…ならば!緋想天ファイトぉ!!!
Null「れ、レディ……ゴォォ!」

以前ミルクティーちゃんが言ってたな……強い弱いは問題じゃない、全力を出すか出さないかだって……
それなら…俺は今日この日をもって最弱の名を返上しよう!
ぶっちゃけNullちゃん相手なら俺でも勝てそうな気がするから!
…最低な理由だけど、この際四の五の言ってられん!さぁ、お前の負け数を数えろ!!!

…少女対戦中

………で、どうなったって……?それはだな……

Null「やったー!!!勝った!勝てましたー!」

地に伏せる俺と、玩具を買ってもらった子供のように喜ぶNullちゃん
……正にご覧の有様だよ!

Null「あ、あの…ありがとうございました!……ところで、大丈夫ですか……?」

未だ倒れている俺を心配そうに覗き込むNullちゃん。あぁ…その優しさが今は心苦しい……

――うん…大丈夫。慣れてるから……
Null「そ、そうですか……?じゃあ、私はこれで……。ありがとうございました!よければまた対戦、お願いしますね!」

溢れんばかりの喜びを笑顔に変えて、Nullちゃんは元気良く挨拶をして去っていった
……その笑顔、俺には眩しすぎるぜ……。まぁ、あの笑顔を見れただけでもこの敗北に価値はあったかな…?

天子ちゃん「あれーとしあきー?何でそんなところで寝てるんだー?…あー、また負けたのか?負けたんだなー?もーとっしー弱いんだから無理しちゃダメだぞー?」

通りすがりの天子ちゃんがニヤニヤと笑いながらそう言い残して足早に去っていく
……一体何しに来たんだ……?てかお前に言われたくねぇぇぇぇぇ!

……はぁ……いつもの先生、強くなりたいとです……

2.超許す

ふまれ「あ、オレオ。相変わらず冴えない顔してるわね」
オレオ「会って最初に言う台詞がそれかよ!…てか何処に行くんだい?ふまれさん」
ふまれ「あー、うん。運動部のクラブハウスの方に教会あったじゃない?」
オレオ「教会……?あぁ、あの今は使われてないっていう……」
ふまれ「そうそう、それそれ。長らく神父不在で放置状態だったんだけど、最近理事長が新しく管理者を呼んだらしいのよ」
オレオ「へー」
ふまれ「しかもシスターだって」
オレオ「…何故それを先に言わない!行こう、今すぐ行こう。その美人シスターに会いに!」
ふまれ「いや、誰も美人だなんて言ってないし……」
オレオ「何を言う。こういう所のシスターとか巫女さんとかは総じて美人と決まってるんだ。さぁ行こう、すぐ行こう、ほれ行こう!」
ふまれ「……はぁ……。まぁ付いて来るっていうなら勝手にすれば?」

こうして俺はふまれさんと一緒に美人のシスターが待つという教会に向かうことになった

オレオ「で、その美人シスターは一体何者なんだい?」
ふまれ「……だから美人と決まった訳じゃ………まぁいいけど。聞いた話だと、理事長の姪だって」
オレオ「なん…だと…?じゃあ美人度は期待出来そうも無いか……」
ふまれ「シスター=美人なんて、幻想抱きすぎ」
オレオ「うるさいやい!男は夢が無いとやっていけねーんですよーだ!」
ふまれ「はいはいそーですね。……着いたわよ」

ふまれさんと他愛も無い話をしている内に目的地へと無事到着。…しかし凄い寂びれようだなぁ

ふまれ「じゃあ、入りましょう」
オレオ「そうだな。…ところでふまれさん、教会に何の用が…?」
ふまれ「ん?特に無いけど…?」
オレオ「……そーなのかー」

つまりただの野次馬根性で件のシスターに会いに来ただけ、と……
それはさておき…人が居るとはとても思えないが、重々しいドアを開けて中に入る

オレオ「……おぉ……」
ふまれ「うわぁ……すごい綺麗に掃除されてる……」

中に入った俺達を待っていたのは、外の寂れ具合がまるで嘘のような、念入りに清掃された室内だった
正に「塵一つ無い」という表現が良く似合う清掃っぷりだ
更にステンドグラスから漏れる日の光が、教会という空間内の神秘性をより高めている
しかし、辺りを見回してもシスターらしき人は居ない

オレオ「誰も居ないねー」
ふまれ「そうね…。でもすごいわねぇ……。結婚式挙げるなら、やっぱりこういうところがいいなぁ…」
オレオ「何?ふまれさん結婚したいの?」
ふまれ「……そりゃ、私だって結婚願望の一つや二つあるわよ……」
???「挙式希望の方ですか~?」
ふまれ「えっ……?」

自身の結婚願望を暴露するふまれさん。そこに割り込む何やら気の抜けた朗らかな声
声のした方へ顔を向けるといつの間にそこに居たのか、一人のシスターが立っていた
ウェーブのかかった長髪が特徴的な、慈愛に満ちた優しい微笑みを携えた女性。これだよ!視聴者が求めているものは!!!

???「あら?違いました~?」
ふまれ「い、いえ!違います!そもそも私まだ学生だし…相手も居ないし…」
???「学生結婚というのも~いいじゃないですか~。それに~相手ならホラ、そこに~」

そう言って俺を指指すシスター。……え、マジで言ってる!?

ふまれ「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい!ななな何で私がオレオなんかと……」
???「あれ~?違うんですか~?てっきり彼氏さんかと~」
ふまれ「ち・が・い・ま・す!!!」
???「あらあら、そうでしたか~。それは失礼しました~」

と、言っているけど、ニコニコしてる所為かあんまり悪いと思ってなさそうに聞こえる
…てかふまれさん、そんな力いっぱい否定しなくてもいいじゃん……。確かに彼氏じゃないけどさ…

オレオ「あのー、貴方が新しく赴任してきたっていうシスターさんですか?」

このままじゃ埒が明かないので、話を逸らす

???「はい、そうですよ~。申し遅れましたが私、○×と申します~」
オレオ「○×さんですか…。ご丁寧にどうも…」

○×と名乗り、深くお辞儀をするシスター。物腰低めな人だ

○×「折角ですし~予行練習でもしますか~?」
オレオ「へっ?」
ふまれ「は?」

何故そうなる?と言わんばかりに俺とふまれさんの声がシンクロする
何というか…つかみ所の無い人だ…

○×「いえ、ですから~結婚式の予行演習を~」
ふまれ「この流れで何でそうなるのかまるで理解出来ません」
○×「ダメですか~?」
ふまれ「ダメも何も……」
オレオ「いいじゃんふまれさん、やってみようぜ」
ふまれ「オレオ……?何言って……」
オレオ「いやさ、ごっこ遊びみたいなものだよ。別に本当に式挙げる訳じゃないしさ」
ふまれ「それはまぁ……そうだけど……。仕方ないなぁ……」

渋々ながらも承諾するふまれさん。何だかんだでノリのいい貴方が大好きです

○×「それでは~。え~汝、オレオは~このふまれを妻とし~その健やかなるときも~病めるときも~喜びのときも~悲しみのときも~富めるときも~貧しいときも~これを愛し~これを敬い~これを慰め~これを助け~その命ある限り~真心を尽くすことを誓いますか~?」
オレオ「はい…誓います」

随分間の抜けた喋り方ではあるが、一応それっぽい感じだ

○×「では~汝、ふまれは~このオレオを夫とし~その健やかなるときも~病めるときも~喜びのときも~悲しみのときも~富めるときも~貧しいときも~これを愛し~これを敬い~これを慰め~これを助け~その命ある限り~真心を尽くすことを誓いますか~?」
ふまれ「………」
○×「ふまれさん~?」
ふまれ「ち…ち…ちか…ちか…い………」

誓いの言葉を求められたふまれさんが、突如として青ざめた顔で俯く

ふまれ「……ぁ………ぅ………」
○×「……?あ、あの~?」
ふまれ「……うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!い、いくら実際の式じゃないからってんなこと言えるかぁぁぁぁぁぁ!!!」
オレオ「えっ……!?あ、ちょ!ふ、ふまれさーん!」

全ての鬱憤をぶちまけるように叫んで、ふまれさんは一目散に教会を飛び出して行った。…てかそんなに嫌だったのか…

○×「あらあら~若いですね~」

脱兎の如く逃げ出したふまれさんを見て「面白いものが見れた」と言わんばかりに微笑む○×さん
…もしかして、最初からこれが目的だった……?それはともかくとしてだ……

オレオ「す、すいません。俺も行きますんで。ふまれさーん!待ってー!」

微笑む○×さんに会釈して、俺は慌ててふまれさんを追う

…けどまぁ、冗談抜きでふまれさんとなら結婚してもいいなぁ。そのためのハードルはかなり高そうだけど……
いつかきっと……ふまれさんに認められるような……そんな男に……なれるだろうか?俺……
ふまれさんの後を追いながら、俺はぼんやりとそんなことを考えていた

以下、勝手に新キャラ設定

Null ♀

健気 ロリ巨乳 へたれいむ

[所属不明]

実家が神社。なので常に巫女装束を着ている
本当は校則違反なのだが、誰からも咎められたことが無い(教師陣にも)ので、登校する際も巫女姿である
日々強くなろうと努力してはいるが、結果は芳しく無い。現実は非情である
が、ひたむきに強くなろうとする姿勢は皆から認められている。でもたまに愚痴る
普段はサラシを巻いているので分かりにくいが、巨乳勢に引けを取らない程豊かなバストの持ち主